喜劇な日々

名古屋の劇作家、鹿目由紀のほんの少しだけ喜劇的な毎日を、綴ります。

読むアタマ

2008-01-05 03:17:53 | 読んだ本のこと
ようやく読み終えた。松本清張の『時間の習俗』。
『点と線』の鳥飼刑事と三原警部補が事件に挑むのが楽しい。
昨年放送したビートたけし主演のドラマ『点と線』が観たかった。
松本清張は読めば読むほど、感心します。
珍しく読むのに時間がかかったのは、何故だろうか。
松本清張を読むアタマではなかったのかもしれない。
少し前に向田和子の『向田邦子の恋文』を読んだが、これはすんなり入った。
おそらく、これは読むアタマだったのだろう。
向田邦子の手紙と彼女が密かにつき合っていたカメラマンK氏の日記が交互に。
切なくて涙が出そうになった。手紙というものは生々しい。
向田邦子の彼への愛情が、何気ない文章からしみじみと伝わってくる。
その時に欲しいもの、というのがある。
その時に欲しくないもの、というのもある。
その時に欲しいものには、その時に欲しい理由があるのだろう。
欲しいものに誠実に在ろうと思ったりする。

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