喜劇な日々

名古屋の劇作家、鹿目由紀のほんの少しだけ喜劇的な毎日を、綴ります。

『漂流裁判』と向かい合う

2007-08-27 23:39:37 | 芝居のこと
何だかんだで今日からようやく『漂流裁判』の頭になる。
卒業公演のホンは、演出・関戸哲也氏にお願いし九月中旬になんとか…ということに。
関戸さんに感謝です。ありがとうございます。
その他に、頼まれている短編が二本あるが、それもなんとかなりそう。
とりあえず、頭を『漂流裁判』モードにする。
とはいえ、冒険舎をちょこちょこ書き直したり色々。
だけど、面白くするためには労力惜しまず行きたいものです。

『漂流裁判』は、ある特殊な場所が舞台。
『上空劇場~』の特殊さとは、また一味違います。
あおきりみかんの皆は、せっせと基礎稽古してくれているようで。
今日は稽古後、せっせと制作会議してくれているようで。
明日の劇作家協会の集まりには、成田けいが行ってくれることになり。
冒険舎の道具も松井組のもと、あおきりみかんメンバー総出で手伝ってくれているようで。
大屋愉快は少し体調がよろしくないなかで、色々手伝ってくれているようで。
どうやら山中崇敬が基礎稽古に真面目に行っているようで(当たり前だ)。
どうやら山中崇敬が影かと見まごう程に黒くなったようで。
本番までに美白しないとチョコバーの役にしてやる。
色々すまなくもあり、ありがたくもあり。頼もしくもあり。
その期待に応えるためにも『漂流裁判』全開になります。
とりあえず、前に読みかけていた資料を読んでいる。

ここに来て、ようやく体の調子を取り戻してきた。
なんとか八月中にやれることを片付けてしまおう。
そして(色んな意味で)とうとう、九月へと進む。

誰にでも癒されるものはある

2007-08-25 00:34:09 | 日々のこと
真剣に話を聞いて、真剣に痛みを分け合って。
真剣にアドバイスをくれて、真剣に励ましてくれて。
聞いてくれるというだけで、こんなに楽になれるのかと感心した。
あの余白がたまらない。次の言葉を話すのを待ってくれるあの余白。
広い器に、外に零れないよう守られている心持ち。
せめてその器を台無しにしないような、そんな生き方がしたい。

誰にでも癒されるものというのはあり。
大王の道端でぐでっとなっている猫とか。
ちっちゃい体で庭の草と格闘しているおばあちゃんとか。
緑とか良い音楽とか地下鉄で見かけた可愛い水玉の服のお姉さんとか。
仲間と話すこととかじいちゃんの塗ったお椀とか。
声とか手とか、優しい目とか。
だけど『癒され態勢』にならないとそんな癒し軍団をスルーしてしまうのが不思議。

やること沢山でパンク寸前ですが、パンクする前に走破してやろうと思えた今日。
頭の中で井上陽水奥田民生が唄ってます。あの歌を。

ファーストライフ

2007-08-23 23:23:23 | 日々のこと
朝から『マサさんがゆく』の記者会見とロケを覗きに、久々に大王へ。
NHKからロケバスに同行。CPの家喜さんはじめ色んな方とバスに揺られ、片道三時間の旅。
着いてから昼食をとり、記者会見を見る。
山田昌さん、小倉久寛さん、今村恵子さん、石澤アナウンサーが並ぶ。
忙しい合間、小倉さんには挨拶する機会を得る。素敵でした。
それから、懐かしい大王でのロケ風景を見る。
朝は凄い雨だったが、向こうに着いたら晴れていた。
帰りは、なぜか伊勢うどんを食べることになり、道の駅に寄る。
しかし以前食べたことのある人からすると、あれは伊勢うどんではないらしい。
もっと太くてブニュブニュした麺だそうな。

久々の大王は、相変わらずの温もりと潮と干物の香りに満たされていた。
その様子に、多大なる元気を貰ったのだった。

先日、誕生日を祝った人に、逆に元気を貰ったり。
好きな感じの服に町で出会ったり、それを着てみたり。
それじゃないものを着てみたり。
優しい言葉に、自分を取り戻したり。
真っ直ぐな言葉に、襟を正したり。
バス停を降りてすぐの本屋で、安部公房を買ったり。
劇団の仲間は勿論、関わっている人全てに自分が生かされているのを感じたり。
そういう日常の中に表れる一つ一つの波にしぶきを受け、またやろうと思うのである。
そういう日常たる非日常を好ましく思うし、無駄に過ごしたくない。
だから、もう二度と思ってもない言葉をぼそっとでも呟いたりしまい。

ところで『セカンドライフ』をやりたいと無性に思っていたのですが。
その前にまず我が人生をきちんとやりたいので、おあずけにすることにしました。
だけど凄いよなぁ、セカンドライフ。

遠く遠く遠く

2007-08-18 01:31:56 | 芝居のこと
短編4本を繋げての、初めての通し稽古。
うーんとかあーあとかよしよしとかおおっとかむむむとか。
色んな言葉を心の中で叫び、その後ダメ出し。
帰りの集まりが終わると、今日は各チームごとに相手役と『影響』の話をしていた。
確実に面白くなっているので、ギリギリまでもっとあがいて欲しい。
初回はもう、結構予約は埋まっているようで、おすすめは日曜夜の回だそうです。
日曜昼もまだ入れるそうなので、ぜひぜひ。

今日、冒険舎の稽古場に行ったら、吉田泰子さんに面白い心理テストを出された。
これが面白くて、なるほどなぁと自分の心に気づいたり。
稽古は、後半の流れを確認して終了。
劇団の方、大道具の作業、暑い中お疲れ様です。

私はどうやら、病み気味。
心と体を健康に保つことは難しい。
あぁ、どこか遠くに一人旅したいです。

けれど、あぁホン書きが進まない。
『レクイエム~』をパパパッと書き進めてしまいたい。

暑い夏、熱い人、厚い本

2007-08-16 03:15:02 | 日々のこと
ああ、そうか。夏は暑いのである。
当たり前のことほど、実感すると染み渡るものはない。
思えば、8月半ばに公演したことなどなかった。
昨年の少年ライブラリィの8月号が8月あたま。あれも暑かった。
しかし、熱い新人公演にはふさわしい暑さなのかもしれない。
今日の帰りは新人の梶田と一緒だった。
彼女の持っている荷物は、彼女の体の半分くらいあった。
梶田が荷物を持っているんだか、荷物が梶田を持っているんだか。
道々「大丈夫?」と三度くらい聞いてしまった。
その度に彼女は「大丈夫です」と言いながら、持ち方を変える。
背中に背負ってる時は、明らかに働きアリさんであった。
体のでかい私は常に、体の小さい人に憧れている。
小さいと可愛いではないか。たまに大きいのも可愛いと言って貰えるけど。
周りで私を可愛いと言うのは、私が失敗をしでかすと、
「ゆーきー、かーわーいーいー」
という、なめた発言をしてくる山○とと○ィだけである。
最近はここに、調子に乗ると新人の山内が加わる。
そういう時は「背後に気をつけな」と心の中でチェーンを回す(ふる)。
最近気づいたのだが、私は結構、男性が好きな女性芸能人に胸キュンなのである。
長澤まさみとか石原さとみとか上戸彩とか。
観ると男でもないのに「まさみちゃんはほんと可愛いねぇ」と思ってしまう。
あの、男心を掴む術を本能で知っていそうな可愛さがたまらんのである。
いや、むろん天海祐希とか江角マキコとか、凛々しい女性も大好きです。
ハリセンボンのはるかちゃんも可愛いと思います。うん、あの娘は可愛いですよ。
だいぶ話が脱線したが、今日は梶田の働きアリたる様を可愛いと思ったのだった。

というわけで(どういうわけで)、今週末は新人公演。
ラク日が比較的空いているそうです。ご予約はお早めに。
明日は朝から小屋にこもります。

長澤まさみといえば、ちなみに母が我が弟のことを二宮和也くんに似ていると言ってましたが。
これがまんざら、似てなくもないんですよ。我が弟ながら何ですけど。

今日も今日とて、厚い資料を読みつつ書く。
暑かろうが寒かろうが、書くのは一緒である。

モテ期というより

2007-08-15 03:54:44 | 日々のこと
ここ一ヶ月程。プチモテ期だったのだ。
プチというよりむしろ、これが人生最大にして最高のモテ期なのか。
モテ期というのは、人生のうちに大きく二度あるという。
おっとしまった、これで私は打ち止めなのか。
忘れもしない。一度目のモテ期は、高校時代である。
モテモテだったのだ……女子に。
なんせ、女子校で男役で生徒会長でしたから。
そりゃモテないはずもないのである……女子にね。
嗚呼、この夏が人生二度目のモテ期だとしたら、私はこの先どうすれば良いのか。
落ち込むのはさておき、モテ期たる顛末をお話しましょう。
まず一度目は、とある夜。最寄り駅からの帰り道。
ナンパなんて有り得ない普通の道端で。姉さん事件です(古い)。

「あの、今からお暇ですか」

声をかけられた。
普通の同年代の、少しロックな格好の男性。
道を聞いたり勧誘だったりではなく、明らかにナンパである。

「暇じゃありませんから」

笑顔でそう言い放つと、そそくさと早歩きして逃げる。
つーか、なんでこんな所でナンパなのだ。
泣きボクロか、泣きボクロが寂しく見えたのか。確かに泣きボクロだったら丸川珠代に負けないぞ。
それとも良く薄ら半笑いで歩いているのがアダとなったのか。
それともやはり「暇だったら道を教えてくれベイべー!」的ノリだったのか。
意外なこともあるもんだと思っていた数日後の、とある夕方。二度目。
覚王山に行こうと近所の通りからタクシーを拾おうとしていた時だった。

「すみません」

男性がわざわざ近づいてきたので、道を聞かれるのかもしれないと振り返る。
すると彼はこう続けたのだ。

「突然で申し訳ないのですが…お友達からでいいので」

きょとんとする私をものともせず、彼はこう続けた。

「僕は○○病院で医師をやっている○○というものです。ホントお友達からでいいので…お願いします」

新手の『名乗りナンパ』である。
しかも医師ってさ…見た目は三十代半ば過ぎ。医師に見えないことはない。
だけど、こんな色気も素っ気もないような場所で…なぜ、なぜ、なぜの嵐(懐かし)。
向こうの丁重さに面食らった私は、丁重に答えた。

「結構です。今急いでますし」
「それなら、あの…せめて僕の携帯番号を聞いてもらえませんか」
「結構です。急いでますから」
「そんなこと言わずに。お願いします!」

なかなかしつこい医師(なのかホントに)である。
あまりにしつこいので、終いに面倒くさくなり携帯番号だけは貰うことにした。

「非通知でもいいんで、絶対かけてください。お願いします!」
「いや、かけませんよ」
「そんなこと言わないでください」
「いや、本当にかけませんから」

タクシー来い。はーやく来い。
彼はさらに聞いてくる。

「あの、もし良ければ上か下のお名前だけでも教えて貰えませんか」

それは無理ですよ、それはね。
名字なんか教えた日にゃ「かのめ」なんざ、すぐに身元割れますぜ。

「いや、教えませんから」

あまりにしつこいので、きっぱり(けれど一応柔らかく)言うと男はようやく、

「じゃ、ホント電話待ってますから」

と言いながら、何度も振り返り去っていったのだった。
なんじゃこりゃ。なんなんじゃこりゃ。なんじゃこりゃの大嵐。
ていうか、○○病院に○○さんは本当にいるのか。なによりもそこが知りたい。
極めつけの三度目。とあるお昼どき。
栄のバス停でパンを食べながらバスを待っていると、隣りのおじいさんが声をかけてきた。
まだまだ元気で体力のありそうな初老のおじいさんだった。

「おやつの時間?」

いきなり声をかけられて驚いたが、相手がおじいさんなので冷たくするのもなぁ…と。

「いえ、お昼です」
「ダイエットしてるの」
「(笑)いえ、特には」
「あれでしょ。食べてもそう太らん方でしょ」
「いえ、そんなことはないです」
「歳とるとね、上半身はどんどん細くなるんだわ」
「あ、そうなんですか」
「だけど下半身は全然衰えんね」

…まさか。
予感は的中し、そこからおじいさんの話は完全にエロトークに発展していった。
おじいさん、まだまだそっちの方は現役らしく、こないだもホテルでゴニョゴニョ…的な話である。
ここでは書けないような事を沢山ゴニョゴニョ…ゴニョゴニョ…。
ああバスよ、早く来ておくれ。
そんな私にお構いなしでおじいさんのトークエンジンは暖まる一方。

「ワシはメールは好かんね。いやメール使えるよ。使えるけど好かんのだわ。だって遠回しになるでしょー。ワシは誘いたい時は直接声かけるでね」

とにかくおじいさんは、婉曲的に自分をベッドに誘っている(この言い方も古いね)ようだ。
私はだんだん、おじいさんが面白くなってきた。

「男と違って、女は頭のてっぺんから足の先まで性感帯だでね」

と言いながら、人の頭から足までをジロジロ見るおじいさん。非常にわかりやすい。
いやぁ、ある意味こんなおじいさんは幸せですな。ええ幸せでしょう。
やがてバスがやって来た。荷物をまとめ立ち上がると、

「バス待っとったんかね」

そうだと答えて行こうとすると、おじいさんは腰を浮かしてこう言った。

「大丈夫か?ワシ一緒についてったろか?」

なぜっ!なぜついてくる!なにが「大丈夫か」なのか!
こみ上げる笑いを我慢しながら、丁重に「結構です」と断りバスに乗り込んだ。

そんなモテ期でした。
というか『珍体験期』と言った方が合っているでしょうね。
この夏は、この思い出だけでお腹いっぱいであります。
むしろ確実に、食傷気味であります。

お盆には帰らず

2007-08-14 02:06:15 | 日々のこと
稽古、稽古、稽古、ホン書きの日々。
お盆休みらしさと言えば、行きつけの喫茶店の客が少ないなぁと思った程度のこと。
今日はホットコーヒーの他に、氷のイチゴを頼んだ。
夏らしいことをした高揚感があった。
けれど寒い。寒いぜかき氷。食べてから慌ててホットコーヒーで体を温める。

冒険舎『ねがいごとパズル』の稽古。
先週は、色々な人が稽古場に来た。
うちの大屋愉快と近藤絵理も顔を出してくれました。
二人にはあることをお願いしているのです。感謝感謝。
舞台美術さん、照明さんや衣装さんとも話して元気を貰う。
役者の皆さんは、あれこれ試行錯誤してやってくれてます。
これから約一ヶ月が勝負。やるしかない。
予定表を見せて頂いたら、たっぷりと学校公演予定が入っておりました。
これは…緊張しますね。

新人稽古。大詰め。
バシバシ演出をつけていく。良くなって参りました。
おまけにあおきりみかんでお馴染みのスタッフの皆様の、優しいことありがたいこと。
スタッフワークも新人中心で回しているので、色んな方が心配してアドバイスに来てくれた。
足を向けて寝られないです、ホント。
今週末はいよいよ本番。まだまだお席に余裕ございます。
ぜひともいらしてくださいませ。

谷崎潤一郎『痴人の愛』を読む。
究極のマゾヒズムを感じる小説。
なんていうか、呆れを通り越して清々しいほど女に溺れている主人公。
なんていうか、気持ちいいほどに魔性の女であるナオミ。
これが大正時代に書かれたのだと思うと、驚き。
谷崎の美というかエロというかフェチの追求に、脱帽。

それから『グエムルー漢江の怪物ー』を観る。
面白かった。センスが笑える。
韓国映画もまた、何本か観てみよう。
お父さん役の俳優さんが、可笑しい。

ところで。
ヒューマンアカデミーの卒業公演のタイトルを決めました。

『レクイエムは今宵もまことしやかに鳴り響く』

来年の1月末上演予定です。お楽しみに。
それから『マサさんがゆく』の詳細です。

NHK金とくドラマ
『マサさんがゆく~三重・志摩編』(NHK総合・中部7県のみ放送)
9月21日(金)夜20:00~20:45
9月22日(土)朝10:05~10:50(再放送)
出演 山田昌 小倉久寛 今村恵子 渡辺哲 かとうかず子 ほか

こちらも、ぜひとも観てくださいね。

貰う元気と与える元気

2007-08-09 02:39:55 | 日々のこと
教えている学校の卒業公演のホンに取りかかる。
その為のホンを読む。
最近の私にとっては、身近な題材。

冒険舎の稽古と新人公演の稽古が続く日々。
『ねがいごとパズル』は、とにかく盛り沢山の作品。
ひとつひとつ進んで行こう。あせらずに。
色々なことを、色々な分野の方に頼んだり。
自分も新たなことをやってみたり。

『女の中にいる他人』を観終わる。
タイトルはこういうことだったのか、という結末。
女は強い。強くて純粋でずる賢い。
成瀬巳喜男監督の『放浪記』を観る。高峰秀子主演。
美しい高峰秀子だが、この作品ではガラッとイメージが違う。女優だ。
森光子の、あの有名な舞台は観たことがなかった。
観終わってすぐ、林芙美子の作品が読んでみたくなった。
最近観た『めし』も『浮雲』も林芙美子原作。成瀬作品とは切っても切れない。
『放浪記』から貰ったのは、元気。力強い元気。やる気。
映画から貰う元気は、気持ちいいなぁと思う。
それから岡本喜八監督『血と砂』。面白い。
仲代達矢が格好良かった。変わらない表情の中にある、浮き沈み。
『殺人狂時代』でも思ったが、この監督のはシニカルで洒落ている。
話だけ考えたら悲惨なのだが、何でも特有のコメディセンスを忘れない。
そのうえ問いかけも忘れない。『独立愚連隊』も観てみよう。
そろそろ溝口作品も借りてこようかなぁ。

最近、貰う元気のことばかり考えていた。
そろそろ与える元気のことを、沢山考えよう。
そう思えたのは、貰う元気を貰ったからなのである。
あの人も与えている。知らず知らずに与えている。
私も与えたい。与える元気を与えたことで、貰う元気を貰いたい。

ところで。
あおきりみかんの公演タイトルを先駆けて発表しちゃいます。

劇団あおきりみかん其の拾七
『漂流裁判』
作・演出 鹿目由紀

お楽しみに。

頭と体

2007-08-06 15:40:35 | 日々のこと
しばらく滞っておりました。
頭と体が一体化してなくて、とても困っている。
頭と体には、少しでいいから一緒に動いて欲しいのだ。
などと書いていると、『ワーキングガール』の台詞をぽっと思い出す。
「頭はビジネスに強く、体は奔放なの」
ドキッとしますよ、こんなこと言われた日にゃ。

この数日間は、あっという間に流れていったのだ。
冒険舎の稽古と新人公演の稽古に、交互に行く毎日。
それから、ヒューマンアカデミーの振替授業が木金とあった。
1年生は配ったテキストの稽古と発表。
2年生に久々に会う。卒業公演のホンを進めなければ。
土日はどっぷり新人たちを見る。
演出の意図を、立ち位置や距離や動作を整理することで汲んで貰う。
やはり指示した事がすぐには出来ない。
何度か繰り返し、ようやくモノになる。
意図は汲んでくれていても、体が思うように動かないようだ。
やはりこれも頭と体。体が覚えるしかない。
地道に整理していくと、予想を越えた面白さが出る時あり。
今回の舞台や演出における自分の役割(位置)を汲んでくれるのは大切だと感じる。

とうとう観る。『復讐するは我にあり』。
面白かった。凄かった。今村昌平の追求力の強いこと。
それでもってエロい。色んな意味でエロい。
小川真由美と緒形拳の濡れ場(というのか)がねちっこい。
成瀬巳喜男『女の中にいる他人』を途中まで。
よほど疲れていたのか、気づいたら眠っていた。
小林桂樹って、昔から変わらないんだなぁ。

週末、眼鏡倶楽部の『カラカラ天気と五人の紳士』を観る。
別役実さんは天才です…。台詞が美しいです。在り方も流れも。
役者さんは皆、真摯に演じられていたのですが。
うちの伊藤利佳も、久々に頑張っていたのだが(この娘には頑張り過ぎないで欲しいのですが)。
どうしても一昨年のB級さんの『ピンクの象と五人の紳士』と比較してしまう。
役者がぐにゃぐにゃになって、初めて『言葉』になる別役さんの台詞なのだなぁ。
といったことを、感じたりした。

今日は朝から常滑。簡単なワークショップのようなもの。
県の仕事で作る劇の出演者である、小学生たちと。
男の子は「やってやろう」。女の子は「やれるかしら」。
けれど回を重ねれば、この立場は逆転する可能性あり。

帰還する

2007-08-01 15:43:43 | 日々のこと
昨日は名古屋に帰ってきて、そのまま冒険舎の稽古へ。
稽古というか、昨日は段取りの事。
場面が変わり人も変わり、物の出し入れも多いので整理しないと大変。
早めに決めていかなければ。

実家に帰省中、原稿の直しをやり取りし『マサさんがゆく』脱稿。
早速今日、台本が家に届いた。早いなぁ。
8月下旬にロケだそうで、大王は暑いだろうなぁ。

実家で、ヒューマンアカデミー卒業公演のホンを考えていた。
「これだ」と閃いた。じいちゃんありがとう。
これは良い。これは面白くなりそう。

同時にあおきりみかんの秋公演のホンの概要もまとまってきた。
これもまた突き抜けてます。調べ物が多いです。
前回『上空劇場、さようなら』とはまた全く違った感じになりそうです。
言ってみれば、今、私が最も関心があること。

新人公演の稽古に顔を出せていないが、他の劇団員が観に行ってくれた。
土曜日に稽古を見に行くのが楽しみです。

一生胸に刻んで生きていけることがあった。
一生胸に刻める。ありがとう。