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今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

ユリシーズの日、ブルームズ・デー

2006-06-16 | 記念日
今日(6月16日)は、「ユリシーズの日、ブルームズ・デー」
アイルランド出身の小説家ジェームズ・ジョイス(James Joyce 、1882年2月2日 - 1941年1月13日)の名作『ユリシーズ』(Ulysses)では、1904年6月16日の朝8時から翌日午前2時すぎまでの約18時間に18の挿話が展開することから、世界中のファンから記念日の扱いをされており、また、主人公の名前レオポルド・ブルームから「ブルームズ・デー」とも呼ばれるそうだ。
『ユリシーズ』の本は読んでいないが、本の評論などでは、ジョイスは『ユリシーズ』という題名のもと、ダブリンの街を舞台に、非英雄的なレオポルド・ブルームという1人のハンガリー系ユダヤ人がダブリン市で過ごした一日を、「意識の流れ」という技法を用いながら綿密に描いた長編で、新しい文体を創始し、表現の可能性の極限に迫った傑作だといわれているそうだ。
『ユリシーズ』とは伝説的な詩人ホメイロス(BC800年頃)の書いた叙事詩「オディッセイア」に登場する主人公でもある古代ギリシア世界の英雄オディッセウス(Odysseus。ギリシア語)の英語読みである。また、この『「オディッセイア」』は、同じくホメロスの作とされる叙事詩『イーリアス』の後編にあたるものと言われている。
『イーリアス』とは、「イーリオスの歌」の意味。イーリオス(後世ではイーリオンの表記が一般的)とはトロイアの都の名前。いわゆる「英雄時代」の最後を飾る大戦、トロイア戦争を描いている。およそ3000年の昔、ギリシア軍とトロイア軍の激烈な戦闘のなかに織りこまれた、愛と誇りと復讐の物語である。『イーリアス』で名高いトロイ戦争に題材をとったスペクタクル史劇は1955年、「トロイのヘレン(米国)」の題名で映画された。兎に角、トロイ戦争の原因となった美女ヘレン役のロッサナ・ポデスタが、ものすごくきれいだったのを今でもよく覚えている。この映画では、ユリシーズは巨大な木馬の考案者として登場し、城内に運び込んだ木馬の腹から忍び出たギリシャ兵たちが城門を開いて本隊を入れ、不意を衝かれたトロイが陥落している。このトロイ戦争を 2004年にブラッド・ピット主演で映画化した「トロイ」がある。物語は、トロイの王子パリスがスパルタのヘレンを誘拐するところから始まるが、主役ブラッド・ピットが演じるのは、ギリシャ最大の英雄アキレウスである。
『「オディッセイア』は、トロイア戦争の後、イタカ島の王である英雄オデュッセウスが各地を放浪して行った貴種流離譚の冒険、および、オデュッセウスの息子テレマコスが父を探す探索の旅を歌う。トロイア戦争ではパラメーデースの頓智でアカイア勢に加勢させられ、アキレウスの死後、その武具を大アイアスと争って勝った。またトロイの木馬の姦計を考えアカイア勢を勝利に導いた。しかしこのためアプロディテらイリオス勢に加担する一部の女神や海神ポセイドンの恨みを買い、故郷イタカに容易に帰してもらえず、地中海のあちこちを、魔女キルケの島や一つ目巨人キュクロプスの島などさまよい続けることとなり、艱難辛苦の挙句、何年もかかってようやく故郷に辿りつく・・・。といった物語であるが、この『「オディッセイア』も、1954年に『ユリシーズ』( イタリア)の名前で映画化されている。主演の木馬を発明してトロイを陥落させたイタカ国の主ユリシーズは、私の大好きな俳優であったカーク・ダグラスが演じている。当時、新進女優であったロッサナ・ポデスタは、このとき、ユリシーズが海神の怒りにふれて暴風雨に会い、船を失って見知らぬ国に漂着した島、王・アルチノオの姫ナウシカアとして、登場し、海岸で失神したユリシーズを発見、ユリシーズはすべての記憶を喪失していたがナウシカアは彼に思いを寄せ、二人は結婚することに決った。式当日ユリシーズは漂着した海岸に行き記憶をとり戻した。そして、王宮で王とナウシカア姫に凱旋途上経験した冒険を語った・・・・トロイを出帆してからの色々な冒険を・・・。映画の内容は何となくB級といえるかもしれないが、俳優陣はA級。昔のSF系映画と言った感じで、非常に面白かった。
近代になると、研究者達は『イリアス』と『オデュッセイア』がそれぞれ別の人物によって作られたのではないかと主張し始めたという。仮にホメロスが『イリアス』を作ったのなら、『オデュッセイア』は他の作者が存在したのだろうというのである。しかし、今日では、両方ともホメイロスによって作られ、多くの伝承を含んだものとして見做されているそうだ。
ホメイロスの『オデュッセイアー』はオデュッセウスの10年に及んだ帰還を40日ほどに濃縮編集したものだった。しかし、ジョイスの『ユリシーズ』では、それがまた1日18時間に転移濃縮されたものになっている。そこではオデュッセウスは二人の人物、22歳のスティーブン・ディーダラスと38歳のユダヤ人のレオポルド・ブルームに複相しているのだとか。
先にも述べたように私は、ジョイスの『ユリシーズ』のことは知らない。以下参考の「松岡正剛の千夜千冊『オデュッセイアー』(上下)ホメーロス」では、ホメイロスの、『オデュッセイア』と対比させながらジョイスの『ユリシーズ』にも触れていて、わかりやすい。興味のある方は一読すると良い。私も、読んでみて、ジョイスの『ユリシーズ』は構成はホメイロスの『オデュッセイア』のパロディになっているので、やはり、ホメイロスの『オデュッセイア』の予備知識がないと、よく理解できないのではないかと思われる。
余談であるが、コンピュータのセキュリティ上の脅威となるソフトウェアの一つに「トロイの木馬 」がある。このソフトは、コンピュータウイルスやワームと違い、積極的な感染活動は行わず、自らを偽り、如何にも有用なソフトウェアであるかのように見せ掛け、 コンピュータの利用者を欺くことで容易にコンピュータ内部へ侵入しようとするもので、こうしたふるまいがギリシア神話に登場する「トロイの木馬」に似ることから、この名で呼ばれている。十分注意しようね・・・・。
(画像は、「オデュッセウスとナウシカア」フリー百科事典Wikipediaより)
参考:
映画 「 ユリシーズ 」JAMES JOYCE'S ULYSSES (1967)
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=24131
ユリシーズ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA
映画ユリシーズ(1954)
http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/ULYSSES.htm
ユリシーズ(1954) - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD13560/?flash=1
松岡正剛の千夜千冊『オデュッセイアー』(上下)ホメーロス
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0999.html
映画:トロイのヘレン(1955・米)
http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/helen.htm
トロイのヘレン - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD6420/?flash=1
トロイ-goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD4738/?flash=1
トロイア物語:都市の略奪者ユリシーズ
http://page.freett.com/rionag/lang/troy.html
オデュッセウスとユリシーズ(ギリシャ語のはなし ことばにまつわるあれこれ)
http://toxa.cocolog-nifty.com/phonetika/2005/07/post_9ab9.html
古典ギリシャ語事始
http://home.highway.ne.jp/skondoh/index.html#contents
忙しい人の為の『イーリアス』:
  http://home.highway.ne.jp/skondoh/il_story.html
忙しい人の為の『オデュッセイア』:
  http://home.highway.ne.jp/skondoh/od_story.html
イーリアス
http://www.aurora.dti.ne.jp/~eggs/iliad.htm
ギリシャ神話展示室
http://red.sakura.ne.jp/~co-wards/explain/caution.html
オデュッセイ
http://red.sakura.ne.jp/~co-wards/explain/term/odyssey1.html
映画「トロイ」(DVD 映画「トロイ」ブラッド・ピットがアキレウスに扮したトロイ戦争映画)
http://www.kodai-iseki.com/troy/