今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

初恋の日

2005-10-30 | 記念日
今日は(10月30日)は「初恋の日」。
島崎藤村ゆかりの宿である長野県小諸市の中棚荘が制定。
1896(明治29)年、島崎藤村が『文学界』46号に『こひぐさ』の一編として初恋の詩を発表した。毎年、初恋をテーマとした「初恋はがき大賞」等のイベントを行っている。
記念日を作った中棚荘のHPを見ると、中棚荘は、文豪 島崎藤村 の名作「千曲川旅情の詩」の一節にある、"千曲川いざよう波の岸近き宿にのぼりて濁り酒濁れる飲みて…"の岸近き宿として詠われた100年余の歴史のある宿らしい。
記念日の「初恋の日」は、1999(平成11)年には日本記念日協会から、「日本記念日大賞」を受賞したそうで、毎年、全国一般から「初恋はがき」を懸賞募集する記念行事をしており、初恋をテーマにした絵手紙、俳句、短歌、川柳、エッセイなど何でも応募できるらしい。中棚荘入口にある丸ポストも、日本丸型ポスト協会から「初恋ポスト」として認定されているとか。一度、応募してみては・・・。後援スポンサーも多く、懸賞品の中には“初恋の味”として有名になった水玉模様の『カルピス』もあったそうだ。1919(大正8)年に誕生した『カルピス』は、3年後に“初恋の味”というキャッチフレーズとともに初めて新聞広告に登場し、瞬く間に全国に浸透していった。こんな記念日にはぴったりの景品だね~。
1896(明治29)年島崎藤村が『文学界』に発表した「初恋」というタイトルの詩。この詩を収めた処女詩集『若菜集』は翌明治30年8月に刊行されている。藤村の「初恋」は日本の近代詩を代表する傑作と言われており、多くの人が一度は、中学か高校生の頃に読んでいるのではないだろうか。
この『若菜集』に収められた「初恋」は、藤村の詩に、若松 甲が作曲し 、歌手・舟木一夫により歌われている同名の歌「初恋」があり、NHK紅白歌合戦(1969=昭和44年第20回)でも歌われていたよね。「初恋」は七五調のリズムで書かれていて日本人には馴染みやすい。
「初恋」の詩
まだあげ初めし 前髪の 林檎のもとに 見えしとき
前にさしたる 花櫛の 花ある君と 思いけり

やさしく白き 手をのべて 林檎をわれに あたへしは
薄紅の 秋の実に 人こひ初めし はじめなり

わがこころなき ためいきの その髪の毛に かゝるとき
たのしき恋の 盃を 君が情に 酌みしかな

〈4番は歌われていない〉
林檎畑の 樹の下に おのづからなる 細道は
誰がふみそめし かたみぞと 問いたまふこそ こひしけれ

この藤村の「初恋」の主人公は、1906(明治29)年、藤村が7年の歳月をかけて完成させた最初の長編小説「破戒」の主人公、生まれ素性を隠して生きてきた小学校教師瀬川丑松ではないかと推測されている。小説内で、「初恋」らしき場面が追憶として登場するが、林檎畠一つ隔てた隣家の幼馴染、お妻という女の子である。
藤村がキリスト教徒であることから、この詩の背後には旧約聖書のアダムとイヴの物語がある、という人達がいる。「まだあげ初めし・・・」というのだから、まだ初々しくあどけない少女なのであろう。当時の日本では、若い男女が恋に陥ることはまだタブー視されていた。そういう時代、恋は人目を忍ぶ、秘密めかした行為であった。、「やさしく白き手をのべて 林檎をわれにあたへ・・」るという行為。りんごは聖書の中でアダムとイブが神様との約束を破って食べてしまった「禁断の果実」でもあるところから、この初恋は「禁断の恋」と読むことが出来るという・・・。
初恋か・・・!私の場合は・・・・?。よく覚えている・・・初恋の相手は、小学校4年生の同級生だったから11歳か!。学芸会のとき「かえるになった王子様」を演じた。私がかえるになった王子様、その女の子はお姫様だった。実に綺麗だった。ただあこがれるだけで、学校も卒業し、いつしか忘れていたが、成人して、30歳代後半に偶然家の近くの駅で出会った。といっても、直接顔をあわせたわけではなく改札を通っているのを見かけただけである。がっかりした。顔の感じは変わっていなかったが、元々ぽっちゃりはしてたが、凄く立派な体型になっていた。出会わなければ良かった。2回目の初恋・・・?こんなのあるかどうかは知らないが、本当の意味での恋心を抱いたのは、高校生の時だった。しかし、・・・その子には、恋心を打ち明けることもなく、林檎はもらえないまま卒業、以来、会うことはなかった・・。(ーー;)。すぐにりんごをあげちゃう今の若い人からすると、 まどろっこしい ・・・と思うかもしれないが、昔は、「初恋」なんて、プラトニックなもので、それが普通だったんだよ・・・。
舟木一夫・初恋のMIDIを聞いてみたい方は、ここでどうぞ。
※カルピスの包装紙には黒人のキャラクターが、使用されていたが、平成元年より、黒人のキャラクターは、人種差別の問題があるということから、「黒人のマーク使用禁止」となり、長年愛されたカルピスのこのマークも同年より使用されなくなった。
(画像はコレクションの「カルピスの包装紙」)
参考:
中棚荘
http://www.komoro.co.jp/
青空文庫/作家別作品リスト:島崎 藤村
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person158.html