今日(10月16日)は「世界食糧デー(World Food Day)」
国連食糧農業機関(FAO)が1981(昭和56)年に制定した国際デーの一つ。1945(昭和20)年、FAOを設立。
世界食糧サミットでは、「すべての人が、安全で栄養的な食糧を入手する権利を持つ」と宣言(1996年のローマ宣言)して世界の食糧安全保障の達成と、飢餓をなくすために2015年までに8億人の栄養不足人口を半減させるという目標を定め、FAOは、毎年10月16日を「世界食糧デー」とし、開発途上国等での栄養失調や飢餓からの解放を唱え、その実現をめざした。しかし、2002年度でも栄養不足の飢餓人口は8億人を超え、この5年間に毎年600万人の割合でしか減少しておらず、この速度では2015年になっても6億人の飢餓人口が残されると言う。しかも、貿易自由化と多国籍企業の活動で各国の農業が脅かされていることや戦争・紛争による荒廃などに加え、主な工業国が集まるOECD(経済協力開発機構)諸国の農業援助が"90年代に大幅に低下している問題も指摘されているという。
現在の地球の人口は約60億人、しかもまだどんどん増え続けている。問題は、こうした人口を、この有限な地球が養っていけるかであるが、21世紀の食糧問題について、第1四半期(2010~20年代)に何らかの形で食糧供給に支障を来たすのではないかと想定されていると聞く。
この食糧不足の要因には、人口の増加の他、食生活の高度化、農業生産性の低下、そして、異常気象などの現象があげられている。昨年は台風の影響で国内で生産される農産品が品不足から高騰していたのに見られるように、農産物の生産はちょっとした天候に大きく左右される。しかも、どこの国も国内供給を第一にするため貿易に回す割合が小さくなり、国際相場が乱高下を繰り返しているそうである。
このような環境の中で、日本の最大の問題は、国民の生存に欠かせない食料の多くを海外からの輸入に頼り、食糧自給率がきわめて低いと言うことだろう。鶏肉や乳製品の自給率が高いといっても、その鶏や牛の飼料の大部分は輸入に頼っているのである。先進国は今まで、それなりに食糧自給率を高める努力をしてきたようであるが、日本は外国からお金を出して買えるうちは買った方が効率が良いといった効率至上主義から、積極的に自給率を上げる政策をとってきていないのではないか?。輸入により、農産物の価格が安いことは消費者にとっても良いことではあるが、外国での生産品がいつまでも安価で安定して輸入出来る保障があるわけではない。自給率の低さは、先進諸国の中でも際だっており、こんな国は世界に例がないことを念頭に、これからの日本の食糧問題を考えてみたいものだ。
※先進主要国の穀物自給率(FAO1992年-1994年)を見ると、オーストラリア307%を筆頭に、アメリカ242%、フランス209%、カナダ182%、イギリス114%、ドイツ113%、インド99%、中国99%となっているが、日本の穀物自給率は30%(平成12年28%)を割っている。下、農林水産省HP(日本の食料自給率の推移)を参照。
(写真:稲の穂。お友達MAKIKOさんより頂き物の写真)
参考:
食糧問題
活動ガイドブック-の中のページ。 食糧問題から地球環境問題を考える HP 。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/EV_SM.html
FAO 社団法人 国際食糧農業協会/世界の食料・農林水産業事情
http://www.fao-kyokai.or.jp/world/
「世界がかかえる食糧問題、日本がかかえる食糧問題」
http://www.ecology.or.jp/crisis/9911/happyou1.html
国連の場における演説
世界食糧サミットにおける藤本孝雄日本代表演説【1996年11月14日於:ローマ(イタリア)】
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/08/un_1114.html
農林水産省HP(日本の食料自給率統計)
http://www.maff.go.jp/syokuryo_jikyu_hyo/xls/4-2.xls
国連食糧農業機関(FAO)が1981(昭和56)年に制定した国際デーの一つ。1945(昭和20)年、FAOを設立。
世界食糧サミットでは、「すべての人が、安全で栄養的な食糧を入手する権利を持つ」と宣言(1996年のローマ宣言)して世界の食糧安全保障の達成と、飢餓をなくすために2015年までに8億人の栄養不足人口を半減させるという目標を定め、FAOは、毎年10月16日を「世界食糧デー」とし、開発途上国等での栄養失調や飢餓からの解放を唱え、その実現をめざした。しかし、2002年度でも栄養不足の飢餓人口は8億人を超え、この5年間に毎年600万人の割合でしか減少しておらず、この速度では2015年になっても6億人の飢餓人口が残されると言う。しかも、貿易自由化と多国籍企業の活動で各国の農業が脅かされていることや戦争・紛争による荒廃などに加え、主な工業国が集まるOECD(経済協力開発機構)諸国の農業援助が"90年代に大幅に低下している問題も指摘されているという。
現在の地球の人口は約60億人、しかもまだどんどん増え続けている。問題は、こうした人口を、この有限な地球が養っていけるかであるが、21世紀の食糧問題について、第1四半期(2010~20年代)に何らかの形で食糧供給に支障を来たすのではないかと想定されていると聞く。
この食糧不足の要因には、人口の増加の他、食生活の高度化、農業生産性の低下、そして、異常気象などの現象があげられている。昨年は台風の影響で国内で生産される農産品が品不足から高騰していたのに見られるように、農産物の生産はちょっとした天候に大きく左右される。しかも、どこの国も国内供給を第一にするため貿易に回す割合が小さくなり、国際相場が乱高下を繰り返しているそうである。
このような環境の中で、日本の最大の問題は、国民の生存に欠かせない食料の多くを海外からの輸入に頼り、食糧自給率がきわめて低いと言うことだろう。鶏肉や乳製品の自給率が高いといっても、その鶏や牛の飼料の大部分は輸入に頼っているのである。先進国は今まで、それなりに食糧自給率を高める努力をしてきたようであるが、日本は外国からお金を出して買えるうちは買った方が効率が良いといった効率至上主義から、積極的に自給率を上げる政策をとってきていないのではないか?。輸入により、農産物の価格が安いことは消費者にとっても良いことではあるが、外国での生産品がいつまでも安価で安定して輸入出来る保障があるわけではない。自給率の低さは、先進諸国の中でも際だっており、こんな国は世界に例がないことを念頭に、これからの日本の食糧問題を考えてみたいものだ。
※先進主要国の穀物自給率(FAO1992年-1994年)を見ると、オーストラリア307%を筆頭に、アメリカ242%、フランス209%、カナダ182%、イギリス114%、ドイツ113%、インド99%、中国99%となっているが、日本の穀物自給率は30%(平成12年28%)を割っている。下、農林水産省HP(日本の食料自給率の推移)を参照。
(写真:稲の穂。お友達MAKIKOさんより頂き物の写真)
参考:
食糧問題
活動ガイドブック-の中のページ。 食糧問題から地球環境問題を考える HP 。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/EV_SM.html
FAO 社団法人 国際食糧農業協会/世界の食料・農林水産業事情
http://www.fao-kyokai.or.jp/world/
「世界がかかえる食糧問題、日本がかかえる食糧問題」
http://www.ecology.or.jp/crisis/9911/happyou1.html
国連の場における演説
世界食糧サミットにおける藤本孝雄日本代表演説【1996年11月14日於:ローマ(イタリア)】
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/08/un_1114.html
農林水産省HP(日本の食料自給率統計)
http://www.maff.go.jp/syokuryo_jikyu_hyo/xls/4-2.xls