今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

民間航空記念日

2005-10-25 | 記念日
今日10月25日は「民間航空記念日」
1951(昭和26)年、戦後最初の国内民間航空会社として設立された日本航空が、一番機の「もく星号」で東京~大阪~福岡間の運航を開始した。
戦後日本は、軍事技術の一切の開発保有を禁止され、航空技術に関しても軍事技術の一部ということで、民間の飛行機の保有・飛行も全て禁止されていた。そのような中で、戦後の民間航空再開のさきがけとして、日本航空の待望の一番機「もく星号」は、10月25日から東京ー大阪間1日2往復、東京ー大阪ー福岡間、東京ー大坂ー札幌間各1往復の運行を行い、6年ぶりに「日の丸」の翼が日本の空を飛んだ。日航が設立されたのは7月31日。資本金1億円。飛行機借り入れでノースウエスト航空と提携、使用機は3機、スチュワーデスは1300人の応募者の中から15人が採用された。
しかし日本人は飛行機に関われないことから、機体もパイロットもノースウェストからの借り物で、管制システムも全てアメリカが管理していた。
翌1952(昭和27)年4月9日、日本航空の東京発大坂経由福岡行きマーチン202型「もく星号」は、午前8時頃、豪雨の羽田空港から大坂へ向かったが、伊豆大島の三原山に激突し、乗員乗客37名が全員死亡した。事故当日、情報が錯綜し、一時海上への不時着水や全員救出が報じられるなどしたが、遺体と機体の残骸は翌10日朝になって発見された。
この事件は、当時日本の航空交通管制を担当していた米空軍が、調査の鍵となる事故機と管制官の交信記録テープなど事故に関する資料の一切の提示を拒否したため事故の解明がされないままとなった。その為米軍の演習に参加していた米軍機との空中衝突他さまざまな憶測が流れ社会の関心を集め、後、松本清張氏によって小説化もされた。この事件に関して、米軍がかたくなに証拠のテープの提出を拒否したことについて、裏に何か重大な問題が隠されているのではないかと言う疑惑を今に残している。運輸省の事故調査会はパイロットミスを濃厚に漂わせる報告書を残し、公式の事故調査を終えている。事故の証拠品提出拒否などと言うことは、今では考えられないことであるが、占領下にあった当時では、日本側になんら抵抗するすべがなかったのであろう。
その後、日本経済の成長と共に、時間と言うものが重要視されるようになり、他の交通機関よりもスピードに勝る飛行機はビジネスに、旅行にと大いに利用されるようになり、民間航空会社は急成長を遂げた。
だが、日本航空と言えば、今から丁度20年前の1985(昭和60)年8月12日の、「日本航空123便墜落事故」が思い起こされる。日航のジャンボ機が群馬県多野郡上野村の高天原山に墜落し、乗員全15名、乗客509名中505名の計520名が死亡するという大惨事を起こした。その中にはあの有名な歌手・坂本九などもいた。
この日航機が墜落した日、私が現役の頃勤めていた会社の東京本社では、重要な会議があり、役員をはじめ、重要なポストの部長クラス以上が全て参加していた。会社は、もともと、大阪が本社であり、東京へ本社を移して間もない頃であったため、出席者の多くは大阪方面から出席していた。そして、その人達の殆どは、なんと、墜落した日航機の同じ便に乗って帰ってくる予定であったのだ。しかし、幸いなことに当日の会議が長引いたため、全員が、予定の便をキャンセルし、その後の便に変更をしていたのである。もし、予定通りの便に乗っていたなら、会社の重要な幹部が半数以上も亡くなっていたことにもなり、会社の存続が危ぶまれたであろう。それ以降、会社では、部長職以上の幹部は、会議等で出かける際、同じ便には乗らず、必ず、違う便に分乗するようマニュアル化がなされた。
この事故から20年、たった今も、益々、飛行機は大勢の人たちに利用されるようになったが、同時に、日本経済のバブルもはじけ、景気の低迷する中、近年は外国の航空会社をも含めて、熾烈な乗客の獲得競争を展開するようになってきている。そして、そのようなコスト面での競争も影響してのことであろう、民間航空機の事故も相次いでいる。
今年は、JR西日本のスピードの出しすぎなどによる、列車転覆事故も発生しているが、空を飛ぶ航空機の墜落事故などは、列車以上の大惨事となる。十分に、配慮して欲しいものである。
飛行機に関するものでは、私のこのブログで、5月21日「リンドバーグ翼の日」9月20日「空の日』も採りあげた。興味のある人は見てください。
(画像は初フライト・日本航空のもく星号。写真は朝日クロニクルより)
参考:
「もく星号」事件の考察
http://www.kk.iij4u.or.jp/~isao9pw/moku.htm
日本の航空事故総覧
http://www004.upp.so-net.ne.jp/civil_aviation/cadb/disaster/disaster.htm