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ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

路地のサクランボ

2025年05月06日 | 日記


 先だって公園近くの路地を歩いていたら、植え込みにサクランボが実をつけているのを見つけた。
 手入れらしいことはされていないから、誰かが特に植えたものではないらしい。標識も立っていない。おそらく種類の違った桜を見るために植えたのであろう。ソメイヨシノではなく、山桜でもなく、明らかにサクランボの木である。
 まばらに実がついていて、赤く色づいていたので、3粒ほど失敬し、食べてみた。確かにサクランボの味がするが、酸味が強く美味しいとは言えない。まだ完熟していないせいかなあ、などと思う。
 路傍に足を踏み入り、写真を撮ったり、首を突っ込んだりして、興味深くこの木を眺めていても、通りすがりの誰もよってこない。声がけもしない。全く関心がないようだ。
 4、5日経って、同じ歩道を歩き、あのサクランボはどうなったかな、目を凝らしていると、以前と全く同じ状態。実がだいぶ赤らんで熟したようだ。同じように2粒ほど失敬していただいた。甘くなっている。熟したのである。
 手入れをしていないから、粒は小さいが、味に遜色はない。でもこのサクランボをなぜか歩行者は目もくれないのである。子供の頃、田舎に育って、実の成るものに目を凝らしていたことを思うと、なんとも言いようもない気持ちが残る。
 道ゆく人たちは、路地の植生には関心がないのである。だから草花の名前も知らない。
 それで木を大切にしよう、自然保護などと宣っていることの気がしれない。【彬】
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昭和の企業戦士

2025年05月03日 | 日記


 先日、僕の勤めていた会社の事業所のOB会が行われた。
 事業所のあった場所は、東京は日本橋のたもと、元東海銀行ビルの4フロアーを借りていた。そして、OB会の会場はすぐ近くの、レストラン東洋。現役当時もみなよく利用していた店。
参加したOBは、昭和の時代に活躍した、いわば「昭和の企業戦士」たち、65~85歳の35名ほど。外見は変わろうとも、当時の時代の熱っぽさのまま語りあう。
 今、日本橋界隈は大開発が行われ、まったくさま変わりしている。事業所のあったビルも解体され高層ビルに変わる。
 一方、レストラン東洋は現在も昔のままで、内装も、スタッフの振る舞いも、昭和の雰囲気をそのまま残している。この日は、懐かしい時代にタイムスリップしたような楽しい時を過ごした。
 会が終わり、外に出る。いきなり近未来的な高層ビルがのしかかってくる。時代のおおきなうねりが頭の中を吹き抜けた。
       2025年5月2日   岩下賢治 

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騒音防止の並木を

2025年04月28日 | 日記

        オオムラサキツツジ
 前回、銀座の並木に触れたので、並木の効用について言ってみたい。
 並木にはどんな樹がふさわしいのか。色々議論のあるところだと思う。一般的には新緑や紅葉が綺麗ということで銀杏や唐楓が選ばれているようだ。めずらしいところでは、東京都体育館の前に台湾フウが植えられているが、これも落葉樹だ。落葉樹の良さは、樹幹が大きく広がり、夏は木陰を作り、冬、葉を落として日差しが差しこむというところにある。ところが問題は落ち葉の始末である。私の住む共同住宅の前の道路には、アオギリが植えられていて、冬になると、この樹独特の大きな葉が一面に落葉し、ビル風やら木枯らしやらに吹き飛ばされている。
 都会の高層ビル群の中では、落葉樹の良さは機能しないのではないか、と思う。冬場の日差しはビル群の中では元々味わうことはできない。神宮外苑の銀杏並木の保護が問題になっているが、神宮のような広大な広場なら銀杏も効果的で、銀杏祭りなども開催されている。しかし落葉樹は落ち葉拾いが大変だと、町会や地域の人たちには嫌われてもいるのだ。
 私は都会の中では、防音機能を持つ常緑樹がいいのではないか、と思っている。葉を茂らせ道路の騒音を遮断する樹である。たとえば楠。あるいは椿。または夏みかんなどの柑橘類とか。場所によって常緑のクロガネモチが植えられているところもある。たとえば三浦半島の久里浜だが、この樹は育ちが遅く、騒音防止の役には立たないような気がする。
 並木は街の雰囲気を醸す大切な役割を果たしている。現代的な観点から植樹を進めてもらいたいものだ。【彬】
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 銀座の並木

2025年04月22日 | 日記

     ニョイスミレ
 久しぶりに銀座に出かけた。土曜日だったが、銀座の大通りは歩行者天国で、外国人から家族連れなど、大変な賑わいだった。
 用事を済ませてブラブラしていると、並木が目についた。昔から銀座は並木が有名で、歌に歌われたのは柳である。確かに昔は路地に柳が植えられていた。今は面影がないが、一丁目付近の路地には、何本か残っているはず。
 銀座の大通り、いまは並木が様変わりしている。植えられているのは「カツラ」である。まだ植樹1、2年の幼木である。東京国道事務所の計画によると「植樹されるカツラは東西両側合わせて約140本」になるという。
 カツラの木は各地の公園に植えられているが、秋が深まってくる頃になると、芳香が漂ってくる歓迎すべき樹木である。新緑も美しく大木になる。ただ「ひこばえ」が生えて手入れが大変である。珍重すべき樹木で、感触が柔らかくしかも丈夫なことから、将棋や囲碁の盤に用いられる。
 こんな木がどうして銀座の大通りに選ばれたのだろうか。大木になるためには、相応の地盤が必要なはずで、根を張る地面をどう確保するのか、気になることである。
 また路地の並木通りには「トチノキ」が植えられていて、早々と花を咲かせていた。都心では警視庁前のトチノキが有名だが、ネット上の案内によればトチではなくマロニエだという。確かに同じような木だがトチノキではなくマロニエにしているところが銀座らしい。
 銀座の広々とした大通りに、芳香を放つ緑の森が茂れば、文字通りアベニューになるのだろう。思い出したのだが、道幅の狭い大久保通りにカツラが植樹されたことがあったが、残念ながら定着しなかった。銀座のカツラには大きく育ってもらい、通りを緑と香りで覆ってもらいたいものだ。【繽】
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錯綜するトランプ関税

2025年04月16日 | 日記
      
       草苺の花
 トランプ関税で世界中が混乱している。当然だろう。なにせ今まで10%前後だった関税を50%から100%以上にあげるというのだから。
 単純に計算してみよう。中国が半導体の材料に欠かせない希土類と今まで100ドルで輸出していたとする。関税が10%かかるとするとアメリカ国内では110ドルで売ることになる。これが100%の関税となると、なんと200ドルに跳ね上がる。
 従来より90ドルも高くなるのだが、その値上がり分はアメリカの財政局の収入になる。関税は一種の通行税だから国家財政の収入になり、赤字を抱えているアメリカの財務局にはこんなうまい商売はない。
 ところが反面、いままで110ドルで買えた希土類を、この希少な鉱物を使って半導体を生産していたアメリカ国内のメーカーは、200ドルに上がるのだから、飛び上がってしまう。とても採算がとれない。生産をやめるしかない。でも、このギャップを埋める方法はいくらでもある。例えば政府の財政局が、国内のメーカーに差額分を補助するのだ。あるいは希土類の発掘を、他の地域に求める方法である。
 トランプ大統領は何を目的にこうした荒っぽい施策をおこなうのか。彼の目指すところは、国内で疲弊している製造業を再興させるためである。と同時に、世界の安定を支えてきたアメリカの財政赤字を改善するためである。国連や国内の対外支援の部局を解散、たとえば文教分野だとフルブライト留学支援を廃止するというのも、この赤字財政を是正する目的がある。
 トランプ大統領が盛んに、ディール、ディールというのは、赤字を是正する目的があるようだ。例えばウクライナへの援助を渋り、彼の地の鉱山の開発権を与えろというのもその一環である。
 アメリカに依存しきってきた米ソの冷戦時代をへた世界体制が、今、中国の台頭によって揺らいでいることが大きな課題となってるのだろう。トランプ関税の背景にあるもの=アメリカ合衆国の国難を冷静に見ることが大切である。【彬】
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