
オオムラサキツツジ
前回、銀座の並木に触れたので、並木の効用について言ってみたい。
並木にはどんな樹がふさわしいのか。色々議論のあるところだと思う。一般的には新緑や紅葉が綺麗ということで銀杏や唐楓が選ばれているようだ。めずらしいところでは、東京都体育館の前に台湾フウが植えられているが、これも落葉樹だ。落葉樹の良さは、樹幹が大きく広がり、夏は木陰を作り、冬、葉を落として日差しが差しこむというところにある。ところが問題は落ち葉の始末である。私の住む共同住宅の前の道路には、アオギリが植えられていて、冬になると、この樹独特の大きな葉が一面に落葉し、ビル風やら木枯らしやらに吹き飛ばされている。
都会の高層ビル群の中では、落葉樹の良さは機能しないのではないか、と思う。冬場の日差しはビル群の中では元々味わうことはできない。神宮外苑の銀杏並木の保護が問題になっているが、神宮のような広大な広場なら銀杏も効果的で、銀杏祭りなども開催されている。しかし落葉樹は落ち葉拾いが大変だと、町会や地域の人たちには嫌われてもいるのだ。
私は都会の中では、防音機能を持つ常緑樹がいいのではないか、と思っている。葉を茂らせ道路の騒音を遮断する樹である。たとえば楠。あるいは椿。または夏みかんなどの柑橘類とか。場所によって常緑のクロガネモチが植えられているところもある。たとえば三浦半島の久里浜だが、この樹は育ちが遅く、騒音防止の役には立たないような気がする。
並木は街の雰囲気を醸す大切な役割を果たしている。現代的な観点から植樹を進めてもらいたいものだ。【彬】
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