はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

町田樹さんが語る氷上スポーツの未来とは

2019年07月08日 | フィギュアスケート
2019/07/08

日本氷上スポーツ学会第1回研究大会が6月29日に開催され、町田樹さんが出席した、その研究発表のリポートが載っていました。

第1回ということは、できたばかりの学会なのかしらね。調べたら、今年になって発足した学会のようです。

ニュースインタビューはこちら

部分的に抜き出して引用します。

「船橋整形外科市川クリニックの阿部愛さんによる「国内フィギュアスケート選手の外傷・障害発生の状況とその傾向について」では、選手たちへのアンケート調査から分かった、けがの発生状況について報告。過去1年間で痛みがあった選手は全体の約70%で、足部、足関節、腰部、膝に多く、また女子アスリートの疲労骨折の因子として、ビールマンスピンの実施や体重の増加、骨密度の低下を招く無月経状態などが示唆されるとし、適切なトレーニング環境の整備、女子アスリートの疲労骨折の3因子への対策、障害予防プログラム(柔軟性、筋力強化、動作指導ほか)などの予防対策が急務であると話しました。」


70%の選手が痛みがあったとは高い確率ですね!
見ているだけではわからないけれど、痛みをこらえながら演技をしている選手も多いのかな。以前に読んだ海外のスケート本には、選手はどこかしら怪我を持っていると書いてありました。
女子の疲労骨折の3因子の中にビールマンスピンもあります。確かに素人からするとよくあんな姿勢が取れるなあと思いますものね。


「慶應義塾大学の廣澤聖士さんによる『画像認識技術と機械学習を用いたフィギュアスケートジャンプの回転不足判定予測への試み』では、データ収集によって飛躍的に向上した画像認識技術をフィギュアスケートの採点に活用することを提案。現在行われている研究内容と、実用化へ向けての課題などを発表しました。質疑応答では、町田さんが発言。最初に「私もAIによる判定に可能性を感じている」と期待を寄せた上で、人間が行ったジャッジを基に機械学習を行うという現在の取り組みの問題点について意見を述べました。」

AI判定が採用されるようになるといいですね。見えにくい場所からのジャンプや選手の体の向きによっては人の目での確認は難しい。ジャッジの判定に疑問を感じる人は多いです。選手の不安も解消されるでしょう。


町田樹さん「フィギュアスケートは現在、トップスポーツとして非常に勢いがあり、それに伴い、“見るスポーツ”としても隆盛しています。では一方で、“健康競技”としてどれだけの人がスケートをやっているか。私は競技者時代、ジプシーのように各地で練習してきましたが、地方に行けば行くほどスケートリンクは閑古鳥が鳴いていました。アスリートにとっては空いているので非常に良いのですが(苦笑)、どうやって採算を取っているのだろうと、高校生の時から感じていました。
趣味のスポーツ、健康スポーツとしては、フィギュアスケートはまだまだ冷え込んでいます。大事なのは、長期的な将来を見通して、(競技を)支えていく人をいかに作っていくか。東京五輪(東京オリンピック)の後、社会のスポーツに対するまなざしが低くなっても、勢いを維持させることのできる人材を育てることが大事だと考えます」

東京都内にある常設リンクは4つ。フィギュアスケートを健康スポーツとして日頃親しんでいる人はごく一部だと感じます。やはり遠いと日常的には行かないですからね。


町田樹さん「有名選手は1カ所に集まりやすいですね。日本でいうと、関西大学、中京大学、明治神宮外苑のスケートリンク…、有能な選手が集まれば切磋琢磨する環境が生まれますので、コーチは偉大ですが、たとえコーチが指導しなくても、恐らく勝手に強化されていくような環境になっていると考えます。例えばカナダのクリケットクラブは、世界中からトップアスリートが集まっています。その中で毎日練習すれば、モチベーションも高まります。そういう環境ですね。指導者という人材を含めた環境が、選手育成の大事なポイントだと考えています」

なるほどですね。コーチに教わることも多いでしょうが、上手な仲間はお手本になります。

今、フィギュアスケートは隆盛ですが、それも羽生人気あってのこと。羽生さんを見て育ってきた子どもたちがいるので、今後10年くらいはいい選手が出てくるでしょう。しかし、その後はどうなるでしょう。町田さんの語るように、スケート場の整備から始めなくてはなりませんね。



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