2019/06/26
今日から大阪でG20 。首脳会談があります。
AERA6月10日号に載っていた内田樹氏の「トランプ大統領の踏み絵 歴史が示す安倍外交の危機」というコラムに、なるほどと思いました。
もうひと月前のことになりますが、トランプ大統領が5月25日~28日に訪日をして、安倍首相とゴルフをしたり相撲観戦をしたことはご記憶かと思います。
そのときのことについて書かれていましたので、部分的に引用させていただきます。
引用
〈トランプ大統領は首相との密談中身について「農作物と牛肉」をめぐる交渉で、「大きな進捗」があったこと、「7月の選挙が終わった後」に「大きな数字」が出てくることまであっさりツィッターで暴露した。
横須賀では空母化される「かが」に搭乗して、米国製の兵器の「最大の買い手」である日本政府が、これから1機150億円のF35ステルス戦闘機を105機購入すること、それを艦載した大型艦船が「すばらしい新しい装備で地域の紛争にも対応することになる」と日米同盟の広域での軍事的関与を予言してみせた。
このどこが安倍外交の成果としてマスコミに称賛されるのか私にはわからない。大統領はただ属国を視察に来て、「代官」に忠誠心の踏み絵を踏ませて、満足して帰ったようにしか見えない。
大統領は大幅な関税引き下げを求め(それは日本の農業に致命的な打撃を与える)、維持費を含め6兆円の戦闘機を買わせ(それは福祉や教育や医療に投じることができた財源である)、日米同盟の本質が軍事的なものであることを世界に公言した(それは米国が始める戦争に日本が巻き込まれるリスクを高めた)。
大統領が訪日で獲得したものはそのまま日本が失ったものである。〉引用終わり
25日にブルームバーグが、ジェニファー・ジェイコブス記者のコラム「トランプは日本との安保条約を密かに破棄すべく熟考中」を配信しました。
これに続いて26日に放映された「FOXビジネスニュース」のマリア・バートロモ氏との電話インタビューでは、大統領本人の口から次のような発言が飛び出しました。
「日本が攻撃されれば、アメリカは第三次世界大戦を戦い猛烈な犠牲を払うことになるが、アメリカが(攻撃されて)救援を必要とするとき、日本はアメリカが攻撃されているのをソニーのテレビで見物するだけだ」
つまり日米安保条約は双務的でない、不平等だというのです。ジェイコブス記者のコラムを重ねるだけでなく、2016年の大統領選当時の大統領の発言、 「日本は駐留米軍の経費を100%払うべきだ。そうでないのなら、米軍は撤退する。その代わりに核武装を許してやろう」
これらの情報は、ネットには載っていますが、大きなニュースとして流されることはないので、知らないまま素通りしてしまいます。
私たちの住む国の未来が、大切な税金が、一握りの政治家の駆け引きで思うままに動かされていることに危惧を覚えます。