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はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

NHK MUSIC SPECIAL 坂本龍一

2023年01月12日 | 音楽
2023/01/12


1月5日に
「坂本龍一 Playing the Piano in NHK & Behind the Scenes」
がNHKで放送されました。


お気に入りだというNHK509スタジオで
体調を考えて、8日間にわたって
1日2~3曲のペースで収録したものです。

しばらくぶりに見る坂本龍一氏は
もともと太ってはいませんでしたが
いっそう痩せていました。


でも、そのピアノ演奏は
枯淡の境地とでもいうべき
静かな清らかさに満ちていました。

「音楽をすることがこの人を生かしている」
と感じられました。

ゆっくり奏でられる演奏に
心はもう生に執着するというより
高みにいってしまっているような
感じさえ受けました。




Merry Christmas Mr. Lawrence / Ryuichi Sakamoto - From Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022  

このような演奏が聴けたことに
感謝しかありません。


彼は『新潮』に昨年7月号から
「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」
という随筆を連載しています。


2014年に中咽頭がんが見つかり
これは治療の甲斐あって寛解しましたが
2020年に人間ドックで直腸がんが見つかりました。
  
肝臓、リンパに転移していて
2021年1月に直腸、肝臓、リンパの手術を
行なったそうです。 


 


最近、発売された2月号で
この連載は一応完結しています。

 

毎号20ページくらいある連載です。

病気がありながら
1ヶ月でこれだけのボリュームを書く
のはすごいと思ったら
鈴木正文さんと云う方が
インタビューの聞き書きをしてくれたようです。

昨年1月から6回もの大手術をして
肉体的には苦しみ
そのたびに体力が落ちながらも
仕事はずっと続けていたそうです。


「入院中、音楽に心を奪われる瞬間が訪れると、
そのときだけは病気のことは忘れられる。」
と書いてあります。


こんなことも書いてあります。

「入院中、息子がポストしていたある曲を何気なく再生したら、イントロから歌に入って何小節かで涙が止まらなくなってしまいました。アメリカのカントリー歌手ロイ・クラークの『Yesterday, When I Was Young』という曲。

 ぼくは普段、歌のある曲を聴いていても、歌詞の内容はほとんど頭に入ってこない人間です。ましてロイ・クラークは、僕とは非常に縁遠いミュージシャンですから、自分がこれほど心を動かされるだなんて思ってもみませんでした。」

この曲、You Tubeにありますから
聴いてみてください。

私もどこかで聴いたことのある曲で
しみじみとした気持ちになってしまういい曲ですね。

これは泣いてしまうな。


『新潮』の連載のほうは
2009年に出版した『音楽は自由にする』の後編として
その後を書いています。

彼は世界中で様々な仕事をしてきた人ですから
いろいろな経験もしていて
読んでいてほんとうに興味が尽きない
おもしろさがあります。



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「題名のない音楽会」マルティン・ガルシア・ガルシアさん

2022年12月18日 | 音楽
2022/12/18


「題名のない音楽会」を見ました。

出演はマルティン・ガルシア・ガルシアさん。
昨年のショパンコンクールを思い出します。



1次予選の頃は
それほど目立たった存在とは思われず
日本から取材に行った音楽ジャーナリストの方が
ガルシアさんはなにかの間違いで
予選を通ったのではないかと言ったくらい。


それが個性的な演奏スタイルと
豊かな表情でだんだんと
目立つ存在になってきましたね。

なんかラテン系の明るい感じのオッちゃん
と思っていたけれど(笑)
コンクール当時まだ25歳でした。


「題名のない音楽会」では
FAZIOLIを使っていましたが
FAZIOLIも透明感のあるキラキラする音で
だんだん人気になっている気がします。

歌いながら弾くのは
グレン・グールドのようだと思いながら
さまざまな表情をするのが
おかしくもあり、ほほえましくもあり。

こう表現したいとか
こういう音を出したいというイメージがあって
それを腕に伝えて、鍵盤にふれて音を出すことは
やっぱり大変な作業なんですよね。

頭の中のイメージすべてが音に変換されて
100%表現できるものではない。

どうにかしてイメージを
鍵盤に伝えたいという気持ちが
あの表情になるんじゃないかなと
他のピアニストの方を見ていても
いつも思うんですよ。


「ネコのワルツ」は反田さんの演奏を
よく聴く機会がありましたが
それよりも自由奔放。
個性的な演奏でしたね。

手が大きくてドから上のソまで12度開く
というのはすごいですね。
ほんとうに羨ましい。

ピアノに座っている姿を見ると
腕が長くて手も大きい。

ピアノは西洋人男性向きの楽器かなと
あらためて思ってしまいます。


ビックリしたのは
日本人の方と婚約したということ!

それ以上の話はありませんでしたが
ショパンコンクールで知り合った人かな
誰だか知りたい・・・。
なんて勝手な想像をしつつ。

ガルシアさんのコンサートは
行ったことはありませんが
今後は日本とのつながりも増えるでしょうから
コンサートに行ける機会も
増えることでしょう。




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グレン・グールド

2022年11月27日 | 音楽
2022/11/27


昨日の午後、NHKFMラジオで
「アート・オブ・グールド~孤独のピアニストの肖像」
という番組をやっていました。

今年はグールドの生誕90年で
かつ没後50年だったのですね。


グレン・グールドといえば
私は一時期、眠る前に
『ゴールドベルク変奏曲』を
聴いていたことがありました。

静かな眠りの世界に導かれるんですよ。
第1変奏では。
ただ、第2変奏になると急に爆音になるので
目が覚めるんです(笑)

というのは冗談ですが
グールドらしい演奏は好きです。

バレンボイムの『ゴールドベルク変奏曲』を
聴いたときには
テンポ・ルバートや強弱をつけることに
違和感を感じてしまったほどです。



「孤独のピアニスト」とありますが
彼は孤独でいることが好きで
それが心地よかったのではと思います。

人のペースに合わせて生活することは
できにくい人だったので
コンサート活動もやめてしまうのですよね。


音の配列を奏でるのは好きだったけれど
その音で人の感情を表現することはしなかった。

ショパンやリスト、シューマンは
嫌いだったそうです。


でも、その乾いた音の配列に
幾何学的な美しい境地を感じて
私は涙してしまいそうになるのです。


ラジオから流れてくる
彼の速弾きとノン・レガートは
ときに滑稽に感じられます。

無声映画のチャップリンの動きを
思い浮かべてしまいました。


間やタメのない、息もつかないほどの
速さで疾走していく演奏を聴くと
ただただピアノに没頭している
グールドの姿を思い浮かべます。


録音することに価値を見いだし
たくさんの録音を残していたので
今でも多くの演奏を聴けることは
ありがたいことですね。


グールドの変人ぶりも伝説的に語られ
ひとつの分野に突出した人に見られる
性格かなと思います。


ラジオではグールドの意外な一面が語られ
宮澤淳一さんやヤマザキマリさんの
グールド像はとても興味深かったです。

グールドのレコードは
日本で最も売れていたそうです。






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フジロックの角野隼斗さん

2022年08月02日 | 音楽
2022/08/02


毎日暑いですね。

でも、こんなに暑いさなかに
毎日、近所の工事現場で
解体作業をしている人たちがいます。

その人たちのことを思うと
このくらいで暑いと騒いではいけない
気持ちになります。(少しだけ)


さて、先週末の7月29日∼31日は
フジロックフェスティバルが開催されてました。

You Tube配信で
角野隼斗さんの演奏を見ました。

すごかったですね!
あのパワーに圧倒されました。

聴く者に息をもつかせぬ感じ。

「死の舞踏」から始まり
「ラプソディ・イン・ブルー」までの
50分間を爆発的な勢いで
駆け抜けていきました。

まさに駆け抜けていく感じがしたんですよ。

曲としてはクラシックが基調ですが
楽譜どおりのクラシック曲にとどまらずに
どんどん新たな音楽が生まれていく。

グランドピアノからアップライトに移動。
シンセサイザーに伴奏させながらのメロディ
アレンジは一人何役こなしているのやら。

すごいと思います。

ほんとうに日本ではこういう人は
いなかったのではないかしら。


裸足でステージに登場しましたので
この暑さだからなぁ~
靴を履かないほうが気持ちがいいでしょう
なんて思ったのですが
もしかしたら
アリス=紗良・オットさんかな
とも思ったのです。

ちょうど、その前日
NHKBSの「ザ・ヒューマン」をやっていて
アリス=紗良・オットさんを見たのです。

彼女はクラシックコンサートでも
裸足でステージに出ていきます。

角野さんも真夏で暑いからではなく
殻を破ろうとしているのではないかと
ふと思ったのです。

音楽鑑賞はこうあるべき
特にクラシックなどは服装やマナーも含めて
こうあるべき、というところから
もっと自由になろうとしているのではないか
というふうに感じたのです。

フジロックは自由で
エンターテインメント性が高いと思いますが
新しい形のコンサートがあってもよい
のでは、という提案と映りました。


以前に記事を読んだことを思い出しました。
紗良さんと角野さんのインタビュー記事




話は戻りますが、自然の中とはいえ
苗場スキー場もきっと暑かったでしょうね。

こうして家にいながらにして
LIVE配信を見られたのは
ほんとうにありがたいことでした。



コメント (2)
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角野美智子さんの子育て術

2022年07月15日 | 音楽
2022/07/15


朝日新聞EduAに
角野隼斗さんのお母さま・美智子さんの
記事が載っていました。

「子どもの目が輝くことは何だろう 
観察続けて〈夢中〉を見つける」


赤ちゃんの頃から数字に
興味を持っていたという隼斗さん。
生まれつきの好みというのは
あると思いますね。

音楽は数学的、割り算や掛け算。
音楽が得意な人は数学も得意です。

(私ごとで恐縮ですが算数が不得意。
道理で音楽がいつまでたってもうまくならない)

計算ドリルも好きな子にとっては遊び。

勉強と遊びの区別を作らない
というのがいいやり方ですね。
親も一緒に遊んでいる気持ちで向かい合う。

お母さまが子どもたちを
音楽家にしようと考えていなかったので
子どもたちは自由に伸び伸びと
できたのでしょうね。

親から期待されたり強いられたりすると
子どもは興味を失っていきます。

隼斗さんも未来さんも素晴らしいピアニストで
なにより楽し気に演奏しているのが
見ていて伝わってきます。



昨日、7月14日は角野隼斗さんの
お誕生日だったそうですね。
27歳おめでとうございます!


そういえば
Penthouseのライブ動画が7月31日まで
配信されています。

これがすごく素敵!

浪岡さん、真帆さんの歌がうまい。
みんなノリノリで楽しそう。
だんだん盛り上がっていって
最後は聴いているこちらも
体全体でリズムを取ってしまう。

かてぃんさんのジャズっぽいピアノも
すごくいいです。

いい仲間たちだなあ~





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ウォーカー・ブラザーズって知ってますか?

2022年06月04日 | 音楽
2022/06/04

おとなのリトミックをやってから
70∼80代の方たちの思い出の曲や
好きな曲って何だろう?と考えてました。


図書館で、
「オールディーズ・ポップス」
「OLDIES 60'S」
「パーシーフェイス・オーケストラ」
というCDを借りてきました。


私はウォーカー・ブラザーズが好きだったのです。
今回CDを借りて、そのことを思い出しました。

ほんとうに長い間、曲を聞いたこともなく
動画を見たこともなく、忘れてました。

家に『孤独の太陽』というレコードがあった
ように記憶しています。

兄が買ったのではないかしら。
ウォーカー・ブラザーズが好きなのも
兄の影響だったかもしれません。

ウォーカー・ブラザーズの
スコット・ウォーカーが好きでした。
深みのある声で、とにかく歌がうまいのです。
エコーの効いた、広がりを感じさせる演奏も。

You Tubeはありがたいですね。
今では簡単に動画が出てきます。

あの時のまま。

孤独の太陽/ウォーカー・ブラザース


歌詞のin my roomというのを
「今いる」と思っていたし
all aloneは「オロロン…」でしたね。

昔はちっとも意味が分からなかったのですが
今聴くと、簡単な英語だったんですね。

ホント懐かしい。
『ダンス天国』も覚えてますよ。

1967年に来日しているんですね。
不二家チョコレートのCMに出ていたとか。
それで、私もテレビで見ていたんでしょうね。

『ミュージックライフ』という雑誌があって
家でとっていました。
それを見て、スコット・ウォーカーは
かっこいいなと思っていました。


話は変わりますが、高齢者の音楽療法では
「ふるさと」とか「富士山」とか
文部省唱歌とか童謡を使うことがあるようです。

私も実際に使われているのを
見たことがありますが、どうなんでしょう。

いいなあとか、懐かしいなあとか
心に響く歌とはちょっと違うような。

高齢者の音楽療法のピアノ実技を
教わったH先生は
とにかく弾かせるのは歌謡曲、ポップスでした。

確かに、若い頃とか人生で充実していた時代に
聴いていた曲は少なくとも、童謡ではないですね。



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忘れ物?

2022年05月18日 | 音楽
2022/05/18


かてぃん=角野隼斗さんのインスタのストーリーズを
見たら、「新幹線の中に忘れたピアニカが
戻ってきた。ありがとうJR、ありがとう日本」
と書いてあって、思わず笑ってしまいました。

また!と書くべきところかしら。 

かてぃんさんのように秀でた人が
けっこう忘れ物をしているというのが
おかしいというか、かえってほほえましい。


非の打ちどころがないような人だと
近寄りがたいけれど
ときどき忘れ物をしているというのが
なんとも親しみやすい。


もちろん、なぜ、そんなに忘れるの?
と思わないでもないんだけれど(笑)

きっと頭の使い方、集中力の配分が
物の管理という方面にはいかないのかも。

角野さんのコンサートに行くと感じるのは
新しいレパートリーの増え方。

それまでピアノ一筋で来て
音大で多くの曲を身につけてきた人とは
たどってきた経歴が違うのに
クラシックの大曲をオーケストラと共演し
多ジャンルの音楽もこなしている昨今。

20分にわたる曲でも、ピアノはすべて暗譜だから
その記憶力、集中力たるや
すごいものがあると思うのです。

たぶん常にそちらに意識が行っているのではないかと。

さぞ忙しいことだろうとお察しします。

でもピアニカが見つかってよかったですね!


AERAの角野さん特集を読みましたが
とても読みごたえがありました



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どれだけ友だちのことを想えるか

2022年03月22日 | 音楽

2022/03/22

 

反田恭平さんのラジオ番組「Growing Sonority」

関西の放送なので、You Tubeにアップ後に

楽しみに聴いています。

 

3月21日放送分は公開放送だったのですが

いろいろ興味深いことをおっしゃってました。

 

特にこの言葉です。 

「(ショパン)コンクールを見て強く思ったのは

やはり、友達がたくさんいるか

友達のことをどれだけ想えるか。

そういう感情の引出しがある人が残った。」


 

「長いコンクールをどうやって乗り越えられたのか」

というアナウンサーの質問に対して

「一番大きな理由は友だちでしたね。

エントリーしている同志の支え合いだったり」

このあたりは普通に頷けますね。

 

「コンクールを見て強く思ったのは

やはり、友達がたくさんいるか

友達のことをどれだけ想えるか。

そういう感情の引出しがある人が残った。」

 

あ、やっぱり、と思いました。

私も前々からそんな気がしていたんです。

反田さんはショパンコンクールについて

インタビューなどでたくさん語っていますが

これは初めて聴く感想でした。

 

私は現地に行っているわけでもないし

メディアで伝えられている以上のことは知りません。

遠くからLIVE配信を見ていただけですけれど

なんとなくわかりました。

 

コンクールというストレスフルな環境にいて

実力を発揮できるのは

基本、人との交流が好きな人。

好きというか、そうすることが

いつもの自然なありようである人。

 

演奏とは、技術だけでなく自分の内面の表現ですから

自分を出せる人が

みんな(審査員、聴衆)にも受け入れられる

ということじゃないでしょうか。

 

人の気持ちに寄り添える共感力が

演奏に表れるということかもしれません。

 

人との交流の中で気晴らしができたり

励まし合ったり

情報やアイディアをもらったりするほうが

だいいち心の安定につながるというもの。

 

そういう人がトップに行くというのは

音楽だけでなく、芸術一般、スポーツでも

人に見てもらう類のパフォーマンスでは

鉄則かなと思います。

 

「自分が成長するうえで大切にしていること」を問われて

「大事なのは直感と、矛盾するようだけど

第三者的な俯瞰する目を持っていること」

と答えていらっしゃいました。

 

「直感」は、その分野に知識があり

エネルギーも注いで訓練もしている。

そういう素地があって
高いレベルで活動をしている時に
出てくるものだと聞いたことがあります。
 そうでないと素晴らしいものは出てこないです。


あと、第三者的な俯瞰する目を持っていること。

これは「メタ認知」でしょうか。

反田さんは自分の演奏動画も録音もたくさんあるので

客観的に自分の演奏を知ることができますね。

 

アクセルとハンドブレーキとおっしゃっていましたけれど

人から見たらどうだろうかという目を持つことで

独りよがりにならずに

人の心に共通してある琴線に触れる演奏

できるのでしょう。

 

反田さんはまだ20代半ば、

若いのにどうしてこういうことが

わかっているのだろうかと思いましたね。

(私の20代と比べると・・・・)

 

どんな分野であれ

トップにいる人はみんな頭がいい。

IQももちろん高いでしょうが、EQが高い。

 

反田さんの声のトーン、間合いも

聴きやすいリズムがあります。

かつ、人をおもしろがらせるトーク術も

心得ていますねえ。

今回で言えば

パンケーキの殴り合い事件でしょうかね(笑)

  


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ラフマニノフ変奏曲の解説を聴いて

2022年03月20日 | 音楽
2022/03/20
 
 
You Tubeの「かてぃんラボ」で
〈ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」
~変奏曲の作り方を学ぶ〉という内容の
配信を視聴しました。
 
昨日、演奏会で聴いたばかりで
様々な感情が呼び起こされた後でしたから
とてもためになりました。
 
(かてぃんラボは有料ですので
詳しくは書けませんが)

この変奏曲は左の和声進行を保ったうえで
メロディは変化をつけている。
テーマを反転したり伏線を張ったりと
様々な試みをしているんですね。
 
そして、あの美しい第18変奏に持っていくための
対比としての第17変奏の暗さ。
そして調性から受ける感覚と転調。
 
壮大で感動的になるポイントを解説。
 
こうして解説していただくと、
感覚、感情優位で音楽を聴いていた私も
作曲者ラフマニノフの知的な作業が
少しばかり理解できました。
(すべては理解しきれないけれど
とても面白かった)
 
単にきれいな音とか
感情を揺さぶられるメロディ、和音というのを
どうして人はそう感じるのか。

作り手側の意識を知りつつ
鑑賞できるかもしれないですね。
 
こんなふうに分析して曲を弾いているとは
角野さんは見事なものです。
 

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『日本の子どもの歌』の講座

2022年01月25日 | 音楽
2021/01/25


〈ブルーアイランド氏がお話しする
『日本の子どもの歌』〉
という講座に出席しました。

講師はブルーアイランド氏こと
作曲家の青島広志さんです。

ソプラノの赤星啓子さん、テノールの小野勉さんも
随時歌ってくださいました。

私はリトミックでも、童謡をよく使うので
もう少し「子どもの歌」を学びたいと
思っていたので、よい機会でした。

自分の復習もかねて、今日の内容を簡単に
書きとめておきます。

・・・・・

唱歌とは学校で歌う歌のこと。

明治時代には
作曲ができる日本人がいなかったので
明治時代の歌は外国の歌だった。

「仰げば尊し」、「蛍の光」、「アニーローリー」
「庭の千草」、「故郷の空」・・・

滝廉太郎を教えていたのは幸田延である。
幸田延はボストンに留学して西洋音楽を学んだ。
幸田延が日本最初の作曲家である。

「仰げば尊し」は作者不詳だが
混声4部で書かれていて
アメリカの讃美歌と思われる。

「蛍の光」の歌詞は今は2番までしか歌われない。
3番の歌詞に「筑紫(つくし)のきわみ、みちのおく」とある。
筑紫は九州、みちのおくは東北のことで
その範囲が日本だった。
(北海道、沖縄は入っていない)

「蛍の光」は別れや卒業式の歌のようだが
実は船乗りたちの友好のための曲だった。


大正時代になって
日本人の作詞・作曲者が出てきた。

「夏は来ぬ」、「キンタロウ」、「一寸法師」
「大こくさま」、「うざぎとかめ」、「浦島太郎」
「桃太郎」「われは海の子」「村祭」・・・

明治時代は女性性を排除していた。
昭和には、女性作曲家(幼稚園の先生など)の歌が少し出てきた。

團 伊玖磨がいうように
唱歌には「私」というものが出てこない。
自分がないのが、国には都合がよい。

・・・・・

お話に出た歌をすぐに弾いて歌ってもらえるので
間近で聴けて、とても贅沢でした。

確かに明治後期の歌は金太郎、桃太郎など
強い男子の歌ですよね。
当時の国威発揚、富国強兵にあった
唱歌だったのですね。

今、唱歌があまり歌われないのは
歌詞が古語でわかりにくい
というのもあるけれど
内容が軍国的なんですね。



青島さんのお話はとてもおもしろくて
飽きずに2時間楽しみました。

コロナ対策で、窓を開けて換気をよくしているので
室内でもダウンコートをはおって聴講しましたよ。

3回コースなので来週も楽しみです。





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