よし坊のあっちこっち

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富や名声の呪縛

2011年11月09日 | アメリカ通信
何もアメリカに限った事ではないのだが、富や名声を手に入れると、その人本人のみならず、周りの人も簡単に道を外し、職を失ったり塀の中に入ってしまう事があるから、よくよくの注意が肝要だ。

アメリカを代表するアメフトはサッカーほど熱が入らないから殆ど観ないのだが、これがスキャンダルとなると話は別だ。今、公立の州立大学として知名度の高い、ペンシルバニア州にあるPenn State Universityを巻き込んでるスキャンダルは、多くの識者を怒らせているのだ。

アメフトチームのディフェンス・コーチングスタッフのオッサンが15年以上にも渡る少年へのセクハラ行為で捕まったのだが、何故この大学に関係するかと言うと、このオッサンは大学構内に少年を連れ込んで”コト”に及んでいたのだ。この為に、大学の偉いさんが二人、事実過誤等の罪に問われ、責任を取って職を辞し、警察に出頭したのが一昨日の話である。

およそ二年掛けて司法当局が実態を調査したところによると、2002年、構内で”コト”を目撃したスタッフが監督に通知したが、何も手を打たず、大学の偉いさん二人も見逃すというか、見過ごしたかどで、告発されたわけである。要するに放置した罪である。

識者を怒らせているのは、実はこれだけではない。最も責任あるアメフトチームの監督、ジョー・パテルノに怒りが向いている。パテルノは、騒動に対し、自分には落ち度が無かったかのようなコメントを出し、涼しい顔をしているからである。

このパテルノ、46年間も監督をやり続けており、つい先月末の試合に勝って、409勝という偉業を達成した、富と名声を物にしている化け物なのだ。誰も文句を言えない、手が出せない「伝説の監督」だから、始末に悪い。84歳の老害がそこに居る。

司法当局が最終調査結果を公表したのが、409勝の確保を見定めてからである。それを待っていた、と言うのがいかにも見え見えで、シックリ来ないから、識者はそれを怒っているのだ。ルイジアナ州にあるグランブリング大学のエディー・ロビンソンという黒人監督が、408勝をマークしており、今までの最多監督だったのだが、白人で最多監督を待っていたかの仕業なのだから、怒るのも分かる。ある識者は、パテルノの409勝は正式に記録に載るだろうが、是非とも409の数字の横に米印を付け解説を入れろ、と吼えていた。気持ちはよく分かる。

さて、この監督、どうするか。日に日に辞任圧力が高まっている。辞めにゃなるまいて。長年の素晴らしい名声も台無しだ。晩節を汚すとは、正にこれである。何事も長きにとどまると、ろくな事は無い。


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