やわらかい螺旋

徒然なるままに

2021-12

2022-01-01 08:21:01 | 
2021年12月の読書メーター
読んだ本の数:62冊
読んだページ数:12746ページ
ナイス数:564ナイス

https://bookmeter.com/users/89283/summary/monthly/2021/12
■こうして誰もいなくなった (角川文庫)
ノンシリーズの短編集。
「線路の国のアリス」「未来人F」が既読。
再読すると「未来人F」の怪人二十面相が気の毒でつい笑ってしまう。さすが明智小五郎。
あとがきに出てきた若島正「明るい館の秘密」(乱視読者の帰還/所収)が気になったので読んでみたい。クリスティの真の企みってなんだろう。

読了日:12月31日 著者:有栖川 有栖
https://bookmeter.com/books/18843369

■そばですよ (立ちそばの世界)
立ち食いそばを訪ね歩いて丹念に取材する。
諸事情でお店の場所が変わっても、においや味で「もしや、あそこにあったあの店じゃないのか」と客が気付いたりするような魅力がある。
池袋のホテルの喫茶室で山口良一さんと対談しているときに、萬盛庵という蕎麦屋をやってた女性から声をかけられた。
「世の中にはこんなにおそばが好きな方がいるんだと思って、うれしくて」
平松さんと一緒で、なんかぐっときちゃいました。
おいしい蕎麦を食べながら、皆さまどうぞ良いお年を。

読了日:12月31日 著者:平松 洋子
https://bookmeter.com/books/13171894

■スミソニアン宝石コレクション 世界の宝石文化史図鑑
スミソニアン博物館の宝石コレクションを由来や伝説などとともに紹介する。
キレイだとは思うものの宝石そのものにはあまり興味はなくて、それにまつわる物語を興味深く読めました。
アンジェリーナ・ジョリーのシトリンのネックレスの下の写真、シベリア・アメシストのチェーンのデザインが素敵。
期間限定、ホープ・ダイヤモンドのセッティング「エンブレーシング・ホープ」が印象的で、カルティエのセッティングに戻ってるのがなんだか残念。

読了日:12月30日 著者:ジェフリー・エドワード・ポスト
https://bookmeter.com/books/18056107

■体のツボ大図鑑 (扶桑社ムック)
効果が高くて探しやすいツボ101を厳選。
本を見ながら押しまくってしまいました。気持ち良かったです。
背中側、ウエストライン上の背骨から左右に指2本分のところにある「腎兪・じんゆ」は、冬のあいだは温めると調子がいいのでカイロを貼ってます。

読了日:12月30日 著者:赤司洋子
https://bookmeter.com/books/8963251

■フェイバリット・シングス
私立探偵・六呂田録郎が主人公の推理小説を書いている作家の六呂田録郎が遭遇する不思議な出来事。
虚構と現実が入り交じり、パエリアは結局なんだったんだろうとか謎なんだけど、深く追求せずに来るもの拒まずな態度だった六呂田は楽しんでいたんだろうな。
小学生の娘、奈々ちゃんがしっかり者で安心する。
それで犬のモモちゃんは、パグなの?ブルドッグなの?

読了日:12月29日 著者:村崎 友
https://bookmeter.com/books/10116084

■ビギナーズラック
定型じゃない歌が多いのだけれど、読みにくいとは思いませんでした。
「検温計を静かにしまう昨日歩いた街のにおいを閉じこめながら」
「立つままに解体されるマンションのすき間すき間に夕日(ゆうかげ)はふる」
「ぼくにはぼくがまだ足りなくてターミナル駅に色とりどりの電飾」
「そういうの邪道だよって笑われながらレースゲームできみを追い抜く」
「ぼくもあなたも大人になって生活のあちらこちらで見つけるさなぎ」
「金属の手すりがすこしへこんでるだけなのにとことんさびしいな」

読了日:12月29日 著者:阿波野巧也
https://bookmeter.com/books/16282815

■死ぬほど読めて忘れない高速読書
速読とは違う、高速読書。
高速読書は「分散効果」「エピソード記憶」「アウトプット」を駆使した読書術。
1冊の本を30分で3回読む。(1回目は15分、2回目は10分、3回目を5分で読む)
小説より実用書向き。
読了日:12月28日 著者:上岡正明
https://bookmeter.com/books/14283996

■新装版 血液型ダイエット O型さんダイエット
こういう胡散臭い本って好きだなあとうっかり買ってしまいました。
O型に合う食材、合わない食材、一貫性がなくてツッコミが間に合わない。
O型は体質的に甲状腺機能障害を気にしたほうが良いのでキャベツや白菜のアブラナ科がNG。
それなのにOK食材にアブラナ科のブロッコリーと蕪があり、ブロッコリーは代謝を高めるので「積極的に毎日の食事に取り入れるようにしてください」
同じアブラナ科なのに矛盾してる。
読了日:12月28日 著者:中島旻保
https://bookmeter.com/books/14988868

■東京のレトロ美術館
日本を代表する美術館から、一度は訪れたい穴場まで、レトロ感が楽しめる東京の美術館。
東京都美術館は日本でもっとも建物を見てもらえない美術館。
確かにそうかも、事前予約の建築ツアー参加してみたいなあ。
玉堂美術館はすごく前に行ったことがあった気がします。
青梅線だもんな、私の家からだとちょっとした旅行だった。
お茶が飲めるところが閉店してしまったらしいので注意。

読了日:12月27日 著者:とに~(アートテラー)
https://bookmeter.com/books/15198651

■ゆるくてカッコいい手作りキャンプギア (生活シリーズ)
キャンプをもっと楽しむために自分好みのデザインのギアを手作りする。
屋外で使うための材料選びのコツなどコラムも充実。
普段からDIYをやってるひとなら、建築資材や農業資材を改造したりするのはお手の物なのかもしれません。
リメイクくらいならまあ「ゆるい」には当てはまりそうですが、なんでもゆるいと言っておけばいいだろうみたいなタイトルはどうなんだ。

読了日:12月27日 著者:
https://bookmeter.com/books/13804480

■おわかれはモーツァルト
盲目のピアニスト・榊場隆平の自宅で、フリーライター・寺下の死体が発見された。
岬洋介は、殺人容疑をかけられた榊場を救い出せるのか。
捜査担当の桐島班の刑事に御子柴の名前を出したり(このとき御子柴は入院中)、面識がある犬養(後方支援の麻生班)に協力を求めたり、出来ることはなんでもやるという岬の意思が滲み出る。
岬とともに弾いたモーツアルトは榊場を世界に送り出すきっかけ。
世界のどこにいても、僕はあなたのピアノを聴いていますから。

読了日:12月26日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/18995317

■追懐のコヨーテ The cream of the notes 10 (講談社文庫)
漠然と思っていることを言語化するとこういうことになりそう。
1:「元気が良い」とは「大声を出して喧しい」ことではない。
7:「全力を尽くします」というのは、本当のところ、どういうことか。
19:「酒禁止」の指示に、「酒が悪いと名指しされた」と反発する人たち。
45:ワクチン予約で顕在化した、老人たちの浅ましさは、見たくなかったかも。
47:マスコミは「人を集める」ことが目的だから、「密禁止」で困ってしまった。
97:許容できるものは許容し、できないものからは離れる。それが自然である。

読了日:12月26日 著者:森 博嗣
https://bookmeter.com/books/18955566

■テオのふしぎなクリスマス
両親は仕事が忙しくて不在、居眠りしているシッター。
クリスマスの夜の流れ星に「だれか、いっしょにいてください。ひとりぼっちじゃなく、いられますように」と願い事をしたテオ。
そしてクリスマスツリーの飾りたちが動き出した。
壮大な冒険に乗り出すわけじゃなくて、今夜は来てくれなかったシッターのグッドイヤーさんを訪ねてコマドリが歌い方を習ったり、
森の中で羽根をたくさん集めて天使にくっつけたり、夢のある話でした。

読了日:12月25日 著者:キャサリン ランデル
https://bookmeter.com/books/12441537

■藤城清治 影絵聖書画集 (フォレストブックス)
聖書の場面を影絵で描く。
各場面の解説と英文対訳付き。
画面の構成と色の美しさ、影絵ということを忘れて見入ってしまいます。
表紙はマタイの福音書5章3~10節、山上の説教。

読了日:12月25日 著者:藤城 清治
https://bookmeter.com/books/1355896

■クリスマス・イブのねがいごと
ひとりぼっちのネズミが迷子になったサンタさんから受け取った贈り物。
話もいいし絵も可愛いし、良い絵本でした。
サンタさんのプレゼントは品物だけじゃないのです。
ネズミくんとことりくん、メリークリスマス。

読了日:12月24日 著者:トレーシー・コーデュロイ
https://bookmeter.com/books/16581323

■DIYで楽しむ!イルミネーション入門book (Gakken Mook)
自宅を綺麗なイルミネーションで飾り付けてみたいけど、どうやったらいいのか分からない。
電球の種類や予算の目安、注意点など、初心者向けの入門書。
白熱電球タイプのライトは柔らかい光が特徴で易しい雰囲気になるが、発熱による高温で樹木を痛めたり電球が割れやすい。
LEDはくっきりした強い光を発するのでクールで幻想的、価格が高いので初期購入費はかかるが電気消費量は白熱電球の約四分の一。
電球・コードは屋外用を使い、防雨対策を万全にすること。

読了日:12月24日 著者:
https://bookmeter.com/books/728058

■ずっと名古屋 (ポプラ文庫)
短編集。
名古屋市の16区を舞台にした「名古屋16話」と、東海・中部の都市が舞台の「8の旅」を収録。
何人かは2回3回と登場したりしているので、人生の中で遭遇する出来事にこっそり付き合っているような気分になります。
河村と北折はもうこのまま腐れ縁で続いていきそう。
「天白区・クリスマスまであと少し」がじんわりと怖かった。
目の前にいる人間の狂気を知ったサンタの兄さん、さあどうする。

読了日:12月23日 著者:吉川 トリコ
https://bookmeter.com/books/12124715

■干し芋の丸かじり (丸かじりシリーズ44)
丸かじりシリーズ第44弾。
カップ入りの納豆20gが87粒だと数えたり、ラーメンの丼からじかに飲んだスープを一回吐き出してとっておいて、れんげ一杯分の量と比べてみたり、
大きい筍を皮を付けたまま煮て、皮をむいた後、シュラスコみたいにして食べたり、
そんなこと良く考えつくな!?みたいなことをやっていて唸る。
これぞ東海林さだお。


読了日:12月23日 著者:東海林 さだお
https://bookmeter.com/books/18831732

■日本の野鳥識別図鑑: 知りたい野鳥が早見チャートですぐわかる!
日本で一般的にみられる野鳥約460種の見分け方が分かる本。
うちの近所でカモメを見かけることがあるんですが、大雑把にカモメと思ってるだけで実はユリカモメなのかもしれない。
今度は良く見てみよう。
スズメ目の鳥ってたくさんいるんだなあ。
ウミスズメの群れと、エナガのヒナたちの写真が可愛かった。

読了日:12月22日 著者:中野 泰敬,叶内 拓哉,永井 凱巳
https://bookmeter.com/books/10209878

■Let's ゆるポタライフ
自転車のお散歩=ポタリング。
「この本はただの移動手段である自転車とスポーツ競技の自転車の間の自転車ライフのお話です」
自転車は車道の左側を走るのが原則、歩行者に気を付けてゆっくり走れば歩道を走るのもOK。
一旦停止も守り、片足を一回地面に置く。
人間も車も多くて坂道だらけのところに住んでいるので、もし買うなら折り畳みの電動自転車がいいなあ。
パンク修理ができるようにならないと。
しまなみ海道の旅が楽しそうでした。
読了日:12月22日 著者:こいしゆうか
https://bookmeter.com/books/14069907

■またあおう (新潮文庫)
しゃばけシリーズ外伝。
外伝なので若だんな成分が少なめ。
「一つ足りない」で九千坊が禰々子に渡した虹色の玉って他の作品に出てきたっけ?;
「かたみわけ」留守番のあやかしのみんな、本当にがんばりました。仕事先から戻った若だんなの土産話を聞く輪の中に於りんちゃんがいて、長崎屋の幸せな時間が見られて良かった。

読了日:12月21日 著者:畠中 恵
https://bookmeter.com/books/18966997

■しゃばけごはん (新潮文庫)
しゃばけシリーズに登場する料理33品を再現したレシピ。
「やなり稲荷」は細長い稲荷寿司。
鳴家たちには大きくて食べにくそうにしていたのを若だんなが箸で小さくするところ、若だんならしいなあ。
おやつには三春屋と栄吉のお菓子。
「辛あられ」は確かにお酒が欲しくなりそう。

読了日:12月21日 著者:畠中 恵
https://bookmeter.com/books/18966998

■くらべる世界
33の世界の文化の違いを写真に撮って比べてみる。
フランス式とドイツ式のコントラバスの奏法の何が違うのか一瞬分からなかったんですが、あっそうか弓の持ち方だ。
弓を上から持つのがフランス式、下から持つのがドイツ式。
日本では全体の8割ほどがドイツ式の奏者、へぇ~。
そろばんがロシアにあるのがびっくり。
でも、ロシアのにしても中国のにしても、日本のとは違うから慣れないと使いにくそう。面白い。

読了日:12月20日 著者:おかべ たかし
https://bookmeter.com/books/12658698

■花束作り基礎レッスン: フローリストマイスターが教える初心者からわかる
花の選び方や束ねるコツなど、花束の美しい組み立て方。
自分で花束を作ることがほぼないので、基本の花束の作り方の解説にふむふむとしていました。
ほとんどの花束は螺旋を描くように束ねるスパイラルというテクニックで作られる。
素敵な花束ばかりなので、写真を見るだけでも楽しめます。

読了日:12月20日 著者:橋口学
https://bookmeter.com/books/5344243

■スキュラ&カリュブディス: 死の口吻 (新潮文庫nex)
高校の同級生が巻き込まれた連続変死事件を追う此花ねむり。
結果としては、戸塚裕一郎では力不足、楓がねむりを繋ぎとめた。
楓が、自分だけが一方通行のような気持ちでいるのじゃないと分かったならいいなあ。
人を喰うスキュラと船を丸ごと飲み込むカリュブディス。
瀬崎愁架とはまたどこかで再会するのだろうか。

読了日:12月19日 著者:相沢 沙呼
https://bookmeter.com/books/8284175

■すごい言い訳! 二股疑惑をかけられた龍之介、税を誤魔化そうとした漱石
これでピンチを乗り切った、文豪たちのすごい言い訳。
阿川弘之と北杜夫は文豪というにはちょっと最近すぎる気もしますが、阿川弘之の息子が志賀直哉に粗相をしたお詫びの手紙の内容は、親の気持ちをとてもよく代弁してると思いました。
チャタレイ事件の裁判で、訳者と出版社を支援した坂口安吾が、締め切りを理由にして証人召喚状をつっぱねたのが痛快。
最後の第七章はまるまる夏目漱石を紹介、ひととなりが良く分かる。

読了日:12月19日 著者:中川越
https://bookmeter.com/books/13576753

■トミカ 究極のコレクション 1970-2020
2020年で50周年を迎えたトミカ。
これまでに発売された1000種を超えるトミカを掲載。
バイクや船や新幹線などもありますが、詳しい解説はないので、クルマのカタログを見ているような気分でした。
バキュームカーとか動物運搬車(ゴリラ)とか、マニアックだなあ。
リラックマの立川バスがあるなら相鉄のも作って~。

読了日:12月18日 著者:
https://bookmeter.com/books/15530431

■わかる! 選べる! 使える! 画材BOOK
鉛筆や絵の具、紙など、画材の基礎知識を身に着ける。
日本画にはまったく触れる機会がなかったので、下描きは和紙に直接描かずにスケッチブックからトレーシングペーパーなどで写すとか、膠とかドーサ液の使い方とか、色々と分かって面白かったです。
筆圧が強かったころ、ドローイングペンのペン先ってなんでこんなに潰れやすいんだと文句を言いながら使ってたっけなあ(しみじみ)

読了日:12月18日 著者:磯野キャビア
https://bookmeter.com/books/15098469

■永遠の殺人者 おんぶ探偵・城沢薫の手日記
空き家の浴室で見つかった両手首を切られた死体。
事件捜査にあたる田無警察署の安達と由貴野のもとに助っ人としてやってきたのは、孫の拓に背負われたおばあちゃん、薫だった。
コンテナはハプニングだったとして「菜の花」の若竹煮が謎の解明に繋がるなんて皮肉な話。
素人に、名前も顔も変えて失踪した人間の消息を追い続けるなんてできることなんだろうか。

読了日:12月17日 著者:小島 正樹
https://bookmeter.com/books/6962585

■上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!
「私の生きづらさは、私だけの問題じゃなかった!」
そもそもフェミニズムって何なのか、田房永子が上野千鶴子に聞きに行く。
性被害について男性に分かってもらうために「自分の彼女や娘が被害に遭った場合を想像してください」という言い方になるのは、男性自身が被害に遭ったらと想像できないから。
女はどこかの男に属している附属品だから、性被害はその付属品を傷つけられる、みたいなことだというのがすごく納得した。
「手を出しかけた時、相手の女性が上司の娘か社長の親族だと思ってください」なんて女には言わないよね。

読了日:12月17日 著者:上野 千鶴子,田房 永子
https://bookmeter.com/books/15032455

■チェコスロヴァキア美術館: 切手で鑑賞 至高の絵画コレクション
チェコスロヴァキアおよびチェコで、主に1966年から2010年にかけて発行された美術切手。
(1918年~1922年発行はチェコスロヴァキア、1993年以降はチェコ)
日本の浮世絵も切手になっていて(喜多川歌麿、歌川国貞)西欧での人気の高さが窺えます。
ミュシャがボランティアで制作したと言われる切手は場合によっては1枚10円くらいで購入できるそうで、え、いいな。 

読了日:12月16日 著者:市川 敏之
https://bookmeter.com/books/12880575

■ハーバリウム―美しさを閉じこめる植物標本の作り方: お手入れ不要、長く飾って楽しめる花の雑貨
ドライフラワーやプリザーブドフラワーをオイルと一緒にボトルに詰めるハーバリウムの作り方。
ハーバリウムの中身のコレはオイルだったのか、専用オイルがあるんですね、へぇ~。
鑑賞期間は1年~3年ほど。
オイルを使用するので火気厳禁。廃棄するときには花材・オイル・ボトルに分別して自治体の廃棄ルールを守ること。

読了日:12月16日 著者:
https://bookmeter.com/books/12529715

■存在しなかった男
合コンで出会った津嶋栄と交際3か月でスピード婚した北館奈々。
「知り合いを見つけたから、ちょっと話してくるよ。すぐ戻る」
新婚旅行のプーケットから帰る飛行機のなかでそう言った津嶋は、それきり姿を消した。
捜索願を出した矢先、津嶋のパスポートを所持した遺体が東京湾から引き揚げられた。
2時間ドラマをそのまま本にしたような感じで意外性はなかったけれど、津嶋の境遇に胸を痛める。

読了日:12月15日 著者:大村 友貴美
https://bookmeter.com/books/4072781

■ほろにが菜時記 (ウェッジ選書)
「四季の食材について学名から故事来歴、味覚、調理、詩歌に至るまで鋭敏な感覚で味わい尽した究極の味覚随筆」
塚本邦雄ってこういう本も書いてるのかと図書館で借りた本。
私にとって郁子(むべ)はまさに「幼児体験のない限り、ついに終生出会えない果実はあまりにも多い」に当てはまるのでした。
これを読むまでそういう果物があると知らなかったし、ルビがなければ漢字も読めなかった。
割れない木通、味は郁子のほうが上。

読了日:12月15日 著者:塚本 邦雄
https://bookmeter.com/books/616357

■宮中の盆栽―大道庭園の四季
皇居の盆栽の仕立て場「大道庭園」が管理している盆栽の四季折々の姿。英文併記。
表紙の、樹齢600年、大道庭園で一番古い盆栽の真柏(双幹)や、徳川家光遺愛の樹齢550年の五葉松(銘・三代将軍)など、こういうものが残って次代へと繋がるのはさすがに天皇家。
けれど第二次世界大戦で小石川植物園にほとんどを下賜、残った盆栽も東京大空襲の火の粉をかぶったりしながらも、奇跡的に戦火を生き延びてきた。
宮中行事などで大空間に飾られるため大鉢が多い。
当たり前の手入れをきちんと行う、その普通のことも大変だろうな。

読了日:12月14日 著者:『皇室』編集部
https://bookmeter.com/books/17642891

■おいしいかわいい料理写真の撮り方 改訂版 (手持ちのカメラとスマホで撮れるフードスタイリングと撮影の本)
おいしそうな料理をおいしそうに撮るコツ。
どんな写真を撮りたいのか、どんなスタイリングをしたいのか、事前に頭の中でイメージしておく。
うーん、なんというか、完全に言いがかりだと思いますが、おいしそうに見えれば実は本当はおいしくなくても構わないんだな、って気がしました。

読了日:12月14日 著者:佐藤 朗,小坂 桂
https://bookmeter.com/books/13378295

■顔の見えない僕と嘘つきな君の恋 (講談社タイガ)
「君は運命の女性と出会う。ただし四回」
相貌失認の達也は隠された真実に気が付くのか。
ひとの顔が分からない者同士が出会うことがもう運命だと思うのだけれど、言い出しにくいことを隠すのは嘘つきとは違うし、とか思いながら読んでいたら、そっちか~。
達也の努力が報われるのは良いことだけど、叔父さんが気が付いて接触してくるなんてことがないかとか、心配でもある。

読了日:12月13日 著者:望月 拓海
https://bookmeter.com/books/13054224

■黄金比はすべてを美しくするか?―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語  (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
芸術家や科学者を虜にする黄金比の魅力と真実。
ちょっと難しかったけれど面白かった。
ルイス・キャロルのアリスのヘンテコ九九が「底を18」とすれば4×5=20は実のところ12、20は18が1単位と1が2単位、のところを何度か読んでようやく納得。
人間の指は10本だから「10を底」にしてるほうがやっぱり直感的な気がする。
ハヤブサは獲物を捕らえるときの飛行コースが螺旋形、他の猛禽類はそういう飛び方をしないのかな。

読了日:12月13日 著者:マリオ・リヴィオ,Mario Livio
https://bookmeter.com/books/4558656

■眠れる美しい生き物
91種の動物たちの睡眠事情。
表紙は、獲物を待っている間に寝落ちしてしまったホッキョクグマ。
ホッキョクグマは、本来は体を丸めて夜に眠る。
フラミンゴが片足立ちで眠るのは両足立ちだと疲れるから。
ハムスターも歳を取ると早寝早起きになる。
脳がないクラゲも実は眠っている。
びっくりしたのはブダイ。
毎晩粘液を吐き出して作った膜に包まれて眠る。

読了日:12月12日 著者:関口雄祐
https://bookmeter.com/books/14923961

■なんでも、漬けもの。
酢やしょうゆなど、普段から家にある調味料で作る漬け物。
みりんを使うレシピは電子レンジで20秒~30秒くらい加熱するんですが、うちは火災報知器がとても敏感で鳴りそうだからやめときます;
はんぺんの味噌漬けとかおいしそうなんだけどな。
みりんがいらないレシピも色々あって、それも簡単に作れそう。

読了日:12月12日 著者:河井 美歩
https://bookmeter.com/books/13436815

■名探偵誕生
小学四年生の星川くんが大学生へと成長していくあいだに遭遇した謎を、隣に住むお姉ちゃん・千歳が真相を解き明かす。
米田さんの件のときに言っていたけれど、多分、千歳にとっては団地のこのときが最初の事件だったわけじゃなく、今までにも刑事事件じゃないことへの関与があったから、行動にもためらいがない。
どこに電話すればいいのか、誰に通報すればいいのか、分かっていたとしても、ただの素人には意外とハードルが高い。
ブロッコリー頭の勝野刑事が力になってくれて良かった。

読了日:12月11日 著者:似鳥 鶏
https://bookmeter.com/books/12794790

■月に3冊、読んでみる?
東京新聞・中日新聞で連載「酒井順子さんの3冊の本棚」をまとめた本。
本に手を引かれて次の本へ、ってことありますよね(しみじみ)。
自粛生活中の酒井さんが庭の草むしりにハマる日がくるとは。
「年をとると人はなぜ草花を好きになるのか」のテーマで選んだのが「牧野富太郎自叙伝」「蝶の唆え」「立腹帖」の3冊。
ドラマ「家政婦は見た!」の原作が松本清張なのが意外でした。「事故」収録の「熱い空気」、読んでみたい。

読了日:12月11日 著者:酒井順子
https://bookmeter.com/books/18347971

■日本の軍艦 120艦艇 (竹書房文庫)
日本海軍創成期から太平洋戦争終戦までに建造された艦艇の中から120を厳選。
あまり馴染みがないので、ふむふむそうですか、な感じで読みました。
武蔵は大和型唯一の姉妹艦、「兄弟」じゃなくて「姉妹」なんですね。
山下公園に係留されてる氷川丸、また見学したいな。

読了日:12月10日 著者:歴史博学倶楽部
https://bookmeter.com/books/7112248

■老いは止められる
健康を基盤とする若々しさを目指すなら、血管年齢を若々しく維持することが大事。
老化を防ぐ食事で最も大切なことは、糖質を取り過ぎないこと。
白米を玄米やもち麦に置き換える「ゆる糖質制限」なら一生続けられる。
魚をあまり食べないので(というかたんぱく質全般が足りてない…)えごま油を使ったりしていますが、EPAとDHAのサプリを検討します。

読了日:12月10日 著者:池谷 敏郎
https://bookmeter.com/books/16535868

■オチケン探偵の事件簿
大学が夏季休暇に入ったというのに事件が転がり込んでくるオチケンの事件簿。
学生落語選手権で優勝するためには岸が邪魔だから追い落とす。
高座の順番を知らせないなんて姑息な手段に打って出ても、岸は実力で乗り切った。
越智は、ラグビーボールの件でとうとう学長にまで目をつけられて、大丈夫なのか大学生活。

読了日:12月09日 著者:大倉 崇裕
https://bookmeter.com/books/5530988

■洋食 小川 (幻冬舎文庫)
タイトルだけだと台所まわりのエッセイみたいですが、日常に溶け込んでいることなので、とりたててそういうわけでもありませんでした。
ベルリンの中でも何回か引っ越して住むところを変えてみたり、外国だからと気負ってない感じ。
「日本にももっともっと木を増やせばいいのに」にはちょっと微妙な気分。
便利でラクに住みたいひとたちが少ない面積の平野に集まるのは仕方ないし、植樹の後の管理も結構大変だと思う。
ところで夫のペンギンさんはどうしてペンギンと呼ばれているんだろうか。

読了日:12月09日 著者:小川 糸
https://bookmeter.com/books/13504270

■うつくしい日々
蜷川実花が、父・蜷川幸雄が亡くなるまでの1年半の日々を切り取った写真集。
毎朝散歩をしてから父親の病室に行く。
「私は朝の自分の時間に写真を撮る。世界はますます美しく、キラキラしていて、どの風景も眩しく見えた」
あからさまな悲しみはそこにはない。
光あふれる写真が気持ちのすべて。

読了日:12月08日 著者:蜷川実花
https://bookmeter.com/books/11766688

■とうきょうの電車の顔ずかん
やさしい文章と大きなイラストで見やすいです。
「あずさ」と「かいじ」は特徴があって印象に残るなあ。
成田エクスプレスって正面から見るとこんな感じなんですね、なんかバッタっぽい。
パラパラ漫画も楽しかったです。

読了日:12月08日 著者:旅と鉄道編集部
https://bookmeter.com/books/13267650

■にゃんこ亭のレシピ (2) (講談社X文庫 ホワイトハート)
梅雨を経て田植え、そしてゴータの祖母の初盆。
友達の結婚式で横浜に行っていたサトルが、銀杏村は「帰ってくる場所」なのだと思うところにしみじみする。
人間は神様ほど長生きしないけれど、にゃんこ亭の3人が家族みたいに過ごす時間をコギには忘れて欲しくない。

読了日:12月07日 著者:椹野 道流
https://bookmeter.com/books/536920

■中野京子の西洋奇譚 (単行本)
西洋で起きた不思議な出来事。
コナン・ドイルの出生の背景を知ると、妖精写真に騙されてしまった理由が分かるなあ。
見たままを写しただけ、写真って時には罪作り。
ディアトロフ事件の真相は気になります。
本当に何があったんだろう。
読了日:12月07日 著者:中野 京子
https://bookmeter.com/books/16483953

■惑星のきほん: 宇宙人は見つかる? 太陽系の星たちから探る宇宙のふしぎ (ゆかいなイラストですっきりわかる)
「本書は、子どもから大人まで楽しめる惑星の新しい入門書です」
金星は太陽系の惑星で唯一、逆向きに自転しているとか、知らないことが多かった。
水星は1日が1年よりも長くて(1日は176日間、1年は88日)もし水星に住めたら時間の感覚がおかしくなりそう。
人類が初めて望遠鏡で発見したのは天王星。
そういえば「ハーシェル」って名前の宇宙望遠鏡がありましたが、天王星の発見者ハーシェルにちなんでいるのかな。

読了日:12月06日 著者:室井 恭子,水谷 有宏
https://bookmeter.com/books/11998841

■かわいいミラー刺繍: インドに伝わる伝統の技法をわかりやすくアレンジ
インド西部に伝わるミラー刺繍は、鏡片を布に縫い付ける装飾技法。
材料に使う一般的な丸形ミラーは19ミリ~6ミリほどのサイズ、素材は鏡のほかにプラスチックやアクリル製もある。
愛着があるのに穴が開いてしまったセーターとか、これでリメイクするとものすごく素敵。
靴とかスリッパとか、生地が硬い既製品に刺繍するのは大変そうだけど、出来上がったら達成感がありそう。

読了日:12月06日 著者:宮内 愛姫
https://bookmeter.com/books/13268702

■ロシア紅茶の謎 (講談社文庫)
国名シリーズの短編集。
「屋根裏の散歩者」日記に出てきた大と太の説明で笑ってしまいました。
「ロシア紅茶の謎」おんなは度胸、って言うしな。もし火村の言葉が嘘だと気付いたとしても目的は果たしているわけだし、とりあえずは満足かなとも思う。
「八角形の罠」劇のノベライズ。見取り図があると気分が上がるし謎解きの意味が分かりやすい。

読了日:12月05日 著者:有栖川 有栖
https://bookmeter.com/books/572107

■三谷幸喜のありふれた生活7 ザ・マジックイヤー
「朝日新聞」2007年4月~2008年4月までを掲載。
ほとんど仕事の話で本当に忙しそう。
だから愛犬とびの腫瘍(とついでの去勢)の手術と、おとっつあんの体調を心配しながら読んでしまいました。
監督役で「ザ・マジックアワー」に出演した市川崑監督がこのあと亡くなり、これが最後の仕事になったのは複雑だということですが、最後まで監督だったその姿を映像に残せて良かったのでは。

読了日:12月05日 著者:三谷 幸喜
https://bookmeter.com/books/557376

■はじめてであう絵画の本 (4) ラファエロ
ラファエロの友達で美術史家のヴァサーリいわく「ラファエロは、多彩な芸術家で、おまけに、紳士だった」。
ローマ教皇にも大商人にも庶民にも人気があったラファエロ。
同じ時代の芸術家を絵の中に登場させていて
「アテネの学堂」「「聖体の議論」ではレオナルド・ダ・ヴィンチを描いている。

読了日:12月04日 著者:アーネスト・ラボフ
https://bookmeter.com/books/1215250

■いきもの写真館 べんりなしっぽ! ふしぎなしっぽ!
動物たちのしっぽの役割り。
キリンのしっぽってこんななんだっけ、しっぽとしっぽの毛を合わせると2メートル以上の長さ。
首まで届くのでハエやアブを追い払う。
しっぽを布団にしているエゾモモンガが可愛い。

読了日:12月04日 著者:小宮 輝之
https://bookmeter.com/books/12461673

■山をも動かす (創元推理文庫)
アーチェリーが盛んな田舎町、ロベリア・フォールズで、町の水道課長が矢で射殺された。
現場に居合わせたディタニーは<魔法の山>をめぐる陰謀を阻止するために仲間たちの協力を仰ぐ。
サマンサの義理の両親の金婚式に選挙の準備、ディタニーたちが色々と忙しいときに、アレシューザのマイペースな感じがなんだか良いなあ。
アレシューザが引っ張り出してきた甥っ子オズバートはてっきり警察関係者かと思った。
「きみの頬はまるでユッカすなわちスパニッシュ・ベイオネットの花のようだと、だれかにいわれたことがあるかい」

読了日:12月03日 著者:アリサ クレイグ
https://bookmeter.com/books/432832

■コガネムシはどれほど金持ちか ナマコのからえばり3
ナマコシリーズ第三弾。
中高年のおとっつあんが何を着たら良いのか問題は、中高年のおばちゃんが何を着たら良いのか問題よりも難しい気がする。男モンペって言い方に笑ったw
ユニクロも作ってたような気がしますが、椎名さんならモンペで下駄履いて歩いていてもそれほど違和感なさそう。
ダイエットのために飼う人もいるサナダムシの寿命は2年半くらい、意外と短い。
辺境の地でヘンなものを食べても悪食で大食いのサナダムシのおかげで人間が無事というなら、欲しい人はいるんだろうな。
今の日本じゃなかなか手に入らないのが納得。

読了日:12月03日 著者:椎名 誠
https://bookmeter.com/books/504114

■100年前の女性のたしなみ (100年前シリーズ)
「文明開化より少しおくれた時代に、当時の女学校教員がまとめた、女性による女性のための百科事典を現代語に直し、資料を加えて編集」
三従の道を守れというこの時代の大変さ。
「女性は幼い頃から老いるまで何事も自分が先に成し遂げてはいけません」
「西洋の風俗を聞きかじって女性の権利とか自由とか言い、舅姑も嫁も同等のように考えるのは、日本には日本の風俗、習慣、礼儀があるのを知らないからであって、非常に愚かです」
女子学生が電車に乗ると痴漢に遭うので、朝と午後に数回、婦人専用電車が走っていた。

読了日:12月02日 著者:
https://bookmeter.com/books/1137026

■堤信子のつつみ紙コレクション
包装紙のほかにも、切手や地図など、堤さんが集めた紙ものコレクション。
紙箱とかかさばるものを収納するのは大変だろうな、とかちょっと思いながら見ていました。
最初に集めるきっかけが何だったのかは分かりませんが、紙ならなんでもいい、っていうコレクターは意外といるので驚く。
子供のころ絵葉書を集めてたんですが、そういう方に需要があるんだろうか。

読了日:12月02日 著者:堤 信子
https://bookmeter.com/books/13280851

■立花美樹の反逆 THANATOS (講談社ノベルス)
「意味わかんねー!何で!?オレ毎日一生懸命生きてるのに何でミキちゃんに家出されなきゃいけないわけ!?」
受験前の気楽な合宿を真樹に持ち掛けた自然科学部員の5人は逆に利用され、奥多摩の新興宗教BoNにいる美樹を捜す羽目になった。
湊は、仮面ライダーエレボスの手斧(私物)を経費で落とすのと、自分がサバイバル要員になること、どっちがマシかを真剣に考えたほうが良いんじゃないのか。
新興宗教団体に潜入する予定があるひとは高田崇史と京極夏彦を必ず読んでおきましょう。役に立つとは限らないけど。

読了日:12月01日 著者:汀 こるもの
https://bookmeter.com/books/4701594

■50代、足していいもの、引いていいもの (単行本)
50代の岸本さんが日常で感じたこと。
あちこちで掲載されたエッセイをまとめた本。
ひとり暮らしの何が快適か、というので「温度」が出てくるのが分かる。
夏でも冬の恰好をしないと寒い我が家、ああ羨ましい。
メンソレータムの「近江兄弟社」は、私も近江商人の兄弟の会社だと思ってました。
私たちは皆兄弟というキリスト教の考え方が社名の由来。

読了日:12月01日 著者:岸本 葉子
https://bookmeter.com/books/15173074


▼読書メーター
https://bookmeter.com/

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする