やわらかい螺旋

徒然なるままに

2012-10

2012-11-01 11:21:22 | 

2012年10月の読書メーター
読んだ本の数:64冊
読んだページ数:14881ページ
ナイス数:1036ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/89283/matome?invite_id=89283

■賢者の贈り物 (PHP NOVELS)
それぞれの短編が昔話や童話の本歌取り、どのお話にも「磯風さん」が登場しているけれど、同じ人じゃなさそうなので、その雰囲気の違いも楽しめました。気になるのは「玉手箱」最後まで中身が何なのか分からないじれったさ。愛情の行方が左右されるようなものって何だろう。
読了日:10月31日 著者:石持 浅海
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23354898

■So What 3 (花とゆめCOMICS)
ライムをライムの世界に戻すための機械は着々と作られていて、なんだか複雑な気分。きのこが頭から生えてる阿里が可愛い。
読了日:10月31日 著者:わかつき めぐみ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23354826

■簡単に断れない。 (文春文庫)
そんな屁理屈ってないだろう、なんていつも思うんですが、定期的に読みたくなるのは何故だろう。同僚のH教授の、疑問文や感想文が命令文になるっていう迫力がいいなあ。「簡単に断れない」の、何事も簡単にはいかないが、とくに断るのは難しい、っていうのはそうだなあと納得してしまって、断られたときには理由を聞かないようにしようと思ってしまいました。でも土屋さんには聞いてしまうかもしれない。
読了日:10月31日 著者:土屋 賢二
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23354777

■銃姫 10 (MF文庫J た 4-10)
闇の精霊王ではないただのセドリック、ガリアンルード王女ではないただのアンブローシア。灰海から救い出され、仮住まいで過ごした時間はかけがえの無いものだろうなあ。エルウィングも元の姿に戻ってしまったけれど、セドリックは自分を大事にしてくれると分かったから本望だと思う。灰海での親子対面が少し切ない。
読了日:10月30日 著者:高殿 円
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23329855

■Natural (5) (花とゆめCOMICS)
クローズアップ西門の巻。持ち物なんかが伊達じゃないぞっていうのもそうだけれど、住んでいるところを基準にした考え方ってかっこいい。弓道部の部長の行動がいまひとつ分からない私は鈍い奴。リコのペティギュアに「ぶひ」と書いたミゲールの気持ちは分かるんだけどなあ。ロンドンに行って後悔するかもと思ったかもしれないけれど、行動してよかったねアリーシャ。
読了日:10月30日 著者:成田 美名子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23329807

■サザエさんをさがして
サザエさんが一般庶民をうつす鏡の役割をしていた時代はそれほど昔じゃないはずなのに、こんなにも遠くなっていることに驚きます。マッチなんて普通に見かけるものではなくなったし、子供たちは魚を喜んで食べたりしなくなった。
読了日:10月29日 著者:
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23303484

■凍える島 (創元推理文庫)
最後に披露される推理が本当だったとして、ちゃんと警察に話すのだろうかと少し心配になってしまいました。病院に事情聴取にきた警察官に殺意をおぼえたっていうところがやけにリアルで、どんな表情をしていたか想像してしまいます。カタカナ表記が読みにくいですが、そこにひっかかりながら読むと、自分のペース配分で文章を追えなくなる苛立たしさが、島に居るひとたちの気持ちとリンクしてる気分になります。
読了日:10月29日 著者:近藤 史恵
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23303290

■銃姫〈9〉It is Not to be “Now” (MF文庫J)
だんだんと読むのがつらい展開になってきて、表紙のエル姉ちゃんに救われる思いです。チャンドラースの頭に埋まっている弾丸はジュディットの愛憎の全て、チャンドラースはある意味それをずっと受け止め続けてきたってことになるのかも。イボリットの真相を思い出したセドリック、竜王に出会ったアン。まだ二人はピンチの中にいるし、行方が分からないエルも気になる。
読了日:10月28日 著者:高殿 円
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23271301

■この島でいちばん高いところ (祥伝社文庫)
離れ小島で仲間が次々と殺されていく話って、それこそ小説でも映画でも掃いて捨てるほどあるわけですが、ページ数が短くシンプルだからこそ、殺されていく側の唐突で理不尽な感じが強まったのかなあとも思いました。桃子の決断と葛葉の表情には胸が痛くなります。
読了日:10月27日 著者:近藤 史恵
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23241662

■温かな手 (創元推理文庫)
事件を解決している間、人間じゃないギンちゃんとムーちゃんの冷静っぷりと、冷静にならざるを得ないパートナーの人間の寛子と北西くん。生命エネルギーを守るためとは言え、こうやって混乱した気持ちを静めてくれるひとが居たらいいなあ。老人ホームでのギンちゃんの行動の意味に薄々気付きながら読んでいたんですが、残された二人は食事に配慮しつつ幸せになって欲しい。
読了日:10月26日 著者:石持 浅海
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23217902

■ココロ・ファインダ
写真関係の用語が分かっていればもっと楽しめただろうなあ。写真部の四人の女の子たちそれぞれの悩みは誰にでもあるようなことだけれど、他のアングルもあるよと教えてくれる仲間が居る幸せ。「ペンタプリズム・コントラスト」でのシズの気持ちが自分に重なるところがあり、読んでいて猛烈に共感しました。わたしは、いつだって本気だったのに。
読了日:10月26日 著者:相沢 沙呼
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23217777

■巨石巡礼―見ておきたい日本の巨石22
巨大な岩が信仰の対象になるっていうことに違和感を感じない自分は日本人なんだなあとつくづく思います。最初からこの形だった、というだけならただ凄いだけですが、人工的に積み上げられた岩手県の続石あたりになると、どうやってこういう形にしたのかとただ驚くばかり。
読了日:10月26日 著者:
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23217722

■仮名手本忠臣蔵 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻 (1))
時代と登場人物の名前を変えて上演している歌舞伎とは言え、当時の人から見ても討ち入りはドラマチックだったんだろうなあ。討ち入りまでの間に細かな人情話も織り込み見せ場も多い。美麗な絵に見惚れてしまい、飽きずにずっと眺め続けてしまいます。
読了日:10月26日 著者:竹田 出雲,並木 千柳,橋本 治,三好 松洛
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23217648

■攪乱者 (ジョイ・ノベルス)
政府転覆を企むテロ組織なのに、スーパーにレモンを置いてくるとか、電車の中に新聞紙を丸めたスーパーの袋を忘れて来いだとか、そんな作戦を任される久米・輪島・宮古と一緒にどうして?と思いながら読みました。各章タイトルが「檸檬」「一握の砂」など既存の書名なのでその部分でも楽しめました。実行者には作戦の真の意味を明かさないというルールなので、なぜこれがテロになるのか三人には伝えられないけど、自分なりの推理を披露する串本の登場で、徐々に何かがずれていく。この結末を招いたのは三人のせいだけなのだろうか。
読了日:10月25日 著者:石持 浅海
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23193634

■ふたつめの月 (文春文庫)
今度はちゃんと「赤坂さん」として九里子と再会できたのが良かった。九里子自身にも変化があって、でもそれは必ずしも前進したと思えない苛立ちだとか焦る気持ちがとてもリアルで、少し胸が苦しかったです。赤坂さんの静かな活躍もあったけれど、最終的には九里子が自分でどうするかを決めているから、ただ流されている協力者っていう立場じゃないところにお互いの信頼を感じます。弓田くんを巡るライバルかと思われた明日香が、九里子の焦りに突破口を開く手がかりになって、ピンチはチャンスと表裏一体だなあと思わされました。
読了日:10月25日 著者:近藤 史恵
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23193406

■玩具店の英雄 座間味くんの推理
今回の語り手は大迫警視正の後輩の津久井操。もう終わったと思われる事件は実はこうだったんじゃないか、っていう座間味くんの推理が冴え渡る。人間、見た目に惑わされがちだけれど、その人が見たままの人間なのかと疑うのも大事だなあ。「最強の盾」の過激派組織PWを覚えていなくて、あとで検索してしまいました。大迫さんが知っているお店はどこも気が利いているしお料理もお酒もおいしそう。
読了日:10月24日 著者:石持 浅海
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23168341

■日本人て、なんですか?
震災の時には確かに、外国から見たらパニックにならない日本人には驚愕するだろうなあ。そこに住む人たちが地域の中での繋がりがあったこともあるのかもしれないけれど、自然発生的に組織が出来上がり、役割分担がちゃんと機能する。玄関に鍵をかけない時代には戻れないだろうけれど、日本人「らしさ」はやっぱり残っているんだなあと思いました。
読了日:10月24日 著者:竹田恒泰,呉善花
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23168301

■銃姫〈8〉No Other Way to Live (MF文庫J)
エルがどうしてエルウィングって名前なのか、どうしてセドリックと一緒に居ることになったのか。エルにしてもセドリックにしても、お互いが慰めだったんだろうなあ。オルテッグに泣きそうになりました。
読了日:10月24日 著者:高殿 円
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23168274

■微視的(ちまちま)お宝鑑定団 (文春文庫)
そんなもの持っててどうするんだっていう道具をあえて持ち、たまに取り出して愛でるっていうのがなんだかいいなあ。おかげで780円の中華のお玉を振り回したい気分が乗り移ってきました。名前は聞いたことがある「銚子電鉄」での旅が、たかが6キロの移動距離なのに面白そうだし行ってみたいと思ってしまいます。
読了日:10月23日 著者:東海林 さだお
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23143333

■Natural (4) (花とゆめCOMICS)
神事って神さまにダイレクトに繋がるんだなあとしみじみ思ってしまいました。大鷲の石打ちなんて、矢師のひとも矢にした甲斐があっただろうなあ。矢大神に扮してるミゲールと西門、二人ともかっこいい。西門が見るビジョンがなんだか不吉、あんまり実現して欲しくない。
読了日:10月23日 著者:成田 美名子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23143261

■セリヌンティウスの舟 (カッパノベルス)
同じ出来事に遭遇しても、それがスタートになるのかゴールになるのか、こんなにも感じ方が違うものなのか。そして死んでいくことで、残された人たちを「どうしたいのか」という意志。生死を乗り越え魂を削り取られるような逼迫感を分かち合った仲間っていう、特別な信頼と強い絆があるからこそ、贈り物だと思って欲しかったんだなと感じました。でもやっぱりやりきれない。
読了日:10月22日 著者:石持 浅海
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23119060

■So What ? 2 (花とゆめCOMICS)
ライムの居た世界ではあの耳は普通だけど、明らかにここの世界の人間じゃないと思い知らされるのはやっぱりツライだろうなあ。たけちゃんを木からつつき落としたあの鳥は、やっぱりたけちゃんで遊んでるに違いないw
読了日:10月22日 著者:わかつき めぐみ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23119029

■銃姫〈7〉No more Rain (MF文庫J)
続々と登場人物が増えてきて、灰海に役者たちが勢ぞろいといった風情。ティモシーが小切手を握り締めて金の力をみせつけると息巻いているところでなんだか笑いましたw女性陣の威勢のよさに主役のセドリックが食われかかっているような。人間の常識が通じないエル姉ちゃんはまさに最強。
読了日:10月21日 著者:高殿 円
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23090527

■So What 1 (花とゆめCOMICS)
ちょっとのんびりな阿梨と少し勝気なライムはいいコンビだと思うなあ。蛇口から練りわさびはなかなかシュール。
読了日:10月21日 著者:わかつき めぐみ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23090500

■毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で
そういう病気なんだ、っていうのがお互いに分かっていないと、「発達障害が普通に社会に溶け込める日」は来ないだろうなあ。自分自身にそういう疑いがあるっていうのをまず分かっていないと、物理的にも精神的にも平気で人を傷つける怖いひとだとしか思ってもらえないだろうし、自分自身と他人の命を脅かすかもしれないリスクは笑い飛ばせない。どういう病気なのかを知らないから怖いっていう部分もあるはずだから、こんな風に気軽に読める本が増えればいいな。
読了日:10月20日 著者:沖田 ×華
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23060893

■世界で一番ふしぎな地図帳
地理に関する雑学が楽しめました。東京湾上の県境で見ると千葉県寄りにあるので、アクアラインの海ほたるの住所は千葉県だとか、大規模なジェットコースターは「特殊鉄道」の記号で地図に記載されているとか、面白かったです。ブータンには富士山クラスの山がごろごろあるのでいちいち名前をつけていないし、1971年まで鎖国状態にあったというのが驚きました。
読了日:10月20日 著者:
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23060860

■動物のお医者さん (第8巻) (白泉社文庫)
ハムテルんちは広いなあと思っていたけど、敷地で開業できるほどとは思わなくてびっくり。漆原教授が定年になったら本当に押しかけてきそうwすごく個性的な病院になりそうでいいなあ。最後の最後まで大騒ぎで楽しい雰囲気のまま終わってなんだか嬉しい。
読了日:10月19日 著者:佐々木 倫子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23035682

■銃姫〈6〉The Lady Canary (MF文庫J)
メンカリナンは組織ぐるみでエルを利用しようとしているんだろうか、それならなぜエルはセドリックと一緒に旅に出てるんだろう?自分たちの手元で管理したほうが遥かにやりやすいだろうに。エルはどうしても行くと強く言える立場なのか。アンもエルもセドリックの足枷になりたくないって気持ちは分かるなあ。灰海で出会った生涯の敵は確かに敵なんだけれど、セドリックはどうするんだろう。
読了日:10月19日 著者:高殿 円
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23035622

■Natural (3) (花とゆめCOMICS)
ミゲールも良く見ているけれど、JRのあのキャラがミゲールを救っているところもあるんだろうなあ。ああやってハグされると気持ちを預けられる感じがします。西門さんところでやる夏休みの合宿はどうなるかなあ、なんか楽しみ。
読了日:10月18日 著者:成田 美名子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23010389

■彼女が追ってくる (碓氷優佳シリーズ)
碓氷優佳が前作で知り合った堀江比呂美を「比呂美ちゃん」と呼ぶほど仲が良いのにもびっくりしたけれど、優佳が婚約したというのが衝撃的。永遠に優佳の口を塞ぐことを選んだのかと勘ぐってしまう。死んだ黒羽姫乃が握っていたカフスボタンを巡ってのやりとりで、中条夏子の思いに同調しつつ読みました。今回は序盤の優佳の切れ者アピールが薄かったせいで、夏子にとっては青天の霹靂だっただろうなあ。優佳との対決よりも死んだ姫乃の影にじわじわやられ、最後はこの結末。果たして勝者はどちらだったのか。
読了日:10月17日 著者:石持浅海
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22984275

■動物のお医者さん (第7巻) (白泉社文庫)
若い労働力をあてにしていたハムテルのおばあさん、当てが外れそうだったけれど、二階堂のおかげで目論見どおりになったし、合宿メンバーたちも満足で一挙両得だったのかも。オペラの退場シーンですごく笑いました。
読了日:10月17日 著者:佐々木 倫子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22984247

■銃姫〈5〉The Soldier’s Sabbath (MF文庫J)
シエラがレース職人ベティとの対面をとても待ち焦がれていたけれど、作品を買い占めるくらいにしたほうがお互いに幸せな気がするwティモシーはボスローのことがあって、子供時代を卒業して逞しくなっていくんだろうなあ。傍らにはいつまでもチャーリーが居て欲しい。セドリックとアンが出会ったバッツとビニーの切なさよりも、エルが出会った占い老婆の言葉にひっかかります。人に答えられるのは人でしかないけれど、それじゃエルの問いには誰が答えてくれるんだろう。
読了日:10月16日 著者:高殿 円
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22958069

■Natural (2) (花とゆめCOMICS)
大崎くんの弱みを握ってそそのかしミゲールを監禁だなんて、アリーシャも随分と思い切ったことをしたけれど、JRをそこまで思っての行動とは言え、自分自身も傷つけることになるって気がついたはず。大沢くんにしても、自分が見ているものがどういう事実を含んでいたのかちゃんと考えようとしていて、少しずつ心の中が動いていくんだなあ。
読了日:10月16日 著者:成田 美名子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22958020

■君の望む死に方 (ノン・ノベル)
碓氷優佳は善良なだけの探偵役とは言えない。前作の結末からどういう逆転劇があったのか分からないけれど、恋人という形で欲しかったものを手に入れているから。だから守護天使のように先回りしてあれこれ手を尽くしていても、どこか恐ろしさが付きまとう。これだけ優佳の頭脳のキレを見せ付けられても、殺されたい日向と殺したい梶間の側に肩入れしてしまう。保養所で人が死んでいると小峰が通報しているけれど、誰、という部分がなく、どちらだったんだろうと想像する余韻が楽しめました。
読了日:10月15日 著者:石持 浅海
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22931289

■乱世山城国伝
応仁の乱から室町幕府が崩壊し戦国時代に突入していく間に起こった山城国一揆。戦争ばかりで農民たちをないがしろにするなという怒りが、8年間もの自治の時間を生み出した。足軽なのに人が斬れない九郎が戦線を離脱し、戦争ばかりじゃない世界を目にしたときに、色んなことを思ったんだろうなあ。最後の花森尼との乱舞はきっと艶やか。
読了日:10月15日 著者:後藤 竜二
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22931209

■トラップ・ハウス
トレーラーハウスなんて狭いところに9人も閉じ込められる息苦しさ、一時間ごとに鳴る目覚まし時計の意図。画鋲なんて罠としては地味だけれど、刺されば確実に痛いし、いつどこで刺さるか分からないって結構なストレスだと思う。もし最初に冷蔵庫をあけられていたらまた違った展開になっていただろうけれど、犯人の最後の強引な行動を考えると、いくつもプランを考えていたようには思えないんだなあ。でもずっと機会をうかがっていた執念深さには参った。
読了日:10月14日 著者:石持浅海
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22902154

■大奥 8 (ジェッツコミックス)
田沼意次の経済センスに驚くあたり、中興の祖と称えられる吉宗も金銭が卑しいものと言う儒教の教えからは抜けられなかったんだなあ。とうとう吉宗の時代が終わってしまって、ここから幕末に向けて時代が段々と動いていくけれど、赤面疱瘡の対策を託された田沼の固い決意がどう作用するのか今後も楽しみ。吉宗と久道の最後の会話にぐっときました。平賀源内の軽薄な感じがちょっといいなあ。
読了日:10月13日 著者:よしながふみ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22875097

■まじかる☆チェンジ (2) (ウィングス・コミックス)
今回も表紙下まで余すことなく楽しめて笑わせていただきました。ファンタムの乙女っぷりが炸裂、不覚にもトキめいた大海の気持ちが分かるwアフター5の女子会帰りでくだを巻いてるガーネットさま頑張れ!w
読了日:10月13日 著者:ホームラン・拳
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22875071

■死んでも治らない (光文社文庫)
まぬけな犯罪者に呼び寄せられるように事件に巻き込まれる大道寺圭。現在の事件の間に挟まっている警官時代の過去の事件が絡んできて、あれっこの微妙なリンクはなんだろうと思っていると、最後の「そしたら話は別ですけどね」で一発食らったような気分になりました。彦坂夏見と角田港大が出てくるし、葉崎市が舞台になった話があったりと、馴染みのあるものが紛れ込んでいることもあって読みやすかったです。表紙の、階段に散らばっているものを見るとなんだかにやっとしてしまいます。
読了日:10月13日 著者:若竹 七海
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22874975

■賢者はベンチで思索する (文春文庫)
ファミレスの隅に陣取ってコーヒーを飲んでいる国枝老人の観察眼の鋭さと少し漂う哀愁。久里子の中にある暖かい気持ちに同調していると最後に裏切られたという思いになり、どうしてそんなことをと混乱していると、またまたどんでん返し。国枝老人の本当の姿には驚かされたけれど、真の姿は九里子が知ってるあのひとだと思う。二人は新築の家の前で会えたかなあ。
読了日:10月12日 著者:近藤 史恵
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22853519

■動物のお医者さん (第6巻) (白泉社文庫)
たかがねずみ一匹でも、二階堂には死活問題。この際、隠れて見えなくなっている排水溝のことはそのまま知らないほうがいいのかも。昔飼ってたハスキーも散歩に行くとわざわざドブの中を歩いてました、落ちやすいというか好きなのだろうか。
読了日:10月12日 著者:佐々木 倫子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22853491

■銃姫〈4〉Nothing or All Return (MF文庫J)
執事の名前はセバスチャンがいいけどチャーリーも悪くない。キトリはいずれ血統保存のための道具として死んでいく運命、選択肢は他に無かったところにセドリックの登場で、強烈な自我が芽生えて「それならどうしたいのか」っていう思考回路を手に入れたのかも。でもキサラにしてみたらそれは全く余計なことで、セドリックが憎くて当たり前だろうなあ。そしてエルが、エルの正体が!
読了日:10月11日 著者:高殿 円
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22830166

■NATURAL (1)  花とゆめCOMICS
舞台がアメリカから日本に戻ってきたけれど、キラキラした感じはそのままで嬉しいな。家族と離れたほうが家族の安全になるって言う理由で日本に来たミゲールの強さ、それを飲み込んで連れてきたリコのお父さんもまた強い。何かを守るために銃を持ったり殴りかかったりする自分が居たから、左側の天使に魅入られるのが怖いのかなあ。
読了日:10月11日 著者:成田 美名子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22830046

■調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論 (幻冬舎文庫)
ただひたすら真剣に料理と向き合う人たちだけが料理人と呼ばれるに相応しい、と思わされるような熱の篭った文章でした。料理を作って客に出す、それだけのことなのに、お店によってこれほどやり方にばらつきがあり、働いているひとたちはそこに何を見出すのかセンスも問われる。自分自身を納得させないと、他人に説得力をもつようなものを提供できないという力強さを感じました。
読了日:10月10日 著者:斉須 政雄
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22808857

■かめくん (徳間デュアル文庫)
ほのぼのと言うか哀愁が漂うと言うか、木星戦争の戦闘員として作られたなんていうダイナミックなことがあるにも関わらず、静かに物語が進んでいくような印象。<メールがきています>のところから、胸がきゅーっとなってしまいました。かめくんとミワコさんがまた会えるといいんだけど。やっぱりパンは、耳だよね。
読了日:10月10日 著者:北野 勇作
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22808645

■扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)
碓氷優佳さえいなければ、伏見の思惑通り、望みのままに事態をコントロール出来ていたのかもしれない。それでも伏見の目的は果たしたし、なんせ相手が優佳だから本望なんじゃないかな。建物の特徴を生かした作品は数々あれど、現実的にありそうな建物を使い、心理的にも物理的にも扉を破れなくするほどのプレッシャーを与えるってすごいなあ。
読了日:10月9日 著者:石持 浅海
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22785779

■顔のない敵 (カッパ・ノベルス)
日常的に戦争に巻き込まれていない日本に住んでいると、対人地雷がどういうものかは知識として持っている程度、それを題材にしたミステリというので興味を惹かれました。地雷が登場しない「暗い箱の中で」地震で停まってしまったエレベーターの中での殺人の真相が切羽詰っていてどきどきしました。逃げ切るつもりでいるのかなあ。
読了日:10月8日 著者:石持 浅海
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22758127

■動物のお医者さん (第5巻) (白泉社文庫)
菱沼さんは確かにマイペースだけど、血液好きで熱意があるのは本当だし、研究員としては良い人材だと思うんだなあ。就職おめでとう。犬ぞりの犬たちに混ざってチョビも大変だっただろうけれど、来年もまた頑張れ~。
読了日:10月7日 著者:佐々木 倫子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22732914

■新装版 東京イワシ頭 (講談社文庫)
担当編集者のポアール嬢とあちこち出かけて、胡散臭いものもそうでないものも、楽しんだもの勝ちだっていう気楽さと、今回の物件はちょっと駄目だったなあと書いてしまうような体面を取り繕わない潔さ。予定を急に変更しても何とかするのが自分の役目と頑張っているポアール嬢にも好感が持てるし、なんせこの飾らないべらんめぇな文章に味がある。変身フォトスタジオで写真を撮ったあと、きゃあきゃあ言いたくなる気持ちは分かるなあ。自分もきっと、きゃあきゃあ言うだろうなあ。
読了日:10月7日 著者:杉浦 日向子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22732742

■動物のお医者さん (第4巻) (白泉社文庫)
しるこ缶はプルトップをあけてからストーブにのせないとね;昔飼っていたハスキーもやっぱり雷はキライだったけど、出かけた先で雷に遭遇したわけじゃないから、パニックにならなかったのかなあ。チョビがちゃんと戻ってきて本当に良かった。
読了日:10月6日 著者:佐々木 倫子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22704020

■銃姫〈3〉Two and is One (MF文庫J)
あのギースが編み物か、なんてちょっとニヤニヤ。背中合わせで生まれてきた双子のキトリとキサラ、生まれてからはずっと向かい合ってきたんだよなあ。キトリの気持ちもキサラの気持ちも一途なんだけれど、一途すぎて受け止める余裕がなくなりそう。エルがなにか行動を起こしているわけじゃないのに、なぜこんなに不気味で不吉な感じなんだろう。
読了日:10月6日 著者:高殿 円
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22703951

■こころのほつれ、なおし屋さん。
大学のコミュニケーションワークでの出来事なのに、自分がそこに参加していたらどうかな、とつい想像してしまいます。目隠ししているのに走り出し階段から落ちたシオリ、そのとき胸にあったのはどんなことだったんだろう。
読了日:10月5日 著者:村中 李衣
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22682690

■Alexandrite (7) (花とゆめCOMICS)
レヴァインの父親の手から戻ってきたアレクサンドライトの指輪は今はアンブローシアのところにあって、人から人へと何かの思いが繋がっているような感じがしました。ジェイクとエレンもそれぞれ、亡くした人への悲しみごと受け止めてくれそう。エレンが急に女性と分かる格好なのは、暑さのせいもあるけれど、武装解除の意味合いもあったのかなあ。ヴァネッサの手紙にもあった「それでも好き」っていうストレートな気持ちは大事だね。
読了日:10月5日 著者:成田 美名子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22682442

■41歳からの哲学
何かを深く突き詰めて考えるということは、自分自身を知ることでもあるし、自分がどんな世界に居るのか見ることでもあるのかなあ。週刊誌で連載していたときに起きた出来事のあれこれについて語ることは、世間に向けて語ると同時に、自分自身がどう思っているかの確認作業って感じがしました。「そんな大変なことどもを、どれだけ萎えずに生きぬくことができたか、それこそが人生の価値なのだ。」
読了日:10月4日 著者:池田 晶子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22656975

■14歳からの哲学 考えるための教科書
「思う」から「考える」に一歩踏み込む道筋を示す分かりやすい哲学入門書。分かりやすいけれど簡単ではなく、「考える」を怠っていると、当たり前っていうのは何だろうと疑うことすら忘れてしまうんだなあと痛感。噛み締めるように読みたい一冊。
読了日:10月4日 著者:池田 晶子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22656889

■河童
Keetaiなんていう臍端末がおなかの袋の中にあったり、水中情報網への「浸り籠もり」が社会現象だったりと、シュールな河童の世界がここにあって、「どうかKappaと発音してください。」と書いてある理由が分かる気がしました。二十三号室のあのひとには河童の世界が自分の故郷。
読了日:10月3日 著者:芥川 龍之介,原田 宗典
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22629690

■遊覧日記 (ちくま文庫)
ひとりで、あるいは娘の花さんと出かけ、そのとき出会った物事を書き綴っています。見たままあるがままを書いているので、時々文章にちくっとしたものが混ざるけれど、それが「見る」っていうことなんだなと思わされました。率直なだけで毒がある文章とは格が違う。「世田谷忘年会」の最後の一文の美しいこと。「一人きたお客といれちがいに表へ出ると、牡丹雪が降っていた。」
読了日:10月3日 著者:武田 百合子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22629579

■日記をつける (岩波現代文庫)
いつまでも残すように記すから日記は「書く」じゃなくて「つける」、と改めて言われると、なるほどそういうものだなあと納得。夏休みの宿題になったり古典の世界にも「更級日記」などの日記文学があって、日本人には割合と馴染みやすいのかも。日記をつけるとその日のほこりが取り払われて綺麗になるっていう気分は良く分かるなあ。引用されている日記の数々を見ると、その人が個人的に大事に思っていることが浮かび上がってくる気がします。
読了日:10月3日 著者:荒川 洋治
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22629531

■ジョナさん
高校生くらいだと柔軟なところも頑ななところもある年頃で、自分の気持ちは分かっているけれど、それをどうしていいのか分からない不自由さを感じたりすることもあるよねえ、なんて思いながら読みました。トキコとの関係が、お節介なほどベタベタしていないけれど親友だからこそ、っていう絶妙な距離感があっていいな。
読了日:10月2日 著者:片川 優子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22605794

■妻と罰
皮肉が利いているようなそうでもないようなバカバカしさ、不思議な面白さで、つい読んでしまいます。「電球を取り替えるのに何人必要か」が、さもありなんって感じで笑ってしまいました。「あのー」「えー」が多すぎて内容が思い出せない授業っていうのを受けてみたかったです。
読了日:10月2日 著者:土屋 賢二
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22605595

■モップの精と二匹のアルマジロ (ジョイ・ノベルス)
愛情こそがなによりも大事だと世界中がメッセージを発していても、それを自分のものに出来ないひとがいる。友也が真琴と結婚した裏に事情があったとしても、真琴が友也の何かに火をつけて革命を起こしたことには違いないと思うんだ。アルマジロに幸あれ。大介とキリコがどんどん夫婦らしくなってきて、お互いが生活の中に居るのが当たり前っていう感じがいいな。時間が無くても掃除機と蛇口ドアノブはお掃除ポイント。
読了日:10月2日 著者:近藤 史恵
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22605197

■夏と花火と私の死体 (集英社文庫)
怖い。死体をめぐり悪戦苦闘する兄と妹よりも、その状況を見つめているだけの、死体になった五月の冷静さが怖い。自分を死なせた弥生を責めるでもなく、ただ淡々と状況を伝えているだけなのに、それがこれほど怖いとは。健くんは潜在的な犯罪者かなあと思ったけれど、緑さんのラスボスっぷりには負けるかもしれない。
読了日:10月2日 著者:乙一
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22604863

■動物のお医者さん (第3巻) (白泉社文庫)
おばあさんに教育的指導された時のチョビは、女の子なのにハゲを作っちゃう前のことなんですね。さすがおばあさん、でも時効なので足の裏の味は忘れてください。飛ばずに逃げたカモメは、飛ぶのを忘れるほど怖かったのかなあw
読了日:10月1日 著者:佐々木 倫子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22582163

■秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)
岐阜県の栗きんとんを知らないと、なぜお正月のアレが秋?って思ってしまうかも。小鳩くんと小佐内さんが袂を別ち、それぞれに彼氏彼女がいることに違和感。うまく小市民を装えば、こういう高校生活が青春なのだと言えるのだろうけれど、しっくりこないなあ。健吾が新聞部の部長として采配を振るっていて、なかなか堂に入っている。瓜野くんは意地で追いかけてる放火犯を本当に捕まえるつもりなのか。
読了日:10月1日 著者:米澤 穂信
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22581627


▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする