やわらかい螺旋

徒然なるままに

2021-09

2021-10-01 06:40:45 | 
2021年9月の読書メーター
読んだ本の数:60冊
読んだページ数:14131ページ
ナイス数:546ナイス

https://bookmeter.com/users/89283/summary/monthly
■殺人ゲーム (角川文庫)
資産家ルーカスとニーナが結婚する日の朝にルーカスの妹アレックスの死体が海岸で見つかった。
その一年後、当時の招待客たちが集められ殺人ゲームが行われる。
ルーカスが妻じゃなくて妹を選んだ時点でニーナにとっては不幸でしかなく、ルーカスに唯々諾々と従うマットに見切りをつけられなかったジェムも心に傷を負った。
もしも自分が妻ならどうするかなあ。
ステファニー刑事があんまり主人公っぽくなかった。

読了日:09月30日 著者:レイチェル・アボット
https://bookmeter.com/books/18165436

■ベスト・エッセイ2018
2017年に新聞や雑誌などに発表されたエッセイから選ばれた77編を収録。
一度も読んだことがない方のエッセイが多かった。
時代の違うトットちゃん桑原裕子「ハエちゃんのこと」と、免許を取る苦労が詰まってる佐藤多佳子「低速絶叫マシン」あたりが面白かったです。
三浦しをん「たにまち願望」これは近頃の言い方をすると推し活ってやつですな。やってることは同じなのに、たにまちっていう言い方だととてつもなくイキに感じます。

読了日:09月30日 著者:日本文藝家協会編
https://bookmeter.com/books/12892881

■編み物教室の現場から こんな基礎編みの本が欲しかった!―棒針編み・作り目からまとめまで
ベストを編みながら棒針編みの技術を学ぶ。
ずっと自己流でやっていて綺麗にできてないなと反省して、図書館で借りてきた本。
途中で糸を繋ぐ方法とか糸の始末が分かりやすかったです。

読了日:09月29日 著者:小瀬 千枝
https://bookmeter.com/books/519480

■アラフィフでヘルパーはじめました
20年間専業主婦をして、50歳でヘルパーになり、54歳で介護福祉士になったヘルパーおかんの奮闘記。
絵に慣れるまでちょっと時間がかかりましたが勉強になりました。
介護職はお世話係ではなくて自立支援。
同居している姑がキツイ性格で大変そうですが、うまいこと仕事と両立させていてえらいなあ。

読了日:09月29日 著者:ゆる ゆらり
https://bookmeter.com/books/12271112

■ボーイフレンド演じます (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
お互いの都合で期間限定の恋人を演じることになったルシアンとオリヴァー。
イギリスの文化をもっと知っていれば、ルシアンのダダ滑りの冗談とか気まずさの原因なんかでもっと笑えたのかもしれないけど、知らないは知らないなりに楽しめました。
ルシアンってば絶対、語尾にハートマークつけて話してたよね(実際ついてた)の場面がなんとも可愛い。
ふたりとも親との関係に悩まされて大変だったけれど、ハッピーエンドならそれで良し。
続編が翻訳されたら読みたい。

読了日:09月28日 著者:アレクシス・ホール
https://bookmeter.com/books/18068084

■川上弘美書評集 大好きな本 (文春文庫)
新聞に寄せた書評と作品解説など、川上弘美がお勧めする144冊の本。
たとえば、本屋さんで書名を見かけただけで手に取ったりするかどうかは分からないけど、誰かがガイドしてくれると俄然興味が湧いてくるから不思議です。
2回でてくる堀江敏幸「熊の敷石」が気になりました。
難しそうだけどついていけるかな;

読了日:09月28日 著者:川上 弘美
https://bookmeter.com/books/639838

■世界のタワー
電波塔、超高層ビルなど、世界のタワーを紹介。
この本の出版当時に出来たばかりの東京スカイツリーの建築中のタイムプラス写真も掲載。
地元のひとたちは、何もない所から空へと伸びていくのを定点観測みたいな気分で見てたのかなあ。
ブルジュ・ハリファ(ドバイ)とか地震があまりない地域のタワーはえげつない高さ。なんか怖い。


読了日:09月27日 著者:
https://bookmeter.com/books/4610054

■湘南 いそいそ家飲み日記 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
「晩酌のために何かをがんばる。ささやかだけど、これって私の生きがいのひとつかも」
ほぼ一日かかるフキの下ごしらえや手間のかかるらっきょうの薄皮むき、すべてはおいしい晩酌のために。
フキの苗を購入して花壇に植えて、ふきのとうを収穫して天ぷらにする。
たけのことかもそうだけど、ベストなときを狙って採るのは「狩り」って感じで結構好きです。
いいなあ、庭があったらフキ植えたい。

読了日:09月27日 著者:影山直美
https://bookmeter.com/books/7919075

■海賊島の殺人 (創元推理文庫)
海軍提督バロウズ卿は海賊連合を率いるリヒターに誘拐された。
アラン・クリフォード大尉は提督救出のため海賊として潜入、リヒターに接近した矢先に殺人事件に遭遇する。
前半と後半でだいぶ話の感じが変わりますが、その落差が楽しめました。
コニーが仕立てたバートの服装でジョン・シルバーを思い浮かべていたらオウムを連れてきたのでうっかり笑った。
ソープの器用で多才なところは、俳優より、命がけの海賊のほうが向いてるのかも。
マッシュの懐中時計は剣じゃなくて銃弾だと思ってた。

読了日:09月26日 著者:沢村 浩輔
https://bookmeter.com/books/12916304

■「和食」って何? (ちくまプリマー新書)
日本の食の変遷をたどる。
「和食=高級店の日本料理」あるいは「和食=おばあちゃんの煮物」のイメージが一番しっくりくる感じがしますが、カレーだのラーメンだのは、ポピュラーではあるものの和食とは思えない。
親から子へと受け継がれた食文化は、戦争で生活環境が変わり途絶。
自分でだしを取るのは面倒だからインスタントのだしを使うならまだマシで、レシピサイトでだしを使わない簡単な創作料理を探してくるほうが早いもんなあ。
そのうち、和食は外食で食べるもの、ってことになるかもしれないし、和食の定義そのものが変わるかも。

読了日:09月26日 著者:阿古 真理
https://bookmeter.com/books/9690360

■夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業
俳句初心者のための俳句入門。
ほんとに分かりやすかったです。
初心者はいきなり超上級者みたいな句を目指すんじゃなく、段階を踏んで徐々に俳句に馴染むやり方を知っているとだいぶ違うと思う。
下五→中七→上五の順に俳句を作る「尻から俳句」は初心者にはやりやすい。
五音と七音の言葉を普段から意識しておく。

読了日:09月25日 著者:夏井 いつき
https://bookmeter.com/books/12930651

■りん語録
りんご大好き谷村志穂のりんご愛あふれる本。
私の両親が長野県民で親戚中からりんごを貰ったせいですっかり飽き飽きしているんですが、またりんご食べてもいいかなって思えるようになりました。
この勢いで前作も読みたい。
和りんごは「林檎」西洋りんごが「苹果・へいか」と区別して表記していたとか、甘酸適和というりんごの味わいを表す言葉があるとか、勉強になるなあ。
京都のタルト・タタンは別のひとの本にも出てきてたな、それほど心に残る味。

読了日:09月25日 著者:谷村 志穂
https://bookmeter.com/books/16739061

■天才と発達障害 (文春新書)
天才と呼ばれる人たちはADHDあるいはASDなどの発達障害の特性を持つケースが多い。
天才にとって一般社会は生きにくく、薬物依存などで破綻することが多いが、国家プロジェクトとして能力開発を重点政策としているのがイスラエル。
物理学やプログラミングを教える幼稚園があるというからすごい。

読了日:09月24日 著者:岩波 明
https://bookmeter.com/books/13698386

■一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書 公立高校教師YouTuberが書いた
先に世界史のほうを読んでいて、良かったので日本史も。
歴史というのはブツ切りじゃなくて連続した時間だというのが良く分かる。
ブツ切りでも、ひとつずつの出来事なら覚えているかなと思っていたんですが、意外と忘れているものですね;
孝謙天皇・道鏡と対立して敗北した恵美押勝は、藤原不比等の孫の藤原仲麻呂と同一人物。

読了日:09月24日 著者:山﨑 圭一
https://bookmeter.com/books/14091945

■マレ・サカチのたったひとつの贈物
「量子病」を発症し、自分の意志とは関係なく、世界中に飛ばされてしまう坂知稀。
同じ場所にどれだけ留まれるのか分からず、自分と一緒にジャンプできるのは身に着けている青いものだけ。
どこに飛ばされるのかも分からないから、遭難して死にかけている登山家の手を握って最後の言葉を聞きながら自分にも凍死の危険があったりする。
マレもジャンもネット移住しなくて良かった。
出会え。別れたって、また、出会え。

読了日:09月23日 著者:王城 夕紀
https://bookmeter.com/books/9260440

■世間とズレちゃうのはしょうがない
養老孟司さんと伊集院光さんの世間との折り合いかた。
ズレちゃうのはしょうがないと思っていいんだなあとラクな気分になりました。
虫が好きな養老先生に、サービスのつもりで蜘蛛のトンネルの話をした伊集院さん。
でも実は先生は蜘蛛が大嫌い。
世間どころかここでズレてて笑ってしまいました。
「伊集院:理屈で整理してればうっかりはみ出て排除されることはない。逆に自然にしていて排除されない存在でいる自信がないのだろうと思います」
「養老:大丈夫です。どうせ死ぬんだからさ」

読了日:09月23日 著者:養老 孟司,伊集院 光
https://bookmeter.com/books/14041676

■魅惑のランプ
古代オリエント博物館2017年度夏の特別展「魅惑のランプ -古代地中海からヨーロッパ、アジアまで-」図録。  
Amazonにはあるのに読書メーターでは出てこないのでオリジナル登録しました。
この展示資料は「中山コレクション」として日本に所蔵されている資料をもとに構成されている。
最初のころは形も装飾もそれほどなくて実用一点張りな感じだったのが、だんだんと色んな形になっていく。
セルジューク朝の金属のイスラーム・ランプは、こすったら魔人が出てきそう。

読了日:09月22日 著者:古代オリエント博物館・横浜ユーラシア文化館
https://bookmeter.com/books/18716138

■まんが アフリカ少年が日本で育った結果
カメルーン人の母親が日本人の父親と結婚し、4歳の時に日本に来たルネ少年。
ひとり異文化交流、みたいな感じで面白かったです。
あとから、他の兄弟とは違って自分だけは母親の連れ子と知ったルネくん。僕ハーフじゃなかった!になんだか笑ってしまいました。
「声を大にして言いたい黒人全員が超人的に運動神経いいわけではないんです!」
日本人だからって全員アニメオタクじゃないのと同じことですよね、うん。

読了日:09月22日 著者:星野ルネ
https://bookmeter.com/books/13058921

■沈黙の目撃者 (文芸書)
遺骨で作られた飲み物の容器に魂が宿る。
特殊設定のミステリ短編集。
死んだ麻薙の事件から、まだ定年間際の警官だったときの話へと繋がっていったので、職人が初めて道具を作った時まで遡るのかなと思っていたんだけどなあ。
生きていても死んでいても人間の感情は厄介だ。

読了日:09月21日 著者:西澤保彦
https://bookmeter.com/books/14611777

■20代で隠居 週休5日の快適生活
毎日あくせく働かず楽しく生きる。
週に二日、介護の仕事をして、その収入の範囲での生活は自分で選んだことなので、不平不満とかは少ないんだろうな。
全員がこの生活を目指したら違う社会になりそう。

読了日:09月21日 著者:大原扁理
https://bookmeter.com/books/9690130

■見わたすかぎりの花
花が溢れる日本の風景。
カレンダーでの使用を考えて撮影しているということなので、どの写真も本当に素敵でした。
山梨県・早川河川敷のハナモモが綺麗。
周りを緑の木々に囲まれて、一本だけ桃色の花を咲かせている。

読了日:09月20日 著者:森田 敏隆,宮本 孝廣
https://bookmeter.com/books/10772011

■番線―本にまつわるエトセトラ (ウンポコ・エッセイ・コミックス)
番線とは書店の識別コードのこと。
本が好きなひとなら、ひとつやふたつ、思い当たることがあるに違いありません。
本の収納問題やら、翻訳小説だとアリスという名前から想像する容姿じゃないことがザラにあること。
横尾忠則の本の表紙とそっくりな服のお客さんは、絶対に本に呼ばれて来たんだと思う。

読了日:09月20日 著者:久世 番子
https://bookmeter.com/books/552920

■QED 源氏の神霊 (講談社ノベルス)
頼政塚、赤間神宮、壇ノ浦。
源平合戦ゆかりの地で見つかった遺体の謎と源頼政が挙兵した理由を桑原崇が解き明かす。
10年前に貴船の事件で出会った刑事の中新井田と再会、やっぱりタタルさんのこと覚えてますよね。
小松崎は沙織と結婚して良かった、奈々も小松崎なら安心なのでは。
途中、タタルさんと奈々と一緒に行動していた女子大生ふたりとはまたどこかで会えるかな。

読了日:09月19日 著者:高田 崇史
https://bookmeter.com/books/17617639

■ベトナムで赤ちゃん産んで愉快に暮らす (にこにこブックス)
海外協力NGOの職員の夫が南ベトナムのプロジェクトに参加、幼い息子を連れてベトナムに移り住む。
2年の移住生活のあいだに娘も産まれ、異文化を感じながらの毎日の生活。
息子の弘太くんは近所の子と遊ぶのにどうしても必要だったからベトナム語を覚えて話せるようになって、習うより慣れろってこういうことだと思った。
ベトナムではうまれたての赤ちゃんがピアスをしていて、文化の違いって面白い。

読了日:09月19日 著者:岡村 ゆかり
https://bookmeter.com/books/1913021

■新宿迷子
オリジナル登録ありがとうございます。
タイトルだけを見て図書館予約した本。
そりゃあ新宿なんて迷子になるに決まってるよね~、と思っていたら、そういう中身じゃありませんでした。
刺青をしていて小指のないひと、血だらけで道端に座り込むひと。全裸のこのひとは瓶をマイクにして歌ってるのかなあ。
地方で言われる「東京は怖い」はこういうことだろうな、という感じ。
混沌として猥雑な新宿の姿。

読了日:09月18日 著者:梁 丞佑
https://bookmeter.com/books/12272439

■おうちで簡単! キッシュ店主のキッシュレシピ (エイムック)
基本のポイントを押さえたキッシュのレシピ。
パート(皮)の代わりに千切りじゃがいもを使ったり、ケークサレなども紹介。
焼く前のパートは冷凍保存できるから、時間があるときに作っておくと便利。
だけどパートを作るのが面倒で、冷凍パイシートでもいいかなあとか思ってしまいました。ものぐさって駄目ねえ。

読了日:09月18日 著者:
https://bookmeter.com/books/12630166

■走る? (文春文庫)
「走る」がテーマのアンソロジー短編集。
最初の中田永一「パン、買ってこい」がまさに走っていて面白かった。
でも、走ってなくても、町田康「ずぶ濡れの邦彦」みたいに、町田康ならこういう感じだなあというのもあって、それぞれの作家の「走る」が色々読めて良かったです。
小林エリカ「飛田姉妹の話」アスファルトの地面の感触はどうですか?

読了日:09月17日 著者:東山 彰良,中田 永一,柴崎 友香,王城 夕紀,佐藤 友哉,遠藤 徹,前野 健太,古川 日出男,岩松 了,小林 エリカ,恒川 光太郎,服部 文祥,町田 康,桜井 鈴茂
https://bookmeter.com/books/12025932

■元祖探訪 東京ことはじめ―文明開化は銀座のあんぱんから始まった (祥伝社黄金文庫)
東京発の日本初のものを紹介する。
人力車や公衆電話、動物園。
これらの日本初が東京発なのはなんとなく納得できる。
鯛焼きを考案した浪花家は「およげ!たいやきくん」のモデル。
コック帽をかぶったおじさんと〝少し焦げある鯛焼き〟は日本でここだけ。

読了日:09月17日 著者:田中 聡
https://bookmeter.com/books/28351

■英国貴族の城館
イングランドとスコットランドのカントリー・ハウス写真集。
15000円という強気な値段設定なだけのことはあります。
豪華絢爛で眼福でした。
これだけ大きいカントリー・ハウスを維持するのはやっぱり大変で、没落して手放す貴族がいたり、廃墟になったり、ナショナルトラストなどに管理を委任している場合もある。
故ダイアナ元妃の実家オールソープは、夏季の60日間だけ一般公開して固定資産税を減免する制度を利用している。

読了日:09月16日 著者:
https://bookmeter.com/books/12394547

■マッちゃん84歳 人生店じまいはムズカシイ (岩波ブックレット)
1935年生まれ、アラ8マッちゃんの人生の後半戦。
なんていうか、人間とのつきあい、病気とのつきあい、全部ひっくるめて、参ったな困っちゃったなと言いながら、なんとかやっていくしかないんだな。
カフェ・ハギノがオアシス。

読了日:09月16日 著者:沼野 正子
https://bookmeter.com/books/14875840

■沖晴くんの涙を殺して
実家のご近所さんからいただいた本。
ガンで余命一年の宣告を受けた京香は故郷の町に戻り、「喜び」以外の感情を失った高校生・沖晴と出会う。
大津波で家族を亡くした沖晴が、恐れや悲しみを感じないのは良いことにも思えたけれど、そういうネガティブな感情と向き合うことは人間にとって必要なのだ。
なんとなく頭の中で、さだまさし「いのちの理由」の歌詞を思い出しながら読んでいたような気がします。

読了日:09月15日 著者:額賀 澪
https://bookmeter.com/books/16378190

■奴隷商人ソニエ―18世紀フランスの奴隷交易とアフリカ社会
歴史書のガイドブックでの内容紹介が気になって図書館で借りた本。
奴隷交易でセネガルに2回渡航し、帰国してから体験談をまとめたフランス人ソニエ。
最初の航海では、船が座礁して陸地に上がったところでモール人に捕まり、モロッコのアガデスでフランス人に買い戻されるまでに、何度も売買されながら捕虜として連れまわされた。
やっとの思いで戻ったのに家族が冷たい態度で可哀そう。
1791年、フランス革命の最中に、ハイチ革命へと繋がる大規模な黒人奴隷の反乱があったこととか知らなかった。

読了日:09月15日 著者:小川 了
https://bookmeter.com/books/680368

■鏡像の祖国 アルゼンチンの日系人たち
「日本のちょうど反対に位置するアルゼンチンに暮らす人々の生活は、左右は反転するが上下には変わらないという、鏡に映った姿を見るようでした」
アルゼンチンに住む日系人の肖像写真。
2世、3世にもなってくると、日本語を話さないひとも増えてきて、でも日本の古い習慣が残っていたりする。
アルゼンチンは世界で5番目に日系人の人口が多い国。
上位の4か国はどこなんだろう。

読了日:09月14日 著者:田島 さゆり
https://bookmeter.com/books/11488534

■形で魅せる! 思わず手にとるパッケージデザイン 展開図付
実際の商品パッケージのデザインを展開図と合わせて紹介する。
他の商品との違いをアピールするには、パッケージのデザインが一番分かりやすい。
パッケージと商品の名前がリンクしていればもっと良い。
旅先でのお土産選びには、あとで話のネタになるようなものだと、貰った方も楽しめそう。

読了日:09月14日 著者:
https://bookmeter.com/books/13214742

■君に続く線路 (メディアワークス文庫)
息吹山保線区の保線手・所田三郎は、点検作業中に臨時列車をやり過ごしたあと、線路に倒れていた少女・東雲櫻子を保護する。
舞台設定が昭和初期なので色々とひどい。
見合いをしたくない櫻子が父親に、物を右から左へ動かすだけの汚い商人と言ったことに「それは商人に対する侮辱」と腹を立てて殴っていましたが、
実際、橋の下で拾った櫻子を自分の都合で結婚させようとしたのは、物を右から左へ動かすのと同じことじゃないのか。
見合い相手もすぐに殴る男で、これじゃ櫻子が三郎に思いを寄せるのは当然に思える。

読了日:09月13日 著者:峰月 皓
https://bookmeter.com/books/335169

■いつもひとりだった、京都での日々
留学生としてやってきた台湾の女性映画監督が京都で過ごした日々の出来事。
書名から、誰とも打ち解けられずにいたのかと心配になりましたが、桜の季節に京都に来て桜の季節に京都から去るまでに、大家さんをはじめ、色んなひととの交流がありました。
もう住んでいない京都に観光客として訪れると、懐かしさや寂しさがあるんだろうな。
輸送費が高くなってしまった古着の着物を着る機会がありますように。

読了日:09月13日 著者:宋 欣穎
https://bookmeter.com/books/14579635

■LUKE BIBLE (ヒコーキフォト日記 1973-2018)
1973年、14歳の夏から飛行機の写真を撮り始め、フィルムからデジタルに移行しながら、撮り続けた写真とそのときの様子を記す。
必ずしも良い条件で撮影できるわけじゃないから、最良の一枚のために辛抱強く「そのとき」を待ち続ける。
満月の中に機体が見える写真は何枚かあるけれども、月がとても大きい2007年の一枚が印象的。
ビーチ上を低空で飛んで空港に降りる2015年のセント・マーチン島の写真は飛行機を見上げてるひとたちが楽しそう。

読了日:09月12日 著者:ルーク・オザワ
https://bookmeter.com/books/12853942

■ピカソの陶芸
ピカソの陶芸作品201点を収録。
箱根・彫刻の森美術館で見たことがあるはずなんだけれど、あのときにはきっと、陶芸作品はあまり興味がなかったんだろうな、ちっとも覚えてない。
でもこれを見たら、可愛くてユーモラスな作品ばかりでした。
ふくろうの水差しとジョッキのデザインが好き。
頭に鳩がとまっているピカソがすごく真剣な顔つきでギャップがおかしかった。

読了日:09月12日 著者:
https://bookmeter.com/books/8091062

■監禁探偵
自分を監禁した男を殺人の容疑から救い、轢き逃げされて入院した病院での幽霊騒ぎの真相を暴き、そして姿を消したアカネ。
山根亮太と宮本伸一が探し当てたアカネの正体とは。
亮太とアカネの立場がなんとなく逆ストックホルム症候群って感じ、アカネも亮太みたいなタイプだったら操るのは簡単だったろうな。
アカネの思惑がどうあれ、囚われの身になっていたアカネが救出されて、世間的にはめでたしめでたし。
けれど、アカネがこれからちゃんと生きていけるのか、すごく心配してしまう。

読了日:09月11日 著者:我孫子 武丸
https://bookmeter.com/books/14366188

■役にたたない日々 (朝日文庫)
「淡々と豪快に生きる老境の日々を綴る超痛快エッセイ」
ガンが再発したとき担当医がいい男でラッキーとか、余命がだいたい2年と聞いて買ったジャガーを車庫入れでボコボコにしたりなんて、果たして自分には同じことが出来るだろうか。
過去を振り返り「子供が食い盛りの時、ごはんも人生も私達は充実していたねェ」と言えるだろうか。
父方の従姉のモモちゃんが「最后の女侍」の風情、軸のあるひとはカッコイイ。
そして酒井順子の解説がすごく頷ける。

読了日:09月11日 著者:佐野 洋子
https://bookmeter.com/books/1449941

■みすず書房旧社屋 (SERIE BIBLIOTHECA)
平成8年に解体されたみすず書房の旧社屋の思い出を写真と関係者の文章で振り返る。
こういう本のモノクロ写真は雰囲気ありますね。
ガスメーターの検針員にアパートと間違えられたり、隣の酒屋から買ってきたビールで宴会になったり、いまはそういうことは無いだろう。
写真家・島尾伸三の文章にしみじみする。
「父も母も妹もあの社屋も、もうこの世にはありません。それでも僕は夢の中で、あの旧社屋へ出掛けることが在るのです」

読了日:09月10日 著者:潮田登久子
https://bookmeter.com/books/11227839

■よくばり個人旅行! 旅立つまでのガイドブック
雑貨コレクター・森井ユカが個人旅行のノウハウを伝える。
パッケージツアーにもいいところはあるので、外国旅行したことがないひとは最初はパッケージツアーを経験してからのほうがいいかも。
それで不便を感じたら、自分で旅をアレンジしてみる。
目的がはっきりしているならプランも立てやすい。
天気の影響や、行きたいお店が休業していたり、予定通りにならないこともあるのでプランBを考えておいた方がいい。

読了日:09月10日 著者:森井ユカ
https://bookmeter.com/books/5916809

■リッターあたりの致死率は THANATOS (講談社ノベルス)
観賞魚展示会で起きた毒殺事件、そして美樹の誘拐。
真樹曰く「普通の営利誘拐ほど重罪じゃない」。
酩酊してた荒木だけが無事だったのがほとんど奇跡。
アルカイック・ゴールドは少年に勇気を与えた魚じゃなくて、美樹とシドの残酷な友情の証。
不運な高槻のあだ名はウィリス空間もしくは一人マイアミデイド署。それからアップグレードして、キーファー・サザーランド、デヴィッド・カルーソになる日は近い気がする。
美樹の子守りより、水谷豊と巨悪に立ち向かうほうがラクかもね。

読了日:09月09日 著者:汀 こるもの
https://bookmeter.com/books/562180

■やっぱり、ひとりが楽でいい!?
電話に出ない、スケジュールも入れない、放っておけば、何日も家にこもって、口をきかない。
人との交わりも出来るだけ少なくして、人間関係らしいものと言えば、年に一回話すか話さないかの女の友人と親ばかり。
でもこれ、防犯とかコロナ対策とかで考えると、意外と理に適ってるような気がしますが、平常時だとそうでもないのかな。
留守番電話に用件を残さないひとは、バッサリ切り捨てていいように思います。
サウナの人間関係に気疲れする話はなんか分かるなあ。

読了日:09月09日 著者:岸本 葉子
https://bookmeter.com/books/144495

■アトランティック・ジャイアント―巨大カボチャの物語
カナダの農夫ハワード・ディル氏が生み出した世界最大のカボチャの品種、アトランティック・ジャイアント。
ギネス登録され人々を驚かせた巨大なカボチャは全世界へと広がり、各国の栽培家たちにより1000㎏を超える巨大カボチャが作られている。
これだけの大きさだから、畑にゴロンとしてるのを運ぶおじさんたち(千葉・鴨川)も一苦労。
ノバ・スコシア州ウィンザーでは巨大カボチャをくりぬいてボートを作り、町の湖でボートレースが開催されている。


読了日:09月08日 著者:吉村 和敏
https://bookmeter.com/books/11289681

■プレミアムな和サンド
昔の日本(敗戦後とかそのあたり)のサンドイッチはありあわせで作っていたので和食化していた、と某魚柄仁之助が書いている本があって、
それなら最初からそのつもりで作ったサンドイッチのレシピはあるかなと図書館で探して見つけた本。
あさりのつくだ煮+青のりマヨ、ちりめんさんしょうのクリームチーズあえ、いぶりがっこ+マスカルポーネなど、具材は確かに和なのだけれども、パンにあうように工夫されている。
きんとん+黒豆、あんこ+ホイップクリームの組み合わせがすごく好きなので、作っても独り占めして食べ尽くしそう。

読了日:09月08日 著者:ムラヨシマサユキ
https://bookmeter.com/books/11514982

■目白台サイドキック 五色の事件簿 (角川文庫)
「妹」を封印した能力を見込まれた北小路が幽霊関係の事件の解決に手を貸すことになった。
北小路とともに行動する無藤が、こんなの警官の仕事じゃないと思う気持ちはちょっと分かる。
これがきっかけで、無藤はなんとなく赤尾さんとの距離が少し縮まったみたい、良い感じ。
南塚は生きてる人間、北小路は死んだ人間が相手と、事件の棲み分けをしていくのだろうか。

読了日:09月07日 著者:太田 忠司
https://bookmeter.com/books/9550220

■三谷幸喜のありふれた生活 4 冷や汗の向こう側
腎臓結石で七転八倒、明治座に坂上二郎の復帰作を観に行ったこと、脚本家・野沢尚の訃報。
この3つが並んで掲載されているから、人生って何があるか分からないなあと妙にしみじみと思ってしまった。
表紙で玉ねぎを持ってるのは、日本喜劇人協会のスピーチで玉ねぎを使ってグルーチョ・ マルクスの言葉を引用したから。
『玉葱は人を泣かせることは出来る。しかしながら人を笑わせる野菜はまだ発明されていない』……皆さん、誇りを持ちましょう。
巻末の、和田誠と清水ミチコの対談が面白かった。
読了日:09月07日 著者:三谷 幸喜
https://bookmeter.com/books/550481

■While Leaves Are Falling…
離婚した母、祖母、 2人のおばの4人の女性に育てられた写真家・金山貴宏。
母は統合失調症と診断され、祖母は亡くなり、アメリカから日本に里帰りするたびに3人と一緒に家族旅行をして写真を撮る。
旅先にいると言うのに、口を真一文字に結んで楽しそうに見えない女性たち。
でもこれが、ありのままの家族の姿。

読了日:09月06日 著者:金山 貴宏
https://bookmeter.com/books/11461284

■どんな国?どんな味?世界のお菓子〈4〉ヨーロッパのお菓子1
4巻では、ヨーロッパの国々の気候風土にあった伝統的なお菓子を紹介。
クロアチアがクリスマスなどのお祝いの席で出されるジャムを挟んだクッキー、ジャム・スターズだったのが意外でしたが、クッキーなら子供にも作れますね。
ハンガリーでデザートと言うと大抵出てくるパラチンタは、クレープのもととなったお菓子。
カーニバルのときに食べるイタリアのキアッケレはレモン風味のシンプルな揚げ菓子、食べるとパリパリ音がするので「おしゃべり」という意味の名前がつけられた。

読了日:09月06日 著者:服部 幸応,服部 津貴子
https://bookmeter.com/books/263603

■国境の南 (トラブルバスター)
制作会社アトラス・プロのカメラマン伊藤がメキシコ取材のVTRを持ったまま行方不明になった。
トラブルバスター宇賀神は、オンエアに間に合うように伊藤とVTRを捜せと田所局長から命令された直後、轢き逃げされた死体が伊藤のパスポートを持っていたことを知る。
宇賀神が尾行のシーマを撒いたり、ヘリコプターに乗ってる田所が地上を走る車の追跡をしたり、おじさんたちが頑張ってる。
宇賀神たちと行動を共にすることになった成田署の戸田刑事のニューナンブの銃把の出番がなくて良かった。
伊藤の娘の瞳が頼もしい女子高生だった。

読了日:09月05日 著者:景山 民夫
https://bookmeter.com/books/444637

■歴史書の愉悦
「時代をこえて読みつがれる古今東西の歴史学の名著23冊を、現代の歴史学の俊英たちが鮮やかに読み解く」
歴史書のガイドブックって初めて読みます。
どれほど素晴らしい本であっても、絶版になってしまうのがつらいところ。
友松夕香氏紹介の「奴隷商人ソニエ」の、転んでもただは起きなかったミイラ取りのミイラ、な感じがすごく気になり読んでみたくなりました。
どうやら絶版らしいのですが図書館にあったら借りようかな。

読了日:09月05日 著者:
https://bookmeter.com/books/13998075

■植物と仕事をするープランツ・アンド・ワークスー
「植物に関わる仕事を持つ、全18組の世界的に有名な園芸店やフラワーショップの経営者、園芸家、ボタニカルアーティストやデザイナーたちのワークスタイルと、ライフマネージメントについて紹介しています」
アメリカの植物店「トゥーラ」が運営している移動温室「トゥリータ号」が面白いアイデア。
デンマークで多肉植物店を経営している三人組の女性が「多肉植物だけを売る店を設立するなんて、どうかしている」と反対されたそうですが、反対されるほど酷いことと思われているのが不思議でした。
気温がわりと低めだから育てにくいのかな。

読了日:09月04日 著者:
https://bookmeter.com/books/13504191

■レオナルド・ダ・ヴィンチ (はじめてであう絵画の本)
絵の他にも建築、幾何学、機械などを勉強し、芸術こそ学問の王道であると信じていたレオナルド・ダ・ヴィンチ。
「経験という恋人がいるからこそ、いいものがかけるんだ」
世界中の美術館で1万点ものデッサンを見られる。
数学的なバランスを絵画に持ち込んだ最初の画家ダ・ヴィンチはやっぱり天才、モナ・リザをずっと眺めたくなる。

読了日:09月04日 著者:アーネスト・ラボフ
https://bookmeter.com/books/1292857

■江神二郎の洞察 (創元クライム・クラブ)
長編の時間の隙間を埋めるような短編集。
「桜川のオフィーリア」「四分間では短すぎる」は何かのアンソロジーで既読。
「除夜を歩く」江神さんとアリスのミステリ談義が面白かった。
だいたいミステリにおける謎は、人間がまだ見ぬ心理や真実ではなく、解かれるために作者がこしらえた人工の謎です。
ミステリの世界では、トリックはロジックに優先するぞ。
だからミステリに魅了されるのかも。
読了日:09月03日 著者:有栖川 有栖
https://bookmeter.com/books/5458198

■アイスランド 絶景と幸福の国へ
アイスランド旅行記。
カラー写真はナショジオのものだけれど、本文中のモノクロ写真は椎名さんが撮影したもの。
文章と写真が補足しあってて分かりやすい。
ジュール・ヴェルヌ「地底旅行」の舞台になったスナイフェルスの頂上までスノーモービルで登ったときの話が感慨深い。
この目で見たいとずっと長く思っていればいつか夢は実現する。

読了日:09月03日 著者:椎名 誠
https://bookmeter.com/books/9249084

■みんなのアマビエ
新型コロナウイルスの終息を願い、イラストや彫刻など、妖怪アマビエをモチーフにした総勢87名の作品を収録。
サイバラのアマビエの「なっとらん!」に頷きました、各自の個性が良く出たアマビエたちは全体的にハイレベル。
ジョジョっぽいアマビエはアしや耕平氏、ジョジョやDr.STONEなどの作画監督。
帽子とあみぐるみが可愛かったのと、アマビエメーカーが楽しかったです。
https://picrew.me/image_maker/259043
読了日:09月02日 著者:
https://bookmeter.com/books/15793812

■100年前のパリの夜 (100年前シリーズ)
『本書は、約100年前にフランスで出版された「Le PANORAMA‐Paris la Nuil」をもとに、編集、復刻したものである』
劇場や小舞台で活躍した女優や歌手、踊り子たちの姿を写真で見る。
衣装にもよるけれど、コルセットでぎゅうぎゅうに締め付けてる状態で歌ったり踊ったりは大変そう。

読了日:09月02日 著者:
https://bookmeter.com/books/56049

■ピカソ君の探偵ノート (貘の図書館)
見た目はこども、中身はおとな。
23歳の小学6年生ピカソ君の事件簿。
野球部の後輩で同じクラスのマメモヤシが誘拐された事件を捜査していたピカソ君と、ワトソンを買って出た食堂の娘さゆり。
丸本に悪い仲間と手を切るようにと説得したピカソ君の言葉には重みがあった。
マメモヤシの代理として登板したピカソ君はきっと大活躍したんだろうな、多摩ゲッターズの監督も嬉しかったに違いない。

読了日:09月01日 著者:舟崎 克彦
https://bookmeter.com/books/261609

■復興百年誌:石碑が語る関東大震災
神奈川県は全域が関東大震災の震源域に含まれ、建物の倒壊、火災、土砂災害、津波などあらゆる種類の地震被害を被った。
震災後に建立された慰霊碑などを現地調査して震災復興に努力した住民たちの姿を明らかにする。
あちこちにある石碑が何の石碑なのかを注視したことがなかったので、とても勉強になりました。
高島町のあんなところに二代目横浜駅の遺構があるのは知らなかった。
農耕や荷役などで使われていた馬のための慰霊碑があるのが日本らしい。

読了日:09月01日 著者:武村 雅之
https://bookmeter.com/books/12193174


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