やわらかい螺旋

徒然なるままに

2014-08

2014-09-01 09:24:10 | 
2014年8月の読書メーター
読んだ本の数:71冊
読んだページ数:18461ページ
ナイス数:1296ナイス
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■贖罪の奏鳴曲
目隠しをしないテミス像を掲げる裁判所、市民感覚を訴えまるで井戸端会議のような裁判員裁判。弁護士の御子柴もそれを分かった上で工作に乗り出すはめになり、正義は誰のもとにも平等にやってくるのか不安を抱かせる。罪を犯した人間の贖罪は、自分のためか、相手のためか。御子柴の案件は他の弁護士に受け継がれ、前例破りも辞さない裁判長が救い。
読了日:8月31日 著者:中山七里
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■スープのさめない距離―辞書に載らない言い回し56
辞書にはないけれど普段から良く使われてるような言い回しが集められてる本。「話せばわかる」とか「衝撃の告白」なんて、今じゃ使われすぎてて新鮮味なんかかけらもないような言葉にも、使われるきっかけになる出来事はあって、それがなかなか衝撃的。「自殺したくなったら図書館へ行こう」って言葉はここで初めて知りましたが、これで滋賀県が図書館改革に乗り出して貸し出し冊数が全国一に。
読了日:8月31日 著者:道浦俊彦
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■コンビニの買ってはいけない食品 買ってもいい食品 (だいわ文庫)
コンビニでほとんど買い物をしないけれども、コンビニで扱ってるこの商品だからダメ、ってわけじゃなく、こういう添加物だからダメ、って基準なので分かりやすい。添加物で具合が悪くなる体が羨ましい。私はきっと慣れちゃって鈍感なんだろうなあ。いまの時代、無添加のものを買うほうが難しいので、知識として持っていてもいいかな。
読了日:8月30日 著者:渡辺雄二
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■「うつ」な気分が晴れる本―気持ちがスーッと軽くなる1分間初期手当 (成美文庫)
憂鬱な気分と鬱は全く違うもの、と分かっていても、憂鬱な気分の延長線上にずっといるのかどうかやっぱり判断しにくいことも。気軽に病院に行けって言われても、最近はほとんどが予約制。予約の受付が半年以上もあと、なんてザラにあるので、最初は総合病院の内科を受診してみるのが良いのかも。
読了日:8月30日 著者:墨岡孝
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■満願
短編集。どんな展開でもそれだけじゃ絶対に終わらないはず、と身構えて読んでいたのに、まんまと術中にはまってしまったような感じ。「夜警」下手な小細工なんかするから。「死人宿」まさかのこの終わり方。佐和子に何を言われても、きっと耳に届かない。「万灯」どこで歯車が狂ったのか。自分の未来は過去の行いに委ね、裁きを待ち続ける。
読了日:8月29日 著者:米澤穂信
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■スナックさいばら おんなのけものみち バックレ人生大炎上篇
図書館で見かけて借りてきましたが、これシリーズでしたか。スナックさいばらでお酒を飲みつつグダグダしたい。誰かを誘って出かけるのがもう面倒、って思うときはあるけど、さすがにねずみの国にひとりでは行かないかなあ。でも「楽しむ」基準が自分の中でちゃんと固まってるならアリだ。
読了日:8月29日 著者:西原理恵子
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■珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る (宝島社文庫)
1巻での「ミステリ付け足した感」が薄まったように思えましたが、アオヤマさんの「んぐぁ」にはやっぱり馴染めない;美空が会ってる相手がどういうひとなのかが分かってくると、だんだん落ち着かない気分に。1巻でのトラウマを思うと、最後の美星のセリフはかなり強い気持ちから出てきたように感じました。
読了日:8月28日 著者:岡崎琢磨
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■恐竜時代でサバイバル
ジュラ紀後期のモリソン平野に移り住むためのガイドブック。タイトルにも「サバイバル」とあるとおり、自分の食糧を確保するのも大事だけれど、自分自身が恐竜の食料にならないように気を付けないと。恐竜の皮をなめして衣服にし、骨を組み立て家を作る。恐竜を食べる場合は血抜きをして、扱いやすいようにまず半身におろすなど、いろんなスキルが要求されるので私にはきっと無理。
読了日:8月28日 著者:ドゥーガル・ディクソン
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■静おばあちゃんにおまかせ
中山作品を全部読んでないから分からないけれど、葛城公彦と高円寺円が出会うきっかけになった連続殺人事件は他の作品なのかな?静おばあちゃんの存外に毒舌なところは、自分の実体験があるからこそ。最後に分かる円の両親を殺した本当の犯人と静おばあちゃんの正体がわりと衝撃的。まさかそういうオチとは。
読了日:8月27日 著者:中山七里
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■デザインマンホール100選―阿寒から波照間島へ旅歩き
沖縄・那覇市でマンホールにたくさんの魚が描かれてから日本に広まったデザインマンホール。色やデザインに凝っていて、こんなところに遊び心を発揮する日本人ってすごい。どこにでもあるマンホールにデザインが施される意外性は注目されやすいから、その場所の風土を端的に紹介するには良いのかもしれない。私は横浜に住んでいるので、巻末で紹介されてるベイブリッジのデザインには馴染みがありますが、初めて見たときには驚きました。
読了日:8月26日 著者:池上修,池上和子
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■あまから人生相談
こうやってまとまった数の悩みを見てると、人間の悩みってそれほど種類は多くない。どこかで誰かが言ってそうなことばかり。いくら馬鹿馬鹿しいようなことでも、馬鹿馬鹿しいぞと投げ捨てるだけじゃなく、ちゃんと回答する姿勢を見せていて偉い。苦労してきたからひとを労われるし、毒舌でありつつも、相談者にとってのベストは何だろうと考え、ときには頑張れと励ましている。ちゃんと現実を見ているひとだなあと思えます。
読了日:8月26日 著者:マツコ・デラックス
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■稲川淳二の新・怖い (竹書房文庫)
阪神淡路大震災の話は、怖いと言うよりただのうっかり屋さんの話。ファン投票一位の「生き人形」はどんな話なんだろう。現在進行形って、この本が出てから随分たつけれど、まだずっと続いているのかなあ。
読了日:8月25日 著者:稲川淳二
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■あまからカルテット
学生時代から仲の良い4人組、それぞれの転機に関係する食べ物たち。高級なものは何一つ出てこないけど、その食べ物は彼女たちにとっては、きっと忘れられないものになる。お正月を目前にした「おせちでカルテット」の怒涛の展開にハラハラ。自分一人でどうにかしなくちゃいけない心細さを振り切って、自分一人でやりきったことで、ある意味、自立した自分と自立したそれぞれの友達、って信頼関係を新たに築けたんじゃないかな。ハンターな満里子さまかっこいい。
読了日:8月24日 著者:柚木麻子
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■ブスの瞳に恋してる4 「愛してる! 」が10年続く秘密
いままでのどの巻の表紙より、これが一番かわいい大島さんだと思いますw義母から貰った品をチャリティに出したことを新聞に掲載されて、全国的に知られちゃってピンチかと思いきや、大島さんより鈴木さんのフォローのほうが大変そうで、マイペースぶりに思わず笑ってしまう。ヤマザキマリのヒトコマ漫画も面白い。やるなイタリア男。
読了日:8月23日 著者:鈴木おさむ
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■体の中の美術館―EYE,BRAIN,and BODY
「芸術は、どこで生まれるか?ヒトの体で。それがこの本のテーマだ。」天井に描かれているアルタミラの壁画が星座に思える、っていうのが面白い発想。3万年も昔だから、当然いまとは星座の配置は違うだろうけれど、手の届かない夜空の星を、手の届かない高い天井に描くことで再現したい、っていうのはしっくりする。落水荘だの高過庵だの、世の中の建築家は奇抜な建物を建てますねえ。
読了日:8月23日 著者:布施英利
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■林望のイギリス観察辞典
木材がふんだんにあるから日本は木の家、イギリスは木材がなかったから石の家、っていうだけで、別に優劣をつけることもないとは思うんだけれど、昔とほとんど風景が変わらないからロケに困らないのはいいかもw卵とベーコンを挟んだサンドイッチの銀製模型を本気の冗談で作ってしまうアスプレイってイギリス的。
読了日:8月22日 著者:林望
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■パリでみつけた お金をかけずに人生を楽しむ方法 (なでしこ文庫)
農業国だからこういう生活が成り立つんだよね。いまの日本がそのまま真似できることじゃないけれど、お金がないからって悲観的になることもない、っていうのはその通りだと思った。旅行でたくさんお土産を買ってしまいがちなので、ずっと眺めていられる小さな置物を一つだけ、っていうのは良いなあ。
読了日:8月22日 著者:吉村葉子
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■稲川淳二の恐怖がたり―祟り (竹書房文庫―ライブ全集)
テレビなんかで見ると、何をしゃべっているのか全く聞き取れないせいで、怖くもなんともないんですが、聞き取れていたらこれは怖いなあ。ロケで来ているテレビ局のひとたちも、怖さを求めて来ているから仕方ないのかもしれないけど、明らかにそこダメだろう、ってところにわざわざ行くなよ、って思う。エレベーターに乗るときには気を付けよう;
読了日:8月21日 著者:稲川淳二
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■ポール・ジャクレー
2003年に横浜美術館で開催されたジャクレー回顧展を記念して刊行された本。家族に連れられ3歳の時に(1899年)日本に移住したフランス人画家、ポール・ジャクレー。歌麿に魅せられ日本人の彫師や摺師とともに多色木版画を制作。伝統的な日本の版画家が多くても30枚くらいの版木を使うのに対し、ジャクレーは200枚近く使っているということで、版画と思えないような作品。彫師・摺師をどれだけ信頼していたか分かる。
読了日:8月20日 著者:横浜美術館
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■監督だもの 三谷幸喜の映画監督日記
映画「ステキな金縛り」の制作過程をクランクインから追いかけている本。こういうふうにあの映画は作られていったのかあ。作り込んだ背景に人物を入れ込む場合、そこに画としての強弱があるってことにはっとさせられました。公園でのエミの吹っ切れ感が大好きで、演じた深津絵里本人の「あんなにリラックスしてお芝居ができたことは今までにないんじゃないかな」って感想も読めて嬉しい。
読了日:8月19日 著者:
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■旅行者の朝食 (文春文庫)
食べたことのある味、馴染みのある味なら、おいしそうだと簡単に共感を得られるけれど、異国の食べ物はそうはいかない。それなのに、見たことも食べたこともないхалва(ハルヴァ)がなぜにこんなにおいしそうなんだ。ニベアみたいな青い缶から掬い取って食べたい。
読了日:8月19日 著者:米原万里
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■船上でチェロを弾く
両親に初めて買ってもらったレコードがハイドンなんていう、子供のころからクラシック音楽漬け。それが当たり前のような家庭に生まれ育ってきて、音楽の素養がないと周りが諦めたことを知る辛さ。それでも大事にしてきたチェロが自分の本屋から盗まれたことが分かり、そしてその犯人に心当たりがあるっていうのも辛い。その辛さが自分の楽器の来歴を知ることにもなったし、ちゃんと習うことにもなった。犯人が捕まって良かったけれど、犯人の彼女、色々と大丈夫なのかなと心配する気持ちもちょっとある。
読了日:8月19日 著者:藤谷治
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■作家 六波羅一輝の推理 - 秩父夜祭・狼の殺意 (中公文庫)
近隣県に住んでいるので名前だけは知っていた秩父夜祭の雰囲気を楽しめました。秩父神社の三猿は、日光とは逆に、良く見て良く聞いて良く話す、を表している。今回、一輝のお姉さんがなかなか登場しないと思ったら、電話じゃなくて直に情報のやり取りをしていて、それがみなみの気に障るっていうのはいかにもすぎて、若干鼻につく。「東京のビルは秩父のセメントでできている」言われてみれば確かに。
読了日:8月18日 著者:鯨統一郎
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■八十歳のアリア―四十五年かけてつくったバイオリン物語
図書館で見かけて著者名で固まった。イトカワヒデオ。ん?イトカワヒデオ。えっ∑工学博士とバイオリン作りが結びつかず、最初は同姓同名の別人かと思いました。全くの素人が、手探りでいちからバイオリンを作りあげていく過程は並大抵のことじゃない。見た目は変わらないけれど、科学的に考え作られた「ヒデオ・イトカワ号」の構造は普通とは違うということで、その音色をぜひ聴いてみたい。白木のままだと棺桶みたいだから仕方なく一番安いニスを塗った、っていうエピソード、くすくす笑ってしまう。
読了日:8月18日 著者:糸川英夫
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■山賊のむすめローニャ (岩波少年文庫)
10月に宮崎吾朗監督でTVアニメ化されるというので、図書館で借りてきました。作者は「長くつ下のピッピ」を書いたひと、現実と架空の混ざり具合が幻想的。落雷で真っ二つになった根城の片側に、自分たちと敵対する山賊が勝手に住み着いた。ローニャとビルクは親たちとは関係なく、自分たちは自分たち、って思うのも分かるし、大人には大人の事情があって、簡単に折れることが出来ないのも分かる。スカッレ・ペールと母親ロヴィスが、それぞれ自分の役割を心得ているような行動に胸が熱くなります。
読了日:8月17日 著者:アストリッドリンドグレーン
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■珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
登場人物の名前があまりにも作り物めいていて、土地勘がないこともあり、実際の京都というよりセットの京都みたいでした。アオヤマさんは名前としては普通だなあと油断してたしwバリスタ美星さんの「全然違うと思います」って誰でも言いそうなセリフなんだけど、やけに印象的。凶暴な虎谷さん、何の器具だよどんな写真だよ;アオヤマさん振られて良かったね?;
読了日:8月16日 著者:岡崎琢磨
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■地団駄は島根で踏め (光文社新書)
言葉の意味が分からなくて調べることはあっても、語源まで気にしたことなんてありませんでした。言葉が生まれた場所を訪問するのって、きっとわくわくするだろうなあ。「ごり押し」石川県のごり押し漁、「地団太を踏む」島根のたたら製鉄などなど、語源になる物事から、昔からの日本人の生活が見えるみたいです。
読了日:8月16日 著者:わぐりたかし
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■きんのたまごのほん
図書館で見かけて、一目惚れして借りてきた本。卵とうさぎの組み合わせ、イースターエッグの時期ならもっと良かったかな?うさぎが見つけた卵は別に金色なんかじゃないのに、なぜ「きんのたまご」のほん、なんだろう?って思いながら読んでいました。だけど読み終わって納得、たまごは素敵な贈り物でした。アヒルがうさぎと同じことをしていて可愛い。
読了日:8月15日 著者:マーガレットワイズ・ブラウン
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■私がデビューしたころ (ミステリ作家51人の始まり)
ミステリ作家51人がデビュー当時のことを振り返る。デビューするよりも次の作品が大変、そして作家であり続けるのも大変。それを裏付けるかのように、再デビューしている作家が意外と多い。鮎川哲也氏の奥方、芦川澄子氏も作家だったんですねえ。「私も自然に消えてしまって幾星霜」という潔さが印象的。才能を見つけ磨き上げデビューさせ続けてきた戸川安宣氏の存在がなかったら、どれだけの作家が埋もれていただろう。
読了日:8月14日 著者:
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■ヤマザキマリのリスボン日記 テルマエは一日にして成らず
いやもうなんというか、イタリア側の家族にいいように翻弄されてるのが気の毒なようなおかしいような。そっちに主眼を置けばいくらでも深刻で猛烈な文章になるんでしょうが、愚痴程度にとどめているところに良心が見えますw写真が白黒で小さくて、サントリーニ島とかドブロブニクとか、特徴のある場所だから分かるって程度なのが残念。
読了日:8月14日 著者:ヤマザキマリ
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■うさぎパン (幻冬舎文庫)
富田くんが出てきたときに、それじゃ優子と家庭教師の美和との仲の良いあの感じは必要だったのかな、と思い始めていたときにまさかの聡子。でもこれもまた特に必要じゃないのかも、と思ったらまさかのミドリ。何もかもやられました。聡子が去ったのは唐突に思えましたが、心の準備をする間もなく物事って起こっていくものだし、聡子も優子もそのほうが良かったのかもしれない。富田くんが自分の将来を考えているときの優子の気持ちは自分にも心当たりがあるので、なんだか懐かしい。
読了日:8月14日 著者:瀧羽麻子
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■フィリップ・K・ディック短篇集〈2〉ウォー・ゲーム (ちくま文庫)
短編集。「自動砲」最後にまだこれだけハラハラしなくちゃいけないのか。どっちが早く目的を達するだろう。「偉大なる神」考えてみたけれど、私が思いつくような質問はとっくにぶつけてるだろうなあ。「パットへの贈り物」どたばたの後なので、「じつをいえば」がすごく微笑ましい。
読了日:8月14日 著者:フィリップ・K.ディック
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■蹴りたい背中 (河出文庫)
中学の時からの友達の絹代は他の人とも付き合っているのに、なんとなくクラスに馴染めないハツ。絹代が自分を気遣うのが少し鬱陶しい。それにそういう絹代の良いところはちゃんと見えてることも分かってる。オリチャンのことしか興味がないにな川とはずみで話すようになって、余り者同士で簡単に恋愛話にならないところがリアル。にな川の親がちらっと見え隠れしていて、この年頃だと親とはそういう距離感だよなあ。
読了日:8月14日 著者:綿矢りさ
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■新解さんの謎 (文春文庫)
「新解さんの謎」と「紙がみの消息」の二本仕立て。三省堂の辞書「新明解国語辞典」の辞書らしからぬ人間臭さ。広辞苑もわりと読んで楽しい部類だと思うけれど、これはそれとはまた意味が違う。意味を知るための辞書というより、辞書に向かわせる習慣をつけるのが楽しくなる辞書。
読了日:8月13日 著者:赤瀬川原平
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■地図にない町 - ディック幻想短篇集 (ハヤカワ文庫 NV 122)
短編集。「レダと白鳥」神話なら美しさに幻惑されて終わる。でも現実なら?「森の中の笛吹き」問題解決までの遠い道のり。「クッキーばあさん」ビュバー。バーナード。バブ。同じひとなのに、誰がそう呼んでいるかで、どんなふうに扱われているのかなんとなく分かる。ドルー夫人の幸せは1日くらいしか続かなければいいのに。
読了日:8月13日 著者:フィリップK.ディック
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■クライマーズ・ハイ (文春文庫)
8月12日の今日、慰霊登山される方たちの安全を祈りつつ御巣鷹山に合掌。新聞に掲載する記事の価値が有る無しをいったいどこで決めるんだろうか。掲載しなかったことを後悔しないんだろうか。「俺は新聞を作りたいんだ、新聞紙を作るのはもう真っ平だ」悠木和雅の言葉が響く。トップと現場の温度差を購読者が知る由もない。遺族が、購読者が知りたい真実から一番遠いところにいる人間が新聞を腐らせていく。心の傷は消えないけれど、あえて自分自身の一部にする生き方を選んだ望月彩子はきっと決断を無駄にしない。
読了日:8月12日 著者:横山秀夫
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■牛への道 (新潮文庫)
缶コーヒーを買うために、自動販売機と心理戦を繰り広げているのがもうおかしい。最近、よくネットの自動翻訳にお世話になっているので、「彼がそれとして、彼の困難に横たわって」で大笑い。メジャーな英語でそうなんだから、マイナー言語の破壊的な訳文をぜひ見て欲しい。
読了日:8月11日 著者:宮沢章夫
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■きみにしか聞こえない―CALLING YOU (角川スニーカー文庫)
全体的に、生きていくことへの意味を考えさせられるような作品たち。「Calling you」久しぶりにバグダッド・カフェの曲(本家ジェヴェッタ・スティールとホリー・コールのカバー)をひっぱりだして聴きました。現実とリンクした時の驚き、自分自身の過去への追悼。「傷 KIZ/KIDS」大勢のひとの救いは自分を救うのか。「華歌」最後の種明かしがあってはじめて、この物語の本質が見えてくる。
読了日:8月11日 著者:乙一
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■まだ人間じゃない (ハヤカワ文庫 SF テ 1-19 ディック傑作集)
短編集。「フヌールとの戦い」間抜けな相手と戦に負けるかもしれない。絶望しかけたときに掴んだチャンスがまさかの理由。ちょっと笑ったw「運のないゲーム」最初から勝敗は決まっていたようなもの。「まだ人間じゃない」逮捕されるかどうなるのか、当局側の人間とやり合うことは厭わない。だけど女たちには、妻にはどうしても勝てない。
読了日:8月11日 著者:フィリップ・K・ディック
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■気まぐれ指数 (新潮文庫)
ショートショートじゃない星新一って想像できなかったけれど、段取り良く進んでいく感じはかわらずに読みやすい。一方的に騙したり騙されたりしてるわけじゃなく、それぞれがそれ相応に知恵を絞ってどうにかしようと画策してる。最後がまさかのハッピーエンド。爺やと婆やを侮ってはいけない。「このごろは世の中のすべてが気まぐれですから」
読了日:8月11日 著者:星新一
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■驚愕遊園地 最新ベスト・ミステリー
「奇想博物館」に続きこちらも。有栖川有栖「四分間では短すぎる」茶目っ気のある先輩たちとシャレの分かる後輩たち。社交ダンスのインストラクターの続きが聞きたいです。恩田陸「思い違い」地獄耳の客には気を付けよう。鳥飼否宇「呻き淵」その水はどこから来た水ですか?米澤穂信「913」なるほど913だw自分だったら気が付かないかもしれない。オチが最高、そんなもんだよね。
読了日:8月10日 著者:
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■奇想博物館 最新ベスト・ミステリー
これミステリかな?ってのもちらほらありましたが、はずれのないアンソロジーは最近では珍しいので楽しめました。北村薫「黒い手帳」品のある文章なので、こういうしつこさはじわじわ怖くなる。坂木司「国会図書館のボルト」男たちの妙な連帯感を生んだ本屋での攻防戦。深水黎一郎「シンリガクの実験」こうなるように仕向けて泣いたんじゃ、とまだ疑っています。
読了日:8月10日 著者:日本推理作家協会編
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■骨董屋探偵の事件簿 (創元推理文庫)
ロンドン警視庁のグリムズビー警部補が事件解決に行き詰まると、サールズに橋渡しさせ、骨董屋店主モリス・クロウに助言を仰ぐ。美しい娘イシスを伴い、心霊界と現実世界の境界区域に入り込み何が起きたのかを感じるために、赤いクッションを抱えて一晩過ごす店主の姿を想像すると、真剣にやってるはずなんだけれど少し滑稽な感じもして面白い。内側にバーベナの香水瓶を忍ばせられる山高帽ってどんな作りになってるんだろう?
読了日:8月9日 著者:サックス・ローマー
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■ツレはパパ3年生 (朝日文庫)
パパ講座で仲間が出来たツレさん、一緒にバーベキューなんかしたりして楽しそう。「少子化、少子化ってさわいでいるけどこんなにコドモがいるじゃない」「でもちがうんですよ、今はこんな風に集まらないとおなじコドモ連れに会えないんですよ」うわあ、言われてみれば本当にそうだ。
読了日:8月9日 著者:細川貂々
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■外国語の水曜日―学習法としての言語学入門
10年くらい前、土曜日の東京駅前(まだオフィスビルしかなくて土日は閑散としてた)で、英語が喋れないフランス人に武道館までの道を聞かれたことを思い出しましたwこっちは英語が喋れない日本人、よく道案内できたなあ;いくら学習しても母語を超えることなんかまずありえない、所詮「ガイジン」なんだから丁寧な言い方を覚えるに越したことはない。っていうので気が楽になりました。イタリア語を習いに行ったときのエピソードが面白かった。マフィアになったり警察官になったりと、立場を変えると語彙が増えるし何より楽しんで学習できる。
読了日:8月9日 著者:黒田龍之助
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■シノダ課長のごはん絵日記 (一般書)
写真を撮らず記憶だけで再現しているっていうのがすごい。大学ノートに綴られた食事のイラスト。いつどこで何を食べたのか、その時の自分はどうだったのか。食事は人生の大事な一部。最初のほうは文字が細かくて読みにくくて大変だったけれど、だんだん絵も文字も大きくなってきて、ご自身も後で読み返すのがラクだろうな。
読了日:8月8日 著者:篠田直樹
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■逆想コンチェルト 奏の2 イラスト先行・競作小説アンソロジー Inspired by Yoshimi Moriyama’s Illustrations
イラスト先行小説第二弾。石持浅海「心中少女」は収録されてる「三階に止まる」でもう読んでいたんですが、こっちが先だったんですね。井上雅彦「トリオソナタ」存在してはならないものを得るために、何かを失ったと心の底から思ってるわけじゃないでしょう?って言ってやりたい。得たいものの存在がそれだけ大きいのだから。我孫子武丸「記憶の欠片」どうにかするのか、どうにもしないのか、その後がとても気になります。不都合な記憶も消去しないほうがまだマシ。
読了日:8月8日 著者:井上雅彦,橋元淳一郎,牧野修,我孫子武丸,森岡浩之,新城カズマ,瀬名秀明,石持浅海,谷甲州,小林泰三,森奈津子,倉阪鬼一郎
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■ムカシ×ムカシ (講談社ノベルス)
バイトに応募してきた永田絵里子が思い出せずに検索しました。タカイ×タカイに出てたっけw頭のお皿とか、細かいところは捜査関係者にしか分からないのが現実。それにそういう些末なことは、お金の行き先であるあのひとにはどうでもいいこと。弁護士の内藤が必死に、一葉は財産目当てで殺人なんてしない、と言ったのが本当のことすぎる。
読了日:8月7日 著者:森博嗣
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■うちの火星人 5人全員発達障がいの家族を守るための"取扱説明書"
自分はこういう人間だ、っていうのをアピールし、それを受け入れたり受け入れられたりしながら仲良くなっていくものなんだろうけれど、その前段階がすでに他の人とは違うっていうのは本当に大変なことなんだろうなあ。こういう特徴があるよ、って知っていれば、へんなひとだね、って敬遠せずに付き合う方法を探れるはず。蒸し暑い真夏の昼下がり、道路まで転がったボールを追いかけていったら蟻の行列に釘付けになってしまった、ってところ。3時間近くそうしていたことになるわけですが、熱中症にならなくて良かったね。
読了日:8月7日 著者:平岡禎之
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■ひとり登山へようこそ!-女子のための登山入門
登山ってひとりで行ってもいいんだ?なんだか目から鱗です。何かあった時に困るから誰かと行動したほうがいい、っていうのはもちろん正論。だけど、ひとりで行動する気楽さも確かにあって、その時々で選べばいいし、ひとりのデメリットを理解したうえで選択できるのは、気分的に追い詰められなくていいのかも。
読了日:8月6日 著者:鈴木みき
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■ラーメンがなくなる日―新横浜ラーメン博物館館長が語る「ラーメンの未来」 (主婦の友新書)
自分の食生活にラーメンは全く組み込まれてなくて、ここ十年は確実に食べてないので、もしラーメンがなくなっても自分はたいして困らないだろうな、っていうのが、タイトルを見たときの感想。ラー博が出来る前の新横浜は確かに新幹線に乗るために行く場所で、出かけて行ってわざわざ何かをするところじゃありませんでした。世の中には、自分たちの味を守りたいと思う作り手が居て、その味を堪能したい人が居る。そのあいだを取り持つ役割を担っているならきっと本望。
読了日:8月6日 著者:岩岡洋志
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■遠近法―用具と基礎知識 (「アートスクール」シリーズ)
遠近法の理解を深めるために図書館で借りた本。正確さを期すためにグリッドを使ったりするけれども、それよりさらに踏み込んで、スライド投影機を使う画家もいる。フェルメールがどうやら、凸レンズと鏡を組み合わせ倒立した画像を映し出すカメラ・オブスクーラで絵を描いていたんじゃないかって説に驚きました。
読了日:8月6日 著者:レイスミス
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■たまさか人形堂それから
澪と束前さんのやりとりが、自分の気持ちがどこにあるのかを相手に分からせるのか、自分にも分からせるのか、二人ともボーダーラインを決めかねている感じで、今後どうなるのか気になります。師村さんは前作で心の整理がある程度できたような振る舞い。かわりに冨永くんが自分自身に向かい合うことになって、何かに気が付くことはそう簡単なことじゃないと思い知らされます。でもそうやって手に入れたものはずっと財産になるよね。
読了日:8月6日 著者:津原泰水
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■外国語をはじめる前に (ちくまプリマー新書)
学校で英語を習っていた時はまったく興味が持てなくて、科目の一つだから仕方ないや、って感じでした。今もそれほど興味があるわけじゃないですが、習得しないと仕事にならない、とかの切羽詰まった状況じゃなく、趣味で他の言語を楽しめるスタンスでもいいじゃないかと思えるくらいで自分にはちょうど良いのかも。
読了日:8月6日 著者:黒田龍之助
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■テレビの中で光るもの
似顔絵が似ていたり似ていなかったり(でも特徴をとらえてるのでだいたい分かる)ばらつきがあるところを隠さないのがいいな。飯島愛が引退するときに透視能力者が必死に引き止めたり、「あのうつろな目は、本当に安らぐことのない、みたされることのないような目だ」とオセロ中島についてコメントしていたり、何があったのか知っている今ならそうだねえと思うけど、その時にはそんなふうには感じてなかったなあ。悪い人じゃないんだけどね、ってフォローする側のひとのほうが私は苦手。
読了日:8月5日 著者:銀色夏生
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■最後のアジアパー伝 文庫版
ほんとにこれで最後なんだな、って覚悟しながら読んでいても、その当時の鴨ちゃんが何をしていたのかをまるでリアルタイムに感じてしまう。サイバラのまえがき漫画が優しさと愛に満ちていてしみじみ泣けてくる。そうか鴨ちゃんって旧ユーゴも取材してたんだね。紛争当事国同士だからそうせざるを得ないけれど、スプリトからイタリアに一度渡り、そこからサラエボに入るなんて今では考えられない手間。
読了日:8月5日 著者:鴨志田穣,西原理恵子
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■りかさん (新潮文庫)
りかさんの思慮深さと品の良さが歴代の持ち主の姿を反映しているのなら、そのりかさんとこれから付き合っていく蓉子にとって、何に目を向ければいいのかを知る手助けになっていくんだろうなあ。書き下ろしの「ミケルの庭」も良かったです。紀久が風邪をうつしてはいけないと思いつつも、どうしてもミケルを抱きしめたい感情に抗えないことを「母性」と簡単に言ってしまいたくない。
読了日:8月5日 著者:梨木香歩
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■はじめての言語学 (講談社現代新書)
「言語は道具ではありません。似ていないことが多すぎる。まず簡単に手に入らない。金を積んでもダメである。でも、いちど手に入れると失うことはあまりない。」日本語だったらバ行の発音はVでもBでもそんなに区別がないけれど、外国語を学習するためにはその差が重要だったりする。Rの巻き舌の発音練習法が分かったのが収穫。コサ語、聴いてみたいなあ。
読了日:8月4日 著者:黒田龍之助
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■逆想コンチェルト 奏の1 イラスト先行・競作アンソロジー Inspired by Yoshimi Moriyama's Illustrations
イラストが先にあり、それを基に書かれた短編小説アンソロジー。新井素子「つつがなきよう」人間の魂の総数は決まっていて、転生してくる魂がなければ人間が生まれない、って発想はそれほど奇抜なものじゃない。だけどそれを投げっぱなしにしてないところが新井素子。篠田真由美「対話」人間にとっての老化が本当に救済であるならば、その問いかけそのものがすでに救済。浅暮三文「新宝島」本当の意味でイラストを使っていて、一緒に謎解きしている気分でした。
読了日:8月4日 著者:神林長平,山田正紀,林譲治,梶尾真治,新井素子,図子慧,篠田真由美,菊地秀行,浅暮三文,飯野文彦,田中啓文,久美沙織
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■猫の写真館
写真だけじゃなくて、取材した猫の飼い主さんたちのエッセイやスケッチのコツ、写真を撮るときの注意点なども掲載。写真集というよりムック本みたい。案山子みたいな木のオブジェにぶら下がって遊んでる子猫が可愛い。「子猫は傑作である」レオナルド・ダ・ヴィンチ
読了日:8月4日 著者:本多信男
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■アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界
表紙から目を離せなくなって図書館で借りた本。いきなり「人類が絶滅したあと」から始まるのではなく、地球の生物がだんだん進化し人類が誕生するまでの過程も紹介されているので、やや序文が長いなという印象。人類がいなくなってから5千万年後。プレートの移動で地形が変わり、それに適応して進化を遂げた生き物たち。表紙のナイト・ストーカーは祖先がコウモリ。名残はあるけど、こんなの居たら怖いなあ;5千万年後なら見ることないけれど。
読了日:8月3日 著者:ドゥーガル・ディクソン
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■本当のことしかいってない
書評。作家の本も紹介していますが、選考委員として参加した群像新人文学賞の選評も掲載されていて、落選した作品にどういう評価がされていたのかが読めて面白かったです。
読了日:8月3日 著者:長嶋有
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■人体特許: 狙われる遺伝子情報 (PHPサイエンス・ワールド新書 75)
特定の個人の遺伝子が特許になり得るなんて思っても居ませんでした。自分のDNAが特許を取り、その特許で儲けているのは会社で、自分自身には何も恩恵がない、っていうのはイヤな気分だろうなあ。父親がハンチントン病であることを理由に保険加入を拒否され、遺伝子検査を受けるなら入ってもいい、なんていう、遺伝子差別を受けた例も。
読了日:8月3日 著者:五十嵐享平
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40028469

■かもめ食堂
父親の道場にフィンランド人の青年が通ってきていたから、っていう理由で、フィンランドでお店を開いたっていうサチエの思い切りの良さ。ミドリもマサコも偶然かもめ食堂に来ただけなのに、最初からこの3人で居たみたいにしっくり馴染んでいるから不思議。心を込めて握るおにぎりを、かもめ食堂のお客さんに食べて欲しいなあ。
読了日:8月2日 著者:群ようこ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40006559

■アメリ
アメリ自身の物語、そして周りの人たちの物語。イラストも可愛いし、読みやすい本でした。誰かが今よりちょっとだけ幸せになる手伝いをこっそりするアメリ。そのちょっとの幸せは、誰かにとっては大きなプレゼント。「君がいなければ、僕の今のこの思いは、ただ過去の感動の抜け殻に過ぎない。― イポリト」
読了日:8月2日 著者:イポリトベルナール
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40006380

■リケジョ! (角川文庫)
カガクとテクノロジーのショーチョーです!とハンダごてを振り回す小学校四年生の理緒。留学資金のために家庭教師を引き受けた大学院生の律。女の子は小さい時から理系なことをすると親が嫌がるパターンが多いし(理緒は違うけど)、友達とも話があわなくなるしで、理緒が同志が欲しかったんだって気持ち、分かる気がします。だんだん律の留学が近づくにつれて、このコンビにはもう会えないのかな、って寂しくなってしまいました。でも理緒(と恵人)と一緒に帰国を待ちたいです。
読了日:8月2日 著者:伊与原新
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40006067

■ヒトはなぜ絵を描くのか
旧石器時代の洞窟画から、そもそもなぜヒトが絵を描くのかを探る企画。アルタミラやラスコーなどの洞窟に絵が描かれている場所が、光の届かない奥、手が届かない高い天井、足元の低い壁面、というのを初めて知りました。わざわざ灯りをかざし、足場を組み、低い隙間に入り込む不自由な姿勢でなぜ絵を描いたのか。対談形式だったので、それぞれの専門家の意見に興味がわきました。
読了日:8月2日 著者:中原佑介
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40004063

■ヒトはなぜ絵を描くのか――芸術認知科学への招待 (岩波科学ライブラリー)
ヒトはなぜ絵を描くのか。絵を描く人類と絵を描かなかった他の人類とでは何が違うのか。チンパンジーと比較しつつ、絵を描く心の成り立ち、認知的な基礎を探る。人間とDNAがわずか1.2%しか違わないチンパンジーは、図形を組み合わせて描くことが出来ない。ヒトのようにカテゴリー分けして記憶し、どんなものでも「何か」に見立て「想像」するようになったら、チンパンジーも絵を描くようになるのかな。
読了日:8月2日 著者:齋藤亜矢
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40003875

■世界の美術〈第29〉シャガール (1965年)
こんなに古い本、よく登録があったなあ。ユダヤ教は「何の偶像をも刻むべからず」と、神を人間や動物などの偶像に形象化することを禁じてきた。だからユダヤ人のシャガールが描く絵が「十字架が溢れている」と評されるのはとても盲点を突いたもの。宗教画家という範疇にはないけれど、祈りの気持ちが絵に潜り込んでいるみたいです。
読了日:8月2日 著者:
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40003726

■これでネコと話ができる73の大切なこと (アース・スターブックス)
猫を飼ったことないんですが、道端で会う猫たちが何を言っているのかこれで少しは分かるといいな。毛の色で性格が分かるんですねえ。ほぼすべてが雌の三毛猫は母性本能がとても高いとか、青い眼の白猫は先天的に視覚障害を持つことが多いのでナーバスになりやすいとか。
読了日:8月1日 著者:ネコマニア・ラボ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/39981877

■たまさか人形堂物語
修理に持ち込まれてくる人形にも、持ち込んでくる人間にもドラマがある。そしてもちろん修理する側にも。玉阪人形堂オーナー澪。冨永くん、師村さんの修理屋コンビ。3人のいる空間に温かみがあって心地いいです。向こうの3人も多分3人で居てくれると思うけれど、テント代が無駄にならなくて本当に良かった。
読了日:8月1日 著者:津原泰水
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/39981747


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