やわらかい螺旋

徒然なるままに

2014-11

2014-12-01 08:48:42 | 
2014年11月の読書メーター
読んだ本の数:68冊
読んだページ数:17220ページ
ナイス数:1210ナイス
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■今朝子の晩ごはん (ポプラ文庫)
晩ごはんのメニューを紹介しつつ、亀に愛情をそそぎ趣味の乗馬や観劇を楽しみ政治にぼやいてみたり、小説を書くだけが日常じゃないぞっていうのを読むのは面白い。東横のれん街で良く買われる「もっちり豆腐」がどれだけもっちりなのか気になります。巻末の萩尾望都のガラパゴス旅行漫画はおおきいサイズで読みたかったなあ。
読了日:11月30日 著者:松井今朝子
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■バルバラ異界 (1) (flowers comics)
現実は夢の断片なのか、夢が現実を浸食しているのか。もう余生だしと言い切る菜々実に本当に同情してしまって、夢の中に自分の居場所を作り上げている青羽はなんて幸せなんだと思ってしまう。菜々実はきっと夢を見ることさえ出来ない。渡会さんちの事情も複雑、キリヤと青羽の邂逅はこのあとどういう展開を招くのか。
読了日:11月29日 著者:萩尾望都
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■日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典
堅苦しさは教科書だけで充分、もっと気軽に日本の古典に触れてみようぜ!な軽いノリのおかげで読みやすい。賢い女は賢いというだけで苦労する平安時代。清少納言はサバサバ割り切ってエンジョイしてるし、紫式部は悩みすぎ。「更級日記」の菅原孝標女の可愛さったらw(家族みんながボケすぎでツッコミ不在ってのも可愛い)古事記では、お父さんタケルを愛してあげて!と思ってしまったので、日本書紀のヤマトタケルの活躍は嬉しい。私ならきっと助けに来るのは大根じゃなくて豆腐だな;
読了日:11月28日 著者:蛇蔵,海野凪子
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■絵本・ロシアのアルファベット
キリル文字によるアルファベットブック。絵は山本容子。なかなかキリル文字って覚えにくいんだけれど、絵や文章に組み込まれるとインパクトがあるし、そのまま丸ごと視覚的に記憶しやすいかも。ただし発音には触れていないので純粋に見て楽しむだけ。
読了日:11月28日 著者:中原佑介
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■文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)
黒装束に身を包んだ京極堂が登場するいわば「解決編」から怒濤の展開。登場するたびに印象が違う朱美に戸惑っていましたが、なるほどそういうことかあ。事件の全貌がなかなか分からず苛々し続ける木場だけじゃなく、他のひとたちが醸し出す暗い雰囲気をまったく気にしない榎さんが素敵すぎる。「おい、牧師。僕はちゃんと人が救えたぞ!」
読了日:11月27日 著者:京極夏彦
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■中学なんていらない。 不登校の娘が高校に合格するまで (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
いらない。なんて大袈裟だなと思ったけど、学校側の対応を見たらこれなら本当にいらない。「なんで私の方が全部ゆずらなきゃいけないの?」って本当にそのとおりだと思う。親が親身になるのはもちろんだけど、それ以外に手助けしてくれるひと(ここでは塾)の存在は大きい。それにしてもお嬢さんはもう高校生かあ、早いなあ。
読了日:11月26日 著者:青木光恵
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■肉小説集
豚肉を小道具にしてはいるけど、「おいしそうでおなかがすく」方面を期待すると裏切られる。それとは分からない悪意がちらちら見え隠れするような生々しさだったり、唐突に突きつけられた現実に右往左往する男たち。「武闘派の爪先」夢を見るのは悪くないけど、現実は夢じゃない。「アメリカ人の王様」義父( )の中身の変化がw「ほんの一部」変質者がヤバいのは当然にしても、最後の文章は読みようによっては相当ヤバい。
読了日:11月26日 著者:坂木司
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■キッチン・コンフィデンシャル
どうして料理人になったのか。きっとこういうひとたちの世界の中心には厨房があるんだ。生魚を食べてきた日本人から見れば「魚介類の扱いは油断がならない」なんて当然でしょうと思うけれど、レストラン側が鮮度と採算を天秤にかけて採算をとらないとも限らない。今はなき六本木「レアール東京支店」のために来日して、フィリップに連れていかれたお寿司屋さんはどこだったんだろう。
読了日:11月25日 著者:アンソニーボーデイン
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■続仏像のひみつ
仏像は信仰の対象をあらわしているものでとても宗教的だと分かってはいるけれど、信仰心がなくても、静けさや力強い佇まいに目を奪われてしまう。仏像が着ている着物は装飾的な意味合いだとばかり思っていたけど、ちゃんと布をまとっている着方をしているんですね。
読了日:11月25日 著者:山本勉
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■いい感じの石ころを拾いに
自分と他のひとが思う「いい感じ」はやっぱり違うんだろうけれど、自分の楽しみのために拾うだけだからそれで良し。掲載されてる石の写真を見ながら、ああ分かる分かるこれ良いよねえとか、それほどでもないかなあとか、品定めしている自分をうっかり発見。いまのところわざわざ拾いに出かけるつもりはないけれど、いざ拾えるような場所に来たら拾わない自信がない。
読了日:11月24日 著者:宮田珠己
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■夫婦で行くイスラムの国々 (集英社文庫)
イスラムの国々にどうして興味が沸いたのか心情が細かく綴られていて、これなら行ってみたいと思うのも不思議じゃない。イスラムの国は印象としては政情不安で旅行するのがちょっと怖いって感じですが(退避勧告が出てる地域もあるし)行けるなら行ってみたい。トルコ人は親切なひとが多いけど、その延長で警官と軍人が同じだと気楽に考えちゃいけない、誇りを汚すような真似は駄目だとか、チュニジアのマトマタでスターウォーズのロケ地を見たり、ベルベル人が作ってきたクスクスの料理を食べたりと、印象に残るものが多い。
読了日:11月24日 著者:清水義範
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■パラークシの記憶 (河出文庫)
今更どうして他からやってきた「地球人」を持ち出さないといけないんだろうと疑問に思っていました。けれどこれは、何世代も前からいる地球人(特にミスター・マクニール)が言わないとおそらく説得力がなかっただろうなあ。ハーディの父親殺しを巡るミステリになるかと思ったら、ハーディたちスティルクの存在意義に驚愕する終わり方。先祖の記憶を子孫に渡せるようになっても、キキホワホワは真相を積極的に知らせるはずはないだろうし。もしも自分がスティルクだったら、計画全体の一部分であると知ったとき、それでも誇りだと思えるだろうか。
読了日:11月23日 著者:マイクル・コーニイ
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■旅のラベルコレクション
旅行黄金時代の荷物は、ありとあらゆる衣装を詰め込んだトランクが10個以上なんてザラにあった。すべての荷物を混乱なく処理するために使われた荷札とラベル。ラベルの提供者であるホテルや運送会社がその宣伝効果に気付いた時からデザインが洗練されてくる。日光金谷ホテルや帝国ホテルなど日本のものもあって、西洋人が抱くアジアのイメージをよく表してるなあと思う。
読了日:11月22日 著者:ハロルドダーリング
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■相互確証破壊
ファンタジーと割り切るにしても「ひゃうっ!」はないよなあ、逆に萎える(苦笑)「待っている間に」だいぶ遅れて登場した担当者の余裕な感じが、今まで3人は無かったにしても、会社にとっての初めてのケースじゃないだろうと思わせる。「三百メートル先から」狙撃の腕はたつけど詰めが甘い。
読了日:11月22日 著者:石持浅海
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■携帯の無い青春
だいたい同じくらいの年齢なので、思い返せばそういう時代だった!と懐かしい気分にさせられます。あまり世間に関心がなくぼーっと過ごしてきたので、たのきんトリオとかペンパルとかに熱中していた同級生の気持ちが今になって分かった気がします。
読了日:11月21日 著者:酒井順子
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■恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。 (ブルームブックス)
気楽な語り口調から、自分の中の喜怒哀楽を思いがけずに発見した、な感じが滲み出ててきているみたいでした。お店屋さんごっこしてるみたいなレジ係りのおばさんは、アタシは仕事してるのよ~、とかずっと勘違いしてるんだろうなあ。ウルムチのひとり火鍋、無事に食べられて良かった。
読了日:11月21日 著者:角田光代
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■アガサ・クリスティを訪ねる旅―鉄道とバスで回る英国ミステリの舞台
クリスティ作品の世界観が好きな人には楽しめる本。こんなにイギリスのあちこちを巡り歩けるほど多くの場所が使われているなんて驚き。わざわざ日本から来たからということで特別に見せて貰えたところもあり、読んでいるこちらもその親切に有難うと言いたくなる。テレビシリーズ・名探偵ポワロのホワイトヘブン・マンションは曲線が多くて、直線的なものが好きなポワロっぽくないっていうのは分かる。
読了日:11月20日 著者:平井杏子
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■オバサンだってセックスしたい (ベスト新書)
すごいタイトルだけれど、適材適所、自分自身を分かってないやつがモテるわけないってのは頷ける。20代と同じ土俵に普通の40代が居たところで、ちやほやされたい欲求が適えられるはずがない。いつまでも若々しくいることと、本当に若いことは意味合いが違う。
読了日:11月19日 著者:岩井志麻子
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■思い出のとき修理します (集英社文庫)
さびれた商店街の雰囲気がとても優しく感じます。訳ありな明里にもこれなら居やすかっただろうなあ。秀司と明里がわりと急展開な気がしますが、いつまでたってもどうにもならないよりマシかも。太一の拝金主義なところが妙におかしい。そして首元の「計」の文字が気になる。サイズ直しをした茜色のワンピースを着たハルエさん、きっと昔より美しい。
読了日:11月19日 著者:谷瑞恵
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■着物の悦び―きもの七転び八起き (新潮文庫)
着物にまつわる失敗を、失敗した本人から聞けるのは実感があって良いなあ。洋服なら安くてかわいいファストファッションのお店がたくさんあって、お稽古事で必要だからってわけじゃなく、本当にただ着物が着てみたいひとの最大の敵は着物業界。お客に馴れ馴れしいのが良いわけじゃなく、押し売りのような販売方法は本当に勘弁してほしい。
読了日:11月19日 著者:林真理子
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■3652―伊坂幸太郎エッセイ集
エッセイが得意ではない、依頼されてもなるべく引き受けないようにしている、とご本人が言うのが分かる気がします。虚構の世界の小説とは違い、エッセイを書くのはまた違うテクニックが必要なんだろうなあ。でも別につまらないとかそういう意味じゃなく、素の部分と作品の落差を感じられて面白いです。私も英語で「自由席」って言えないだろうな、フリーダムすら出てこないかもしれない。
読了日:11月18日 著者:伊坂幸太郎
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■アブストラクトなゆーわく
ananでの連載をまとめたもの。うっかりするとただの悪ふざけで終わりそうなことを、真剣で大真面目な表情で語っているような感じ。紅白に出場したいとかそんなアホなと苦笑して読んでいると、たまに、そうだよねと思う文章にぶつかったりするので油断ならない。プレステソフト「moon」は確かにRPGの歴史のひとつの終局。
読了日:11月18日 著者:阿部和重
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■ココナッツオイルのかんたんレシピ~いつものごはんからおやつまで~
ココナッツオイルの甘い匂いが邪魔をするんじゃないかと思っていたけど意外と何にでも使えそう。材料を混ぜるだけのマヨネーズはアレルギーの心配があるひとに良さそう。そういう意味では、「豆乳の素」はそこらへんのお店では買えない気がするけど、チョコを食べられない私でもココナッツオイルで作る生チョコなら大丈夫。
読了日:11月17日 著者:白崎裕子
http://bookmeter.com/cmt/42852751

■クロワッサン特別編集 ココナッツオイル・バイブル (マガジンハウスムック)
ココナッツオイルがどういうものなのかを知りたくて。使い方にはコツがあるけど慣れてしまえば問題なさそう。値段がちょっと高めなのでなかなか手を出しにくいですが、きちんと手間暇かけて作ったものを、きちんと適正な価格で売るっていうのは賛成。
読了日:11月17日 著者:
http://bookmeter.com/cmt/42852642

■親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと
その時が来たらきっと冷静じゃいられないだろうけれど、なにがなんだか分からないままっていうのは避けたいので読んでみました。漫画部分が良い具合に下手なので(褒めてます)自分自身を投影しやすい。
読了日:11月17日 著者:三村麻子,内田麻由子
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■シネマガールスタイル (ブルームブックス)
あの映画に出ていた女優さんのここが可愛い!っていうトキメキが溢れてる。イラストでその雰囲気を堪能。どんな服装でどんな小物でとか、色々細かくよく見ているなあ。グレゴリー・ペックが世界一のイケメンって思うのは分かるwでもケーリー・グラントとたまに間違える;
読了日:11月16日 著者:おおたうに
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■血とバラ―懐しの名画ミステリー (角川文庫)
名作映画を題材にした短編ミステリ集。元々の映画を知らないんですが、想像しながら読むのは楽しかった。「忘れじの面影」良平に、私の夫になっていただきたい、って言う百合子のセリフの本気具合がじわっとくる。「自由を我等に」長倉刑事が玄関ドアのノッカーを引きちぎったあたりでもうおかしくて。「花嫁の父」何の収穫もなかった克美が実は一番ラッキーだったのを知らないのは本人だけ。
読了日:11月16日 著者:赤川次郎
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■衝動家族 「ばらとおむつ」完結編 (角川文庫)
しげちゃんに何も言わずにいきなりタイに連れていき、そのうえ行動に文句をつけるなんて色々と酷い。せっせは今まで一日一食でやってきて慣れてるかもしれないけど、普通に暮らしてきたひとに朝食バイキングだけで我慢しろだなんて。しげちゃんはあと何百年も生きるわけじゃないんだから、そんなに修行のような苦労をさせなくてもいいのに。
読了日:11月16日 著者:銀色夏生,せっせ
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■世界中が夕焼け―穂村弘の短歌の秘密
山田航の穂村短歌評に、穂村弘がコメントした本。こういう意図だったのかと気付かされたのは「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、きらきらとラインマーカーまみれの聖書」私はこれは、ステンドグラスの色が聖書に落ちてて、マーカーまみれに見えているけれど、実際にラインをひきたいほどの冒涜と熱心さの紙一重なところを見透かされてるようだ、みたいな感じで受け取ってました。詠み手と読み手のすれ違いの楽しさもまた分かる。
読了日:11月15日 著者:穂村弘,山田航
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■さくら横丁
さくらももこと、携帯サイトに書き込むひとたちとのやりとりが面白い。こんな質問よくするなあと思うし、こんな答えが良く戻って来たなあとも思う。毎月600~700件をちゃんと自分で見てるってのは大変だろうなあ。
読了日:11月15日 著者:さくらももこ
http://bookmeter.com/cmt/42797056

■仙台ぐらし
仙台はこうだ、と特に特化している感じでもなく、日常暮らしているところがたまたま仙台ですよ、っていうさりげなさに好感が持てました。コーヒーショップで見知らぬおじさんの髭を触ったエピソード、あれはやっぱり息子さんかもしれませんよ。タイプライターとかレコードとか、そういう時代を親が過ごしてきたことに興味があって調べたかもしれないし。
読了日:11月15日 著者:伊坂幸太郎
http://bookmeter.com/cmt/42797026

■光の祈り
余りの美しさに目を見張るばかり、感想なんて何を書いても空々しくなってしまいそう。廃墟のはずの軍艦島でさえ神々しい。震災のあと、防護服を着て第一原発が見える高台でスケッチする姿。「復興や援助に役立つわけでもないので」っていうのはそのとおりなんでしょうが、ただの野次馬でも好奇心でもなく、どうしても行かなくてはって思いに駆られて行動できるのは凄いと思う。
読了日:11月14日 著者:藤城清治
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■英国一家、日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)
食事に関して英国人にあれこれ言われたくないなあ、と最初は思ったけれど、日本人でさえ最近はなかなか食べられない「ちゃんとした」和食文化に触れられていて、改めて外国の食事との差がどこにあるのか分かった気がします。京都の町家でトイレの虜になっちゃった息子のアスガーくん、ポケモン以外にも気に入るものがあって良かったwびっくりしたのは京都の流しそうめん屋。お客が来たのに舌打ちするようなウェイトレスが居るっていうのが信じられない。
読了日:11月14日 著者:マイケル・ブース
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■紳士ならざる者の心理学―天才・龍之介がゆく! (ノン・ノベル 838)
学習プレイランドの3人目の人材も迎え入れ、建物の改装も出来上がり、いよいよ始動。部屋を等分に分けた龍之介も凄いけど、これでちゃんと等分なのか見て分かるほうも凄い。「見られていた密室」犯人の思惑と被害者の必死のメッセージ。本人たちにしか分からないような攻防戦を解き明かす龍之介。カシオペアが指標になるように、龍之介の知識が誰かの指標になるといいね。
読了日:11月13日 著者:柄刀一
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■連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)
さゆりとか御前崎とか見たような名前がちらちらあると思ったら「贖罪の奏鳴曲」だった。ミステリはミステリだけど、映像的にはホラーかスプラッタ。事件解決に尽力した古手川刑事にとっては、最後になにが計画されているのかを知ったらやりきれないだろうなあ。
読了日:11月13日 著者:中山七里
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■しげちゃん田んぼに立つ   続々「ばらとおむつ」   (角川文庫)
文章はせっせのメール。せっせもしげちゃんも、とりあえず、ひとの話を聞いたほうがいいんじゃないの?と思うところがいくつもあって、身内だったら耐えられないかもしれないな、とちらっと思いました。介護認定があるたびに頑張っちゃうしげちゃんにハラハラしてるせっせ、どっちの気持ちもなんとなく理解できる。
読了日:11月13日 著者:銀色夏生
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■ドアの向こう側
ルル子、今までに何台車を壊したのか聞くのが恐ろしいw「かたい頬」日本じゃ牛乳パックに行方不明の子供の写真を掲載したりしないのに、ハードボイルド幼稚園児探偵シンちゃんは分かって言ってるのがにくいなあ。自分の姉・歌子にもゴリちゃんと呼ばれるゴリさんって。「ドアの向こう側」ウサギ料理にしたことよりも、こんな住宅街で猟銃を撃つほうが駄目だろうと思うんだけれど。
読了日:11月12日 著者:二階堂黎人
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■キス
森奈津子シリーズではあるけれど雰囲気としては番外編。シロクマ宇宙人は本格的に地球に島流しになってしまっていたのね。けれどそれほど気の毒な感じがしないのは、思いのほか地球の生活を楽しんでいるみたいに見えるからかも。ペンネームを考えておくようにすすめられたあとに書いた「スノウ・ドラゴン」が「松島里佐」名義なんだけど、それじゃこれって「うらがえし」の?
読了日:11月12日 著者:西澤保彦
http://bookmeter.com/cmt/42732303

■Ferris Books(21)国語辞典女子 今日から始める日本語研究
なんでも「女子」をつければいいってもんじゃないぞ~とは思うものの、本文の文体、用例、資料など、読者として「女子」を想定したものというのだから仕方ないのか。日常使っている言葉は日本語としてどういう位置付けにあるのか、辞書ではどういう扱いをされているのか。辞書ごとの個性も見えて面白かったです。
読了日:11月12日 著者:勝田耕起
http://bookmeter.com/cmt/42732255

■ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)
この凍り付く不穏な空気は戦争のせいだと思っていたのに。両親への反抗、ブラウンアイズとの恋、青春時代の通過儀礼はどうしてもこのタイミングでなければならなかった。大人たちの隠し事が暴かれたときにはドローヴはもうすで大人になっていて、最後には屍を乗り越えてゆく逞しさすら見える。40年後にまた会おう。
読了日:11月12日 著者:マイクル・コーニイ
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■イタリア家族 風林火山 (ぶんか社コミックス)
漫画を描いたのは本当に生活のためって切実な理由だったんですね、他人事なのに漫画家になれて良かったねと素直に思えてしまいます。21歳で求婚したベッピーノが5歳から貯めてたお金でローマのカメオを買ったエピソードで、この人しかおらん!って気持ちになるの分かるなあ。それにしてもベッピーノの家族のパワフルさには圧倒されるばかり。
読了日:11月11日 著者:ヤマザキマリ
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■名文を書かない文章講座 (朝日文庫)
文章読本はたくさんあれど、これほど具体的実践的なものはそうないんじゃなかろうか。初心者にありがちなことを例にあげて丁寧に解説。「せっかく書いた文章をダメとけなされても、自分の人格まで傷つけられたわけではないのですから、落ち込まないように。しかし、文章がうまくできてほめられたときは、自分の全人格がほめられたと思って喜んでください」
読了日:11月11日 著者:村田喜代子
http://bookmeter.com/cmt/42707221

■フットボールde国歌大合唱!
試合が始まる前の緊張感が高まる時間帯に響く国歌。日本みたいに元が和歌で短いものもあれば、まともに歌えば40~50分もかかるウルグアイ、そもそも歌詞がないスペインなどなど、色々あるものです。若手人気オペラ歌手がやらかしたクロアチア国歌でルビの間違いを見つけてしまい、やらかしネタの続きかと思ってしまいましたwドイツはハイドン、オーストリアはモーツアルトが作曲したと言われていて、さすがにクラシックの本場。
読了日:11月11日 著者:いとうやまね
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■恋する日本語 (幻冬舎文庫)
「浹合・しょうこう」「夕轟・ゆうとどろき」「一曲・ひとくねり」などなど、あまり馴染みのない単語を味わいつつ読むショートストーリー。普段使うことはないけれど、こういう日本語があるっていうこと自体に懐の深さを感じます。
読了日:11月10日 著者:小山薫堂
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■クロへの長い道 (講談社文庫)
渋柿家の車の寿命はやっぱり短かった;他人の車(それがベンツだろうと)でも容赦しないルル子は度胸が良いというか無鉄砲というか。ケン一のところの署長と弁護士は大変だ。「八百屋の死にざま」大人だって人間の死体が転がっていたら動転するだろうに、さすがにハードボイルドな幼稚園児のシンちゃんは、まず観察するところから始める。透明人間は現代社会のあらゆるひずみが生んだ最悪の悲劇。
読了日:11月10日 著者:二階堂黎人
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■両性具有迷宮
ミーコちゃん(というか中のひとというか)の活躍が見られて嬉しいwサングラスをかけたシロクマ宇宙人なんて突拍子もないSFに転ぶかと思いきや、連続殺人犯は誰だと「仲間」から事情聴取したり疑心暗鬼になったりと割とサスペンスな感じ。迷惑を被った彼女たちより、シロクマ宇宙人のほうが気の毒に思えるのはなぜだろう。
読了日:11月9日 著者:西澤保彦
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■珊瑚の島で千鳥足 続「ばらとおむつ」 (角川文庫)
せっせが死んだら、ってのは、この時の現状を思うと本当にシャレにならない;片付けても片付けてもゴミってのは出てくるものですが、これだけ大きな家となると、果てしなく感じるものだろうなあ。しかもひとりでやってるなら尚更。
読了日:11月9日 著者:銀色夏生
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■スズメ――つかず・はなれず・二千年 (岩波科学ライブラリー〈生きもの〉)
まるまるしててチュンチュン鳴いてその辺にいくらでもいると思ってた雀。あまりにも身近でそれほど注意を払ったことがありませんが、数が減少しているというのが気にかかります。街の景観の邪魔をすると言われることもある電柱は巣作りに貢献しているんですね。
読了日:11月8日 著者:三上修
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■ゾンビ襲来: 国際政治理論で、その日に備える
図書館本。どうやって武器や食料を調達するか、とかそういう方面じゃないので注意。国際政治学を学ぶ学生には分かりやすいかもしれない。政治がちゃんと政治として機能するかどうか、ゾンビの発生に賭けてみる気にはならないけれど、ゾンビを他の厄災に当てはめれば納得がいく。巻末の訳者による解説が本文の三分の一のボリュームで、全部とは言わないけれどさすがにこれは蛇足だろうと思う。
読了日:11月8日 著者:ダニエルドレズナー
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■ウエディング日記 (角川文庫)
結婚式前、結婚したあと、浮かれてる感じがありありと目に浮かぶほど、幸せオーラが文章からダダ漏れだwお茶を習い始めたばかりでいろいろと失敗をやらかすのはもう仕方ないこと。いくら有名人でも初心者だってことは周りも分かってるはずなのに意地悪だなあ。
読了日:11月7日 著者:林真理子
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■キノの旅 (18) the Beautiful World (電撃文庫)
手抜きかっ!とは思わなかったけど、図書館本なので、あとがきが読めないかも~とは思いました。(ちゃんとコピーが巻末に添付されてて図書館GJ)時間差で訪れた旅人視点の話が多くて面白かった。凄腕レディなキノと万能モトラドのエルメスの映画、これはこれで面白いかも。チョコ繋がりな「主食の国」「チョコレートの話」やっぱり需要と供給のバランスは大事。フルートがどんな武器なのかが見られたので満足。
読了日:11月7日 著者:時雨沢恵一
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■マミンカ(おかあさん)―J・サイフェルト詩集
1984年度ノーベル文学賞受賞者。監修が歌人の佐佐木幸綱、言葉のリズムが整っていて読みやすい。家庭の中心に居た母親や、子供の頃の思い出を綴った詩集。だいぶ感傷的な詩が多いようにも思えますが、自分の母親に対する気持ちは概ねこういうものなのかもしれない。
読了日:11月7日 著者:ヤロスラフサイフェルト,イジートルンカ
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■土に還る
原題は「USTA PUNA ZEMLJE」余命幾許もないと知った男が故郷のツルナゴーラで自殺しようと森に入り、キャンプ中の男二人に出会う。二人から逃げる男、男を追う二人。二人はなぜ追うのか自分たちにも理由が分からない。けれどいつの間にか人数が増え、武器を手にするものまで現れる。追跡者たちの狂気と逃亡者の死から生への転換。大多数がキリスト教徒のツルナゴーラ(日本ではモンテネグロと表記されるとどこかに注意書きがあればいいのに)で死者が着る白服を「経帷子」と訳すのはちょっとどうかなあ。挿絵がダイナミック。
読了日:11月6日 著者:ブラニミル・シェパノビッチ,田中一生
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■爆笑! 英語コミックエッセイ 日本人のちょっとヘンな英語
教科書で習う英語は死語だらけ、って言うのが衝撃。「Fine, thank you」じゃなく「Really good」を使うとか、「Would you」は使い方によっては嫌味っぽくなるから「Could you」のほうがいいとか知らなかったことばかり。ネイティブのひとたちにしてみれば不思議な英語なんだろうなあ。分かりやすくするための演出だと思いたいけど、本当にこんな風に、明らかに母語が英語じゃない日本人が喋ってる英語に、不愉快だって態度をとるひといるんだろうか?
読了日:11月6日 著者:デイビッドセイン
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■エスターハージー王子の冒険 (児童図書館・文学の部屋)
オーストリアでは有名なウサギの貴族、エスターハージー家の孫たちの体のサイズが小さいのに気付いた祖父の伯爵。男の孫たちを全員、大きなお嫁さん探しのために外国に送り出すことになった。エスターハージーが屑籠に落ちて出られなくなったとか、駅の中で犬にほえられたりとか、ミヒャエル・ゾーヴァの絵のエスターハージーが本当に可愛い。
読了日:11月5日 著者:イレーネディーシェ,ハンス・マグヌスエンツェンスベルガー
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■ばらとおむつ (角川文庫)
お兄さんがつけたメールの仮題、あとからじんわりと馴染んでくるのが不思議。冒頭、せっせが、脳梗塞を患ったしげちゃんをどこかに連れて行こうとしていて云々は他の本でちらっと読んだかも。家に同居していたおじさんと言い、しげちゃんの姉妹といい、色々と凄いひとたちだ。
読了日:11月4日 著者:銀色夏生
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■土曜日は灰色の馬
文芸書でも漫画でも関係なく、面白い本はすべてエンタメ。読みたい本が増えるなんて贅沢な悩みを抱えるのは悪くない。自分にとっても篠有紀子は大事な漫画家さんで、「夜のピクニック」を漫画にするなら当時のあの絵しかないというのは本当に納得。
読了日:11月4日 著者:恩田陸
http://bookmeter.com/cmt/42522099

■納豆に砂糖を入れますか?: ニッポン食文化の境界線 (新潮文庫)
流通経路が整った今でも食文化には地域性が残ってる。「おかき・かきもちは米せんべいを指す関西の言葉」っていうのが意外でした。なんとなく、米せんべいのもっと小粒でころっとしてる感じのものをそう呼ぶと思っていました。私は「飴ちゃん」と呼ばない地域に住んでいますが、言い方が可愛いので最近では「飴ちゃん」を使ってます。
読了日:11月4日 著者:野瀬泰申
http://bookmeter.com/cmt/42522008

■目は嘘をつく (ミステリアス・プレス文庫)
屋敷の舞踏室に壁画を描いてほしいと依頼してきた大富豪の老女フランシス。その依頼を受けることにした騙し絵画家フェイス。フランシスの娘カッサンドラは15年前に誰に殺されたのか。フェイスはああだこうだと推理するけれど、それはもう最後になればなるほどどうでもいいことで、それすら騙し絵の一部分、美しいものに囲まれてはいるものの、ただの舞台装置だと気付かされる。フェイスの旅が良いものでありますように。
読了日:11月4日 著者:ジェイン・スタントンヒッチコック
http://bookmeter.com/cmt/42521910

■もっとにぎやかな外国語の世界 (白水Uブックス)
「にぎやかな外国語の世界」の続編だと思って図書館で借りたら、増補・改題版でした。英語も含め他の言語を勉強しようとすると、単数・複数の分け方をあんまりきっちりしてなくてもいい日本語は、言語的にはかなりの少数派なんだなと気が付いたりして面白い。フランスの鶏は「ココリコ」ベトナムの鶏は「オッオオッオー」と鳴く。ベトナムのは、ああそうだね、って思った。文字盤にタイ文字を使った時計がエキゾチックな感じで可愛い。
読了日:11月4日 著者:黒田龍之助
http://bookmeter.com/cmt/42521821

■チョコレート・アンダーグラウンド
チョコを齧り自由の味を感じながら読むのがきっと正しい。ハントリーとスマッジャーの勇気がまわりに連鎖して、チョコレート禁止法に立ち向かう人たちの輪が大きくなる。最後の「賛辞とあとがき」でチョコレート捜査官のその後ににんまり。すべての人に自由と正義とチョコレートを。
読了日:11月3日 著者:アレックスシアラー
http://bookmeter.com/cmt/42491154

■ニホン語、話せますか?
自分が生まれ育った場所の言葉と同等に外国語を喋ったりするのは、日々の努力がないとそうはならないだろう。日本語から英語に、英語から日本語に、それぞれ翻訳すると少しずつ違和感があったりするのは、やっぱり文化が違うから、それに当てはまる言葉がなかったりするからかな。中学校の英語の教科書に愕然、ネイティブのひとのチェックを受けたりしないんだろうか。
読了日:11月3日 著者:マーク・ピーターセン
http://bookmeter.com/cmt/42491054

■50歳からの健康歳時記
年を取ってくると季節の変化になかなか追いつかない。だから先取りしつつ予防的に早めの身づくろい。寒い時期の早朝に冷水浴をして狭心症の発作を起こし、入院治療でせっかく退院までこぎつけたのに、また冷水浴をして脳出血で突然死、なんてのは笑えない。
読了日:11月3日 著者:石川恭三
http://bookmeter.com/cmt/42490973

■やわらかなレタス
装画が印象的。同じ食べ物のはずなのに、ひょっとしたら自分が食べているものは別の物なのかもと思ってしまう。自分はどうかな、目玉焼きって言葉を知る前にもう目玉焼きを食べてたかな、とかひっそり考えてみる。ピーターラビットが食べたやわらかなレタスって、なんとなくサニーレタスな気がしています。
読了日:11月2日 著者:江國香織
http://bookmeter.com/cmt/42464028

■英国一家、ますます日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)
図書館で両方予約したらこちらが先に到着。日本の食文化がどう見えているのかが面白かった。「最初に味噌汁を出す鮨屋は、おそらく中国人か韓国人の経営だ」など、一括りに「アジアの料理」にせず、どこらへんまでが「日本」なのかを把握しているほど熱心。但馬牛のマッサージのところは笑いましたw本筋とは関係ないけど、京都の料理実演で友達になったセルビア人のサーシャが話した、ユーゴスラビア紛争でセルビアが比較的温和な方針を取った、ってところに思わずツッコミいれたくなりました。
読了日:11月2日 著者:マイケル・ブース
http://bookmeter.com/cmt/42463770

■天ぷらにソースをかけますか?―ニッポン食文化の境界線 (新潮文庫)
「日本の食」をテーマごとにネットで投票してもらい、それを日本地図に反映させ色分けした地図にしているので見やすい。西と東でくっきり「ぜんざい」「お汁粉」に分かれるものもあるし、「サンライズ」みたいに一部地域でしか通用しないような言い方があるのが分かったりして面白い。神奈川県の局地的な食べ物だと思っていたサンマーメンが静岡の吉原あたりでも食べられるっていうのが意外でした。
読了日:11月1日 著者:野瀬泰申
http://bookmeter.com/cmt/42436406

■他人と深く関わらずに生きるには (新潮文庫)
自分の人生だから誰かに頼りきりになるより、主導権はあくまで自分にあることを忘れないようにする。確かにそうだなあと思うところもあるし、それは駄目じゃんと思うところも。絶対に見つからない方法がないから飲酒運転をしないほうがいい、ってのはどうなんだろう。飲酒運転が「ルールは守れるものなら守ったほうがよいが、絶対に守らなければならないものではない。状況によって守らないほうが都合がよい時」なんてことあるんだろうか。
読了日:11月1日 著者:池田清彦
http://bookmeter.com/cmt/42436266

■ながめるだけ1分! 視力超回復トレーニング
平行法でどんな絵なのか確認してから交差法で見る、を繰り返しています。文字(英語だと特に)が含まれる絵だと、ページのはじの白い部分がチラチラして少し見えにくい。
読了日:11月1日 著者:
http://bookmeter.com/cmt/42436231


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