2020年6月の読書メーター
読んだ本の数:51冊
読んだページ数:12003ページ
ナイス数:624ナイス
https://bookmeter.com/users/89283/summary/monthly
■あなたは嘘を見抜けない (講談社タイガ)
廃墟ツアーに参加していた恋人が死んだ高辻が語り手の「誰かが嘘を吐いている」と、
無人島の廃墟ツアーの参加者、亮太が語り手の「孤島では殺人が起こる」が交互に書かれるミステリ。
死体の状況から、亮太たちの参加ツアーと美紀の参加ツアーが違うと分かるのけど、どう繋がるのかなと考えていたら、ミノスか。
どんどん壊れていく高辻を見捨てられなかった郁美が可哀そう。
ちゃんと名前が出てこなかった昔話「吉作落とし」は、こういう話があるのを知らなかった。
読了日:06月30日 著者:菅原 和也
https://bookmeter.com/books/11992617
■ベスト・エッセイ2017
2016年に新聞や雑誌などに発表された数多くのエッセイの中から厳選した75編。
好き嫌いは置いといて、色んなひとの文章を一度に読めると楽しい。
印象に残ったのは星野博美「ごはんは食べたか?」と、姫野カオルコ「『食べる』に何が起こった! ?」。
あと、三宮麻由子「美しい声とは」躓いた声が多くなってきた、にハッとする。
私はまだ親知らずが4本全部残っているので、三浦しをん「抜歯涅槃図」を読んで悶絶していました。ああ恐ろしい。絶対抜くもんか。
読了日:06月29日 著者:
https://bookmeter.com/books/12013816
■世界の路地裏を歩いて見つけた「憧れのニッポン」 (PHP新書)
異国の街を歩いていて見つける自分が知らない「ニッポン」の姿。
日本に生まれることは宝くじに当たったようなもの、という言葉は日本にいると実感しにくいけれど、そう言いたくなる国のほうが圧倒的に多いのだということを忘れちゃいけない。
イラクあたりのアラビア地域の伝統的な蒸留酒「アラック」はトルコでは「ラキ」バルカン半島には「ラキヤ」という名前で伝わった。
それは極東の日本にも伝播していて、江戸時代の長崎では「阿剌吉:アラキ」という名前の酒が取引されていた。
読了日:06月29日 著者:早坂 隆
https://bookmeter.com/books/12977503
■あやしい美人画 (Ayasii)
日本美術の流れにあやしく輝く、時におそろしささえ感じさせる美人画の数々。
見た瞬間に美人だなあと思うような絵はほぼなく、本を見終わったあと、美人画の定義はなんだろうと思う。
「現代のあやし」として、小林かいち「絵葉書 灰色のカーテン」・高橋しん「最終兵器彼女」・丸尾末広「トミノの地獄」が紹介されている。
だんだん兵器に浸食される「最終兵器彼女」ちせは、異形という意味では「あやし」なのかも。
読了日:06月28日 著者:松嶋 雅人
https://bookmeter.com/books/12025441
■大奥 18 (ヤングアニマルコミックス)
主のいない空っぽの江戸城の疎外感。
大奥は店仕舞いするかのような空虚さの真っ只中にあり、瀧山に送り出されたひとたちは次の人生をちゃんと生きて欲しい。
瀧山に申し出を断られた仲野はどうなるか。
親の愛に飢えていた和宮は家茂のおかげで愛を知り、その家茂は親子と名前を呼びながら死んでいった。
花びら餅の描写に泣ける。ふたりで一緒に食べたに違いない。
ついに次巻で完結。
読了日:06月28日 著者:よしながふみ
https://bookmeter.com/books/15806114
■鉱物のテラリウム・レシピ 水槽とガラスびんの中に作る鉱物の庭
部屋の中、机の周りにおける自分だけの箱庭。
ミズクラゲを1年草と同じと考えて飼うっていうのが思い切りが良い感じ。
瓶やフラスコの中で成長させる尿素の結晶が暴走して大きくなると、もこもこしてて可愛いなあ。
金属塩のところで触れられていますが、硫酸と硝酸を混合すると「王水」になる可能性があるのでやらないこと。
素人は取り扱いに困るだけです。
読了日:06月27日 著者:さとうかよこ
https://bookmeter.com/books/13028800
■おもてなしのちらし寿司―季節のちらし お弁当ちらし 洋風・中華風 汁もの・小鉢 (マイライフシリーズ (No.369))
6月27日はちらし寿司の日。
季節ごとに旬の材料を混ぜこんだちらし寿司や、洋風中華風のちょっと趣きを変えたちらし寿司などを多彩に紹介。
手間暇がかかって具材も多いちらし寿司は御馳走感があるような気がします。
でも、すしめしさえあれば、あとは何を乗せてもいいような懐の深さもあって、応用力があるのが魅力。
読了日:06月27日 著者:金田 美喜子
https://bookmeter.com/books/2209679
■わざわざゾンビを殺す人間なんていない。
密室で死んだ男はゾンビになった。
探偵として乗り込んだ八つ頭瑠璃が事件の真相に迫る。
ゾンビに噛まれてゾンビになるのがイヤだから「わざわざ殺す」でしょうと思ったけれど、ああなるほど。
生きていくためにゾンビを食らうという発想がグロい。
でもこれはまだマシで、ゾンビの踊り食いが本当に踊り食いだった。
瑠璃は、優斗が「瑠璃」を選んだ事実をもっと受け入れていいと思う。
表紙が結構なネタバレ事案。
読了日:06月26日 著者:小林 泰三
https://bookmeter.com/books/11604949
■ボクシング日和
雑誌「ボクシングマガジン」と「ランティエ」に掲載されたボクシング観戦記。
ほとんどボクシングって見たことないんですが、観客を夢中にさせる要素は満載。
選手たち、応援しているひとたちの熱気が伝わってきそう。
角田さんの個人的な感想として、ヘイ、カモン!のポーズをする選手は勝てないらしいので、選手のみなさんお気をつけて。
読了日:06月25日 著者:角田光代
https://bookmeter.com/books/12873909
■猫の目散歩
自分の内側にいる猫と一緒に、猫の目線で散歩する。
猫でたとえ話をしたりしているので、何を言ってるのか良く分からなかったのが、チカコさんが上司からノラ猫になりすましてきなさいと言われた話。
途中からホームレスのことだと見当がつきますが余り馴染めない。
番外編の「正月、宝探しに」が一番違和感がなく読めた。
読了日:06月25日 著者:浅生ハルミン
https://bookmeter.com/books/344145
■文豪のきもの (河出文庫)
明治・大正・昭和の文学史に名を残す作家たちは、作品のなかでどのようにきものを描き、また自身は何を着ていたのか。
谷崎潤一郎は関西に憧れ華やかな大柄や色使いのきものを好みとうとう東京を脱出したとか、
その谷崎から「舟橋くんの着物の好みは派手で花やかすぎるように思う」と苦言を呈された舟橋聖一、などなど。
夏目漱石が夫人の年始の紋付を着てふざけることがあったなんて、意外な姿。
読了日:06月24日 著者:近藤富枝
https://bookmeter.com/books/14849213
■新書882ヒトラーとUFO (平凡社新書)
ドイツにあふれかえっている都市伝説を追いかけたルポルタージュ。
どこにもない町「ビーレフェルト」を首相みずからがネタにするなんて、ドイツ国民にジョークとしてかなり浸透しているんだなあ。
2002年ごろから囁かれ始め、いくつものバリエーションがある「感謝するアラブ人」は同時多発テロが下敷きになっていて、社会的な不安があると一気に拡散する見本みたいなものですね。
読了日:06月24日 著者:篠田 航一
https://bookmeter.com/books/12829482
■太陽の子 文芸書新装版 (理論社の文芸書版)
ふうちゃんの目を通して見る、戦争で傷つけられた沖縄と大人たちの姿。
戦争はたくさんのひとの命を奪うけれど、生き残ってもまだ、命を削られ奪い続けられるのだな。
ギッチョンチョンの部屋で沖縄戦の写真を見たふうちゃんが
「それは恐い世界だった。知ることが恐い世界だった」
けれどそれは知らなければならない世界。
6月23日は沖縄県が制定している慰霊の日。黙祷。
読了日:06月23日 著者:灰谷 健次郎
https://bookmeter.com/books/1740449
■失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!
偉人たちの失敗と、その失敗から彼らがどうやって復活したか。
最初に登場したエジソンが「失敗はすばらしい!Viva失敗!」と結構なハイテンションで内容紹介してる。
特集「デカすぎる失敗・人間の失敗なんて、小さい小さい!」広大な体を持っているのに誰にも理解されないのが宇宙の失敗。
あ、なるほどそうかも。宇宙から見たら確かに人間の失敗なんて小さすぎて、たいしたことないなと思う。
読了日:06月22日 著者:大野 正人
https://bookmeter.com/books/12799851
■私がオバさんになったよ
「小説幻冬」に掲載されたときのタイトル「もういちど話したかった」のとおり、過去に対談したことのあるお相手とテーマなど縛りを設けずに再び対談。
例外の能町みね子が今までに対談したことがないというのが意外でした。
光浦靖子はなんとなく彼女の声で脳内再生しながら読んでいました。あの声とか喋り方、わりと好きなので。
著作で馴染んでいることもあって、酒井順子が「こういうのが酒井順子だなあ」と裏付けを取った気分です。
読了日:06月22日 著者:ジェーン・スー,光浦 靖子,山内 マリコ,中野 信子,田中 俊之,海野 つなみ,宇多丸,酒井 順子,能町 みね子
https://bookmeter.com/books/13564995
■人生最後のご馳走 淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院のリクエスト食
さまざまな要因が良い結果を結び、末期がん患者が再び「食」を取り戻したとき、決められた献立ではなく、自分で選んだメニューが食べられるとしたら?
週に一度、好きなメニューをリクエストできるホスピスでのインタビュー。
ホスピスなので余命はだいたい2~3か月くらい、でも、自分の人生を語る患者さんたちの口調が明るい。
医師・池永昌之氏「食事が病状を劇的に変えることはありませんが、食を含めたケアのすべてがつながると、患者さんの心や体の痛みを少しでも軽減することができるのではないでしょうか」
読了日:06月21日 著者:青山 ゆみこ
https://bookmeter.com/books/9862591
■東京の謎と不思議を楽しむ散歩術 (KAWADE夢文庫)
過去と未来が入り交じった不思議空間、東京を歩いてみよう。
ダンテ「神曲」をテーマにしたロダン作「考える人」「地獄の門」の2作品とも展示しているのは世界に4か所、そのうち1か所は国立西洋美術館。
銀座・木村屋總本店のパン工場は建物内にあり、世界で一番土地の値段が高い工場。
よく町田は東京じゃなくて神奈川だろう、とか言われたりしますが、町田はもちろん多摩地区が昔は神奈川だったとは知らなかった。
読了日:06月21日 著者:
https://bookmeter.com/books/4669343
■禁断の幕末維新史 封印された写真編
南朝革命=天皇すり替えという不都合な真実を正当化するために犠牲になった人間たち。
教科書には書けない幕末の日本史を「加治史観」で解き明かす。
坂本龍馬を暗殺したのは中岡慎太郎で、中岡は負傷が原因で死んだのではなくけじめをつけて切腹したのではないか。
真相かどうかは置いといてその説は面白いなと思った。
読了日:06月20日 著者:加治 将一
https://bookmeter.com/books/11097054
■吉祥寺デイズ: うまうま食べもの・うしうしゴシップ
時事ネタや身の回りの日常のこと、女性セブンで連載中「日々甘露苦露」をまとめた本。
トランプが大統領になって、ゲス不倫とか小室哲哉が引退したあたりのときこと、記憶にまだ残っているうちに読めて良かった。
おにぎりに使っていた「ろく助の塩」は、枝元なほみも本で紹介していて、やっぱりおいしい塩なんだなあ。
ココナッツオイルのゆるみ具合で春の訪れを実感するっていうところ、私も同じこと思ってました。
あとがきは手書きでしたが、こういう文字って意外と読みにくい;
読了日:06月19日 著者:山田 詠美
https://bookmeter.com/books/12687285
■脅迫状であてましょう他―名探偵になるための必須9項目! (双葉文庫)
筆跡鑑定や尾行など、名探偵になるために必要なスキルを磨く。
綾辻行人、パパイヤ鈴木などに脅迫状を書いて貰って、それを専門家が鑑定。
診断から考えられる性格や向いている職業など、文字の書き方からそんなことまで分かるなんてすごいと思う。
警察の鑑識を支える鑑識機材メーカー「P・S・インダストリー」社長のインタビューが面白かった。
読了日:06月19日 著者:
https://bookmeter.com/books/632894
■藤城清治 影絵の絵本 アンデルセン
藤城清治の影絵で読む5話のアンデルセン童話。
どの話もこれで初めて読みましたが、諦観というか教訓めいているように思えました。
「ハンスのもらった鳥かご」
足が悪いハンスがベッドの中で読んでいる本の挿絵がアダムとイブ。ベッド周りの色合いとか、そういうところにまで神経を使ってるのがありありと分かる美しさ。
読了日:06月18日 著者:藤城 清治
https://bookmeter.com/books/13170114
■バターの本 日本のおいしいナショナルバター&クラフトバター
日本全国で作られているさまざまなバターを紹介する。
トーストを焼くのはバターを食べたいからというほどバターが好きなのですが、品薄なのがねえ。
何かを混ぜているやつは小岩井のレーズンアンドバターくらいしか食べたことないので、サツラク農業協同組合「サツラク彩りシリーズ」と、神津牧場の「はちみつバター」が気になりました。
こういうバターを料理に使うと、それだけで味付けが決まりそう。
読了日:06月18日 著者:
https://bookmeter.com/books/14362066
■カインの傲慢
中国の臓器ビジネスは、法輪功だけじゃなくて、ウイグルとかチベットのひとたちも巻き込まれていると聞いたことがあります。
犬飼が陣野の孫娘を目の前にしたときの気持ちは計り知れませんが、ここで立ち止まったら、金持ちは貧困層を利用して当然と思っている陣野に敗北する。
警官としても父親としても同じ場所に堕ちるな。
与那嶺照生の両親のリアリティが恐ろしすぎて、やるせない気持ちでいっぱいになる。
犬飼のほか捜査陣の無念さや無力感はこれ以上だろう。
読了日:06月17日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/15689204
■敏感すぎて生きづらい人の こころがラクになる方法
HSPのひとたちが少しでもラクになれるような実践編ということで、アドバイスが具体的で分かりやすい。
なかなか眠れないので遮光カーテンと耳栓とアロマは既に活用しています。
このうえアイマスクはやり過ぎかなと思ってたけれど、やり過ぎくらいでちょうどいいなら使ってみようかな。
読了日:06月16日 著者:長沼 睦雄
https://bookmeter.com/books/13368416
■ずいぶんなおねだり (文春文庫)
単行本で読んでるけれど文庫本で再読。
江川紹子さんとの対談が面白かった。
江川さんがソースがダメで、アジフライとかコロッケとかの揚げ物全般をお醤油で食べていて、それを東海林さんが「好きなようにしなさい」って言ってるところがなんだか好き。
「五月の病い」これって星新一のSFにありそう。
読了日:06月16日 著者:東海林 さだお
https://bookmeter.com/books/445163
■地元スーパーのおいしいもの、旅をしながら見つけてきました。47都道府県!
47都道府県の地元スーパーで売っているご当地のおいしいものをめぐる旅。
定義が「その県発祥で、チェーン展開をしており、例外を除いては公共交通で辿り着けるスーパー」ということなので、同じルートで旅することも可能、ってことですね。
有名なご当地料理だからといって、地元の人も食べているとは限らない。
例えば、観光的な食べ物は奈良・奈良漬、家庭的な食べ物は滋賀・鮒ずし。
読了日:06月15日 著者:森井 ユカ
https://bookmeter.com/books/11469400
■ヘンタイ美術館
「こむずかしく考えがちな西洋美術も、ヘンタイでどうかしちゃってる美術家たちの側面から見ていくと、とてもおもしろくわかってくる」
ヘンタイとして名前が挙がるだけあって色々と振り切れてる。
マネは印象派ではなく、印象派はいわばマネを慕って集まってきた若い芸術家たちのお友達集団。
マネは「たけし」で印象派は「たけし軍団」っていうのが分かりやすかった。
最後に登場したドガは「漢字で書く変態」なのだというのが納得すぎて笑える。すごいなドガ。
読了日:06月15日 著者:山田 五郎,こやま 淳子
https://bookmeter.com/books/10013305
■マヤ文字を書いてみよう 読んでみよう(新装版)
マヤ文字は、角が丸みを帯びた四角な文字マスに、大きさの違ういくつかの文字(要素)を組み合わせて書き、左上から右下の順に読むのが原則。
見た目が文字とは思えないほど装飾的、普段からちょこちょこイラストを描くようなひとには楽しいかも。
自分の名前を書けるようになるまでが大変。
四角いマスのひとつに苗字、ひとつに名前を収めるようにして書くので(ということは四角ふたつで姓名を表す)どうやったらバランス取れるのかと物凄く考えることになります。
読了日:06月14日 著者:八杉 佳穂
https://bookmeter.com/books/13300575
■国家を食べる (新潮新書)
その「土地の食べ物」を食べたとき、周りで何が起きていたか。
「Webでも考える人」に連載した文章に手を入れたもの。
西サハラをめぐる戦争で78年に捕虜になった兵士が、
モロッコ政府がこの戦争を戦争と認めていないため行方不明兵にされていて、妻子と文通で連絡しているというのが痛ましい。
もう再会できたかなあ。
世界で最も出回っているカラシニコフ自動小銃の開発者が最近まで存命だったというのが意外でした。
読了日:06月14日 著者:松本 仁一
https://bookmeter.com/books/14028144
■生きてさえいれば (文芸社文庫NEO)
心臓の病気で入院している叔母・春桜の病室で、春桜が出せないままでいる手紙を見つけた甥の千景。
千景は手紙を届けるために大阪まで行く。
春桜と秋葉を再会させ春夏秋冬を繋いだ千景自身も、自分の幸せのためにいろんなことを乗り越えて欲しい。
作者の没後に見つかった原稿ということなので「生きてさえいれば」というタイトルがとても強いものに感じる。
読了日:06月13日 著者:小坂 流加
https://bookmeter.com/books/13294803
■官能美術史: ヌードが語る名画の謎 (ちくま学芸文庫)
西洋美術における性愛の歴史を取り上げ、その広がりと奥行きを味わう。
200点以上のカラー図版が掲載されていますが、文庫本なので、もうちょっと大きいサイズで細かいところまで見たいなあ、と思う作品もありました。
聖書で最初に出てくる女性はイブで、神話で最初に出てくる女性はパンドラ。
どちらも人類を死ぬ運命たらしめた原因であり、人類最大のファム・ファタルというのが興味深い。
読了日:06月12日 著者:池上 英洋
https://bookmeter.com/books/8330632
■キリンの子 鳥居歌集
壮絶な生い立ちを知ると怯みますが、短歌そのもので勝負できる言葉選びの的確さ。
「コロッケがこんがり揚がる夕暮れの母に呼ばれるまでのうたた寝」
「母の死で薬を知ったしかし今生き抜くために同じ薬のむ」
「冷房をいちばん強くかけ母の体はすでに死体へ移る」
「いつまでも時間は止まる母の死は巡る私を置き去りにして」
「夕飯を一人で片づける母の味方は誰ひとりいない家」
「毎日を過ごした家は壊されて四角い冬の青空ひらく」
読了日:06月12日 著者:鳥居
https://bookmeter.com/books/10395544
■ふしぎなともだち (EDGE COMIX)
絵があんまり好きじゃないんですが、それでも読んでしまう。
友達とか同級生とか恋人とか、そんなものが全部しっくりこなくて全部が混ざってるような、ふしぎなともだち。
カバー下での由岐の名前に笑ってしまった。昂大、たかひろって読むのか。
読了日:06月11日 著者:新井 煮干し子
https://bookmeter.com/books/6737920
■大接近! 工場見学 (1) おべんとクンミートボールの工場〈チルド食品〉
石井食品のミートボール工場に潜入、写真で工場見学。
原材料は鶏肉、玉ねぎ、パン粉、トマトペースト、保存料や添加物なし。
これらを機械でよく混ぜてからひと口サイズにカットして油で揚げる。
ミートボールは丸く成型してるわけじゃなくて、油で揚げると肉が締まって丸めなくても丸くなる。
読了日:06月11日 著者:高山 リョウ
https://bookmeter.com/books/11296351
■無人兵器 最新の能力に驚く本: ステルス機からヘリ、戦車、潜水艇、歩行ロボットまで (KAWADE夢文庫)
戦場で重要なのは、武器弾薬・食糧の補給路である兵站・情報通信能力の維持。
無人機に期待されている役割は多く、日本の戦略的に重要な無人島の防衛にも力を発揮するだろう。
表紙は、高高度での偵察に特化したRQ-4Bグローバルホーク。
こういう偵察機がもし領空に近づいたときはどの段階で撃墜していいのか、撃墜した場合、国際法上どうなるのかといったことは今後の検討課題。
読了日:06月10日 著者:白鳥 敬
https://bookmeter.com/books/10161613
■悪魔を憐れむ
4人そろって飲んだくれてる場面がないので、卒業ってこういうことかと少し寂しく思います。
「無間呪縛」ウサコと平塚刑事の馴れ初めの事件。巳羽子をめぐる葛藤は根深いものだったんだなあ。
「悪魔を憐れむ」どうしても憐れむ気持ちになれません。
「意匠の切断」タックが、タカチとは遠距離恋愛だと自分で言ってるのがもう照れ臭い。
「死は天秤にかけられて」
犯人としては、アリバイ工作にこれほど気を使ったのに最後の最後で裏切られるなんて酷いなんて思ったかもしれないけど、もともと人殺しが酷いことなんだよ。
読了日:06月09日 著者:西澤 保彦
https://bookmeter.com/books/11234446
■旅先のオバケ
「世界各地、長く旅を続けていると、鈍感なぼくにも説明のつかない不思議なこと、わけのわからない現象などと出会うことがある」
旅先の宿で遭遇した色んなこと。
ロシアのホテルで、午前2時、隣から6、7人が大暴れしているような騒音で目が覚め、腹立ちまぎれに氷斧を壁に投げつけたら、隣は部屋じゃなくて階段。
モンゴルのゲルに誰かいる気配がして、よく見たら、暑さしのぎに入ってきた子牛だった。
「おわりに」の21歳の時の交通事故で死にかけた話が壮絶。
読了日:06月09日 著者:椎名 誠
https://bookmeter.com/books/12832569
■初恋ソムリエ (角川文庫)
吹奏楽部に所属する高校2年生、チカとハルタの青春ミステリ。
クラリネットのプロ奏者を目指す芹澤さんが吹奏楽部に入部してくれるかどうか、
入部してくれても演奏できるのか、今回のミッションは難易度が高い。
誰かの居場所の受け皿になっているのは吹奏楽部だけじゃなくて、
自分が出来ることを真剣にやるってことが誰かの救いになったりする。
芹澤さんの伯母さんが食べた塩じゃない塩むすびの真相が意味することの闇は深い。
読了日:06月08日 著者:初野 晴
https://bookmeter.com/books/3683641
■家族終了
生まれたときには三世代五人家族。
そして、祖母、父、母、兄が次々と亡くなり、ひとりになった酒井さんの「家族終了」は、すごく実感がこもってるタイトルだと思いました。
自分の家のことをこれだけ赤裸々に書けたのもそういうタイミングだったのだろうなあ。
新しい家族を作るには、結婚などの努力が必要で、家族は「いて当たり前」ではない。
少子高齢化でおひとりさまが増えてくれば、ひとりで生きることが普通になり、家族という言葉そのものが成り立たなくなるかも。
読了日:06月08日 著者:酒井 順子
https://bookmeter.com/books/13612305
■大癋(べし)見警部の事件簿 リターンズ 大癋見vs.芸術探偵
正統派メインキャラ神泉寺瞬一郎が登場。けれど案の定、本格ミステリvsバカミスの仁義なき戦いを制したのは大癋見警部だった。
「何いまの、警部が……警部が仕事したよ!」
江草刑事、私もそのセリフが言いたかった。
この本で一番の収穫は、ブリューゲル(父)とブリューゲル(子)がいて紛らわしい、ってことではなくて、
福井県の水月湖で7万年分の年縞堆積物が発見されて(世界で唯一ここにしかなく超貴重な代物)炭素年代測定法の精度が格段に上がった、ということ。
読了日:06月07日 著者:深水 黎一郎
https://bookmeter.com/books/11170299
■大癋見(おおべしみ)警部の事件簿
驚異の100%の検挙率を誇る大癋見警部が率いる強行犯捜査第十係が事件解決に乗り出す連作短編集。
大癋見警部は本当に何もせず、海埜警部補をはじめとする部下たち、そして犯人が事件を解決する。
ノックスの十戒やヴァン・ダインの二十則など、ミステリのお約束をぶち壊すメタ展開は、ミステリに慣れてるひとほど楽しめると思う。
「薔薇は語る」の安齋刑事みたいなパターンもあって面白かった。
油断するとハリセンの餌食になったりして大癋見班は大変だな。
リターンズに続く。
読了日:06月06日 著者:深水 黎一郎
https://bookmeter.com/books/8284403
■スペイン岬の秘密 (角川文庫)
エラリーは、知り合いの別荘を借りたマクリン判事と一緒に休暇を過ごすために海辺にやってきた。
近くのスペイン岬で起きた殺人と誘拐事件に遭遇する。
地元の警察官、モーリー警視の「はじめからほんとうのことを話すほうが結局は得になる」の言葉を犯人に聞かせてやりたい。
ゴドフリー家の従者ティラーの出来が良すぎて、家族全員知らんぷりしてるだけで実は誰かに雇われた探偵だったりしてね、とか疑ってしまった。
読了日:06月05日 著者:エラリー・クイーン
https://bookmeter.com/books/9689421
■「こつこつ」と生きています
ブログをまとめた本。
句会に参加したり、テレビ収録の服装に気を使ったり、食養生のための宅配を頼んでいたり。
岸本さんの日常がどんなふうなのかが垣間見えます。
B4感熱ロール紙が使えるファックスはこの当時(出版されたのが2011年)すでに希少品、今も使っているのでしょうか。
そして東日本大震災のときのことを書いた「東京震災日記」。
自分にできることを箇条書きしたもののうち「不確かなことを声高に話さない」「買いだめをしない」は最近の事情にも当てはまりそう。
読了日:06月05日 著者:岸本 葉子
https://bookmeter.com/books/4006068
■どしゃぶりの時代 魂の磨き方 (集英社文庫)
人生の真の成功者を作り上げるための「勝ち組クラブ」から発信する10のメッセージ。
一番重要なのはやっぱり最後の第十章「自分に勝つ」なのだろうな。
「君を理解することに興味を持っている人間なんていないと思った方がいい」
人を理解しようという努力自体不毛だしおこがましい。
人に理解されたいと言うことは甘えにすぎない。
読了日:06月04日 著者:落合 信彦
https://bookmeter.com/books/37084
■七丁目まで空が象色 (文春文庫)
桃本君の従兄弟が働く動物園に研修に来ていた楓ケ丘動物園のメンバーたちは象の脱走事件に巻き込まれる。
蓝天に付き添っていた誠一郎の視点と楓ケ丘組の視点それぞれで描かれていて、どちらからも一刻の猶予もないほどの緊迫感が伝わってきました。
吴子豪とは再会することはあるんだろうか。
あとがきのチュパカブラはすごく分かりやすい例え話だなあと思う。
読了日:06月04日 著者:似鳥 鶏
https://bookmeter.com/books/14854371
■曲がり角のボクら (花とゆめCOMICSスペシャル)
デビュー作「阿部くんと黒羽さん」を含む短編集。
男の子たち、女の子たち、笑って泣いてみんなセイシュンしてるなあ。
「隣の吸血鬼」の逆転具合と、頑張れお父さんのプライド「みんなきらきら」が良かったです。
「曲がり角のボクら」執事の神原さんが似合いすぎ。
読了日:06月03日 著者:中村 明日美子
https://bookmeter.com/books/577541
■ときめくインコ図鑑 (ときめく図鑑)
インコの種類や生態、体の仕組み、人間と暮らすようになった歴史などを取り上げる。
子供のころ文鳥を飼ってたので懐かしい気持ちで写真を眺めていました。
どのインコもカラフル、綺麗で可愛いなあ。
コンゴウインコの説明にもあるけれど100歳を超えるほどの長寿の鳥もいるので、次の世代の飼い主へ託すことも視野に入れておくのも必要。
読了日:06月03日 著者:
https://bookmeter.com/books/11095625
■大人の探検 古墳
古墳を巡り歩きながら楽しむポイントを紹介する。
冒頭カラーページの、今城塚古墳の力士形の埴輪の表情がとても可愛い。
神話で始まる歴史を教わった世代のひとが、古墳発掘で神話の世界にふたたび触れる。
著者である考古学者・大塚初重氏が考古学者になった経緯が印象的でした。
読了日:06月02日 著者:
https://bookmeter.com/books/8101473
■テースト・オブ・苦虫〈3〉
「ヨミウリウィークリー」2002年7月~2003年5月掲載分。
文字化けしたメールを「文字化けしたメールでした」で終わらせず、オトカを七杯飲んでエクオとヌケオのことをちょっとだけ考えることまでしちゃうのがもうたまらん。
10年ぶりに再会したらしいエクオとヌケオ、いやその前に誰だよお前たち。
下町を散策しているとき、なんか路地の奥の細くなったところにはさまって動けなくなった下町のカフカに遭遇したらどうしよう。
妙な目つきで、厭な目つきをして、微動だにしない下町のカフカ。
読了日:06月02日 著者:町田 康
https://bookmeter.com/books/516739
■ゆかいな珍名踏切 (朝日新書)
点検保守とかで名前がないと不都合だろうなとなんとなく思ったので踏切に名前がついているのはそれほど驚きませんでしたが、番号管理じゃないんですね。
天皇様踏切、爆発踏切、個性的で面白い名前がたくさん出てきます。
青森・津軽鉄道の「賽の河原踏切」なんて、ないほうが不自然な気がしてしまいました。
地元住民が踏切じゃないところを勝手に渡ってしまうことを「勝手踏切」と呼ぶのは知らなかった。
読了日:06月01日 著者:今尾 恵介
https://bookmeter.com/books/14979191
■死美人劇場 (1977年) (角川文庫)
神津恭介の短編集。
「原子病患者」
ビキニ環礁で被爆した第五福竜丸が話題になっていた当時の事件。
魚を食べてしまったが大丈夫かと診察にやってくる患者は女性が多いと友人が話しているときに、冗談なんか言う恭介、珍しいな。
「死美人劇場」
殺人事件のアリバイ証明に使われたのは、日本海難史上最悪となった洞爺丸の転覆事故。
恭介が死体を発見したのは偶然で、その後の展開も出来過ぎてる感じ。
読了日:06月01日 著者:高木 彬光
https://bookmeter.com/books/347905
▼読書メーター
https://bookmeter.com/
読んだ本の数:51冊
読んだページ数:12003ページ
ナイス数:624ナイス
https://bookmeter.com/users/89283/summary/monthly
■あなたは嘘を見抜けない (講談社タイガ)
廃墟ツアーに参加していた恋人が死んだ高辻が語り手の「誰かが嘘を吐いている」と、
無人島の廃墟ツアーの参加者、亮太が語り手の「孤島では殺人が起こる」が交互に書かれるミステリ。
死体の状況から、亮太たちの参加ツアーと美紀の参加ツアーが違うと分かるのけど、どう繋がるのかなと考えていたら、ミノスか。
どんどん壊れていく高辻を見捨てられなかった郁美が可哀そう。
ちゃんと名前が出てこなかった昔話「吉作落とし」は、こういう話があるのを知らなかった。
読了日:06月30日 著者:菅原 和也
https://bookmeter.com/books/11992617
■ベスト・エッセイ2017
2016年に新聞や雑誌などに発表された数多くのエッセイの中から厳選した75編。
好き嫌いは置いといて、色んなひとの文章を一度に読めると楽しい。
印象に残ったのは星野博美「ごはんは食べたか?」と、姫野カオルコ「『食べる』に何が起こった! ?」。
あと、三宮麻由子「美しい声とは」躓いた声が多くなってきた、にハッとする。
私はまだ親知らずが4本全部残っているので、三浦しをん「抜歯涅槃図」を読んで悶絶していました。ああ恐ろしい。絶対抜くもんか。
読了日:06月29日 著者:
https://bookmeter.com/books/12013816
■世界の路地裏を歩いて見つけた「憧れのニッポン」 (PHP新書)
異国の街を歩いていて見つける自分が知らない「ニッポン」の姿。
日本に生まれることは宝くじに当たったようなもの、という言葉は日本にいると実感しにくいけれど、そう言いたくなる国のほうが圧倒的に多いのだということを忘れちゃいけない。
イラクあたりのアラビア地域の伝統的な蒸留酒「アラック」はトルコでは「ラキ」バルカン半島には「ラキヤ」という名前で伝わった。
それは極東の日本にも伝播していて、江戸時代の長崎では「阿剌吉:アラキ」という名前の酒が取引されていた。
読了日:06月29日 著者:早坂 隆
https://bookmeter.com/books/12977503
■あやしい美人画 (Ayasii)
日本美術の流れにあやしく輝く、時におそろしささえ感じさせる美人画の数々。
見た瞬間に美人だなあと思うような絵はほぼなく、本を見終わったあと、美人画の定義はなんだろうと思う。
「現代のあやし」として、小林かいち「絵葉書 灰色のカーテン」・高橋しん「最終兵器彼女」・丸尾末広「トミノの地獄」が紹介されている。
だんだん兵器に浸食される「最終兵器彼女」ちせは、異形という意味では「あやし」なのかも。
読了日:06月28日 著者:松嶋 雅人
https://bookmeter.com/books/12025441
■大奥 18 (ヤングアニマルコミックス)
主のいない空っぽの江戸城の疎外感。
大奥は店仕舞いするかのような空虚さの真っ只中にあり、瀧山に送り出されたひとたちは次の人生をちゃんと生きて欲しい。
瀧山に申し出を断られた仲野はどうなるか。
親の愛に飢えていた和宮は家茂のおかげで愛を知り、その家茂は親子と名前を呼びながら死んでいった。
花びら餅の描写に泣ける。ふたりで一緒に食べたに違いない。
ついに次巻で完結。
読了日:06月28日 著者:よしながふみ
https://bookmeter.com/books/15806114
■鉱物のテラリウム・レシピ 水槽とガラスびんの中に作る鉱物の庭
部屋の中、机の周りにおける自分だけの箱庭。
ミズクラゲを1年草と同じと考えて飼うっていうのが思い切りが良い感じ。
瓶やフラスコの中で成長させる尿素の結晶が暴走して大きくなると、もこもこしてて可愛いなあ。
金属塩のところで触れられていますが、硫酸と硝酸を混合すると「王水」になる可能性があるのでやらないこと。
素人は取り扱いに困るだけです。
読了日:06月27日 著者:さとうかよこ
https://bookmeter.com/books/13028800
■おもてなしのちらし寿司―季節のちらし お弁当ちらし 洋風・中華風 汁もの・小鉢 (マイライフシリーズ (No.369))
6月27日はちらし寿司の日。
季節ごとに旬の材料を混ぜこんだちらし寿司や、洋風中華風のちょっと趣きを変えたちらし寿司などを多彩に紹介。
手間暇がかかって具材も多いちらし寿司は御馳走感があるような気がします。
でも、すしめしさえあれば、あとは何を乗せてもいいような懐の深さもあって、応用力があるのが魅力。
読了日:06月27日 著者:金田 美喜子
https://bookmeter.com/books/2209679
■わざわざゾンビを殺す人間なんていない。
密室で死んだ男はゾンビになった。
探偵として乗り込んだ八つ頭瑠璃が事件の真相に迫る。
ゾンビに噛まれてゾンビになるのがイヤだから「わざわざ殺す」でしょうと思ったけれど、ああなるほど。
生きていくためにゾンビを食らうという発想がグロい。
でもこれはまだマシで、ゾンビの踊り食いが本当に踊り食いだった。
瑠璃は、優斗が「瑠璃」を選んだ事実をもっと受け入れていいと思う。
表紙が結構なネタバレ事案。
読了日:06月26日 著者:小林 泰三
https://bookmeter.com/books/11604949
■ボクシング日和
雑誌「ボクシングマガジン」と「ランティエ」に掲載されたボクシング観戦記。
ほとんどボクシングって見たことないんですが、観客を夢中にさせる要素は満載。
選手たち、応援しているひとたちの熱気が伝わってきそう。
角田さんの個人的な感想として、ヘイ、カモン!のポーズをする選手は勝てないらしいので、選手のみなさんお気をつけて。
読了日:06月25日 著者:角田光代
https://bookmeter.com/books/12873909
■猫の目散歩
自分の内側にいる猫と一緒に、猫の目線で散歩する。
猫でたとえ話をしたりしているので、何を言ってるのか良く分からなかったのが、チカコさんが上司からノラ猫になりすましてきなさいと言われた話。
途中からホームレスのことだと見当がつきますが余り馴染めない。
番外編の「正月、宝探しに」が一番違和感がなく読めた。
読了日:06月25日 著者:浅生ハルミン
https://bookmeter.com/books/344145
■文豪のきもの (河出文庫)
明治・大正・昭和の文学史に名を残す作家たちは、作品のなかでどのようにきものを描き、また自身は何を着ていたのか。
谷崎潤一郎は関西に憧れ華やかな大柄や色使いのきものを好みとうとう東京を脱出したとか、
その谷崎から「舟橋くんの着物の好みは派手で花やかすぎるように思う」と苦言を呈された舟橋聖一、などなど。
夏目漱石が夫人の年始の紋付を着てふざけることがあったなんて、意外な姿。
読了日:06月24日 著者:近藤富枝
https://bookmeter.com/books/14849213
■新書882ヒトラーとUFO (平凡社新書)
ドイツにあふれかえっている都市伝説を追いかけたルポルタージュ。
どこにもない町「ビーレフェルト」を首相みずからがネタにするなんて、ドイツ国民にジョークとしてかなり浸透しているんだなあ。
2002年ごろから囁かれ始め、いくつものバリエーションがある「感謝するアラブ人」は同時多発テロが下敷きになっていて、社会的な不安があると一気に拡散する見本みたいなものですね。
読了日:06月24日 著者:篠田 航一
https://bookmeter.com/books/12829482
■太陽の子 文芸書新装版 (理論社の文芸書版)
ふうちゃんの目を通して見る、戦争で傷つけられた沖縄と大人たちの姿。
戦争はたくさんのひとの命を奪うけれど、生き残ってもまだ、命を削られ奪い続けられるのだな。
ギッチョンチョンの部屋で沖縄戦の写真を見たふうちゃんが
「それは恐い世界だった。知ることが恐い世界だった」
けれどそれは知らなければならない世界。
6月23日は沖縄県が制定している慰霊の日。黙祷。
読了日:06月23日 著者:灰谷 健次郎
https://bookmeter.com/books/1740449
■失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!
偉人たちの失敗と、その失敗から彼らがどうやって復活したか。
最初に登場したエジソンが「失敗はすばらしい!Viva失敗!」と結構なハイテンションで内容紹介してる。
特集「デカすぎる失敗・人間の失敗なんて、小さい小さい!」広大な体を持っているのに誰にも理解されないのが宇宙の失敗。
あ、なるほどそうかも。宇宙から見たら確かに人間の失敗なんて小さすぎて、たいしたことないなと思う。
読了日:06月22日 著者:大野 正人
https://bookmeter.com/books/12799851
■私がオバさんになったよ
「小説幻冬」に掲載されたときのタイトル「もういちど話したかった」のとおり、過去に対談したことのあるお相手とテーマなど縛りを設けずに再び対談。
例外の能町みね子が今までに対談したことがないというのが意外でした。
光浦靖子はなんとなく彼女の声で脳内再生しながら読んでいました。あの声とか喋り方、わりと好きなので。
著作で馴染んでいることもあって、酒井順子が「こういうのが酒井順子だなあ」と裏付けを取った気分です。
読了日:06月22日 著者:ジェーン・スー,光浦 靖子,山内 マリコ,中野 信子,田中 俊之,海野 つなみ,宇多丸,酒井 順子,能町 みね子
https://bookmeter.com/books/13564995
■人生最後のご馳走 淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院のリクエスト食
さまざまな要因が良い結果を結び、末期がん患者が再び「食」を取り戻したとき、決められた献立ではなく、自分で選んだメニューが食べられるとしたら?
週に一度、好きなメニューをリクエストできるホスピスでのインタビュー。
ホスピスなので余命はだいたい2~3か月くらい、でも、自分の人生を語る患者さんたちの口調が明るい。
医師・池永昌之氏「食事が病状を劇的に変えることはありませんが、食を含めたケアのすべてがつながると、患者さんの心や体の痛みを少しでも軽減することができるのではないでしょうか」
読了日:06月21日 著者:青山 ゆみこ
https://bookmeter.com/books/9862591
■東京の謎と不思議を楽しむ散歩術 (KAWADE夢文庫)
過去と未来が入り交じった不思議空間、東京を歩いてみよう。
ダンテ「神曲」をテーマにしたロダン作「考える人」「地獄の門」の2作品とも展示しているのは世界に4か所、そのうち1か所は国立西洋美術館。
銀座・木村屋總本店のパン工場は建物内にあり、世界で一番土地の値段が高い工場。
よく町田は東京じゃなくて神奈川だろう、とか言われたりしますが、町田はもちろん多摩地区が昔は神奈川だったとは知らなかった。
読了日:06月21日 著者:
https://bookmeter.com/books/4669343
■禁断の幕末維新史 封印された写真編
南朝革命=天皇すり替えという不都合な真実を正当化するために犠牲になった人間たち。
教科書には書けない幕末の日本史を「加治史観」で解き明かす。
坂本龍馬を暗殺したのは中岡慎太郎で、中岡は負傷が原因で死んだのではなくけじめをつけて切腹したのではないか。
真相かどうかは置いといてその説は面白いなと思った。
読了日:06月20日 著者:加治 将一
https://bookmeter.com/books/11097054
■吉祥寺デイズ: うまうま食べもの・うしうしゴシップ
時事ネタや身の回りの日常のこと、女性セブンで連載中「日々甘露苦露」をまとめた本。
トランプが大統領になって、ゲス不倫とか小室哲哉が引退したあたりのときこと、記憶にまだ残っているうちに読めて良かった。
おにぎりに使っていた「ろく助の塩」は、枝元なほみも本で紹介していて、やっぱりおいしい塩なんだなあ。
ココナッツオイルのゆるみ具合で春の訪れを実感するっていうところ、私も同じこと思ってました。
あとがきは手書きでしたが、こういう文字って意外と読みにくい;
読了日:06月19日 著者:山田 詠美
https://bookmeter.com/books/12687285
■脅迫状であてましょう他―名探偵になるための必須9項目! (双葉文庫)
筆跡鑑定や尾行など、名探偵になるために必要なスキルを磨く。
綾辻行人、パパイヤ鈴木などに脅迫状を書いて貰って、それを専門家が鑑定。
診断から考えられる性格や向いている職業など、文字の書き方からそんなことまで分かるなんてすごいと思う。
警察の鑑識を支える鑑識機材メーカー「P・S・インダストリー」社長のインタビューが面白かった。
読了日:06月19日 著者:
https://bookmeter.com/books/632894
■藤城清治 影絵の絵本 アンデルセン
藤城清治の影絵で読む5話のアンデルセン童話。
どの話もこれで初めて読みましたが、諦観というか教訓めいているように思えました。
「ハンスのもらった鳥かご」
足が悪いハンスがベッドの中で読んでいる本の挿絵がアダムとイブ。ベッド周りの色合いとか、そういうところにまで神経を使ってるのがありありと分かる美しさ。
読了日:06月18日 著者:藤城 清治
https://bookmeter.com/books/13170114
■バターの本 日本のおいしいナショナルバター&クラフトバター
日本全国で作られているさまざまなバターを紹介する。
トーストを焼くのはバターを食べたいからというほどバターが好きなのですが、品薄なのがねえ。
何かを混ぜているやつは小岩井のレーズンアンドバターくらいしか食べたことないので、サツラク農業協同組合「サツラク彩りシリーズ」と、神津牧場の「はちみつバター」が気になりました。
こういうバターを料理に使うと、それだけで味付けが決まりそう。
読了日:06月18日 著者:
https://bookmeter.com/books/14362066
■カインの傲慢
中国の臓器ビジネスは、法輪功だけじゃなくて、ウイグルとかチベットのひとたちも巻き込まれていると聞いたことがあります。
犬飼が陣野の孫娘を目の前にしたときの気持ちは計り知れませんが、ここで立ち止まったら、金持ちは貧困層を利用して当然と思っている陣野に敗北する。
警官としても父親としても同じ場所に堕ちるな。
与那嶺照生の両親のリアリティが恐ろしすぎて、やるせない気持ちでいっぱいになる。
犬飼のほか捜査陣の無念さや無力感はこれ以上だろう。
読了日:06月17日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/15689204
■敏感すぎて生きづらい人の こころがラクになる方法
HSPのひとたちが少しでもラクになれるような実践編ということで、アドバイスが具体的で分かりやすい。
なかなか眠れないので遮光カーテンと耳栓とアロマは既に活用しています。
このうえアイマスクはやり過ぎかなと思ってたけれど、やり過ぎくらいでちょうどいいなら使ってみようかな。
読了日:06月16日 著者:長沼 睦雄
https://bookmeter.com/books/13368416
■ずいぶんなおねだり (文春文庫)
単行本で読んでるけれど文庫本で再読。
江川紹子さんとの対談が面白かった。
江川さんがソースがダメで、アジフライとかコロッケとかの揚げ物全般をお醤油で食べていて、それを東海林さんが「好きなようにしなさい」って言ってるところがなんだか好き。
「五月の病い」これって星新一のSFにありそう。
読了日:06月16日 著者:東海林 さだお
https://bookmeter.com/books/445163
■地元スーパーのおいしいもの、旅をしながら見つけてきました。47都道府県!
47都道府県の地元スーパーで売っているご当地のおいしいものをめぐる旅。
定義が「その県発祥で、チェーン展開をしており、例外を除いては公共交通で辿り着けるスーパー」ということなので、同じルートで旅することも可能、ってことですね。
有名なご当地料理だからといって、地元の人も食べているとは限らない。
例えば、観光的な食べ物は奈良・奈良漬、家庭的な食べ物は滋賀・鮒ずし。
読了日:06月15日 著者:森井 ユカ
https://bookmeter.com/books/11469400
■ヘンタイ美術館
「こむずかしく考えがちな西洋美術も、ヘンタイでどうかしちゃってる美術家たちの側面から見ていくと、とてもおもしろくわかってくる」
ヘンタイとして名前が挙がるだけあって色々と振り切れてる。
マネは印象派ではなく、印象派はいわばマネを慕って集まってきた若い芸術家たちのお友達集団。
マネは「たけし」で印象派は「たけし軍団」っていうのが分かりやすかった。
最後に登場したドガは「漢字で書く変態」なのだというのが納得すぎて笑える。すごいなドガ。
読了日:06月15日 著者:山田 五郎,こやま 淳子
https://bookmeter.com/books/10013305
■マヤ文字を書いてみよう 読んでみよう(新装版)
マヤ文字は、角が丸みを帯びた四角な文字マスに、大きさの違ういくつかの文字(要素)を組み合わせて書き、左上から右下の順に読むのが原則。
見た目が文字とは思えないほど装飾的、普段からちょこちょこイラストを描くようなひとには楽しいかも。
自分の名前を書けるようになるまでが大変。
四角いマスのひとつに苗字、ひとつに名前を収めるようにして書くので(ということは四角ふたつで姓名を表す)どうやったらバランス取れるのかと物凄く考えることになります。
読了日:06月14日 著者:八杉 佳穂
https://bookmeter.com/books/13300575
■国家を食べる (新潮新書)
その「土地の食べ物」を食べたとき、周りで何が起きていたか。
「Webでも考える人」に連載した文章に手を入れたもの。
西サハラをめぐる戦争で78年に捕虜になった兵士が、
モロッコ政府がこの戦争を戦争と認めていないため行方不明兵にされていて、妻子と文通で連絡しているというのが痛ましい。
もう再会できたかなあ。
世界で最も出回っているカラシニコフ自動小銃の開発者が最近まで存命だったというのが意外でした。
読了日:06月14日 著者:松本 仁一
https://bookmeter.com/books/14028144
■生きてさえいれば (文芸社文庫NEO)
心臓の病気で入院している叔母・春桜の病室で、春桜が出せないままでいる手紙を見つけた甥の千景。
千景は手紙を届けるために大阪まで行く。
春桜と秋葉を再会させ春夏秋冬を繋いだ千景自身も、自分の幸せのためにいろんなことを乗り越えて欲しい。
作者の没後に見つかった原稿ということなので「生きてさえいれば」というタイトルがとても強いものに感じる。
読了日:06月13日 著者:小坂 流加
https://bookmeter.com/books/13294803
■官能美術史: ヌードが語る名画の謎 (ちくま学芸文庫)
西洋美術における性愛の歴史を取り上げ、その広がりと奥行きを味わう。
200点以上のカラー図版が掲載されていますが、文庫本なので、もうちょっと大きいサイズで細かいところまで見たいなあ、と思う作品もありました。
聖書で最初に出てくる女性はイブで、神話で最初に出てくる女性はパンドラ。
どちらも人類を死ぬ運命たらしめた原因であり、人類最大のファム・ファタルというのが興味深い。
読了日:06月12日 著者:池上 英洋
https://bookmeter.com/books/8330632
■キリンの子 鳥居歌集
壮絶な生い立ちを知ると怯みますが、短歌そのもので勝負できる言葉選びの的確さ。
「コロッケがこんがり揚がる夕暮れの母に呼ばれるまでのうたた寝」
「母の死で薬を知ったしかし今生き抜くために同じ薬のむ」
「冷房をいちばん強くかけ母の体はすでに死体へ移る」
「いつまでも時間は止まる母の死は巡る私を置き去りにして」
「夕飯を一人で片づける母の味方は誰ひとりいない家」
「毎日を過ごした家は壊されて四角い冬の青空ひらく」
読了日:06月12日 著者:鳥居
https://bookmeter.com/books/10395544
■ふしぎなともだち (EDGE COMIX)
絵があんまり好きじゃないんですが、それでも読んでしまう。
友達とか同級生とか恋人とか、そんなものが全部しっくりこなくて全部が混ざってるような、ふしぎなともだち。
カバー下での由岐の名前に笑ってしまった。昂大、たかひろって読むのか。
読了日:06月11日 著者:新井 煮干し子
https://bookmeter.com/books/6737920
■大接近! 工場見学 (1) おべんとクンミートボールの工場〈チルド食品〉
石井食品のミートボール工場に潜入、写真で工場見学。
原材料は鶏肉、玉ねぎ、パン粉、トマトペースト、保存料や添加物なし。
これらを機械でよく混ぜてからひと口サイズにカットして油で揚げる。
ミートボールは丸く成型してるわけじゃなくて、油で揚げると肉が締まって丸めなくても丸くなる。
読了日:06月11日 著者:高山 リョウ
https://bookmeter.com/books/11296351
■無人兵器 最新の能力に驚く本: ステルス機からヘリ、戦車、潜水艇、歩行ロボットまで (KAWADE夢文庫)
戦場で重要なのは、武器弾薬・食糧の補給路である兵站・情報通信能力の維持。
無人機に期待されている役割は多く、日本の戦略的に重要な無人島の防衛にも力を発揮するだろう。
表紙は、高高度での偵察に特化したRQ-4Bグローバルホーク。
こういう偵察機がもし領空に近づいたときはどの段階で撃墜していいのか、撃墜した場合、国際法上どうなるのかといったことは今後の検討課題。
読了日:06月10日 著者:白鳥 敬
https://bookmeter.com/books/10161613
■悪魔を憐れむ
4人そろって飲んだくれてる場面がないので、卒業ってこういうことかと少し寂しく思います。
「無間呪縛」ウサコと平塚刑事の馴れ初めの事件。巳羽子をめぐる葛藤は根深いものだったんだなあ。
「悪魔を憐れむ」どうしても憐れむ気持ちになれません。
「意匠の切断」タックが、タカチとは遠距離恋愛だと自分で言ってるのがもう照れ臭い。
「死は天秤にかけられて」
犯人としては、アリバイ工作にこれほど気を使ったのに最後の最後で裏切られるなんて酷いなんて思ったかもしれないけど、もともと人殺しが酷いことなんだよ。
読了日:06月09日 著者:西澤 保彦
https://bookmeter.com/books/11234446
■旅先のオバケ
「世界各地、長く旅を続けていると、鈍感なぼくにも説明のつかない不思議なこと、わけのわからない現象などと出会うことがある」
旅先の宿で遭遇した色んなこと。
ロシアのホテルで、午前2時、隣から6、7人が大暴れしているような騒音で目が覚め、腹立ちまぎれに氷斧を壁に投げつけたら、隣は部屋じゃなくて階段。
モンゴルのゲルに誰かいる気配がして、よく見たら、暑さしのぎに入ってきた子牛だった。
「おわりに」の21歳の時の交通事故で死にかけた話が壮絶。
読了日:06月09日 著者:椎名 誠
https://bookmeter.com/books/12832569
■初恋ソムリエ (角川文庫)
吹奏楽部に所属する高校2年生、チカとハルタの青春ミステリ。
クラリネットのプロ奏者を目指す芹澤さんが吹奏楽部に入部してくれるかどうか、
入部してくれても演奏できるのか、今回のミッションは難易度が高い。
誰かの居場所の受け皿になっているのは吹奏楽部だけじゃなくて、
自分が出来ることを真剣にやるってことが誰かの救いになったりする。
芹澤さんの伯母さんが食べた塩じゃない塩むすびの真相が意味することの闇は深い。
読了日:06月08日 著者:初野 晴
https://bookmeter.com/books/3683641
■家族終了
生まれたときには三世代五人家族。
そして、祖母、父、母、兄が次々と亡くなり、ひとりになった酒井さんの「家族終了」は、すごく実感がこもってるタイトルだと思いました。
自分の家のことをこれだけ赤裸々に書けたのもそういうタイミングだったのだろうなあ。
新しい家族を作るには、結婚などの努力が必要で、家族は「いて当たり前」ではない。
少子高齢化でおひとりさまが増えてくれば、ひとりで生きることが普通になり、家族という言葉そのものが成り立たなくなるかも。
読了日:06月08日 著者:酒井 順子
https://bookmeter.com/books/13612305
■大癋(べし)見警部の事件簿 リターンズ 大癋見vs.芸術探偵
正統派メインキャラ神泉寺瞬一郎が登場。けれど案の定、本格ミステリvsバカミスの仁義なき戦いを制したのは大癋見警部だった。
「何いまの、警部が……警部が仕事したよ!」
江草刑事、私もそのセリフが言いたかった。
この本で一番の収穫は、ブリューゲル(父)とブリューゲル(子)がいて紛らわしい、ってことではなくて、
福井県の水月湖で7万年分の年縞堆積物が発見されて(世界で唯一ここにしかなく超貴重な代物)炭素年代測定法の精度が格段に上がった、ということ。
読了日:06月07日 著者:深水 黎一郎
https://bookmeter.com/books/11170299
■大癋見(おおべしみ)警部の事件簿
驚異の100%の検挙率を誇る大癋見警部が率いる強行犯捜査第十係が事件解決に乗り出す連作短編集。
大癋見警部は本当に何もせず、海埜警部補をはじめとする部下たち、そして犯人が事件を解決する。
ノックスの十戒やヴァン・ダインの二十則など、ミステリのお約束をぶち壊すメタ展開は、ミステリに慣れてるひとほど楽しめると思う。
「薔薇は語る」の安齋刑事みたいなパターンもあって面白かった。
油断するとハリセンの餌食になったりして大癋見班は大変だな。
リターンズに続く。
読了日:06月06日 著者:深水 黎一郎
https://bookmeter.com/books/8284403
■スペイン岬の秘密 (角川文庫)
エラリーは、知り合いの別荘を借りたマクリン判事と一緒に休暇を過ごすために海辺にやってきた。
近くのスペイン岬で起きた殺人と誘拐事件に遭遇する。
地元の警察官、モーリー警視の「はじめからほんとうのことを話すほうが結局は得になる」の言葉を犯人に聞かせてやりたい。
ゴドフリー家の従者ティラーの出来が良すぎて、家族全員知らんぷりしてるだけで実は誰かに雇われた探偵だったりしてね、とか疑ってしまった。
読了日:06月05日 著者:エラリー・クイーン
https://bookmeter.com/books/9689421
■「こつこつ」と生きています
ブログをまとめた本。
句会に参加したり、テレビ収録の服装に気を使ったり、食養生のための宅配を頼んでいたり。
岸本さんの日常がどんなふうなのかが垣間見えます。
B4感熱ロール紙が使えるファックスはこの当時(出版されたのが2011年)すでに希少品、今も使っているのでしょうか。
そして東日本大震災のときのことを書いた「東京震災日記」。
自分にできることを箇条書きしたもののうち「不確かなことを声高に話さない」「買いだめをしない」は最近の事情にも当てはまりそう。
読了日:06月05日 著者:岸本 葉子
https://bookmeter.com/books/4006068
■どしゃぶりの時代 魂の磨き方 (集英社文庫)
人生の真の成功者を作り上げるための「勝ち組クラブ」から発信する10のメッセージ。
一番重要なのはやっぱり最後の第十章「自分に勝つ」なのだろうな。
「君を理解することに興味を持っている人間なんていないと思った方がいい」
人を理解しようという努力自体不毛だしおこがましい。
人に理解されたいと言うことは甘えにすぎない。
読了日:06月04日 著者:落合 信彦
https://bookmeter.com/books/37084
■七丁目まで空が象色 (文春文庫)
桃本君の従兄弟が働く動物園に研修に来ていた楓ケ丘動物園のメンバーたちは象の脱走事件に巻き込まれる。
蓝天に付き添っていた誠一郎の視点と楓ケ丘組の視点それぞれで描かれていて、どちらからも一刻の猶予もないほどの緊迫感が伝わってきました。
吴子豪とは再会することはあるんだろうか。
あとがきのチュパカブラはすごく分かりやすい例え話だなあと思う。
読了日:06月04日 著者:似鳥 鶏
https://bookmeter.com/books/14854371
■曲がり角のボクら (花とゆめCOMICSスペシャル)
デビュー作「阿部くんと黒羽さん」を含む短編集。
男の子たち、女の子たち、笑って泣いてみんなセイシュンしてるなあ。
「隣の吸血鬼」の逆転具合と、頑張れお父さんのプライド「みんなきらきら」が良かったです。
「曲がり角のボクら」執事の神原さんが似合いすぎ。
読了日:06月03日 著者:中村 明日美子
https://bookmeter.com/books/577541
■ときめくインコ図鑑 (ときめく図鑑)
インコの種類や生態、体の仕組み、人間と暮らすようになった歴史などを取り上げる。
子供のころ文鳥を飼ってたので懐かしい気持ちで写真を眺めていました。
どのインコもカラフル、綺麗で可愛いなあ。
コンゴウインコの説明にもあるけれど100歳を超えるほどの長寿の鳥もいるので、次の世代の飼い主へ託すことも視野に入れておくのも必要。
読了日:06月03日 著者:
https://bookmeter.com/books/11095625
■大人の探検 古墳
古墳を巡り歩きながら楽しむポイントを紹介する。
冒頭カラーページの、今城塚古墳の力士形の埴輪の表情がとても可愛い。
神話で始まる歴史を教わった世代のひとが、古墳発掘で神話の世界にふたたび触れる。
著者である考古学者・大塚初重氏が考古学者になった経緯が印象的でした。
読了日:06月02日 著者:
https://bookmeter.com/books/8101473
■テースト・オブ・苦虫〈3〉
「ヨミウリウィークリー」2002年7月~2003年5月掲載分。
文字化けしたメールを「文字化けしたメールでした」で終わらせず、オトカを七杯飲んでエクオとヌケオのことをちょっとだけ考えることまでしちゃうのがもうたまらん。
10年ぶりに再会したらしいエクオとヌケオ、いやその前に誰だよお前たち。
下町を散策しているとき、なんか路地の奥の細くなったところにはさまって動けなくなった下町のカフカに遭遇したらどうしよう。
妙な目つきで、厭な目つきをして、微動だにしない下町のカフカ。
読了日:06月02日 著者:町田 康
https://bookmeter.com/books/516739
■ゆかいな珍名踏切 (朝日新書)
点検保守とかで名前がないと不都合だろうなとなんとなく思ったので踏切に名前がついているのはそれほど驚きませんでしたが、番号管理じゃないんですね。
天皇様踏切、爆発踏切、個性的で面白い名前がたくさん出てきます。
青森・津軽鉄道の「賽の河原踏切」なんて、ないほうが不自然な気がしてしまいました。
地元住民が踏切じゃないところを勝手に渡ってしまうことを「勝手踏切」と呼ぶのは知らなかった。
読了日:06月01日 著者:今尾 恵介
https://bookmeter.com/books/14979191
■死美人劇場 (1977年) (角川文庫)
神津恭介の短編集。
「原子病患者」
ビキニ環礁で被爆した第五福竜丸が話題になっていた当時の事件。
魚を食べてしまったが大丈夫かと診察にやってくる患者は女性が多いと友人が話しているときに、冗談なんか言う恭介、珍しいな。
「死美人劇場」
殺人事件のアリバイ証明に使われたのは、日本海難史上最悪となった洞爺丸の転覆事故。
恭介が死体を発見したのは偶然で、その後の展開も出来過ぎてる感じ。
読了日:06月01日 著者:高木 彬光
https://bookmeter.com/books/347905
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