横浜映画サークル

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テッシー記:「孤高のメス」とジョンフォードの「いとしのクレメンタイン」

2013-05-04 15:40:26 | メンバーの投稿

最後の医者当麻(堤真一)が病院を離れていく車に、看護婦中村(夏川結衣)が駆け寄っていき、走りながら「都はるみのあんこ椿の歌が好きになりました」と最後の言葉で別れていった。この場面はジョンフォード監督の「いとしのクレメンタイン」(荒野の決闘)の最後の場面を思い出す。40過ぎて独身の保安官ワイアットアープ(ヘンリーフォンダ)がクレメンタインと別れる時に馬の上から「私はクレメンタインという名前が好きだ」といって最後の別れになる。OK牧場の決闘でクラントン兄弟と闘った、たくましいワイアットアープだが「クレメンタインが好きだ」と直接は言えないで、「名前が好きだ」と言う。看護婦中村は「当麻先生が好きだ」とはいえないで、当麻先生の好きな「歌が好きになりました」と言う。
この二つの場面は人の気持ちがとてもよく分かっていると思った。

下の写真左は「都はるみのあんこ椿の歌が好きになりました。」と車の窓越しに言葉をかけて別れる最後の場面。中央の写真はクレメンタインとの会話場面。この後ワイアットアープは馬に乗り、馬上から「私はクレメンタインという名前が大好きです。」と言って別れる最後の場面(右端写真)となる。

「孤高のメス」は脳死肝移植の重たいテーマで、暗くなりがちだが、最後はすがすがしさが残る、後味がいい映画でした。
「いとしのクレメンタイン」は悪がはびこる町にやってきたワイアットアープが解決して去っていくという痛快さがありますが、「孤高のメス
も不正がある病院へ当麻医師がやってきて、解決して去っていくという同じような痛快さがあります。以上

 

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