トヨタの新社長は豊田章夫氏に似ている
豊田章夫氏に代わり、トヨタ自動車の新しい社長に就任したのが佐藤氏。TVで見る限り、顔の雰囲気が豊田章夫氏に似ている。彼は、豊田章夫氏のアバターなのか?
今までに、お節介にもトヨタに関して批判的に書いている。
2022年03月06日のブログ「未来が見えないトヨタザウルス」
2017年10月22日のブログ「トヨタザウルス、ドツボから出られない」
2017年02月13日のブログ「トヨタザウルス、動きがトロい」
こちらも参照してください。
トヨタは次世代エンジンで全方位
豊田章夫前社長の言い方をすると、自動車の駆動方式について「トヨタは全ての可能性を追求」するらしい。つまり、
・従来のガソリンエンジンやディーゼルエンジンの改良
・従来のエンジンを改良して、水素を燃料とする
・トヨタの得意なハイブリッド方式
・トヨタは遅れているバッテリーEV(略してBEV、これはトヨタ流の言い方で、他社はEV)
・水素タンクを抱えた燃料電池のEV
の全ての可能性に賭けるということ。このうち
・従来のエンジンを改良して、水素を燃料とする
・水素タンクを抱えた燃料電池のEV
の二つの方式は、水素タンクを車に積む必要があり、電池とは異なる種類の難しさがある。
今さらエンジンの改良とは?
2017年の「トヨタザウルス、ドツボから出られない」では、2014年から始まったディーゼルエンジンの熱効率を向上させる研究組合「AICE」を取り上げている。5年後の2019年から「第二次AICE」が始まり、参加企業は「第一次」から大幅に増えて82社が参加している。目的の中に、「第一次」では無かった「電動化との融合」という文言が付け加えられているが、はて「電動化との融合」とは具体的に何を意味するのかな? 元々はエンジンの改良が第一目的ではなかったっけ? 路線変更したのかな?
どの方式にするのか、判断できないので全方位 トヨタの二番手戦略
トヨタの「全方位」とは、世界の自動車の趨勢がどれか一つの方式に収束しそうになったら、トヨタは一斉にその方向に進むということかな? 昔の松下電器(今のパナソニック)の「二番手戦略」を真似したのかな?
二番手戦略に関しては、2013年08月27日のブログ「会社は急には変われない その2~サムスン電子~」参照。
トヨタは電池も全方位
トヨタは、電池も「全方位」の可能性を追求するらしい。6月17日の日本経済新聞は「トヨタ、電池開発『全方位』」と書いている。しかし、これは少し可哀想。現在のリチウムイオン電池に代わる次の電池は候補がいろいろあるけど、この記事ではトヨタの選択肢は2種類しかない。リチウムイオン電池の次の候補と言われている個体電池、それにリチウムイオン電池の中でも安価なリン酸鉄リチウムイオン電池。しかし、これらは開発途上なので、どうなるかわからない。
トヨタザウルスは小早川秀秋か?
関ケ原の戦いでは、西軍の小早川秀秋は山の上に陣取ってどちらが勝ちそうか見ていた。結局、東軍に寝返って東軍の勝利に貢献した。トヨタはこういう戦い方をしようとしているのかな? 全世界を見まわしてみて、どの方式が優勢になるか見極めて、その方式に雪崩を打って進軍しようとしているのかな? しかし、トヨタザウルスの小さい脳みそでこんなに難しい難問を解けるのだろうか?
それに、当面は成功したとしても、二番手戦略はいずれ行き詰る。
決断しないトップ、決断できないトップ、決断の遅いトップ
ある外人さんが言うことには、「日本の中堅は優秀だけど、トップはバカ」と言っていた。表現は違うかもしれないけど、こういう意味のことを言っていたのは割と有名です。日本のトップの悪い点は決断しない、あるいは決断ができない、また決断が遅いこと。
結局、前社長の豊田章夫氏は決断できなかったので、新社長の佐藤氏に丸投げした。創業家出身の豊田章夫氏はそれまでのしがらみが沢山あって、決断できなかったのでしょう。あちこちに良い顔をしていると決断できないけど、それが出来ないと創業家出身の意味がない。
2023年7月4日