一般社団法人EIGC(エイジック) ♪♪ニュース英語・ビジネス英語の部屋

一般社団法人EIGC代表理事のブログ/ ニュース英語 北千里教室(大阪府吹田市)

would や could の感触をつかむ

2010-06-16 11:11:26 | ニュース英語・英語学習
今日は、ちょっとwould や couldなどの助動詞の過去形の話をしてみたいと思います。

これ、ニュースやビジネスなどの実用英語では、ものすごく頻繁に使われます。

助動詞は脇役なので、意外と素通りしてしまいがちですね。
そしてこの過去形となるとまた、ややこしいので避けて通りがちです。

でも、この助動詞の感触を理解すると、メッセージの意味もより深く伝わってきます。


Class 1の先週のニュースから抜粋してみたいと思います。

During the election campaign last year, the Democratic Party promised
voters to make expressways toll-free.
Mr. Ozawa pointed out that a toll increase would go against the promise.

  (訳)去年の選挙期間中に、民主党は高速道路を無料にすることを有権者に約束した。
    小沢氏は、料金の値上げはこの公約に反すると指摘した。

そう、民主党のマニフェストに、高速道路無料化がありましたね。
今月末から一部の道路での無料化が、実験的にスタートするようです。

さて、この2番目の文。
Mr. Ozawa pointed out that a toll increase would go against the promise.

なぜ、would と過去形になっているのでしょう?

    「あー、いや、これは、pointed out が、過去形なので、
        「時制の一致」で、that以下もwillの過去形にします。」
 
なんて、説明したくなる人もいるかもしれません。
でも、この時制の一致はちょっと横においておきましょう。


that以下だけ取り出します。

a toll increase would go against the promise.


これ、実は仮定法の仲間なんですね。

もし、料金値上げになれば、公約に反することになるだろう。


a toll increase という主語だけで、仮定(条件)の意味が含まれています。

a..という冠詞の意味は、theと違って、何かを特定しているわけではありません。

特定していないので、元来、a という冠詞で始まる文章のときは、
微妙に仮定の意味が含まれているんですね。

A piece of cake makes me feel happy!
 ケーキひと切れがあれば、私は幸せ!

a は、1つ、と習ったかもしれませんが、限定してないので、
もし一つあれば、みたいな感じがつきまとうのは、当然といえば当然です。

だから、

a toll increase would go against the promise.

料金値上げがあれば、公約に反することになるだろう  なんです。


そこで、もう一歩踏み込んで、
じゃあ、仮定法なら、なんで助動詞を過去形にするんでしょう?考えてみたことありますか?


これは、私たちは、高校で、仮定法の場合は、would や could など、助動詞を過去形にする、と習いました。


If I were you, I would try. 
 もし私があなたなら、やってみるわ。

これもルールから入っていますが、そこをあえて、なぜなんだろう?と
考えてみたいと思います。そのほうが分かりやすく、応用力が出るので。

実は、過去形にすると、意味を和らげる効果がある、と私は経験から理解しています。

事実じゃないので、こうなるだろう、というときは、語気をやわらげたいですよね。

日本語でも、

(現在形)私はこう思います。
(過去形)私はこう思ったんだけど。

おなじこと言っていますが、過去形にするほうが、語気がやわらぎます。

英語もそうなんです。不思議ですね。言語が違って別々に発展してきたのに、
過去形にすると、語気がやわらぐのは、同じなんです。

Will you open the window? より、
Would you open the window?

のほうが、丁寧だと習ったと思いますが、これは、実は、
語気を和らげて言っているから、丁寧なニュアンスが出るのです。

また、仕事で

I think.....    と言ってしまうと、強すぎるな、というときには、
今思っていることでも、 I thought....と過去形を使ったりして、語気を和らげて、遠慮がちに言ったりします。


仮定法の話に戻ると、
仮定法の場合も、事実に反することだったり、仮定の話なので
本当はどうなるのか確実性がないため、過去形を使って語気を弱めるんですね。

だから、

a toll increase would go against the promise.

料金値上げがあれば、公約に反することになるだろう

まあ、実際のところ、高速道路無料化といっていたわけですから、実質、値上げになれば、
公約違反は、確実なんですが、無料化にするための、実験時期、過渡期だし、
一部条件によっては
値上げになる人もいる、という程度なので、民主党としては、語気をやわらげたいところですね。

小沢氏が、強く断固とした言い方をしていたら、ひょっとしたら、
would ではなく、willを使いたいと思うかもしれません。

will のほうが、強いニュアンスが出るからです。

そこで、もし、

Mr. Ozawa pointed out that a toll increase will go against the promise.


となっていたら、

あっ、間違ってる! と思わずに、  うわっ、言い切ってる! と感じるわけです。


学校時代に勉強させられた文法は、非常に理屈っぽくて、ルールばかりが強調され、
嫌になってきます・・・・私だけじゃないですよね?(笑)

特に「時制の一致」は嫌いでした。ルールで考えていくと、この場合は?
あの場合は?と、ますます複雑になっていきます。

しかも、結局、例外はたくさんあります。

実は、「ルールありき」ではなく、
本当に言いたいことがどうなのか、という視点から考えると困らない、
ということをたくさん英文に接する中で、発見したんですね。

ルールにしてしまったほうが教えやすいということと、
教える側にもその知識しかなかった、ということもあると思います。


言葉というものは、そもそも使っているうちに、ルールが後付されていくことが多いものです。
だから、ルールに合わないこともたくさんあります。

ルールで入ったほうが最初は分かりやすいのですが、基本ルールをおさえたら、あとは、
言葉そのものの意味を重視するほうが、言葉の楽しさを感じながら、かつ、
より深い正しい理解ができるし、言葉の変化にも対応できると思います。


今回の見方のように、なぜここで使われているのかな?
と英文を見たり聞いたりしたときに、思ってみてください。

きっと、英語の生きた理解につながります。


ブログランキングに参加しています♪
クリックで応援、よろしくお願いします!
にほんブログ村 英語ブログ 英語講師・教師へ

にほんブログ村 英語ブログ ビジネス英語へ

茅ヶ崎方式英語 北千里教室

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。