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一般社団法人EIGC代表理事のブログ/ ニュース英語 北千里教室(大阪府吹田市)

英文記事解説(Climate change...)その2

2010-12-29 12:31:11 | ニュース英語・英語学習
では、前記事の続きです。
Climate change and disease will spark new food crisis, says UN
英紙 The Independent記事本文は、こちら

第8パラグラフ
The main obstacle identified by the FAO standing in the path of
such an expansion in food production is the potentially more lucrative use of
crops for biofuels and non-grain or non-food crops such as sugar,
cotton and soya; "Against this backdrop, consumers may have little choice
but to pay higher prices for their food.
With the pressure on world prices of most commodities not abating,
the international community must remain vigilant against further supply shocks
in 2011 and be prepared."
第6パラグラフまでで価格高騰の危険性、第7パラグラフで増産の必要性を伝えてきました。
そして、このパラグラフでは、増産したいが障害があるという点に話題が移っています。
重大な障害要因として、バイオ燃料など、食糧以外での用途への農産物需要の急増です。

Q.and non-grain以下は前のuse of につながっているのでしょうか。
コットンはともかく砂糖や大豆が非食料穀物?と思いましたが、
これらはバイオ燃料の材料となるので、
ここではnon-food crops となっているのでしょうか。

A.細かいところですね。文脈と文の形から論理的に考えてみると、

  is the potentially more lucrative use of
         crops for biofuels and non-grain or non-food crops
                   such as sugar, cotton and soya
「砂糖、綿、大豆などの、バイオ燃料用作物や、非穀類あるいは非食糧作物」
というとらえ方で、非食糧作物としては、綿だけですね。
このライターは、それほど厳密に分類して書いたわけではなく、
crops for biofuels と、non-grain 、non-food crops を列挙したつもり
だったのだと思います。
おっしゃるとおり、文の形と意味から、and non-grain以下は前のuse of につながっています。

Q.そして次に続く文の大意としては、
「この背景に反して、消費者は自分たちの食料用に高価格を支払わざるを得ない。
多くの日用品の世界的な価格が下がらないというプレッシャーの下、国際社会は2011年の
供給ショックに対する警戒を怠ってはならないし、備えていかなければいけない。」ということですか。
前文とのつながり具合がもう一つはっきりつかめないのですが。

A.この背景に反して→ この背景を踏まえると、
(againstは、こういった悪い背景的状況を前にして、というニュアンスです。)

多くの日用品  → 多くの商品(必需品、つまり、ここでは農産物のことです)

これで、つながりは明確になったでしょうか?
つまり、この第8パラグラフ全体の要点は、農産物増産に対する障害として、
食糧以外の用途への需要があり、その結果、価格高騰の可能性は高いので、
世界はそれに備えて警戒しなくてはいけない、ということですね。

第9パラグラフ
Environmentalists will be especially concerned that the FAO explicitly
acknowledges climate change as a factor in jeopardising food supplies.
.....(以下、原文参照)
この一文で始まる第9パラグラフは、環境面での障害により、悪天候、さらには
気候変動が農産物不足を引き起こし、未曽有の価格高騰につながるかもしれない
と述べています。

第10パラグラフ
Wheat rust, a long-term problem for cereals farmers, has become an even more
intractable enemy.
.....(以下、原文参照)
第10パラグラフは、見出しにもなっていたdiseaseのことです。
カビ病という小麦の病気、なかでもUg99という新しい種類のウィルスが広まっていること、
また、新種の黄サビ病で、すでに壊滅的な被害を受けている地域もいくつかあることを指摘しています。


第11パラグラフ
Recognising the role that speculators can play in pushing prices and volatility
higher in crops not covered by restrictions on their activities,
the Fao's chief grains economist Abdolreza Abbassian, said:
"There is no doubt speculative activities have brought into the market a great deal of volatility."
But he added there was "no proof" that speculators have driven up prices to near record levels.

最後の締めのパラグラフです。
ここでは、投機家のために価格が大揺れしていることは疑いないが、彼らのせいで、
未曽有の価格高騰につながったかといえば、それについては証拠がない、と
FAOのエコノミストが締めくくっています。

Q.最終文は、「投機家たちが記録的レベル近くまで価格を引き上げている“証明”はない」
というのは、筆者としては、証明はないがそうなんだろうと暗喩しているのか、
あるいはそのあたりは読者に問題提起して委ねるという感じなんでしょうか。。

A.第2パラグラフで、すでに投機行為を、価格高騰の要因として挙げていますね。
少なくとも筆者はここで要因として断言しています。
証拠を示すことはできないが、国連FAOのエコノミストは苦々しく思っている、というところでしょうか。



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さて、これくらい、じっくり読み込むと、英文の構成の仕方が見えてきますね。

長文は、各パラグラフごとにポイントが1つあります。
トピックセンテンスといわれるもので、たいていの場合、パラグラフの先頭に来ています。
まず、言いたいことを最初に明確にし、それを説明する具体的な内容が続くというスタイルです。
普通は、この形になっていますが、長いパラグラフなどだと、
疑問文などで読者に問いを投げかけて、関心を惹きつけ、
説明を行ったあと、最後に結論を持ってくるというケース、また、
それを複数のパラグラフに分けて行っていることもあります。

じっくり正確に、流れを追って読めるようになると、書くときにも、どのように書いて
いけばいいのかが、分かってきます。


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