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ヒトの心はどう進化したのか 鈴木光太郎

ヒトが人である所以について、深く解説してくれる本書。人の特徴として、大きな脳、直立歩行、言語の使用、道具の使用、火の使用、文化の形成等をあげたうえで、それらについて様々な観点から多くの知識を開陳してくれるが、とりわけ、それぞれの特徴間の関連の記述が面白い。例えば「火の使用」については、その火を絶やさないために「長く息を吹きかける」という動作が必要であり、その「長い息」というのが直立歩行を始めた人にしか出来ない動作であるということ、その直立歩行や息の仕方で得られた喉の構造が、言語を発する際に不可欠な機能であったことなど、どちらが原因でどちらが結果なのか判らないような因果関係が錯綜していることが本書を読むと良く分かる。まさに人という種族の稀有な面を色々みせてくれる。(「ヒトの心はどう進化したのか」 鈴木光太郎、ちくま新書)

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