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マノロブラニクには早すぎる 永井するみ
ファッション雑誌の編集者がたまたま知り合った中学生の父親の謎を探るというお仕事ミステリー。謎解きの中にうまくファッションアイテムが織り込まれていたり、事件の発生や展開にファッション界の事情なども関わっていたりで、薀蓄中心の単なるお仕事小説とは明らかに一線を画す重厚な空気のようなものを感じる作品だ。謎そのものは途中ではっきりと判ってしまうが、それでもこの小説の面白さは損なわれることがないし、それを作者自身があいまいにしようともしていないところも好感が持てる。上質のお仕事小説というよりは上質のミステリーに近い内容だ。実際に存在するブランドが小道具として使われているが、そのあたりも全体をしっかりしたイメージに導いているようでうまいなぁと思わせられた。(「マノロブラニクには早すぎる」 永井するみ、ポプラ文庫)
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