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今日も町の隅で 小野寺史宜

著者の本を読むと、世の中には色々な人が色々な考えで行動しているなぁと感じる。結果としての行動はそれこそ人によって様々だが、それでいてその人が誠実である限りはよく理解できるし、また何となく応援したくなる、そんな気持ちにしてくれる10の短編が収められた一冊だ。それぞれの短編はあるひとつの架空の都市を舞台にしていること以外に共通点は見当たらないのだが、読み進めていくと、主人公の年齢が少しずつ上がっているということに気づく。それぞれの年齢の時に確かにこういうことで悩んでいたなぁといった感覚もあり、全体を通してひとりの人間の成長の軌跡のようにも思えてくる。派手な作品ではないが、著者らしい暖かな読後感をもたらしてくれるのが素晴らしい。(「今日も町の隅で」 小野寺史宜、KADOKAWA)
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