goo

99%対1% アメリカ格差ウォーズ 町山智浩

世界の「民主主義国家」の盟主アメリカの政治における「おバカさを表すエピソード」満載の本書。雑誌か何かに連載された記事を集めたものということだが、書かれた時期が「オアマ大統領誕生直後」から「オバマ大統領再選直前」までということで、時期的にテーマがほぼ「オバマ大統領の再選を阻止しようとする保守派政治家・メディアのバカさ加減」にほぼ限定されていて大変判り易いし、統一感があるのが良い。それにしても、これほどまでに政治の世界に「嘘」や「曲解」や「悪意」があるということには驚かされる。こうした状況にありながらそれでもアメリカ国民が政治に絶望しないというのもある意味すごいことかもしれない。ある上院議員の「政治家はフリーダム、、ジーザス、アメリカの3つを叫んでいればよい」という言葉に集約されるアメリカ政治のおぞましさは、第一級のホラーのように思われる。格差社会、ポピュリズム、リバタリアンのいくつ先が個々にある。なお本書は、巻末の解説も秀逸で、読後に「ああ面白かった」と思った後の「要するに何だったけ?」というもやもやを実にきれいに解消してくれる。こういう解説を読むと、文庫本から「解説」がなくならないでほしいと心底思う。(「99%対1% アメリカ格差ウォーズ」 町山智浩、講談社文庫)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 怪談 柳広司 街場の憂国論... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。