「Twitter」というものが流行っているらしいのだが、どういうものなのか、なぜそんなに話題になっているのか、そこが良く判らない。とにかく判りやすい入門書を1冊くらい読まなければ、と思って本書を読んだのだが、結局どういうものか、ほとんど判らなかった。一般的でない用語にも解説がないし、最後のスペシャル対談等、ゲストの方の話は比較的良く判るのだが、著者の発言がどうも良く判らない。結局、何か別の入門書を読んだほうが良いということだろうと諦めざるを得なかった。ただ、ちょうど本書を読み終わった直後にNHKの番組で「ツイッター」の話を15分くらいやっていて、それを見てようやくどういうものかイメージができたのだが、これは本書を読んでいたからイメージできたのかもしれないので、無駄ではなかったと思うことにしたい。
こうした、初心者が置いてきぼりを感じる箇所は用語ばかりではない。本書の中には、著者の名前が動詞として使われていると言うことが何度も何度も解説されているが、そうしたツイッターの利用方法は、どうもツイッターの主な使い方ではないらしい。「そういう特殊な上級向けの話を聞きたいのではなく、実際にやってみる前の予備知識を知っておきたいのに…」という感じだ。普通の(知的)生活をしていて、リアルタイムの情報が欲しい時がどのくらいあるのか、を疑問に持つような人間には「用はない」ということなのかもしれないが、読んでいてずっと、いやな疎外感を感じていた。(「Twitter社会論」津田大介、洋泉社)