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その手をにぎりたい 柚木麻子

最近読んだ著者の本が面白かったので本屋さんで新刊コーナーにあった本書を読んでみた。基本的には一人のOLの成長記録という「お仕事小説」だが、高級な寿司屋さんに通いつめる中で色々なことを学んだり、人に出会ったりということで、やはり前作と同様に単純な「お仕事小説」とは一味違うものを感じさせる作品だった。同じ会社で同じ人々と働く平凡な日常のなかで、自分だけの世界を守りながら、世の中と関わりあっていくことの面白さが印象的だ。どのくらい作者の本が刊行されているのかまだ調べていないが、他の作品をもっと読みたくなる吸引力を持った作者であり作品だと感じた。(「その手をにぎりたい」 柚木麻子、小学館)

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