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後悔病棟 垣谷美雨

毎日末期ガンの患者と向き合いながら、自分には患者の気持ちを察するデリカシーがないのではないかと悩む若い女性医師が主人公の物語。主人公はある日不思議なものを拾い、それを持って患者と対峙する。設定は荒唐無稽だが、読んでいるうちに読者は本書においてそのアイテム自体に大きな意味があるのではなく、あくまで話をスムーズにするためのものにすぎないと気づく。人が人生の大きな分岐点に差し掛かったとして、後からその時の選択を云々ことにどういう意味があるのか、違う道を進んだ時にその方が良かったかもしれないと言えることがあるのかどうか。結局はその時の自分の選択を信じるしかないのだが、それをどう納得したら良いのかを考えさせられる作品だ。(「後悔病棟」 垣谷美雨、小学館文庫)
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