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オオグソクムシの謎 森山徹

ダンゴムシを大きくしたような不思議な節足動物「オオグソクムシ」の生態ばかりでなく、その心の内面に迫ろうとする科学エッセイ。著者の定義によれば「全く未知の環境で予想外の行動をとることが心の存在証明」ということになるらしい。未知の環境でどういう行動をとるか、あらかじめその順位づけが組みこまれていれば心の介在は不要という見方もできるのかもしれないが、そうした定義に基づいて、色々な制約のなかで徹底的に実験を繰り返す科学者の姿に感銘を受ける。子供の頃に憧れた科学の世界から遠く離れてしまった大人にとって、本来の科学者の姿というものがここにあるような気がして、えも言われない感動を呼び起こしてくれる。「何のために?と問われると辛い」と言いながらも、立派に研究を続けている、こうした科学者の存在を認める日本という国の素晴らしさもさることながら、こうした科学者が日本の最先端の科学を支えているということがよく判る1冊だ。(「オオグソクムシの謎」 森山徹、PHP研究所)

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