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ストラディヴァリウスを上手に盗む方法 深水黎一郎

音楽に関する薀蓄が満載の短編集。収録された3編のうち、2作品が最近の作品で、残りの1編が初期の作品とのこと。最近の2作品は、音楽関係の薀蓄という点で初期の作品に似ているが、肩肘張ったところのないユーモアのある内容と文体は最近の作品に近く、著者ならではの世界というか、2つの良さを堪能できる一冊だ。そして初期の作品というのが、著者の処女作だという。つい最近、偶然読んだ別の作家の短編集にその作家の処女作が掲載されていて驚いたばかりだったが、本書にも著者の処女作が掲載されていて、不思議な偶然が続くなぁと感心してしまった。収録された三編は、音楽に関する薀蓄という点は共通だが、それぞれ全く違う味を出していて、特に2つ目の作品の最後のオチにはビックリした。収録された作品間のギャップの大きさが、読む楽しさを上手く演出してくれた気がする。(「ストラディヴァリウスを上手に盗む方法」 深水黎一郎、河出書房新社)

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