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ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ

色々な意味で多様性に富んだイギリスの公立中学校に通う息子を持つ著者が、その中学校にまつわる様々な日常のトラブルへの対応などを通じてイギリス社会の問題を浮き彫りにするエッセイ集。ここに描かれた多様性にまつわる様々な問題が、イギリスだけの問題ではなく、日本を含めた全世界の問題であることは一目瞭然だ。多様性にまつわる問題の解消方法として安易に採用されるのが隔離政策。しかし色々厄介なことがあっても多様性の確保には代え難いメリットがあると著者は息子に伝える。世界に依然として残る様々な偏見や差別問題だが、本書で描かれているのは、伝統的な人種差別や性差別と同時に、自己責任とかグローバル化という美辞麗句の陰で深刻化する貧困問題、貧富の格差拡大の問題だ。イギリスでの貧困問題への取り組みについて、著者はこの本によって、反面教師的なこと、日本が見習うべきこと、両者を偏見なく伝えてくれている。(「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」 ブレイディみかこ、新潮社)
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