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奇妙なアメリカ 矢口祐人

アメリカに2万近くも存在するという「ミュージアム」のなかから、アメリカを知るために色々な意味で参考になる11を選んで、解説してくれる本書。「ダーウィンの進化論を否定する創造論についてのミュージアム」「日系アメリカ人の歴史を展示するミュージアム」「ハリケーン・カトリーナの被害を展示する展示コーナー」「核兵器開発に関するミュージアム」等、どれもその概要をみるだけで、アメリカと言う社会がどのような問題を抱えているのかが判るという感じで面白いまた、1つだけ毛色の違うのが「ウォルマートの創業者一族が莫大な財産を使ってアメリカの田舎に作った大美術館」で、これなどは、美術館とはどうあるべきかということに関して、いくつもの面白い問題提起をしている。「ミュージアム」を通じてその社会の深層、あるいは闇の部分を垣間見せてくれる、とにかく、そんな「アイデアの勝利」のような1冊だ。(「奇妙なアメリカ」 矢口祐人、新潮選書)

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