goo blog サービス終了のお知らせ 

山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

アカヤシオツツジほころぶ両神山  平成24年5月12日

2012年05月17日 | 日本百名山
 新潟市で学術集会なるものがあり、5月11日、甲府を車で出発してお昼頃に会場到着した。講演聴取もそこそこに、秋田時代の同僚たちと会食し、さらに夕方から山仲間と会食して再び車に乗り、埼玉県秩父市まで戻ってホテルで1泊、11時半ごろにホテル到着し、翌日に備えて早々に寝た。
 翌日の5月12日は早朝5時に起床、両神山の登山口に向かう。人気の山で駐車場が満車になることを予想していたが、やはり3つある駐車場のうち2つは満車で、一番下の駐車場に車を止める。(ここに止められたのはまだ良いほうだったようで、帰り際、もっとずっと下の路上に止めてある車がたくさんあった。)眠気が残る中、6時15分出発。

    3番目の駐車場に車を止める。両神山荘まで歩いて15分ほど。


    両神山荘。ここで左に曲がる。右の道は昭文社地図では点線の籔道らしい。

 両神山荘のところで左に曲がって登山道に入る。神の住む信仰の山らしく、入口には鳥居と神社が立つ。しばらくは平坦な山道、若干の下りとなり、渡渉したあたりから徐々に登りになる。何度か渡渉を繰り返し、左側に沢を見るようになってからやや傾斜の強い登りになる。

    入口のところの鳥居と神社


    何度か渡渉する。増水していなければほとんど靴を濡らさずに渡れる。花はムラサキケマン。


    信仰の山らしく、石仏が道沿いに何体も並んでいる。


    石仏

 道沿いにはニリンソウの花がたくさん咲き、御坂節刀ヶ岳裏道でしか見たことが無かったフタバアオイの葉がたくさんあった。根元を見ると、ドングリの尻のような花が恥ずかしそうに咲いていた。

    フタバアオイ。根元のところに小さな花が咲く。ここの花は薄ピンク色。(御坂山塊は赤い花だった。)


    登山道脇に咲いたミヤマエンレイソウ


    ニリンソウ群落

 2時間ほど歩いたところで「白藤の滝」と書かれた分かれ道があった。時間もあることだし、ちょっと立ち寄って・・・そっちの道に行くと川までかなりの急勾配を下り、これが滝??というような渓谷に降りた。滝といえば滝だがずいぶん小さい。休憩しながらひとまず撮影して帰ろうとすると、下りてきた道(らしきもの)とは別の斜面にピンクのテープが付いているのが目にとまる。あのテープは・・・道無き斜面をテープに向かって直登すると、そこには明らかな道があった。どうやら急斜面を下りずに右に曲がってこの道を行くらしい。その道沿いに進むと・・・あった!白藤の滝。落差30mほどの立派な滝だ。道を誤ったおかげで、往復30分のところを1時間以上も費やしてしまう。

    降り立った渓谷にあったのは・・・小さな滝??


    別の道を見つけて進むと・・・滝があった。


    白藤の滝

 分岐に戻り20分ほど進むと弘法の井戸という水場があった。冷たいおいしい水が流れており、顔も洗わせてもらう。さらに20分ほど歩くと清滝小屋に到着した。綺麗な立派な小屋で、トイレの新築工事中だった。現在営業はされておらず、避難小屋として使われている。中は広くて快適な小屋で、営業していないのがもったいない。時間は10時だった。

    弘法の井戸


    清滝小屋。綺麗で立派な建物。中も綺麗に片付いている。

 休憩して出発すると、小屋のすぐ上に半球ドームのような岩場があった。これが清滝なのだろうか?少量ながら水がしたたっている。近付いてみると鎖が設置されて上に登れるようになっている。ザックを下して登って見ると、一段上には石碑が、さらにその上には石仏が立っていた。かつては修行僧が修練した場所だったのだろう。

    半球ドーム状の岩場。これが清滝?


    鎖を登ると石仏があった。

 その先は鈴が坂と呼ばれる斜面になるが、道がジグザグにつけられていて歩きやすい。道脇にはいつも見かける大きさの2倍はあろうかという大きなエイザンスミレが何株も咲いていた。尾根に登り着いて進むと、さらに傾斜が増し、鎖場やロープ場が何ヶ所も出現する。たくさんの登山者が訪れており、渋滞する鎖場もあった。そして、ちらほらとお目当てのアカヤシオツツジが咲き始める。鎖場を越え、ヒノキの根が露出する斜面を登ると、その上には大きな神社が立っていた。社は2棟立っており、奥の社には繊細な竜の彫刻が施されていた。

    鈴が坂。道はジグザグにうまくつけられている。


    鎖場


    渋滞する場所もあった。アカヤシオツツジが見え始める。


    ヒノキの根が露出した道を登る。


    神社が立つ。ベンチやテーブルが設置され、休憩に適所。

 先に進むとヒノキの樹林帯を抜けて視野が開けるようになってくる。アカヤシオの花が道沿いに咲き始めるが、まだ咲き始めたばかり、かつ、花数が少ない。おそらく今年はハズレ年なのだろう。周辺の山々が見えるようになってくるが、山梨県外に出るとコンパスを見ても山の同定が全くできなくなってしまう。両神山が1,724m、茅ヶ岳と同じくらいの高さなので、近くに見える同じくらいの高さの山はおそらくそれほど有名な山ではないのだろう。

    稜線沿いに咲いたアカヤシオ。花の付きが悪い。


    向こうに見える山は??山梨県外に出ると山の同定が全くできない。勉強不足です。


    アカヤシオツツジと両神山山頂。

 続々とやって来る登山者、下山者に道を譲りながら、三脚を肩に担いで最後の斜面と岩場を登る。山頂は尖った岩場で狭く、そこには入りきれない人であふれていた。三角点を触りたいにもそこまで行けないほどの混雑ぶりだ。岩のいちばん端に寄って山頂が空くのを20分ほど待って、ようやく山頂の岩の上に登ることができた。時間は午後1時、実に7時間もかけてこの山頂まで登って来たことになる。

    両神山山頂


    山頂から見下ろすアカヤシオ


    果敢に山頂の岩に咲くアカヤシオツツジ

 山頂で出会った茨城県某山岳会のグループは、鎖場が連続する八丁峠からの道を登って来たそうで、ルート状況を聞くとザイル無しでつうかできるそうだ。しかし、落石しやすいのでヘルメットはあったほうが良いと教えてくれた。その後も次々に登山者がやって来るので、山頂での休憩は避け、三脚をたたんで下山し、神社のところで軽食をとる。あとはひたすら下るだけ。途中で再び山岳会の人たちと一緒になり、あまり知られていないフタバアオイの花をお礼に教えてあげると、山岳会の人たちだけあってたいへん喜んでくれた。
 午後4時、両神山荘到着、4時15分駐車場に到着した。帰りに道の駅に併設されている両神の湯に立ち寄ると、またしても山岳会の人たちに出会う。大型バスで来ており、帰りの高速道路が混むので急いでいたのか、あっという間に入浴して出発していった。両神山に登って思ったことは、たくさんの登山者が訪れるために道が何本も出来てしまっていて山が傷んでいることを感じた。古くからの道がすぐ下に見えるのに、その道を歩かずに尾根通しの道がメインルートになってしまっている場所があり、そこはすっかり木の根が露出してしまっている。山を愛し、自然を愛し、そしてそれらを守って行くにはどうするべきなのか。登るたびに考えるが、何の答も見つからない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大菩薩嶺~小金沢山~大蔵高... | トップ | 両神山に咲く花たち  平成2... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日本百名山」カテゴリの最新記事