親と子の談話室・とぽす」の開設プロセスにみる「場の許容性」についての一考察
−「場所の主」へのインタビューを通して−
田中康裕、鈴木毅
日本建築学会計画系論文集 第74巻 第636号 379-386 2009年2月
1.研究の背景と目的
人々の交流する場として設けられた「とぽす」が開設されるまでのプロセスに注目し、物理的なものが設えられる際に、どのような状況を実現することによって人々がいることを許容しようとされたのかを明らかにする。
2.研究の方法
運営者への開設されるまでの経緯に至るインタビューや、座談会などの自由な発言による分析。
3.運営と来訪者の概要
オープン当初は子どもたちも訪れていたが、現在は30~50歳くらいの年代が足を運ぶ。
今でも学校帰りの子供たちが水を飲みに立ち寄ったり、子どものころ「とぽす」を訪れていた人が大人になっ て再び訪れているケースがある。精神的な病を持った人が落ち着く空間にもなっている。
4.まとめ・今後の課題
開設プロセスにおいて考えられたこと
1)外からの視線にさらされないこと
2)いつもと同じであること
3)そこに居られる大義名分があること
4)行為が限定されないこと
5)それぞれが別の事をしながら居合わせていられること
このような場をつくることに、運営方法やルールの設定などの多様な観点を含めた考察が今後の課題となるだろう。
5.感想
この場所においての「親と子」は「地域の大人と子ども」と言えると思った。
いまはあまり子どもが利用しているように感じられないので、どのようにすれば利用されやすいのか考えてみたい。「いつもと同じであること」が、逆に新しい人をいれる機会を少なくしているような気がした。
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