建築・環境計画研究室 (山田あすか)

東京電機大学未来科学部建築学科

地域施設の「反転」に関する思考実験

2019-09-04 18:18:25 | 雑記

思考実験の例を紹介します。

これは,電大建築学科の3年生前期のグループ課題「小学校の教室周り空間を,活動の視点からブラッシュアップする」での,ある学生グループの作品です。

エスキス・ディスカッションの中で,「地域に学校施設を開放するという考え方を反転させて,学校機能にも使える地域施設というアプローチを形にしてみるのはどうだろう」と提案したところ,その意味において見事に応えてくれた作品です(感動)(学生さんたちは,こういうものだろうという常識=経験と制度への適応の蓄積,から自由であるからこそのすごい応答の可能性があると思います。本当にすごい。教育の場に携わる醍醐味の一つだと思います)。

この地域施設は,学校としての利用が優先される時間帯を設けて運用される想定で,教室を使用する際は通常の小学校教室1.5倍程度に空間を使います。教室として使用しない時間は,机を寄せて0.5倍程度の空間に縮めて(必要に応じて施錠)管理できます。持ち物や黒板・掲示等の教室で使うものもこの「折りたたみ空間に属するようにつくります。

これは一つの思考実験の例ですが,その建物は誰がどのように「使う」のかに視点を置く ー所持ではなくー ことで,地域施設のあり方はもっと変わり得る,地域のニーズや社会の変化に対応ができると思います。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 利用縁とは何か? | トップ | 2019建築学会大会・建築計画... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

雑記」カテゴリの最新記事