「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

 京都・奈良を中心に古刹・名刹や「花の詩」等の紹介。花や風景写真、オリジナルの詩、カラオケ歌唱など掲載しています。

「三千院」(さんぜんいん)

2006年04月08日 13時06分12秒 | 古都逍遥「京都篇」
 せせらぎの音を心地よく耳にしながら、ひたすら車を走り続けると初夏の頃は紫蘇の香りが漂ってくる。大原は紫蘇の栽培地としても知られ、しば漬けの店が点在する。
 ふた昔、訪れる人も少なく、静かな山間の農村地帯であった大原。デューク
エイセスの歌う「おんな一人」が人々の心をとらえ、全国各地から訪れるようになり、民宿や土産物屋が立ち並ぶようになった。

 「三千院」は、ことさら取りえのある門跡でもないのだが、最近、観音堂(平成10年)や「金色不動堂」(平成元年)が建立され、それに前後して背後の山を切り開き紫陽花、石楠花、都忘れなどを植え込み、花の寺として集客するようになった。
 杉木立と苔の絨毯に佇む「往生極楽院」は、平安時代の寛和2年(986)に建立され当院の源ともなる御堂である。恵心僧都(えしんそうず)の父母の菩提のために姉安養尼(あんように)と共に建立したと伝えられる。当院には国宝の阿弥陀三尊像が安置され、天台宗五箇室門跡(てんだいしゅうごかしつもんぜき)の1つとなっている。

 秋は聚碧園(しゅうへきえん)、有清園一帯の庭園、総門にかけて、燃え立つような紅葉が極楽往生の世界を見る思いである。取材した折は総門は修復工事中であり荘厳な姿をみることができなかった。
 茶店の並ぶ参道を歩けば「花いらんかえー」と、大原女の声が聞こえそうだ。

交通:JR京都駅から京都バス17、18系統で大原バス停下車、徒15分。
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