♪大地一人のスカイツリー暮色♪

有料版/運命鑑定
http://lovewind777.web.fc2.com/hit/src/love.html

金を拾ってくる猫

2013-06-20 05:09:47 | 日記

 ずいぶん昔のこと、

金を拾ってくる猫が、

広島県広島市南区出汐町にいた。

 

田中トメ(77)が飼っていた二歳のメス猫のアイだ。

 

トメは、一人息子が戦死。

夫は9年前に他界。

下宿屋をしているが、寂しいので、子猫をもらい受けた、

昭和42年7月のことだ。

 

トメは子猫を、よく硬貨を転がして遊ばせていた。

猫も喜んで、遊んでいた。

 

そのうち、近くの公園に遊び行くようになったアイは、

硬貨を拾って帰るようになった、

 

とくに花見の季節は、花見客が多いので、しばしば硬貨を拾ってくる。

 

アイは、泥だらけになった一円玉でも見逃さず拾ってくる、

 

二枚以上拾ってくるときは、

上アゴに、くっ着けて、持ち帰る技術も習得した。

 

家の掃除のときも便利だ。

硬貨を紛失したときも、アイは見つけてくれる。

 

(申し訳ないが、無料版は以下中略)

 

一回、不思議なことがあった。

封筒に入った千円を拾ってきたことがあるのだ。

 

こうして、昭和43年3月まで2300円がたまった。

これは全部、恵まれない施設に寄付をした。

 

その後、また約2800円がたまった。

 

この話を聞き、

「アイの子供をください」

という人が後を絶たない。

 

だが、子猫を全部、人にやるのも不憫だし、自分の77歳という年齢も考え、

アイには、思い切って不妊手術を施した。

 

もうひとつ、トメには、心配なことがある。

 

アイが有名になるにつれて、

誘拐される恐れがあることだ。

 

トメは言う。

「でもまあ、一日に1万も2万も拾うわけではないからね」

お金にまつわる話は、いつも心配が尽きないようだ。

 

アイは、トメによると、贅沢な猫らしい。

鯛が大好物で、雑魚や古い魚は見向きもしない。

トメにとっては、それだけが頭が痛い。

 

アイは、留守番もして、変な客が来ると、威嚇もするという。

気の強いメス猫のようだ。

 

この話を聞いた警察は、笑いながら言う。

「本当は、お金は遺失物なので、遺失物横領の可能性もあるけど、

施設に寄付してるんで大目に見ていますよ」

 

動物学者によると、収集癖のある動物は、珍しくないという。

 

カラスが光るものを集めるのは有名だ。

 

でもお金を拾う猫は、とても珍しい。

 

・・・以上は、昭和40年代の広島県での話である。

 


最新の画像もっと見る