アイリス あいりす 

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【エッセイ】2024年 春の公園で

2024-05-06 11:57:36 | 創作文

2024年春

中学の同窓生2人と久しぶりに上野で食事をしました。

新緑や大木のイチョウからのエネルギーが私たちに降り注いでいるのがわかり、それだけで行きかう人は満面の笑顔を見せているように見えました。草花の色々が私たちの日頃の疲れを和ませ、また大勢の人ごみも、なぜか日常とは違うタイムラインの光景を目にしました。

休日の大ショッピングモールの人ごみには、すぐに疲れてしまうのですが、こちらは不思議と元気になりました。

人々の間を心地よくエネルギーが流れ、人の心もそのエネルギーに同化しているのかもしれません。

久しぶりの気の置けない女同士のおしゃべりは、楽しくて、美味しい和食の品々を堪能して、ひとときの静かなたたずまいの中で、気兼ねすることなく、会話も弾みました。

一人は、ガンを患い、一人は心臓を患い、もう一人は健康そのものです。

健康なのは、彼女の結婚生活が良かったからでしょう。子供がいない彼女は、聡明で快活さを失っていません。

長い間、音信不通だった私たちが再び出会うようになったきっかけは、数十年後の同窓会でした。中学3年生の時のクラスメイトでした。彼女たちとすでに他界したもう一人の友人と一緒に、高校が別々になることから、一緒に遊園地に遊びに行ったことも懐かしい思い出となりました。そこで偶然にもカメラを持って来ていたクラスメイトの男子がいて、私たちは声をかけて、一緒に写真を撮ってもらったことも、思い出したのです。

私たちはアイスコーヒーを買い、ベンチでたわいのないおしゃべりをしていました。そこからちょっと離れたところに、

木の下がちょうどベンチの高さまで盛り上がった場所があり、そこに外国人の男女が数人座っていました。けれども、彼らは公園のイベント会場の方に顔をむけていましたが、皆笑顔ではなかったのです。行き交う人達が皆笑顔で語り、親子連れも満面の笑顔だったところに、そうした人達はちょっと異質に見えました。

笑わないその数人の人たちは、それでもリラックスしているような具合に見えました。

日本の公園内に、これほどの笑顔に溢れる人を見るのは普段の日本とは違いますが、私はその外国人の彼等の休息を心から応援したい気持ちでした。

異国の人たちも集まる、大木に囲まれ都会に残された新鮮な空気と春の緩やかな日差しの中で、ほほ笑みを交わす行き交う人たちを眺めているだけで、人は何か心温まるものを感じるのではないでしょうか。そうあって欲しいと思いました。

 

 

 

 

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