利用者さんのご自宅はどこ？

デイサービスの利用者さんをお送りする時の事だ。

今日は人数が多くて、ピストン送迎を行わなければならず少々お待たせする事になってしまった。待っている間に気分が落ちてしまわないよう、スタッふぅーがお話相手をして車が帰って来るのを待っていた。

私は一巡して戻り、すぐに最後の一名となる利用者さんを乗せてご自宅へ向かった。車内ではお話をしながら進み、ほどなくご自宅へ到着。
荷物を持ち玄関に向かい、「ピンポーン」と呼び鈴を押す。
先に到着していたヘルパーさんとご主人がお出迎えに来られ、私は利用者さんにご挨拶して車へ戻ろうとすると、「じゃ、私も帰りましょう！」と。

ん？！

利用者さんの主張では、ここは自分の家ではない。
　→　帰る私と一緒に利用者さんも自宅に戻る。と言う事なのだ。

って自宅はここでしょ？と思うのだが、そこはすんなり引き下がり、また二人で車に乗り込み出発！
「ご自宅までお送りしましょうね」と私。
「お願いします」と丁寧に利用者さん。

「で、ご自宅はどこですか？」と私。
「あら、どこかしら？」と心配そうに利用者さん。
「じゃ、探してみましょう！」と私。
「そうね」と嬉しそうな利用者さん。

「ここですね！」と知らない家を指さす私。
「違うわよ」と利用者さん。
「こっちですか？」と私。
「違う」とだんだん不安になる利用者さん。

そんなことを繰り返しながらご自宅周辺を１周し、本当のご自宅前へ。
「ここじゃないですか？」と私。
「そうそう、ここよ！」とご自宅を見つけて喜ぶ利用者さん。

無事にお送りする事ができた瞬間だ。何でもない事なのに達成感あり。