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社会人学生の遅れてきた学習意欲

実質的には、旅行フォトブログです

メルコスール10日目―繁体字はおいしい中華の印

2010年06月08日 | 2010南米旅行




(前回の続き)
12:00
Ciudad del Esteに戻ってきました。風邪を引いていて元気がなく食欲もないのですが、何か食べないとますます弱るのでレストランに入ります。





Boquerón通りの近くにある台湾家庭料理の店、老婆。なぜ台湾料理の店か分かるかと言いますと、店名の下に「餐廳・冰館」と書いてあるからです。大陸系の中華料理屋なら香港を除きこんな込み入った繁体字(正体字)では表記しません。

私の経験上、これまで日本以外で大陸系の中華料理屋でおいしかったところに一度も当たったことがないので、海外の中華料理屋に入るときはかなり警戒して簡体字臭い店には入らないようにしているのです。

実は前日の晩にもこの店に来て東坡肉と魯肉飯をいただいていて、それらがあまりにおいしかったので再訪したしだいです。





ピーナッツときゅうりの前菜。無料で付けてくれるようです。ピーナッツってそのまま食べるだけじゃなくて、こういう風に和え物にしてもおいしいのですね。





炒飯。3人前はあります。





青菜炒め。2人前ぐらいあります。普段ならこんなもの頼みませんが旅行中はどうしても野菜不足になるので注文してみました。ニンニク風味でこれが実においしい!





酸辣湯。大写しにしたので大きさがイマイチ伝わっていませんが中鍋ぐらいのどんぶりに盛られてきたので4人前はあります。

どれもおいしいのですがいかんせん注文しすぎました。餃子の王将のノリで注文したので失敗です。酸辣湯は3分の1残してギブアップです。作ってくれた人ごめんなさい。これだけ食べてPYG 55,000(=1,100円)。昨日の東坡肉とどんぶり魯肉飯は800円ぐらいでした。中華のおいしい国パラグアイ万歳。





13:00
タクシーでバスターミナルに来ました。パラグアイ南端のアルゼンチンとの国境の街Encarnaciónまでのチケットを購入、PYG 45,000(=900円)。





バスはこんな感じです。エアコンがないので窓を開けっ放しにして走ります。





「非常口」の表記がポルトガル語・スペイン語・英語の順に並んでいるので、おそらくこのバスはブラジルから購入した中古バスでしょう。





13:30
バス発車。ターミナルを出てから何回もあちこちのバス停で客を拾いながら行くのでのんびりしたもんです。乗客とともに物売りもわんさと乗り込んできて、車内はちょっとしたカオスのまま国道を走り続けます。

物売りの販売アイテムがこれまた珍ラインナップで、飲料水やパンなどの確実に消費が見込まれる商材から下着・靴下・ハサミ・携帯ライトのような「誰がこのタイミングで買うの?」と聞きたくなるようなものまでいろいろあります。しかしそれがそこそこ売れているのだから不思議です。





しばらく走るとバスは何もない国道を行くことになります。左手に大豆畑、右手に牛の放牧地。植わってる作物の種類がトウモロコシやコメに変わることはあってもずっと畑であるのは同じです。





18:30
5時間かかってEncarnaciónに着きました。風邪のせいか頭痛がひどくなってきました。ホテルを探すのもしんどいのでバスターミナルの横にあったホテルに泊まることにします。

客室の1室を開けっ放しにしたような粗末なフロントで空き部屋ありますかと聞けば"¿Hasta mañana?"と聞かれます。「アスタマニャナ→さようなら」?どういうことだ?

2秒ほど考えて「明日の朝まで?」と聞かれているのだと分かりました。しかしホテルって普通チェックアウトするのは明日かそれ以降だよなぁ~と釈然とせぬまま客室に案内されてやっとその理由が分かりました。





ここは昔の日本で言うところの連れ込み旅館なのでした。「ご休憩」なら最初の1時間が400円、以降1時間ごとに100円の従量制で、夜から朝10時までなら800円、1日(自分の場合がこれに該当)であれば1,200円などなど。





マットレスはぺったんこ、シャワーの温水は出てるのか出てないのか微妙、洗面台の配水管は流れが悪い……過去に泊まったことのあるホテルの中でもここの設備が一番貧弱と思います。されど風邪で弱っている今は、トイレとシャワーがついていて翌日までちゃんと眠れるホテルであればどこでもいいというのが正直なところです。





ふと外を見ればアルゼンチンに沈む夕日がきれいでした。

メルコスール10日目―電気は仲良く分けましょう

2010年06月07日 | 2010南米旅行




02/26 金曜日 メルコスール10日目(パラグアイ)
滞在地:シウダーデルエステ→エンカルナシオン(パラグアイ)

7:00
起床。昨日イグアスの滝でビチャビチャに濡れたせいで完全に風邪を引いてしまったようです。

食事もそこそこにホテルをチェックアウト。今日はここCiudad del Esteから北に20kmほどパラナ川を遡ったところにあるイタイプダムに向かいます。イタイプダムとは世界最大の水力発電所で、その最大出力は1,400万kWと言われています。日本最大の原子力発電所である新潟の柏崎刈羽原発の最大出力が800万kWであることからもその大きさがうかがい知れます。

中国の長江水系に建設中の三峡ダムが完成すればイタイプダムを抜いて世界一に躍り出ると聞きますが、完成時期が延び延びになっているのと、発電機がフル稼働していないのとでまだ当分はイタイプダムが世界一の座に位置しているようです。

Ciudad del EsteからはHernandarias行きの路線バスで行けます、PYG 2,500(=50円)。「イタイプダムに着いたら教えてね」と言っておけばちゃんと降ろしてもらえるので安心です。





8:50
15分ほどでITAIPU BINACIONAL(二つの国のイタイプ)着。パラグアイとブラジルの共同出資によって建設されたのでこの名前がついています。発電した電気は両国で折半するのですが、パラグアイではその半分でも余りあるので使わない分はブラジルに売っているそうです。

もっと詳しく書くとパラグアイの電力使用量はタービン1基の半分で賄えるため、現在稼働中のタービン18基のうちのほとんどはブラジルでの使用電力を賄うために稼働していると言っても過言ではありません。





ビジターセンターで受付を済ませると国際協力事業団パラグアイ農業総合試験場作成の日本語で説明が付されたA4用紙のダム概要を用意してくれました。





La visita, la exhibición de filmes sobre Itaipú, la atención de secretarias y la visita acompañada por guías son totalmente gratuitas.
(見学・イタイプダムに関するビデオの上映・受付・ガイド付き見学は全て無料です)

たぶん旅行会社が主催するイタイプダムツアーが根拠不明の額を設定して催行されていることに対する注意喚起でしょう。





イタイプダムの紹介ビデオを30分ほど観賞した後、デラックスバス4台に分乗してまずは展望台へとやってきました。放水路のド真ん前に設置されたこの展望台からは迫力ある放水のようすが堪能できます。







水の落ち切るところに少し上向きの傾斜がつけられており、空中へと投げ出された水が川に落ちると巨大な水柱が立ちます。









発電の肝、タービンです。落差が上下で112.9mもあり、このタービン1基で70万kWの電力を出力します。







ツアーバスは堰堤の上に登って今度は先ほどの放水路を上から眺めます。デカさが動画では伝わらないのが残念です。

(後編に続く)

メルコスール9日目―加油!南米の華流

2010年06月06日 | 2010南米旅行




(前回の続き)
この旅行記を書くにあたって写真の整理をしていると、致命的なことに気づいてしまいました。ボクはこの滝のことを今の今まで悪魔ののどぶえと思っていましたが、これはSalto Bossettiという滝であって悪魔ののどぶえではありません。

悪魔ののどぶえとはもっと幅広の落水ポイントのことで、園内の電車に乗ってアクセスするポイントです。水が一度に勢いよく流れ落ちて轟音を発するから「悪魔ののどぶえ」なんですね。あゝ、なんという勘違い。

わざわざイグアス国立公園にまで行ってるのに、悪魔ののどぶえを見ずに帰るだなんて…(前日にブラジル側から見てはいますが) ちゃんと地図を見て回るべきでした。これは次回訪問時の楽しみとして取っておくことにしましょう。







これでも十分に迫力がありますね。特に2つ目の動画は滝の真下に行って撮影しているので、着ている物もカメラもビチョビチョです。

イグアスの滝では水飛沫が飛び散る悪条件の中、いかにして撮影をしていたかについて少ししゃべっておきます。落水地点からある程度の距離があれば少々の水しかかからないので通常のカメラでの撮影が可能ですが、大玉の水が飛んでくる状況や昨日のような滝の真下に突っ込むボートツアーでは通常のカメラは使えません。





今回持参したのはスキューバをしたときに使っていたデジカメ用ハウジングです。ハウジングなので動画撮影時の音声はスカスカになりますが、通常の写真撮影の用途として考えれば、水飛沫なんか気にせず心ゆくまで撮影が可能です。これがブラジルでもアルゼンチンでも好評で、いろんな人に「コレええなぁ~」とお褒めのことばをいただきました。





悪魔ののどぶえを見た気になって帰り道を歩いていると、ハナグマが土を掘ってゴソゴソ何かをやっています。あれよあれよという間に方々からハナグマが集まってきて、自分の周囲を20匹ぐらいのハナグマに囲まれてしまいました。





最初のハナグマがカブトムシの幼虫のような物を土中に発見しそれを掻き出していると、ニオイに引き寄せられたのか仲間のハナグマが集まってきます。幼虫を横取りされそうになったハナグマが「何するんじゃワレ!ボケ!」と猛抗議、横取りハナグマが焦る、撮影者もビビる。こんな構図です。





さて、悪魔ののどぶえの近くに迫らぬまま国立公園を出て、国境越えのバスに乗り再びブラジルへ。ホテルで預かってもらっていた荷物を引き取ってパラグアイとの国境Puente de la Amistad(友情の橋)に着ました。ここはブラジル側出入国管理事務所です。





国境の橋は500mぐらいの比較的短いものでした。通行するのは車がメインですが脇に歩行者用通路も設けられているので歩いての国境越えが可能です。





パラナ川。国境の川です。東側が今までいたブラジル、西側がパラグアイとなっています。





パラグアイ側入国ゲート。上の広告の方が「パラグアイへようこそ」の看板の数倍大きい不思議。

国境付近はおびただしい数の道路工事が進行中でどこをどう歩いていいのやら分かりません。イミグレで入国審査を受けようとしますがオフィスがドコにあるのか分かりません。その辺をブラブラしている人に聞いても適当に答えられるのでしばらく国境付近でさまよっていました。

イミグレらしきところに入って「ここはイミグレですか?」と聞くと「違う。一体誰に教えてもらったんだ?」と言われ、結局イミグレの手前まで連れて行ってもらいました。ということでメルコスール3ヶ国目パラグアイに無事入国!





この街はCiudad del Este(エステ市)といい、以前は別の名前で呼ばれていたこともあります。といってもここ50年で急速に発展したポッと出の街で、国境の街ということでいろいろな物資が集積し猥雑な雰囲気に満ち満ちています。写真のようなフルーツ売りは道路に10mおきに出現します。いろんなフルーツを賽の目に切ってジュースに混ぜ込んだものもよく売られています。





そんなこんなでホテルにチェックイン、PYG 155,000(=3,100円)。





こちらパラグアイは各国からの移民が現在もなお続々とやってきており、町中には漢字やハングルの看板が溢れています。特に注目すべき点はパラグアイは南米で台湾(中華民国)と外交関係を持つ唯一の国であり、台湾の影響がいろいろと見て取れます。

といっても最近は中国(中華人民共和国)が台湾と外交関係を持つ国に対して、経済力にモノを言わせた外交攻勢をかけているので、今後パラグアイと台湾の関係がどうなるかは極めて不透明です。ちなみに台湾華語でパラグアイは巴拉圭共和國と言います。





銀行や商店の軒先には小銃を構えたガードマンがいることからも分かるように、この街の治安はお世辞にもよいと言えるレベルではありません。そして日没が近づくと通りから人影が一斉に消えます。ん~この国不安。

メルコスール9日目―背番号88、てふてふ

2010年05月05日 | 2010南米旅行




02/25 木曜日 メルコスール9日目(ブラジル/アルゼンチン/パラグアイ)
滞在地:フォスドイグアス(ブラジル)→プエルトイグアス(アルゼンチン)→シウダーデルエステ(パラグアイ)





縮尺の小さい詳細地図がこちらです。この地域はイグアス川とパラナ川の2大河川の合流地点で、これらの川に沿う形でブラジル・アルゼンチン・パラグアイの国境線となっています。





ホテルの客室から。昨日の天気予報では雨でしたが、薄曇りといったところです。昨日のブラジル側イグアスの滝でビチョビチョになったせいで風邪をひいたみたいです。喉がイガイガします。

朝ご飯を食べていると空がだんだん明るくなってきました。アルゼンチン側イグアスの滝はスルーするつもりでしたが、空がみるみるうちに晴れてきたので、急遽予定を変更してアルゼンチンに行くことにします。





アルゼンチンのプエルトイグアス行きのバスは、フォスドイグアスの近距離バスターミナルの北にある掘建て小屋みたいなバス停にとまります。BRL 3(=150円)。





バスはブラジル側出入国管理事務所を華麗にスルー。フォスドイグアスを発って30分ほどでアルゼンチン側出入国管理事務所に到着。ここで全員が入国手続きをします。その間バスは事務所出口で待っていてくれます。





無愛想な職員が"Siguiente!"(次!)と連呼しスタンプをポンポンついていくだけの作業なのですが、ポルトガル語圏から脱してスペイン語圏に来たことが何よりホッとします。





イグアス国立公園に行くだけでも入国・出国ともに手続きがあるので、無駄に査証のページがスタンプで埋まっていきます。ということでメルコスール2ヶ国目アルゼンチンに無事入国!





バスは赤茶けた大地を走ってプエルトイグアスのバス乗り場に到着しました。ここでイグアス国立公園行きの往復バスチケットをBRL 6(=300円)で購入します。国境の街なのでブラジルレアルがそのまま使えますが、アルゼンチンペソでの支払いだとARS 10(=250円)で済むので、ブラジルレアルはちょっと損です。





12:00
アルゼンチン側イグアス国立公園着。昨日の天気予報がウソのように空は晴れています。





公園ゲート前のドデカ国旗がきれいにはためいています。遠路はるばるアルゼンチンまできたことを今更ながら実感します。

チケットブースにてチケットを買おうとしたら「ブラジルレアルじゃ払えんよ、アンタ。隣の売店でアルゼンチンペソに両替してもらって」とのこと。

売店でアルゼンチンペソに両替してもらおうと100レアル紙幣を差し出すと「何でもいいから買ってもらわんと両替できませんねん、兄さん」と言われます。仕方ないのでガス入りミネラルウォーターを買って両替してもらいました。

BRL 100 = BRL 45 + ARS 85 + 水
そんなにあくどいレートではなさそうです。

そしてやはりアルゼンチン側の国立公園も国籍別料金制となっています。
ミシオネス州住民(地元民):ARS 10
アルゼンチン人:ARS 25
メルコスールのいずれか:ARS 45
その他外国人:ARS 85(=2,125円)高っ!





さて、園内に入場して早速滝へと向かいます。アルゼンチン側国立公園はブラジル側と違って園内の移動は電車となっています。最寄り駅まで行くと「次の電車は20分後ですわ、待ってる時間がもったいなら滝まで歩いてでも行けまっせ」と言われたので歩いていくことにします。





それがこのトレッキングコースです。森の中を楽しんで歩けるようにきれいに舗装されています。アルゼンチン側には蝶などの昆虫類がたくさんいて、それらと戯れながら歩くのもいい思い出になりますよ。





15分ほど歩けばアッパートレイルの開始地点に辿り着きます。アルゼンチン側国立公園は滝を上からと下からと両方から楽しめる造りになっています。上から滝を見るだけなら一滴も濡れずに帰還することも可能です。







遠くから滝の全景を収めるとこんな感じです。







落水をできるだけフレーム内に収めたのがこれです。





落水観賞ポイント。上から見ている分にはただ水が落ちていくだけに見えます。写真奥にはポイントその2があります。





写真を撮っていると蝶が指にとまりました。これは特に珍しいことでも何でもなく、手を伸ばせば蝶はすぐに寄ってきます。蝶が飛ぶ際に必要とする栄養素としては主にナトリウムが挙げられるのですが、その摂取のために蝶は人間の皮膚上の汗を吸水したがると考えられています。





ジャポニカ学習帳でお馴染みのウラモジタテハもいました。まさかこんなところでお目にかかれるとは思っていなかったのでテンションが上がります。スペイン語の俗語では羽の模様が88に見えることから"Ochenta y ocho"(88)と言われています。近縁種に89の模様をしている子がいるのですが、それは"Ochenta y nueve"(89)と言うそうです。





いったん戻ってロウワートレイルの開始点まで来ました。昨日のブラジル側の滝でのようにビチョビチョになって風邪をこじらせるのも考えものなので、当初はアッパートレイルのみを見て帰ることにしていましたが、せっかくここまで来て滝を下から見ないで帰るのも男が廃る。というより、バカ高い入園料の元を取らねば損という打算の方が強かったりします。





途中の双子の滝です。スペイン語では"Salto de Dos Hermanas"となっていたので姉妹の滝ですね。これだけでも箕面キャンパス近郊の箕面の滝2つ分はあります。





至る所に虹が出現するのは天気がいい証拠。よく見ると2重に虹がかかっているのが見て取れます。







そろそろ悪魔ののどぶえスポットに近づいてきました。滝壺近くにボートが浮かんでいるのはもちろん例のアレです。

(後編に続く)

メルコスール8日目―大水簾にてしとどに濡れぬ

2010年05月04日 | 2010南米旅行




02/24 水曜日 メルコスール8日目(ブラジル)
滞在地:フォスドイグアス(ブラジル)





縮尺の小さい詳細地図がこちらです。南側に川がヘアピンカーブを描いているところが、あのイグアスの滝です。

ホテルで朝ご飯を食べて近距離バスターミナルからイグアスの滝へ向かいます。普通の路線バスの行き先が滝なだけなので、途中無数にある停留所で地元っ子が乗って降りてを繰り返すため、距離が短い割に時間がかかります。





イグアス国立公園着。バスに乗っている間に雨が降ってきました。





バスから降りるや否やカッパ売りが怒濤の勢いで接近してきます。濡れるの覚悟で来たものの、もしものためにカッパを購入しておきます。BRL 5(=250円)。





チケット売り場でチケットを買う際、ヤケにフレンドリーに「どこから来たの?」と聞かれるので、さすが世界的観光地は違うなと思ったら、実は来場者の国籍によって入場券の価格が違うため、フィルタリングをしているだけなのでした。

ブラジル人:BRL 22
メルコスールのいずれか:BRL 31
その他外国人:BRL 37(=1,850円)

もちろん日本人はその他外国人に該当します、高っ!





園内の敷地は広大なためこのような2階建ての大型バスに乗って移動します。2階はオープンエアになっているので見晴らしがよく人気です。しかし今日はあいにくの雨…





2階はこんな感じです。フロントガラスのモヤモヤ具合で雨の強さを感じてください。





3つ目の駅でバスを降りれば滝の全景を見ながらのトレッキングコースのスタート地点です。降りてすぐにハナグマが迎えてくれます。このハナグマ、パッと見はかわいいのですが、ゴミは漁るわエサの取り合いで必死だわで、ほのぼの感は皆無です。そのツラを正面から見据えれば、その名の通り鼻がミョーっと前に伸びていて、見ようによっては笑福亭笑瓶にも見えてきます。





下流の方の滝。





ちょっと前に進んでもう1枚。





ブラジル側イグアスの滝の一番の見どころ、滝の奥に続くブリッジです。





ブリッジ入り口付近から。





ブリッジの奥の奥から撮るとこんな感じです。滝の方から絶えず飛び散ってくる細かい水滴が横方向に吹き付けるので、レンズに水滴が付着して写真がモヤモヤになってしまいました。







ブリッジの奥の奥はこんな風になっています。20人ぐらいしか入れない狭さですが、そのあまりの水飛沫の強烈さにみんなすぐ退散するので込み合うといったことはありません。ボクはここで5分以上粘ったところ、頭から足の先まですっかりビチョビチョになってしまい、もはやカッパは用をなしていませんでした。







滝の真下から撮るとこんな感じです。





それをやや引き気味で撮ったのがこれです。展望台の人間の大きさを基準にすると滝の大きさが感じられるでしょうか。







展望台の上から滝を見るとこんな感じです。





高解像度でもう1枚。

滝自体は十分に堪能したので、今度はボートツアーに参加しようと公園から一旦出てツアーデスクに行くと「予約せずに飛び込みで参加できますよ」とのこと。入場券を持って再入場しようとすると係員に止められました。再入場にはチケット購入時のレシートが必要だそうです。提示して入場。

バスを2つ目の駅で降りてMacuco Safariツアーに申し込みをします、BRL 140(=7,000円)高っ!!ブラジルって観光客の足下見過ぎでっせ…





Macuco Safariとはこのような車に乗ってジャングル内を移動した後、10分程度のトレッキングがてらボート乗り場に向かい、ボートに乗って滝の下に突入する一連のツアーのことです。チリの団体ツアーに混じって参加することになりました。





これが滝の下に突入するゴムボートです。30人乗りぐらいの比較的大型のものです。





結構なスピードでゴムボートは進みます。









電池の残量がわずかしかなかったのでコマ切れ動画になってしまいました。見にくくてすいません。落ちてくる水の量が半端じゃなく目を開けてられなかったので、何がなんやら分からんまま終わってしまいました。滝の凄まじさは伝わってるでしょうか。

ボートツアー終了後、バギーに乗ってバス停留所まで戻る老夫婦が話しかけてきました。ウルグアイのモンテビデオから来たとのこと。来週モンテビデオに行くことを伝えると「3月1日は新大統領の就任祭りがあるよ」と言っていました。大統領の就任祭りというのが謎です。

フォスドイグアス市街に戻ってきて晩ご飯にレストランでミックスピザ(ホール)を食べました。レストランのテレビでは明日の天気予報をやっていて、明日もどうやら雨のようでした。予定ではアルゼンチン側の滝を訪れることにしていましたが、またまた天気が悪い中行っても仕方ないので、明日は直でパラグアイに出国することにします。

メルコスール7日目―ボカディジョフライト

2010年05月03日 | 2010南米旅行




02/23 火曜日 メルコスール7日目(ブラジル)
滞在地:ベレン→サンパウロ→クリチバ→フォスドイグアス(ブラジル)

今日はここパラ州のベレンを去って、この旅のハイライトの一つであるイグアスの滝へ向かうため、そのお膝元であるフォスドイグアスに向かいます。昼過ぎの飛行機なので、午前中はベレンでアマゾンの余韻に浸ることにします。





ヴェロペゾ市場の隣にあるカステロ要塞。入ろうとすると"Fechado!"と言われます。時計を見ると9時50分、あと10分早かったようです。何が何でも入りたいというわけでもなく、ジッと待っていると暑いので立ち去ります。





中に入らずともこのような砲台のレプリカが展示してあります。中南米とカリブ海の沿岸部には植民地時代に繰り広げられた列強の領地争奪戦を思わせる砲台跡の遺跡が数多く残っています。





ヴェロペゾ市場でGuaraná粉を買いました、BRL 4(=200円)。一時期ガラナは強壮剤としてもてはやされたことがありました。強壮剤としての効能についてははっきりとしたことはわかりませんが、ガラナはカフェインの含有量が豊富なので一時的な覚醒効果があることは確かです。

Googleで検索してみたら未だに通販でガラナ粉を売っているところがあって、中には数千円の価格を付けているところもありました。ああいう不適正な価格を付けているサイトで購入されないように気をつけてくださいね。





アサイーの絞り汁、BRL 3(=150円)。マンジョッカの粉や砂糖を加えて朝ご飯的な食べ方をするみたいです。最初はそれを知らずにプレーンで食べていて、まずそうに食べるのを見かねた店主が食べ方を教えてくれました。プレーンで食べると、モモの種の周囲に付いてる毛のような味がします。





マニソバ+Guaraná大瓶、BRL 9(=450円)。マニソバとは豚肉となんかの葉物野菜をグチョグチョになるまで煮込んだパラ州の家庭料理です。ボクは豚肉が好きなのでこれはアリです。

食べている間じゅう店のおばあちゃんがニコニコしながら「どう、おいしい?」と聞いてきたり、小芋の剥いたのをくれたりと、ホッとするおもてなしを受けました。この街にはリオとは違った人の近さがあります。





道端で売ってたミニタオルマフラー。フェイスタオルとして使えます。各BRL 5(=250円)。サッカーは全然興味ないんですが南米に来た記念に買いました。ベレンに来てまでサンパウロとリオのクラブチームのタオルを買って、肝心の地元のクラブであるパイサンドゥを買い忘れているあたりに興味のなさが現れています。





一つ裏手に道を入るとどデカイ教会がありました。

ちょうど時間も潰せたので空港に向かうことにします。ホテルの子に聞いたらPratinha行きのバスに乗るとよいとのこと。探す間もなくいきなりPratinha行きのバスが来たので乗車。





13:00
道が渋滞していたので50分もかかってバウジカンス空港に着きました。





空港の中はこんな感じです。チェックインをして旅程を確認します。ベレン(パラ州)→サンパウロ(サンパウロ州)→クリチバ(パラナ州)→フォスドイグアス(パラナ州)という経由便です。各空港で降りる人と乗ってくる人がいる各駅停車の飛行機です。15:40、定刻離陸。





しばらくして熱々のボカディジョが配られました。





ハムとチーズだけのシンプルなボカディジョです。熱々なのでチーズが溶けて美味です。機内食に全く期待していなかっただけに嬉しいもんです。





そのまたしばらく後にこんなシャンプーの試供品が配られました。Cristiano Ronaldo君が"Eu uso CLEAR MEN, e você?(オレ、クリアメン使ってる、キミは?)"の文句とともに広告塔になっています。





中身はこんな感じです。世の男性諸氏の悩みである抜け毛対策に特化したシャンプーのようです。ホテルに着いてからコレでシャンプーしてみたら、いつもと同じくかなりの抜け毛が確認できました。ボクはもともと髪が多いので抜けるぐらいでちょうどいいので、このシャンプーの効果のほどは不明です。





YouTubeで探したらスペイン語版のClear MenのCMがアップされていました。サッカー選手の中でもイケメンの呼び声高い彼ですが、リオデジャネイロの街を歩けばあんなのいっぱいいるんですけどね~。

やはりプロサッカー選手としてのプレイが男前度をアップさせているんじゃないかなと思います。数年前人気があったDavid Beckhamも、今思えばそれほどイケメンってわけじゃないし、それも時代の空気ってやつでしょうか。それを分かっているからこそ今のうちに広告に出まくっているんでしょう。賢いな、C. Ronaldo。
(ちなみに今年のアルマーニの広告をつとめている彼は脱ぎまくっています。興味のある方は検索してみてください)

19:15
雷が雲を突き破って何度もドカドカ落ちる中、サンパウロ・グァルリョス国際空港着。ほぼ自分以外の乗客はここで降りました。ベレンでのスコールのような局所的な大雨が降ってきたためこの空港で足止めされます。

欠航なのか遅延になるのか何のアナウンスもないまま時は過ぎ、2時間後にようやくクリチバに向かい機体は離陸しました。欠航にならずによかった。今回のフライト時間はたった30分にもかかわらず、本日2度目のボカディジョ(スモークチキン&チーズ)が配布されました。

22:00
クリチバ着。何らかの理由で隣のゲートに待機している機体に乗り換えます。今回はさすがに3度目のボカディジョは出ませんでした。





23:20
やっとフォスドイグアスに着きました。小さい空港だからか、あるいは夜遅すぎるからかは分かりませんが、タラップで降りてターミナルビルに向かいます。





荷物を受け取ってタクシーでホテルに向かってチェックインしたら、もう24時でした。とりあえず欠航にならず当日中に着けてよかったです。

メルコスール6日目―アマゾン名物スーパー山田

2010年05月02日 | 2010南米旅行




(前回の続き)
ベレン市街に戻ってきました。今日は平日ということもあってものすごい人出です。





参考までにこれが昨日の同じ場所です。この異様なまでの閑散っぷりが嘘のように今日は賑わっております。地方都市は日曜日に来てはいけないという鉄則を思い出します。





そしてこれがAv. Presidente Vargas(プレジデンチ・バルガス大通り)。ベレン市街の繁華街です。物売りや買い物客でごった返しています。





ヴェロペゾ市場。果物、肉、干物などの食料品から、正体不明の薬草や編み籠のような日用品までいろいろと店が並んでいてブラブラ歩いているだけでも面白いです。





こっち側は主に食料品を扱うお店群です。ブラジルと言えばリオデジャネイロなどの南部の観光地が有名ですが、「ブラジルらしさ」という点ではマナウスや当地ベレンなどのアマゾン河流域の都市の方がそれっぽい感じがします。





昨日とは違う店で食事をします。昨日のオッチャンの店には今日は行くまいぞ!と思っていたのですが、そんなボクの意思とは無関係にオッチャンの店は休業でした。やっぱりこの店も炭水化物山盛りなのは同様です。





違う店とはいえ念のため今回はアマゾン河産の魚のフライにします。注文のたびに二度揚げしてくれるので、アツアツサクサクでなかなかイケます。カレイの唐揚げのようでおいしいです。淡水魚なんておいしい訳がねぇよと思っていましたが、意外や意外非常に美味でした。Guaranáの大瓶と上の魚のフライと炭水化物山盛りでBRL 10(=500円)でした。





腹ごしらえも済んでさまよい歩いていると時計台広場に出ました。写真で伝わるかどうかわかりませんが、熱帯の太陽光線がジリジリ照りつけもの凄く暑いので日向には人影がまばらです。

じっとしていても汗をかくので、水分だけでなくミネラルの補給は必須です。ベレンっ子がどのようにミネラルを補給しているのかと言いますと…





Tacacáという味噌汁のようなスープでミネラルを補うのです。ココナッツのような実を加工した小どんぶりぐらいの大きさの器にマンジョッカのデンプンとジャンブというピリピリする草と干しえびが入っています、BRL 4(=200円)。

これがなかなかおいしいのですな。うだるような暑さの中を歩き疲れた体に強めの塩気が浸透し、ジャンブのピリピリが意識を覚醒させ、食べた後は疲れが消えているという不思議。





ホテルに帰ろうとして町中を歩いていると、ベレンの空港で盛んに広告を打っていたスーパー山田がありました。





スーパー山田エントランス。この店舗は数あるスーパー山田の中でも比較的小規模なお店で、中には郊外型のヤマダ電機ぐらいの大きさの店もありました、ヤマダだけに。商品のラインナップとしてはブラジルによくある普通のスーパーマーケットと大差ないものでした。





スーパー山田のレジ袋、通称山田袋。"DESDE 1950"と書いてあるので、今年はちょうど60周年ですね。おめでとう、山田。





山田プライベートブランドのヤマダミネラルウォーター、通称山田水。イオンにおけるTopValu的な扱いなのでしょう。プライベートブランド商品を持っているというところから見ても、スーパー山田の資本力は相当なものなんでしょう。

店を出たところで例によってスコールが降って来たのでホテルに退散しました。ベレンは熱帯に位置していますが、アマゾン河から間断なく吹き付ける風と夕方に降るスコールのおかげで、夜はそれほど暑くありません。大阪の夏よりナンボかマシなくらいです。

メルコスール6日目―鬱蒼☆密林レストラン

2010年04月11日 | 2010南米旅行




02/22 月曜日 メルコスール6日目(ブラジル)
滞在地:ベレン(ブラジル)

昨日、ヴェロペゾ市場の食堂で食べた変な味の肉はやっぱり腐っていたようです。夜中に何度も起きてトイレに行かざるを得ませんでした。今朝になってもまだ下痢が続いています。





今日はアマゾン河リバーツアーの日です。ホテルでツアー会社のバスにピックアップしてもらい、20分ほどで船着き場に着きました。サンパウロからの観光客の爺婆6人とクルーズ船に乗船します。





小さい船でも船尾にはブラジル国旗。





アマゾン河から見たベレン市はこんな感じです。ビルが林立しているのはここだけで、その他の場所はジャングルが茫漠と広がっているのみです。





川辺には水が常に豊富にあるので植物が生え放題です。おまけに毎日降るスコールのおかげで地表に隙間なく植物が密生しています。まるで「オレがオレが」と言わんばかりの生え方で、生まれて初めて植物の強烈なエゴイズムを感じました。





伸び放題。15mぐらいあります。





人家が近い所ではこのように少し手入れされてスペースに余裕のある植生が見られます。





カフェオレで水栽培状態です。





30分ほどしてアマゾン河で生活している先住民が作った工芸品を売ってる掘建て小屋に着きました。高圧送電線が来ていることからも分かるように、この近辺は電化されています。





粗製チョコレートを試食させてもらいました。メキシコのオアハカで食べたのと同じ味がします。こういう雑味の残ったものの方がおいしいなぁ。





木彫りのお面、BRL 7(=350円)。この近くにアマゾン的生活の実演をしているおじいちゃんが住んでいるので、そこでいろいろと見せてもらうことになりました。





飼ってるのか自然のものなのか不明なオウム。籠もなにもないので飼われているのではなさそうですが、人家の庭先の木にとまってピィピィ鳴いていました。





castanha-do-paráという木の実の外殻を鉈で剥いてくれているところです。ブラジルナッツとも言うらしいです。ベレン市内の道ばたで殻を剥いて袋詰めして売っているのをよく見かけて気にはなっていたこの存在。





剥いてくれたものがこれ。ココナッツのような練乳のような、それでいてサクサクしていてなかなかハマる味です。コレはウマい!





木になっている状態がこれで、熟して食べごろになるとボトッと落下するようです。この木の実の中に先ほどの小さい木の実が15個ぐらい入っていて、食べたいときにその都度剥いて食べるということだそうです。手を伸ばせば常に食べ物にありつけるこういうところでは文明なんて興りようがないわなぁ。





天然ゴムの木です。産業革命に伴い急増したゴムの需要でアマゾン河流域は空前のゴム景気に沸いたそうですが、東南アジアにゴムの木の苗を移植されたことでブラジルのゴムバブルは急速にしぼんでいったそうです。





ジャングルの中はこんな感じです。植物がワシャワシャ生えまくっているので方向感覚がなくなります。





何の木か忘れたけどものすごく大きな木です。毎日の降雨量がものすごいアマゾンでは雨によって表土が流出することもザラで、そうなれば木は倒れてしまいます。そこでこういった板状の根が発達したということです。

この板状の根をたたくとボゥンボゥンと音がします。昔はこれを利用して遠隔地と通信していたという話でした。





ものの10秒でアサイーの木に登ったおじいちゃん。「アンタ一番若いんだから登りなさいよ」とガイドに言われるも、腐った肉のせいで腹痛が残っていたので辞退しました。





おじいちゃんが木の洞に入れて飼っている(?)クモ。ビロードみたいにホワホワしています。クモは恐がりなので(そりゃ自分の何百倍もある人間をやたらめったら襲う訳ありません)すぐに逃げようとするのですが、そのたびにおじいちゃんに捕まえられては腕に乗せられていました。

(後編に続く)

メルコスール5日目―炭水化物が山盛りの街

2010年03月31日 | 2010南米旅行




02/21 日曜日 メルコスール5日目(ブラジル)
滞在地:リオデジャネイロ→ベレン(ブラジル)





6:00
起床。コパカバーナの朝日。





海岸通はこんな感じ。見たところ平和そのもので何もありませんでしたが、ちょうど1週間ほど前にこの近辺の同時刻に邦人が首締め強盗の被害に遭っています。

空港行きバスをゲットするため車道と自転車道の分離帯でバスを待ちます。決まったバス停はないので好き勝手な場所でバスを止めていいことになっています。ちょうど同じエリアで先に空港行きバスを捕まえようとしている兄ちゃんがいたので便乗させてもらいます。





7:40→6:40
リオデジャネイロ・ガレオン国際空港着。チェックインを済ませて空港内の時計を見ると何か変です。サマータイムが終わったため自分の時計よりも1時間遅れています。空港に早く来すぎたようです。





ブラジルの国内線は全てこのTAM航空で飛ぶことにしました。ブラジル国内をあちこち周遊する場合は、個別にチケットを買うよりもエアパスを購入した方が安上がりです。飛行機は中産階級以上の乗り物なのであまり安くないのです。





国内線とは言え3時間半もかかるので朝食が出ました。ラスクとジャムとクリームチーズなどがパック詰めされた朝食キットが配布されます。

ブラジリアを越えトカンチンス州上空に差しかかった頃から気流が乱れ始め、機体が激しく上下左右に揺れるようになりました。隣の席には中年のブラジル人夫妻が座っていたのですが、私の隣に座っていたオバハンの方が機体が揺れるたびに今にも死にそうな形相で「アィアィアィアィアィ~」と騒ぐのです。

オバハン(アィアィ婆と名付けることにします)は叫んでいる声に自分で怯え始め、しまいには大泣きする始末。同じ機体に乗っているチビッコ諸君が平然としているのとはまさしく対照的です。スチュワーデスもアィアィ婆のただならぬ奇声に異変を察知し、落ち着かせるために水をよこして「落ち着いてください」と半ばあきれながら説得しに来ました。

ここからがブラジル的なのですが、アィアィ婆の後ろに座っていた見ず知らずの乗客が婆の手を握って「まぁまぁかわいそうに…大丈夫よ~」と落ち着かせ始めたのです。親切なのはいいことなんですけども、3,4歳の子供が大人しくしているのに、ギャァギャァ泣き喚く4,50のオバハンに手を差し伸べなくても、ねぇ。





12:40
ベレン・バウジカンス空港着。Y.YAMADAという日系人資本らしきスーパーの広告で空港内は埋め尽くされています。「ヤマダクレジットカード、すぐ、簡単!」

ベレンは観光地でもなんでもない普通の地方都市なので、空港からセントロまでの空港バスがありません。そのため普通の路線バスでセントロまで向かいました。運賃BRL 1.85(=90円)。サンパウロやリオなどの大都市と比べると3割ぐらい安い価格設定です。





ここベレンはアマゾン川の河口に開けた街でパラ州の州都となっています。地理的に言うと南緯1度の赤道直下で熱帯に位置しています。市内の街路樹にはマンゴーが植えられ、見上げればたわわに実るマンゴーの実が見て取れます。

今日は日曜日なのでヘブプリカ広場では日曜市が開かれていました。しかし、着いた頃にはもうお昼過ぎ、露天は次々と店じまいを始めています。すれ違う人を見ているとやたらとメスティソが多いのに気づきました。そしてなぜか半数がデブなんです。これは今朝までいたリオとは大きく異なる点です。





マンゴー並木に絡み付く種々雑多な植物。これが熱帯パワーか。





がらーん。繁華街の路地でこの廃墟っぷりです。そういえば今日は日曜日でした。それにしてもこの寂れ具合はひどい。仕方ないので港まで歩きます。





はるばる来たぜ、アマゾン河!
淡水なので波止場は全く磯臭くありません。





まるで海ですね。





河沿いにあるEstação das Docasという複合施設。レストランや雑貨屋がテナントとして入居しており、地元っ子たちのオシャレスポットとして機能しているみたいです。

この建物の端の方に営業中らしきツアー会社を発見しました。空港内のツアー会社は日曜日につき休業していましたが、ここはちゃんと明かりが点いています。

中に入って話を聞いてみると、どうやら明日の月曜日に催行しているツアーはアマゾン河&ジャングルトレッキングツアーしかないらしいのです。推量で「らしい」と書いたのは応対をしてくれた係員がポルトガル語オンリーで話すから正確に意味を掴みかねたのです。まぁ何とか申し込みは出来ましたが。

Estação das Docasのさらに向こう側に行くとヴェロペゾ市場があり、その手前の方には屋台街が広がっていました。リオなどによくあった軽食屋タイプのものから、本格的な地元料理屋台まで所狭しと50軒ぐらいが密集しています。





典型的な地元料理屋台の一例。メインディッシュを肉や魚の中から選び、それに主食類が供されるのです。





お肉を選んでみました。注文のたびフライパンで再加熱してくれます。やたらと筋張っていてなんか変な味がします。牛肉だとは思いますがはっきりと何の肉かは分かりかねる恐怖。





主食類がワンプレートディッシュとして運ばれてきます。





主食類の拡大写真。左上から順に米(炭水化物)、スパゲッティ(炭水化物)、煮豆(炭水化物)、ファロファ(=キャッサバの粉:炭水化物)、少量のサルサ(野菜)となっています。これを目の当たりにしてこの街にデブが多い理由が瞬時に理解できました。大阪人もびっくりです。





飲み物にグァラナを注文すると今まで見たことのない大瓶のグァラナを出してくれました。ビールの大瓶と同じサイズです。これはありがたい。肉・プレートディッシュ・グァラナ大瓶で締めてBRL 9(=450円)、リーズナブル。





料理の写真を撮ってるとオッチャンが自分を撮れと言わんばかりにポーズを決めていたのでカメラに収めました。このオッチャン、あれこれ世話を焼いてくれて親切なのですが、所作がクネクネしていてオカマ丸出しなのです。

この店の常連らしきペルー出身のオッサンが食べに来てこのオッチャンと交わした会話を聞いていると、オッチャンは始終「あら、やだ~」「んもぅ、チューしちゃうっ!」みたいなノリでしゃべってました。(こういうのはポルトガル語でも正確に分かるのです)





食事をしていると突然激しいスコールが降ってきました。こんな激しい雨は沖縄で台風に直撃されたとき以来です。オッチャンは全く動じずに「雨だわ~」とぼんやりしていました。激しいスコールはここの人にとって文字通り毎日のことなので、いちいち反応するのもアホ臭いのでしょう。





スコールの後のマンゴー並木の下には夥しい数のマンゴーが転がっています。マンゴー食べ放題の街、それがベレンです。

メルコスール4日目―聖像に犇めく人々

2010年03月29日 | 2010南米旅行
(前回の続き)
市電で丘陵地を単純往復して結局セントロに戻ってきました。ここからコルコバードの丘に行くバスを探すのですが、どのバスが目的地に行くのか不明なのでとりあえずコパカバーナに戻ることにします。





リオのバス。降りたいときは降りますボタンを押すか、あるいは天井伝いにユルユルに張ってある紐を引くとビーっと鳴って運転手に降りたい旨を知らせることが出来ます。





ボタフォゴ地区を走るバスから。天気がいいので気持ちいいです。ちなみにここは一般道です。

ホテルで一旦休憩した後、コルコバード行きのバスを探します。が、行き先にコルコバードという表示のバスは走っていません。地球の歩き方には「572番系統のバスがコルコバードに行く」と書いてあるのですがそんなバスは走ってません、困った。

よくよく広域地図を見るとコルコバードの丘のあるところはCosmeVelho地区というところで、このCosmeVelho行きのバスはさっきから目の前を何本も走っていたのでした。なんとか乗車。





14:00
40分かけてコルコバードの丘の登山電車駅に着きました。登山電車の切符を販売しているチケットブースがあるので列に並びます。





往復BRL 36(=1800円)、高いのか妥当な価格なのか…。キリスト像の入場料も含まれてると考えれば安いのか、よく判らん価格設定です。それよりも何よりも登山電車の出発時刻が16:40というではありませんか。世界的な観光地とは言え、登山電車に2時間半も待たされるなんて…

この待ち時間が中途半端で、元来た道を下って繁華街で時間を潰すには少し足りず、かといってそのまま待ち続けるには長いのです。おまけにこの登山電車駅の周囲にはな~んにも暇つぶしスポットがないのです。ひたすら待つのみ。





屋台でトウモロコシを茹でたのを売ってたので買いました、BRL 3(=150円)。スイートコーンのように甘くなく穀物丸出しのトウモロコシでした。うまからず。バイオエタノール用のトウモロコシかと疑ってしまうほどの穀物っぷりでした。





下から光学ズームで撮るとこんな感じです。暇潰しにバス停にあったバスの行き先案内を見ていると、知らんオバチャンがニコニコしながら「このバスはコルコバード行きやで♪」と聞きもしないのに教えてくれました。何でみんなこんなに親切やのに凶悪犯罪が多いんやろ?





さんざん待ってようやく乗車。通常こういうケーブルカーは床面が斜めになって走るという構造上、座席の座面を水平に保つべく座席を床面に対して斜めになるように設置するのですが、この登山電車は設計担当がそこまで考慮していなかったのか椅子が床面に対して垂直に据え付けられているので、座面が異様なまでに斜めになっていて非常に座り心地が悪くなっています。





景色を楽しむなら向かって右側がオススメという情報ですが、右側の座席は始終前のめりになってしんどいだけでした。景色もほとんどが森の中なので右も左も大して変わりません。





イパネマの裏手にある湖の脇にある競馬場が見えます。視界が開けるのは悲しいことにこの一瞬だけです。





丘の上に着いてまず見えるのは後ろ姿のキリスト像です。意外と猫背です。上に登っていくにつれてその全容が見えると思いきや…





キリストの足下は芋洗い状態でした。普通にカメラを構えてもフレーム内にキリストの全てを収めることができないので寝転がって撮影する奴、キリストと同じポーズをとって半笑いの奴、自分撮りがうまくいかないので何度もトライする奴などなど…

このキリスト像を見てたら「巨大+宗教」の連想から奈良の大仏を思い出し、「そういや今年は平城京遷都1300年祭やなぁ、行かんとアカンな」と、なぜか無性に関西に帰りたくなりました。ブラジルの地で本地垂迹を実感しました。





これはかの有名なポンジアスカル。





これはコパカバーナの海岸。後ろにそびえる山は昨日迷い込んだファベーラのある山です。





親切なカリオカが市電駅まで連れて行ってくれた辺りを中心にセントロを収めてみました。真ん中がメトロポリタン・カテドラルです。





リオの北側からセントロにかけて。遠目で見ると風光明媚な港湾都市に見えます。





逆光をうまく利用して撮れた一枚。ちょうど後光が射して神々しく見えます。

丘の上は景色がよくて吹き抜ける風が気持ちいい反面、あまりの人の多さに嫌気がさしてたった10分で下山しました。10分のために5時間も使ったと考えると壮大な時間の無駄使いだったように感じます。まぁ行ったからこそ分かる事実ですがね。

コルコバードの丘はリオ観光の目玉ではありますが、以上のように時間がもったいないのであまりオススメは出来ません。値は張りますがヘリコプターを使ってコルコバードの丘を上空から短時間でグルッと見て回れるツアーがあるのでそっちにすれば良かったです。

以前にも書きましたがブラジルのバスは総じて運転が荒く、コルコバードからの帰りのバスもその例に漏れずグァングァン揺れるバスでした。途中で乗ってきた爺さんが見ていて気の毒なくらい揺られていたので席を譲ってあげたのですが、爺さん座って一言「どうもありがとう、カバン持ってあげるからこっちに渡して」と言うのです。

この「席を譲ってもらった方がカバンをもってあげる」という習慣はブラジルではよくあることなんだそうです。これについては何かの本で読んで予備知識があったのでボクは遠慮なく爺さんにカバンを持ってもらいました。予備知識がなけりゃ「(ブラジルでカバンを他人に預ける…とんでもないっ)いいえ、結構です!」とガチガチに警戒し、爺さんは悲しそうな顔をしたに違いありません。

この日の晩はカーニバルのチャンピオンズパレードが催されていたようですが、興味がないので行きませんでした。クラブに出かけて地元っ子にカーニバルの話をふったら「え、カーニバルなんかもう終わってるで」的な反応だったので、チャンピオンズパレードは地元民にすら認知されていない観光客向けの出し物にすぎないようです。