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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

雄星ノート

2019年04月12日 | 学年だよりなど
学年だより「雄星ノート」


 菊池雄星、27歳。岩手県花巻市出身。小学校3年生から野球を始める。森岡東シニアでプレーした中学校時代に投手に転向。花巻東高校時代は、春、夏あわせて3度甲子園に出場し、3年の夏には、自己最速となる154km/hをマークした。
 秋のドラフトでは多くのメジャー球団も興味を示していたが、6球団が競合した日本の球団のうち西武ライオンズに入団する。ライオンズでの9年間は順風満帆だったとは言えない。
 鳴り物入りで入団し、左肩の治療ですごした1年目。2年目以降もなかなか期待されたほどの成績は残せなかった。
 しかし、開幕投手を務め初の二桁勝利をあげた2016年、16勝をあげた2017年といった近年の活躍ぶりは、記憶に新しい。
 そしてこの春からは、イチロー選手のいたマリナーズでプレーし、勝ち星にこそ恵まれていないものの、先発投手として安定した投球をしている。


 ~ 僕がノートを書くようになったのは中学2年生の冬からです。
 きっかけは高校時代の恩師・花巻東の佐々木洋監督が「成功者はみんな日記を書いている」と話しているのを聞いて、僕はその時点で花巻東に進学を決めていたから、よし書いてみようと決意しました。その時からノートを書き続けています。
 ……高校時代、仲間とともに目指してきた甲子園に至るまでの日々、プロ入り後は大きな壁にぶち当たり、葛藤した中でメンタルトレーニングの指導を受けてきました。そして、自分のパフォーマンスを高めるためのストレングスのウェイトトレーニング、メカニックを具現化していくためのコンディショニング、投球フォームづくりなど。
 どれも僕の成長において、欠かすことのできない重要な取り組みばかりです。 ~


 夢を叶えるために必要なことは行動だ。
 菊池選手にとっては、何よりも「書く」ことが自分を支える行動だった。


 ~ 僕は人生において一番大事なのは「行動すること」と考えています。想いが強くなってきたから行動するのではなく、行動を起こしていくことによって、想いがより強くなっていく、全ては行動を起こすことからはじまっていくものだと思っています。
 高校時代「日本一を目指す」という目標をノートに書いていました。毎日、毎日、書けば、書くほどに自分の想いが強くなっていったのを覚えています。ノートを書くということが僕にとっての行動の一つだったからです。 (菊池雄星『メジャーをかなえた雄星ノート』文藝春秋) ~


 菊池雄星投手が、メジャーリーグのマウンドにあがるという目標を明確に書いたのは、みなさんと同じ高校2年生の時だ。
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「手の変幻」の授業 第1段落(1)

2019年04月10日 | 国語のお勉強(評論)
「手の変幻」の授業 第1段落(1)


一段落(1~3)

① ミロのビーナスを眺めながら、彼女がこんなにも〈 魅惑的 〉であるためには両腕を失っていなければならなかったのだと、僕は、ふと〈 不思議な思い 〉にとらわれたことがある。つまり、そこには、〈 美術作品の運命 〉という制作者のあずかり知らぬ何ものかも、微妙な協力をしているように思われてならなかったのである。

Q1「魅惑的」と「魅力的」の違いを説明せよ。
A1 魅力的……人の心をひき付ける力がある
   魅惑的……人をひきつけて心を惑わせる

Q2「不思議な思い」とあるが、具体的にはどう思ったのか。40字以内で抜き出せ。
A2 彼女がこんなにも魅惑的であるためには両腕を失っていなければならなかったのだ

Q3「美術作品の運命」とあるが、何がミロのビーナスの運命だったのか。20字以内で記せ。
A3 両腕を失った状態で発掘されたこと。

 ミロのビーナスが両腕を失う
   ∥
 美術作品の運命
   ∥
 制作者のあずかり知らぬ何ものかの協力

Q4「不思議な思い」とは、どういう点が「不思議」なのか。60字以内で記せ。
A4 両腕が失われるという
   本来なら作品の価値をおとしめる不幸な出来事によって、
   かえってその魅力を高めているように思われる点。


 美術作品の一部の欠損 → 価値が下がる      〈通説〉
     ↑
     ↓
 ミロのビーナスが両腕を失う → こんなにも魅惑的 〈逆説〉

  急がば → 近道 〈通説〉
      ↑
      ↓
  急がば → 回れ 〈逆説〉 para(逆の・遠い)doxa(説)
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高望み

2019年04月09日 | 学年だよりなど

  学年だより「高望み」

 高校に入ってからの一年間を早いと感じたか、やたら長かったか、感じ方は人それぞれだろう。 一年間で何をなしとげたかと考えるとき、正直あんまり変わってないなあと実感する人の方が多いかもしれない。しかし、客観的に見ると、みなさんはだいぶ成長している。 身体的にも、精神的にも。多くの人の顔が順調に「おっさん化」しているのだ。「え? いいです、おっさんにならなくたって」と思うかも知れないが、これは象徴的な表現であり、顔つきが少し大人びてきた、打たれ強そうになってきたということだ。入学したばかりの一年生と見比べると、その差は顕著だ。16歳から17歳、18歳という年代は、それだけ変化の大きな年頃だと言える。もちろん、変わり方は人それぞれだ。

 ~ 「そもそも、電車の中で同世代が勉強しているところを見て、何も感じないヤツはだめだ。     東大受験など、問題外! あいつに負けられない! 自分も勉強しようと思うヤツが受験で勝つ!」  (三田紀房「ドラゴン桜2」モーニング2019年4/19号) ~

 「東大受験」の場所に自分の目標を入れてみて、多くのライバルたちを思い描いてみればいい。  目標に向かって努力する同世代を目にして、何も感じずにゲームをやっていられる人の顔つきと、「しまった、やらなきゃ!」と思い直す人との顔つきとは、大きな違いがある。入学した頃の幼さが残る顔が徐々にだらしなくなっていくのか、精悍な男の顔になろうとしていくかの違いとなって現れる。  高校2年生という時期は、この二方向の差が開きやすい。男子の顔を変えるのは、蓄積された知性とチャレンジの経験だ。チャレンジしようとするメンタルが促す男性ホルモンの分泌が、顔つきを変えていく。大学に入った直後に中学の同級だった女子と3年ぶりに再会して、「うそ。素敵 … 」と見直させるくらいには変わる。

  変えるためにはチャレンジする必要がある。チャレンジとは高い目標を設定し、その目標に向かって行動することだ。すべての面で、みなさんはもっと「高望み」していいと思う。勉強面で考えても、小学校、中学校と努力の限りをつくして勉強し、やっと川東に入学したという人は少ないのではないか。むしろそれほどちゃんと勉強はしていない、勉強のやり方を知らないまま何となくここにいるという人の方が多いようにも一年間見てきて感じる。だとすると、ほとんどの人は、とんでもない伸びしろを持っているということだ。それをムダにするのはもったいない。「高校生活残り1年!」ぐらいの気持ちで2年生を過ごしてみれば、3年になった時「高望み」が全然身近になっていることに気づくことだろう。

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ローマ

2019年04月07日 | 演奏会・映画など

 吉祥アップリンクまで観に行った「ローマ」は、あまりにも地味な作品だ。白黒映画。知っている役者さんは一人もいない。スリルもサスペンスもアクションもミステリーも何もない。セクシー女優のサービスシーンなどあるはずがない。じゃ、なんのために観に来たんだ、おれは。BGMもない。つまらないといえば、つまらない。眠いかと言えばそうでもない。懐かしさはある。以前に早稲田松竹で観たいくつかの小津作品に近いかもしれない。1971年のメキシコが舞台だというこっちの方がむしろ懐かしいような気さえしたので調べてみたら、アルフォンソ監督さんは同学年だった。なるほど。

  監督自身の子ども時代を、一人の家政婦の視点からたんたんと描いた作品だ。その白黒映像は、まさに記憶のなかにある自分の子ども時代のように感じられたのだろう。映画的な大きなドラマはないけれど、家政婦クレオにとっては、妊娠と相手の男の出奔、雇用主夫婦の離婚、4人の子ども達との日常は決して平穏なものではない。傍から見れば、誰にでも起こるような事柄も、当事者一人一人にとっては大事件であり、かけがえのない日々であることが伝わってくる。それが観ている人それぞれのかけがえのない日常と重なり、だから大切なものに思えてくるのかもしれない。

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和光国際高校定期演奏会

2019年04月06日 | 演奏会・映画など

 4月6日。始業式。男子ばかりでも、新しいクラス発表はそれなりに笑顔になっている。ホームルーム、個人写真撮影、副教材販売などを終えて午前でさようなら。部員はバスで、自分は車でサンアゼリアに向かう。開場直前に着けたが大行列ができていた。

  1部は「スターパズルマーチ」「千と千尋の神隠し」、今年の課題曲「春」からの「マインドスケープ」。2部ではAリード特集で「ミュージックメイカーズ」「バラード」「第2組曲」。 休憩をはさんで、「まじめな曲」7曲をさすがの完成度で続ける。メンバーの技量の高さは重々承知しているつもりだが、定期演奏会への追い込みは、ここまで成長させるのかと驚く。といっても、これでもかと吹きまくるのではなく、非常に抑制されブレンドされた繊細な音。ここなんだよなあ。

  2部まで聴いて、あとはのんびり楽しませてもらおう、ダラっと聴いてようという姿勢を許してもらえるはずはない。パンフに曲目の載ってない3部が一番ボリュームがあるなんて。3曲も踊らされたし。さすが西部地区をひっぱるバンドさんだなと思いながら、近くにいた部員たちをみんな連れて帰って練習したくなってきた。まずは新入部員の確保からがんばろう。

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負けん気

2019年04月06日 | 学年だよりなど

学年だより「負けん気」

 進級おめでとうございます! 

 「かっこいいやつ」「すごいやつ」に出会ったとき、みなさんはどう感じるだろうか?  ものすごいプレーをする他校の選手、格好良くてモテてる感ばりばりの同世代、ライブハウスを満員にするバンドをやっている高校生。模試で冊子に名前が出たり、あきらかに頭よさそうな雰囲気を有している同学年……。

 雑誌「モーニング」連載中の「ドラゴン桜2」は、東大クラスに入った2人の、勉強合宿の様子が描かれている。勉強合宿のセミナーハウスを訪れた早瀬さんと天野くんは、「さあ、自分でがんばって勉強してね」と水野先生から突き放されてしまう。

「わざわざ合宿に連れてこられて、自由にやればいいってなんなの」と早瀬さんは腹を立てる。こんなんじゃ、来た意味がないから帰ると言って、合宿所を飛び出す。とめようとした天野くんも、成り行き上一緒に帰るはめになり、夜の江ノ電に飛び乗る。ところが、車内で勉強を始めた見知らぬ高校生をみかけて、やっぱりもどろうと早瀬さんは言う。

「それで、合宿に戻る気になった理由を二人に聞いたか?」 「いや……、それはまだ。というか、理由は別にいいかなと……。帰ってきてくれただけでも十分ですし……。理由を聞いて騒ぎを蒸し返したくない思いもありますし。ここは触れずにおいて……」 「それではダメだ、合宿に戻った理由を必ず二人に聞け、聞いて報告しろ」  

 桜木にそう指示され、朝ご飯を食べながら、水野先生は戻った理由を聞く。 「帰りの江ノ電の中で……勉強していた高校生を見たから……」早瀬さんが答える。「乗ってきたら、すぐにカバンから東大受験の参考書出して、勉強を始めたんです。あ……この人も東大受けるんだなと思ったら……自分は何やってんのって。こんなことやってちゃダメ……、帰って勉強しようと思ったんです。東大を目指す人は、みんな今勉強している。自分も早く帰ってやらなきゃって……」 「私……東大を目指すって言っちゃったから、学校の同級生や家の人たちもみんな知ってるし。今更やめたなんて言いたくない、だったらやるしかない。やる以上は合格しなきゃイヤ! 受験で勝ちたい! あの人たちに負けられない!」     

 桜木にこの話を告げると、「それなら見込みはある」と頷く。「あの二人は東大に合格できる」と。「そもそも、電車の中で同世代が勉強しているところを見て、何も感じないヤツはだめだ。東大受験など、問題外!  あいつに負けられない! 自分も勉強しようと思うヤツが受験で勝つ!」

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入学式

2019年04月03日 | 日々のあれこれ

 4月3日。昨年とまったく同じ484名の新入生を迎える入学式。お二方で見える保護者の方が年々多くなり、1200弱のイスはすべてうまり、後方の演奏スペースはなくなるので、ステージ上で校歌と君が代を演奏する。

  続いて恒例の入学歓迎演奏会。昨年のJAZZ&ボーカルとは異なり、ピアノボーカルグループの「サーム」さんをお招きする。「キセキ」「前前前世」「桜」「マリーゴールド」と続くプログラムは、自分のある日のカラオケのよう。ピアノ曲やボイパの紹介も楽しいが、なんといっても彼らの素晴らしさはMC力だ。会場の空気を読みながら、やわらげ、盛り上げ、しんみりさせる話し手は、なかなかいない。もちろん、歌は上手。サーム本来のメンバーがお一人急病で、そのピンチヒッターがなんとジュレップスのボーカルありおさんだった。しかも、ありおさんは川越東中学校出身だという。サームアレンジで校歌を歌っていただいたあと、オリジナル曲を2曲。「サームの応援歌」はいつ聴いても心が揺り動かされる。終わったあと、また呼んでもらえるなら、生徒さんとの交流企画があってもいいですねというお話をいただき、企画の虫がうずく。

  片付けを終えて、氷川会館で新任教員歓迎会、もどって始業式のプリントづくりという一日。

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