goo blog サービス終了のお知らせ 

水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

梅棒「ピカイチ」

2017年07月04日 | 演奏会・映画など

 

 男子ダンスパフォーマンス集団「梅棒」7回目の公演は、がっつり学園もの。
 吉川友さん扮するヒロインを、ちょっとイケてない同級生と、突如現れたイケメンの転校生(千葉涼平君)のどちらがものにするか、生徒会長選挙で争っていくのが本筋のすとーりーで、まさににありがちな学園ものだ。
 「当選したら、つきあって … 」と言おうとして、「当選したら、パンツちょうだい」と言ってしまう。
 「いいよ、パンツあげる」とヒロインが言ったことが周囲にも知られてしまい、わさわさとみんなが立候補しはじめる典型的なバカバカしさもおもしろい。
 (かわいい)女子の持ち物の窃盗事件、真面目な生徒の裏の姿、転校生の過去、清楚な担任の先生の真の姿、トイレの花子さん、二宮金次郎のタイムトリップ、音楽室のベートーベンの亡霊といった学校に関わる様々なアイテムと小ネタが、一つ一つはほんとにバカバカしいのに、それらが一気に収斂していく後半は、気がつくと泣いている。なぜだろう。しかも、セリフは一切ない。すべてjポップにのせたダンスで表現されていく。
 でも考えてみると、セリフのない表現は山ほどあるけど、人の喜びも悲しみも充分に伝わる。
 むしろないから伝わるとも言える。
 ダンスという表現の圧倒的な力に泣けるのと同時に、「パンツ」に泣けたのだ。
 映画の言葉で「マクガフィン」というのがあって、それが何であるかはよくわからないけど、登場人物たちが命をかけて奪い合うもののことを言う。
 マイクロフィルムとか、要塞の地図とか。別にそれ自体はなんでもよくて、命がけの奪いあい、奪い合い方が作品の一番大事なものになる。
 「パンツ」自体は、高校生男子の欲望の象徴にはなるけど、物理的なそれ自体をみんながほしがるわけではない。
 それ自体ならしまむらとか行って買えばいいだけだから。
 「吉川友ちゃんのはいてた」という物語を欲しているのであって、物語性があるならパンツでなくてもいい。
 「パンツ」ってマクガフィンの一つなんだろなと思え、そんなことに青春をかけられる若者の姿にぐっとくるものを感じたにちがいない。
 コンクールも同じだ。甲子園も。
 トロフィーも、メダルもマクガフィンであって、当事者でなかったら、なぜそんなことに「命がけ」になるのかわからない。当事者も賞状自体がほしいのではなく、物語にあこがれるのだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

決意(2)

2017年07月02日 | 学年だよりなど

 

  学年だより「決意(2)」


 「単語帳の丸暗記」方式の勉強で、センター模試の英語では9割とることができた(単語とその意味の暗記では無く、派生語や例文もすべて覚えたことがポイントであるのは言うまでもない)。
 普通の模試も、F判定だったのがEになりDになり、最終的にC判定になった時点で堀江氏は合格を確信したという。
 一昨年、堀江氏のブログから、こんな言葉を紹介したことがある。


 ~ で、これなんじゃないか? と思ったことが一つだけあった。
 それは睡眠時間以外のほぼ全てを仕事に使っていないということじゃないかと。
  … 起業して3年くらいは、友達と飲みに行くこともほとんど無かったし、異業種交流会とか講演会の類も一度も行ったことがない。そんなの行くくらいだったら講演者の書籍を自分のペースで速読したほうがいい。メルマガを発行してたらそれを読めばよい。行く時間も勿体無い。
 今は違うが、当時は食事の時間も勿体無いので1Fにあるファミリーマートから弁当やら揚げたての惣菜やらを買ってきて食べてた。それすら時間がもったいなくて社員に買いにいかせたこともある。宅配の弁当屋もよく利用していた。
 土日も勿論ない。旅行も年に1度行くか行かないか。盆も正月も無い。ずっと仕事であった。  … 果ては家に帰る時間すら勿体無くなって、ずっと会社のベッドで寝ていたこともある。一時期は会社の仮眠室にシャワーまでつけていた。
 それくらいやったらほぼ確実に成功すると思うんだよなあ … 。 ~


 睡眠時間以外の全てを仕事に使わずに、成功したいなどというヤツの気が知れないと言うのだ。
 これは受験勉強にハマっていた時の感覚、中学校時代にパソコンにハマったときとも同じ感覚だ。
 「東大を目指そう、そのためには英単語だ」と受験勉強にはまっていったとき、起きている時間のパフォーマンスを高めるために10時間近い睡眠も確保した。そして起きている時間のすべてを勉強にあてたのだ。
 勉強にハマってしまった状態なので、決してそれを苦痛とは感じていなかった。
 ゲームにハマったり、アイドルにハマったりして、勉強がおろそかになると、「おまえは何をやってるんだ」と非難される。
 しかし勉強ならいくらハマっても非難されるどころか、よく頑張っていると評価される。
 「大学に行く」ということにも、同じことが言える。
 やりたいことがないからと学校にも行かず、仕事にもつかずフラフラしていると、「いい加減しっかりしろ」と非難される。 
 しかし大学生という地位を手に入れたなら、社会に対して何も生み出さないレベルではニートと変わらないにもかかわらず、世間はそれを認めてくれるのだ。
 大学に進める、勉強することが許される人は、感謝しつつも、それを積極的に利用しなかったら、もったいない。
 勉強したコンテンツそのものは、実社会では役に立たないものも多い。
 しかし、自分で自分の道を切りひらくツールとして、勉強ほど効率のいいものはない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

決意

2017年07月01日 | 学年だよりなど

 

  学年だより「決意」


 堀江貴文氏の言葉を折に触れて紹介してきた。
 堀江貴文44歳。東大在学中に、ホームページの製作管理を行う会社「オンザエッジ」を設立。
 みなさんが生まれる前、インターネットが一般に普及しはじめた時代だ。その後会社は「ライブドア」と名前を変え、時代の流れにのって急成長する。IT起業家の草分けであり、時代の寵児とよばれた彼は、プロ野球の球団を買収しようとしたり、フジテレビを傘下におこうとしたり、総選挙に立候補したりもした。
 メディアで彼の姿を見ない日はない、という時期が続く。
 ただし「出る杭は打たれる」という諺をこれほど具現化した方もめずらしいだろう。
 証券取引法違反の疑いで逮捕されると、裁判の結果、刑が確定し収監されることになった。
 2013年に刑期を終え、以来さまざま分野で活躍を続けている。
 いまや若者のオピニオンリーダーともいえる存在になった堀江氏だが、幼い頃から高校生にいたるまでの彼は、なんとも「イケてない」少年だった。
 福岡県の片田舎で育った堀江氏は、久留米大附設中高という名門進学校に進む。男子校だ。
 高校での成績はぱっとせず、しかしこのまま九州にいたのでは自分の人生に発展性はないと思い、東大受験を決意した。大学進学を機に自宅を出たい、親と離れて暮らしたい。
 九州大では自宅から通わせられる。早稲田や慶應は経済的に許されない、一橋と言っても親は知らない、東大しか選択肢はない、というのが結論だった。
 理系の勉強をして、将来は航空工学の研究をしたいという夢はあった。しかし、東大受験を決意したのは高3の春。現時点での成績と、二次の数学を考えたとき、時間的には絶対に間に合わない。
 文系で入学し、「進振り」とよばれる学内での進級で理系学部に移ろうと心に決める。


 ~  そうなればポイントは英語だ。当時、僕の英語は5~6割の正解率。まさしく判定不能、「あきらめなさい」のレベルである。
 過去問を何度も読み返した結果、僕のたどり着いた結論はこうだった。
 受験英語とは、とにかく英単語を極めることに尽きる。文法に惑わされてしまうのも、すべては単語の意味を取り違えているからだ。単語力の強化が、そのまま英語力の強化に直結する。
 実際、僕の単語力はかなりお粗末なものだった。そこで英語の教師におすすめの単語帳を教えてもらい、片っ端から丸暗記することにした。暗記するといっても、よくある単語カードによる暗記ではない。
 単語帳の隅から隅まで、派生語や例文も含めてすべての文言を「丸暗記」していくのだ。ちょうど、俳優さんが台本を丸ごと暗記するようなイメージである。
 自分に課したノルマは、1日1見開き。12月に終える予定だったが、予定より早く進んで、秋口には全ページを一言一句漏らさず暗記することができた。 (堀江貴文『ゼロ――なにもない自分に小さなイチを足していく』ダイヤモンド社) ~


 「単語帳の丸暗記」こそ受験勉強だと心に決めて取り組んでいくうち、堀江氏はその作業にゲームのようにハマっていく。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする