学年だより「35㎞地点(2)」
試験おつかれさまでした。マラソンに喩えれば、最初の給水地点ぐらいに達したところだろうか。
この先、長い「上り」に入っていく。一見ゆるやかに見えるが、相当手強い。
ふと気がつくと、思うように進んでいないと感じるようになる。勉強量は圧倒的に増やしているのに、結果がついてこないという時期が必ずおとずれる。
ここを乗り切ることでメンタルの力が蓄えられる。
35㎞地点から一歩前に出て行けるかどうかは、練習と生活の積み重ねにかかっている。
~ ふだんの生活には、二つあります。
一つは、健康管理。もうひとつは、メンタル管理です。
Jリーグ最年長ゴールを決めた横浜FCの三浦知良選手は、「点を取ることより、ベストコンディションで試合に臨めるように健康管理をすることの方が、遥かに難しく、大切だ」とおっしゃっています。
試合での結果は、試合での努力だけでは、出ないのです。
試合での結果は、試合のない日の生活で決まるのです。
「努力は裏切らない」という鉄則は「生活は、裏切らない」ということでもあるのです。
ふだんのメンタル管理とは、たとえば、ふだんから、ちょっとしたことでムッとしないということです。
ふだん、すぐムっとしている人が、試合だけムッとしないようにすることはできないのです。
ふだんでも、ムッとするような出来事は起こります。そのとき、ムッとした気持ちを切り替える自分なりのルーティンを研究することが大切です。すべての人が同じやり方でありません。
せっかくムッとすることが起こったのだから、『こんな風にしたら、気持ちを切り替えることができるかな』と、試行錯誤してみるのが、ふだんのメンタル管理です。 (中谷彰宏「メンタルで勝つ方法」ボウリングマガジン5月号) ~
受験はメンタルも鍛える。いや、鍛えられる勉強をしなければならない。
~ 音楽家ってしあわせな職業だ。人生にひとつも無駄なところがない。つらかったことも、悲しかったりさびしかったりしたことも、人を恨んだことさえも、みんな血肉になる。いいところも、悪いところも、私は私で、私から生まれる音楽はどう転んでも私の音楽だ。立派なところだけじゃなく、駄目なところも含めて、どう生きてきたか、どう生きていくか。 (宮下奈都『よろこびの歌』実業之日本社文庫) ~
「音楽」は、何にでも置き換えることが可能だ。音楽をつくるのも、絵を描くのも、文章を書くのも、その人自身だ。スポーツの試合における一瞬のすばらしいプレーの背後には何千時間、何万時間の蓄積がある。その人の生き方が自然に現れる。もちろん勉強も同じだ。