2学年だより「プレイリスト(2)」
「好きな音楽は?」と尋ねられ、たとえば「あいみょん」と答えたとする。
尋ねた側が喜んで、「わたしも好き、とくに好きな曲は何?」とさらに訊く。
「えっと、マリーなんとかってやつ、なかなかいいよね、他のはあまり知らないけど……。」みたいな人がいたら、この人はあいみょん全然知らないのだろうなと聞いた人は感じるだろう。
「好きって言えるほどでもないけど、毎晩『夜行バス』聴いて寝るかな……」ぐらいだと、意気投合するかもしれない。
(東高の)入試の面接で、趣味・特技の欄に「読書」と書いてある人に、「印象に残っている本を一つ教えてください」と尋ねてみる。一時、ほぼ全員が「ハリーポッター」と答えたことがあった。もちろん何の問題もないが、それほど本は読まない生徒さんなのかなとも感じた。
これまで何をしてきたか。これから何をしたいのか。
大学入試で問われているのは、この二つだ。
推薦入試では、直接尋ねられる。面接で問われたり、事前に書いて提出したり。
事前に提出する「志望理由書」を読み、アドバイスさせてもらうことがある。
たとえば、経済学を学びたい、将来は国際的に活躍したいと書いてある。
今ひとつ具体性に欠ける文章と感じ「いま世界では、どんな経済的な問題がおこっていると思ってますか?」的な質問をしてみる。その答えが、「え?それだけ……」と感じてしまうようなことが多いのだ。そうとう多かった。
中学受験用の「時事問題の参考書」レベルにはるかに及んでいないと思えるほどの。
そのまま添削なしで大学に提出するなら、むしろ「いかに経済学に興味をもっていないか」を証明する書類になってしまう。
面接でも志望理由書でも、そこで呈示するのは、その時点の自分の「プレイリスト」ではないか。
それまでの経験と、これからやりたいことへの希望が具象化されたもの。
実はふつうの試験も、本質は同じと言えるかもしれない。
大学に入って学部の四年間を学べば、学問の入り口ぐらいは経験させてもらえる。
それをするために、このレベルの勉強はしてきてねと入試問題が作られている。
これくらいのことはやってきましたね、これからやりたいことのためには必要ですよと、教えてくれるのだから、そのメッセージをまず読み取らないといけない。
大学に進学し、勉強し、いろんな経験を積めば、自分のプレイリストは、高校のときのそれとは全くちがったものになっていくだろう。次はそれを持って就職活動にも臨むことになる。
ただし、あくまでも自分のプレイリストでないといけない。
自分が心からお薦めできるものをそこに載せないと、伝わらない。
こんな曲聴いてみる? と誰かに言えるようになるのに必要なのは、やはり経験の蓄積だ。
親しくなりたいと思った女子にプレイリストを垣間見られて、「素敵!」と思われるためにも。
「好きな音楽は?」と尋ねられ、たとえば「あいみょん」と答えたとする。
尋ねた側が喜んで、「わたしも好き、とくに好きな曲は何?」とさらに訊く。
「えっと、マリーなんとかってやつ、なかなかいいよね、他のはあまり知らないけど……。」みたいな人がいたら、この人はあいみょん全然知らないのだろうなと聞いた人は感じるだろう。
「好きって言えるほどでもないけど、毎晩『夜行バス』聴いて寝るかな……」ぐらいだと、意気投合するかもしれない。
(東高の)入試の面接で、趣味・特技の欄に「読書」と書いてある人に、「印象に残っている本を一つ教えてください」と尋ねてみる。一時、ほぼ全員が「ハリーポッター」と答えたことがあった。もちろん何の問題もないが、それほど本は読まない生徒さんなのかなとも感じた。
これまで何をしてきたか。これから何をしたいのか。
大学入試で問われているのは、この二つだ。
推薦入試では、直接尋ねられる。面接で問われたり、事前に書いて提出したり。
事前に提出する「志望理由書」を読み、アドバイスさせてもらうことがある。
たとえば、経済学を学びたい、将来は国際的に活躍したいと書いてある。
今ひとつ具体性に欠ける文章と感じ「いま世界では、どんな経済的な問題がおこっていると思ってますか?」的な質問をしてみる。その答えが、「え?それだけ……」と感じてしまうようなことが多いのだ。そうとう多かった。
中学受験用の「時事問題の参考書」レベルにはるかに及んでいないと思えるほどの。
そのまま添削なしで大学に提出するなら、むしろ「いかに経済学に興味をもっていないか」を証明する書類になってしまう。
面接でも志望理由書でも、そこで呈示するのは、その時点の自分の「プレイリスト」ではないか。
それまでの経験と、これからやりたいことへの希望が具象化されたもの。
実はふつうの試験も、本質は同じと言えるかもしれない。
大学に入って学部の四年間を学べば、学問の入り口ぐらいは経験させてもらえる。
それをするために、このレベルの勉強はしてきてねと入試問題が作られている。
これくらいのことはやってきましたね、これからやりたいことのためには必要ですよと、教えてくれるのだから、そのメッセージをまず読み取らないといけない。
大学に進学し、勉強し、いろんな経験を積めば、自分のプレイリストは、高校のときのそれとは全くちがったものになっていくだろう。次はそれを持って就職活動にも臨むことになる。
ただし、あくまでも自分のプレイリストでないといけない。
自分が心からお薦めできるものをそこに載せないと、伝わらない。
こんな曲聴いてみる? と誰かに言えるようになるのに必要なのは、やはり経験の蓄積だ。
親しくなりたいと思った女子にプレイリストを垣間見られて、「素敵!」と思われるためにも。