goo blog サービス終了のお知らせ 

水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

自分の感受性くらい

2021年06月10日 | 学年だよりなど
1学年だより「自分の感受性くらい」


 たくましい幹を育て、いっぱいに葉を広げ、花を咲かせ、実をならせるには、肥えた土が必要だ。
 勉強や部活にがんばる、学校生活の中で仲間と切磋琢磨する、家族を大事にし、社会における他人との付き合い方を覚えていく……。
 これらは、自分という土を肥えたものにしていくための大事な仕事だ。


~ 自分の感受性くらい      茨城のり子

 ぱさぱさに乾いてゆく心を
 ひとのせいにはするな
 みずから水やりを怠っておいて

 気難しくなってきたのを
 友人のせいにはするな
 しなやかさを失ったのはどちらなのか

 苛立つのを
 近親のせいにはするな
 なにもかも下手だったのはわたくし

 初心消えかかるのを
 暮らしのせいにはするな
 そもそもが ひよわな志にすぎなかった

 駄目なことの一切を
 時代のせいにはするな
 わずかに光る尊厳の放棄

 自分の感受性くらい
 自分で守れ
 ばかものよ                ~


 自分の心は、自分で「水やり」しないと、乾いてしまう。
 自分の心に、どうやって水をあげればいいか。それは「汗と涙」だ。
 「汗をかく」。
 一生懸命やること。自分の限界に挑戦すること。他人のための何かをすること。
 「涙を流す」。
 他人の心の痛みを思いやること、負けて悔しい思いをすること。
 本を読み、映画を観、いい音楽を聴き、心打たれて涙を流すこと。
 自分を肥えた土壌にするために、たっぷりの「水やり」をしよう。
 花を咲かせ実をつけることを焦る必要はまったくない。
 早熟ではやばやと結果を出して悠々と余生を送るより、もがき苦しんでなかなかうまくいかなくて、でもいつか大輪の花を咲かせる大器晩成の人生は魅力的だ。生きがいがある。
 では、栄養を与え、光を当て続けると、花は咲きまくるのだろうか。
 種類にもよるが、光を当て続けることで、開花しなくなる植物もある。
 菊の花は、光を当て続けると花が咲かないという。
 光が当たらない時間は、当たっている時間と同じくらい大事なのだ。
 光があたらない時期に、どれだけ「水やり」できるかで、未来の自分が変わる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする