3学年だより「仁禮彩香さん(2)」
株式会社「GLOPATH」が取り扱ったのは、教育モデルの提案だ。
社会や仕事・お金について学ぶ授業プランを作り、各学校に持って行き買ってもらう。学校コンサルの紹介も行う。企業には社員研修モデルの提案に出かける。
会社の仲間は、湘南インタースクール(SIS)で一緒に学んだ仲間達だった。
中学生だから当然みんなアルバイト禁止で、報酬はストックオプション(社員が株式を一定金額で購入できる権利)で支払った。
中高一貫の高等部へそのまま進学した仁禮さんは、母校SISが経営不振に陥っていると知り、買収を決心する。健全経営のための友好的な買収だったと語っている。
中2で起業、高1で母校の買収……。よほど恵まれた環境に生まれたから、こんな人生を過ごせているのだろうと思う人もいるかもしれない。
しかし、父親は一般の会社員で、母親は前号で書いたとおり元幼稚園の先生だ。
中学生の娘が起業したいといったとき、「本気で起業したいなら、応援するよ」と言う父親であったことは恵まれていたと言えるだろう。
何より、小学校が自分に合わない思った時、社会が勉強したいと思ったとき、すぐに大人に相談し行動する力が彼女にあったことが一番の原因だ。
そしてこの日本は、ひとたび自分のやりたいことが見つかったなら、中学2年生でも社会に打って出ることが可能なのだ。
やりたいことはあるけど元手が、人脈が、やり方が、年齢が、環境が……、などと言って踏み出せないのは本人の責任としか言いようがないだろう。
~ 現在の教育コンテンツには、ゴールが設計されていたり、最低基準が一律であったりするものが多いですよね。テストの点数がとれていれば評価され、それ以外は評価されないという極端な仕組みです。もちろん現行の評価軸を撤廃しろと言いたいのではありません。テストが得意な人がいるからそれはそれでいい。ただ、個々人の才能や個性をどう見つけ、どう伸ばすかを考えてつくられているものが非常に少ないことが問題です。
「数学が嫌い」と言う子に「なぜ嫌いなの?」と問いかけてくれる人はいません。ただ先生が嫌いだからなのか、答えが一つしかないという数学の思考回路そのものが合わないからなのか、自分の人生にどう活かせるのかがわからなくて目的が見えてくるまではモチベーションが上がらないタイプだからなのか、それぞれ違う理由があるはずなのに、それを「数学嫌いなんだ。へえ」で終わりにしてしまったら、その子は自分を知ることができません。本来、学校は、一人ひとりに対し、サポーターとして「それはなぜなのか」「どうしたらいい?」「あなたはどう?」と一緒に考えるべき。それが教育の理想なのではないかと思います。(P・F・グジバチ『パラダイムシフト』かんき出版) ~
「時間は有限である」――。これが、仁禮さんがもっとも大切にしている価値観だ。
限られた時間をどう有効に使うかを常に意識しながら、日本の教育のあり方に、そして子ども達の未来に貢献できる仕事をしていきたいと語っている。
株式会社「GLOPATH」が取り扱ったのは、教育モデルの提案だ。
社会や仕事・お金について学ぶ授業プランを作り、各学校に持って行き買ってもらう。学校コンサルの紹介も行う。企業には社員研修モデルの提案に出かける。
会社の仲間は、湘南インタースクール(SIS)で一緒に学んだ仲間達だった。
中学生だから当然みんなアルバイト禁止で、報酬はストックオプション(社員が株式を一定金額で購入できる権利)で支払った。
中高一貫の高等部へそのまま進学した仁禮さんは、母校SISが経営不振に陥っていると知り、買収を決心する。健全経営のための友好的な買収だったと語っている。
中2で起業、高1で母校の買収……。よほど恵まれた環境に生まれたから、こんな人生を過ごせているのだろうと思う人もいるかもしれない。
しかし、父親は一般の会社員で、母親は前号で書いたとおり元幼稚園の先生だ。
中学生の娘が起業したいといったとき、「本気で起業したいなら、応援するよ」と言う父親であったことは恵まれていたと言えるだろう。
何より、小学校が自分に合わない思った時、社会が勉強したいと思ったとき、すぐに大人に相談し行動する力が彼女にあったことが一番の原因だ。
そしてこの日本は、ひとたび自分のやりたいことが見つかったなら、中学2年生でも社会に打って出ることが可能なのだ。
やりたいことはあるけど元手が、人脈が、やり方が、年齢が、環境が……、などと言って踏み出せないのは本人の責任としか言いようがないだろう。
~ 現在の教育コンテンツには、ゴールが設計されていたり、最低基準が一律であったりするものが多いですよね。テストの点数がとれていれば評価され、それ以外は評価されないという極端な仕組みです。もちろん現行の評価軸を撤廃しろと言いたいのではありません。テストが得意な人がいるからそれはそれでいい。ただ、個々人の才能や個性をどう見つけ、どう伸ばすかを考えてつくられているものが非常に少ないことが問題です。
「数学が嫌い」と言う子に「なぜ嫌いなの?」と問いかけてくれる人はいません。ただ先生が嫌いだからなのか、答えが一つしかないという数学の思考回路そのものが合わないからなのか、自分の人生にどう活かせるのかがわからなくて目的が見えてくるまではモチベーションが上がらないタイプだからなのか、それぞれ違う理由があるはずなのに、それを「数学嫌いなんだ。へえ」で終わりにしてしまったら、その子は自分を知ることができません。本来、学校は、一人ひとりに対し、サポーターとして「それはなぜなのか」「どうしたらいい?」「あなたはどう?」と一緒に考えるべき。それが教育の理想なのではないかと思います。(P・F・グジバチ『パラダイムシフト』かんき出版) ~
「時間は有限である」――。これが、仁禮さんがもっとも大切にしている価値観だ。
限られた時間をどう有効に使うかを常に意識しながら、日本の教育のあり方に、そして子ども達の未来に貢献できる仕事をしていきたいと語っている。