3学年だより「仁禮彩香さん」
子ども達に「自らの人生を切り拓く力」を育むための教育プログラムを提供する――。
株式会社「TIMELEAP」の代表取締役である仁(に)禮(れい)彩(あや)香(か)さんは、現在23歳、慶應大学総合政策学部に籍を置いている。
仁禮さんが教育のあり方に疑問を持ったのは小学校1年生のときだった。
元幼稚園の先生の母親が、娘の感性を育ててもらえる幼稚園に通わせたいとあちこち探した結果、自宅から車で1時間かかるインターナショナルスクール幼稚園に入園させることになった。
授業はすべて英語で行われる。先生はつねに子ども達に質問し、一緒に考えようとする。
自分の感情がコントロールできないときは、「Thinking Chair」に座って心を落ち着かせる。
そうして自分で「考える」ことが日常の幼稚園時代を過ごした仁禮さんは、普通の公立の小学校に入ると、ギャップに驚くことになる。
~ 地元の小学校に上がると、「教科書に書いてあるものが答えです」「先生が言っていることが答えだよ」と、答えを与えられるようになって、そのギャップに違和感を覚えたのです。それが「教育って何?」「学校って何だろう」と考えるようになったきっかけでした。 ~
ここに通い続けるのは難しいと感じた仁禮さんは、幼稚園の先生に「小学校も作ってほしい」と頼みにいく。園長先生は、1年でそれを実現してくれた。
1期生6人の新しい小学校がスタートする。そこで再び、「学ぶとはどういうことか」「成長するとはどうなることか」をみんなで考えながら、小学校生活を過ごしていく。学校のテキストは子ども達自身が選ぶ。体育の授業はすべてサッカーの時間で、先生は元Jリーガーだった。
自分が感じた違和感や物足りなさの正体は何かを知りたいと思い、普通の中学校に進学した。
そこで気づいたのは、先生方にも生徒達にも余裕がなく、社会との関わりがあまりに少ないことだった。私は、みんなの「Thinking Chair」になりたい、そのためにどうすればいいか。
まずは社会そのものを学びたい、そして教育のあり方という課題に取り組みたい、それには起業してみるのが一番ではないか。
小学校時代に通っていた合気道の先生に相談に行く。自分の会社を作ると言っていたことを思い出したからだ。起業プランを教えてもらい、出資もしてもらえることになる。
仁禮さんが、株式会社「GLOPATH(グローバス)」を設立したのは中学校2年生の時だった。
~ 以降ずっと、社会に足りていない教育は何か、どういう学びの形をとれば小中高生くらいの子たちにいちばんいい形で作用するのかといったことを常に考え、勉強し、実験しながら、教育の仕組みに関心を持ち続け、主体的に関わっています。教育は若い時期に長く関わるものなので、良くも悪くも、限られた人生の時間をどう使うかに対して大きく作用してしまいますよね。どうせ影響を与えるなら、より良い影響を与える教育の仕組みをつくれたらいいなと思って、取り組み続けています。(P・F・グジバチ『パラダイムシフト』かんき出版) ~
子ども達に「自らの人生を切り拓く力」を育むための教育プログラムを提供する――。
株式会社「TIMELEAP」の代表取締役である仁(に)禮(れい)彩(あや)香(か)さんは、現在23歳、慶應大学総合政策学部に籍を置いている。
仁禮さんが教育のあり方に疑問を持ったのは小学校1年生のときだった。
元幼稚園の先生の母親が、娘の感性を育ててもらえる幼稚園に通わせたいとあちこち探した結果、自宅から車で1時間かかるインターナショナルスクール幼稚園に入園させることになった。
授業はすべて英語で行われる。先生はつねに子ども達に質問し、一緒に考えようとする。
自分の感情がコントロールできないときは、「Thinking Chair」に座って心を落ち着かせる。
そうして自分で「考える」ことが日常の幼稚園時代を過ごした仁禮さんは、普通の公立の小学校に入ると、ギャップに驚くことになる。
~ 地元の小学校に上がると、「教科書に書いてあるものが答えです」「先生が言っていることが答えだよ」と、答えを与えられるようになって、そのギャップに違和感を覚えたのです。それが「教育って何?」「学校って何だろう」と考えるようになったきっかけでした。 ~
ここに通い続けるのは難しいと感じた仁禮さんは、幼稚園の先生に「小学校も作ってほしい」と頼みにいく。園長先生は、1年でそれを実現してくれた。
1期生6人の新しい小学校がスタートする。そこで再び、「学ぶとはどういうことか」「成長するとはどうなることか」をみんなで考えながら、小学校生活を過ごしていく。学校のテキストは子ども達自身が選ぶ。体育の授業はすべてサッカーの時間で、先生は元Jリーガーだった。
自分が感じた違和感や物足りなさの正体は何かを知りたいと思い、普通の中学校に進学した。
そこで気づいたのは、先生方にも生徒達にも余裕がなく、社会との関わりがあまりに少ないことだった。私は、みんなの「Thinking Chair」になりたい、そのためにどうすればいいか。
まずは社会そのものを学びたい、そして教育のあり方という課題に取り組みたい、それには起業してみるのが一番ではないか。
小学校時代に通っていた合気道の先生に相談に行く。自分の会社を作ると言っていたことを思い出したからだ。起業プランを教えてもらい、出資もしてもらえることになる。
仁禮さんが、株式会社「GLOPATH(グローバス)」を設立したのは中学校2年生の時だった。
~ 以降ずっと、社会に足りていない教育は何か、どういう学びの形をとれば小中高生くらいの子たちにいちばんいい形で作用するのかといったことを常に考え、勉強し、実験しながら、教育の仕組みに関心を持ち続け、主体的に関わっています。教育は若い時期に長く関わるものなので、良くも悪くも、限られた人生の時間をどう使うかに対して大きく作用してしまいますよね。どうせ影響を与えるなら、より良い影響を与える教育の仕組みをつくれたらいいなと思って、取り組み続けています。(P・F・グジバチ『パラダイムシフト』かんき出版) ~