学年だより「勉強法(2)」
山口氏の提唱する「7回読み勉強法」とは、ざっと次のような勉強法だ。
1回目の読み … 「見出し」を頭のノートに写していく感覚で、全体像をおおまかにつかむ。
2回目 … 全体像を意識しながらざっと読む。
3回目 … 2回目と同様に軽く読み流していく。
4回目 … キーワードを意識しながら読む。
5回目 … 自分の中でキーワード同士の関係をつなげていく
6回目 … 自分の読み取りが正しいかどうか確認していく。
7回目 … 今一つわかってないところを補足するつもりで読む。
1~3回目の読みで全体像をつかみ、4、5回目で内容を理解し、6、7回目で定着させていく、といった作業だ。ポイントは「繰り返し」にある。
一回目の読みで、いきなり大事なところに線をひき、キーワードをノートにまとめていこうという勉強とは対極にある。
かりに300頁の本でも、一回の読みに費やす時間は30分からせいぜい1時間。一回読んだら、なるべく24時間以内に次の回の読みに向かう。一日一回、一冊のテキストを一週間で7回読む。1日40頁強ずつ一週間読んでも、一週間で読み終わるが、定着の度合いはまったく異なる。
気づいたと思うけど、これは『ユメタン』の学習法と同じシステムだ。
~ 「7回読み」という方法は、どんな適性を持つ人にもフィットする、と述べました。
しかし疑り深い(?)方は、こんな疑問を持たれるかもしれません。
「文章の要旨や本質をつかむセンスがなければ、何回読んでもダメなのでは」
この疑問には、ハッキリ 「NO」とお答えしたいと思います。
「書かれているもの」を理解することは、どんな人にも可能です。
文章は、一見どんなに難解なものでも、意味がありさえすれば、必ず理解できるものです。7回でダメなら10回、10回でダメなら20回読めばいつかはわかります。
そう、センスや才能ではなく、回数の問題なのです。
確かに、難解な文章を一読しただけですぐに要旨をつかめる人なんて、おそらくほとんどいません。この章の冒頭でお話ししたとおり、「天才」はほとんどいないからです。難解な文章を一読しただけで、要旨をつかんでいるように「見える」人。それは読解のセンスというよりも、活字、特にその分野に関する著作をどれだけ読んでいるかという経験に負うところが大きいように思います。活字に触れれば触れるほど、反応は速くなっていくのです。 (山口真由『東大主席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』PHP研究所) ~
網羅的に書かれた本を読み、暗記し、再現していくことが求められるのが受験勉強だ。
本に書かれた内容をつかんだうえで問題点を指摘し、それを批判しながら自分の説を確立していく学問的勉強とは異なる。
読んでわからなければ、10回でも20回でも読めばいいという、才能ではなく努力がすべてを制する勉強が大事だと山口氏は言う。