東日本巨大地震に伴う原子力発電所の事故に関し、世界各国が日本の対応を注視している。
安全性への信頼が高かった日本で事故が起き、深刻さを増していることで各国は不安を
募らせている。原発を保有している国や、これから推進しようとしている国で情報収集を急ぐとともに、
国内政策を点検する動きが広がっている。
【ブリュッセル=瀬能繁】メルケル独首相は15日、1980年までに建設された旧型の7基の
原子力発電所の稼働を一時停止すると発表した。「安全性がすべてを優先する」と指摘。
前日に原発の稼働期間を延長する考えを見直すと表明しており、再検討する3カ月以内に
廃炉にするかどうか決める見通し。
欧州連合(EU)は同日、緊急会合を開き原発の安全基準の見直しを含む対応策の検討に
入った。事故拡大が報じられるなか「日本政府から詳細な情報提供を受けていない」(EU筋)
こともあり、欧州の政策当局者の間では不安が先立つ。
エッティンガー欧州委員(エネルギー政策担当)は同日、「予測できる将来において、
原子力を持たずにエネルギー需要を満たせるかという問題を提起しなければならない」と語った。
ドイツ出身の同委員は原発推進派といわれてきた。
オーストリアのベルラコビッチ環境相は、欧州全域の原発の耐震性能を一斉点検する
「ストレステスト」の実施を提案。欧州議会のライネン環境委員長(中道左派)も「欧州の
原子炉の安全基準を再点検する必要がある」と支持した。
駐日フランス大使館は15日午前、福島第1原子力発電所の事故を受け、在日フランス人に対し
「約10時間後には弱い放射性物質が東京に到達する可能性がある」と説明。「できるだけ
目張りをした家屋の中にとどまるように」とパニックにならないよう呼び掛けた。
【ハノイ=岩本陽一】アジアで事故を深刻視する動きが目立ち始めた。電力不足解消へ
原発推進を計画しているベトナムでは、同国の最高指導部である政治局のメンバーが14日、
谷崎泰明駐越大使から日本政府と東京電力の対応などを聞いた。
原発建設の事業主体ベトナム電力公社(EVN)の担当者は日本経済新聞に「(政府から)
計画見直しは指示されていない」と述べているが、国会議員の中には日本企業が建設する
原発計画の安全性への懸念も聞かれるという。
ニュース配信の有力サイト、ベトナムネットは「(事故が)日本の原発輸出に影響を与える
可能性がある」との専門家コメントを掲載。日本企業が同国で計画中の原発建設プロジェクトに
影響を与えかねないと指摘した。インターネットでは「放射性物質が(東南アジアに)拡散し、
雨と一緒に降り注ぐ」という書き込みも見られる。
ソース(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C889DE0E7E3E0E1EAE4E2E3E4E2E1E0E2E3E39494EAE2E2E2;at=ALL
各国もエネルギー対策に直結するだけに注視せざるをえないだろう。
正直なところ、これだけ制御が難しいと原発の導入を見合わせるところは続出するかも・・・。
安全性への信頼が高かった日本で事故が起き、深刻さを増していることで各国は不安を
募らせている。原発を保有している国や、これから推進しようとしている国で情報収集を急ぐとともに、
国内政策を点検する動きが広がっている。
【ブリュッセル=瀬能繁】メルケル独首相は15日、1980年までに建設された旧型の7基の
原子力発電所の稼働を一時停止すると発表した。「安全性がすべてを優先する」と指摘。
前日に原発の稼働期間を延長する考えを見直すと表明しており、再検討する3カ月以内に
廃炉にするかどうか決める見通し。
欧州連合(EU)は同日、緊急会合を開き原発の安全基準の見直しを含む対応策の検討に
入った。事故拡大が報じられるなか「日本政府から詳細な情報提供を受けていない」(EU筋)
こともあり、欧州の政策当局者の間では不安が先立つ。
エッティンガー欧州委員(エネルギー政策担当)は同日、「予測できる将来において、
原子力を持たずにエネルギー需要を満たせるかという問題を提起しなければならない」と語った。
ドイツ出身の同委員は原発推進派といわれてきた。
オーストリアのベルラコビッチ環境相は、欧州全域の原発の耐震性能を一斉点検する
「ストレステスト」の実施を提案。欧州議会のライネン環境委員長(中道左派)も「欧州の
原子炉の安全基準を再点検する必要がある」と支持した。
駐日フランス大使館は15日午前、福島第1原子力発電所の事故を受け、在日フランス人に対し
「約10時間後には弱い放射性物質が東京に到達する可能性がある」と説明。「できるだけ
目張りをした家屋の中にとどまるように」とパニックにならないよう呼び掛けた。
【ハノイ=岩本陽一】アジアで事故を深刻視する動きが目立ち始めた。電力不足解消へ
原発推進を計画しているベトナムでは、同国の最高指導部である政治局のメンバーが14日、
谷崎泰明駐越大使から日本政府と東京電力の対応などを聞いた。
原発建設の事業主体ベトナム電力公社(EVN)の担当者は日本経済新聞に「(政府から)
計画見直しは指示されていない」と述べているが、国会議員の中には日本企業が建設する
原発計画の安全性への懸念も聞かれるという。
ニュース配信の有力サイト、ベトナムネットは「(事故が)日本の原発輸出に影響を与える
可能性がある」との専門家コメントを掲載。日本企業が同国で計画中の原発建設プロジェクトに
影響を与えかねないと指摘した。インターネットでは「放射性物質が(東南アジアに)拡散し、
雨と一緒に降り注ぐ」という書き込みも見られる。
ソース(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C889DE0E7E3E0E1EAE4E2E3E4E2E1E0E2E3E39494EAE2E2E2;at=ALL
各国もエネルギー対策に直結するだけに注視せざるをえないだろう。
正直なところ、これだけ制御が難しいと原発の導入を見合わせるところは続出するかも・・・。